STARWARS スターバードとニューオーダー 二つの翼 作:バケツ頭 小説もどき家
【ヘイル】
ヘイル・アディソンはナブーの貴族の家系に生まれた女性である。父親のデレクはナブー保安軍の一員であり、彼はナブー危機の際で功績を上げた者の一人であった。彼と彼の部下達は女王率いるレジスタンスがシードで作戦を開始したのとほぼ同じ頃、ニューセントリフで占領軍を襲撃し、多数の捕虜を通商連合の手から解放したのだった。この時、OOM-9の部隊に加わるはずだったAATの一部とバトルドロイドの一団がニューセントリフに投入されたことが確認されており、一部の戦術家はニューセントリフの動きがなければグンガン軍の敗走はより早まっていただろうと結論づけている。アディソン家は先代たちの浪費とスキャンダルで名声と資産を失っていたが、ナブー危機での活躍によって名誉を取り戻し、デレクはパルパティーン議員のボディガードの一人として抜擢される事になった。
少女時代、ヘイルは彼女と彼女の妹ファマは親友のノーラ、ガルダと共に星間旅行に出かけた。コルサントを目的地にしたこの旅は安全なはずであったが、時はクローン戦争終盤。彼女達は図らずもコルサントの戦いに巻き込まれてしまう。ガルダの父親がターボレーザーの閃光で意識を失った際、彼女はクローンの援護を受けながらボロボロの貨物船を操縦し、親友達の命を救った。ヴェネター級に格納されるまでの短いフライトであったが、この出来事はヘイルの心に深く残り、彼女は小さい頃から積み上げてきた知識が無駄ではなく、自分の夢が現実となり得るかもしれないと思うようになった。
共和国が帝国に再編された時、ヘイルは父親の仕事の関係で生まれ故郷を離れ、家族と共にコルサントに移住した。ジュニア・アカデミーを優秀な成績で卒業した彼女は帝国アカデミーに入るまでの間、民間の教育機関に入学し、そこで親友のガルダとノーラと再会した。三人は再会を喜び合い、可能な限り一緒に行動した。
特にガルダとの関係は友情を越え、二人はいつしか強い男女の絆で結ばれるようになっていった。父親が良い顔をしないのは明らかだったが、二人は軽率な行動を慎みながらも愛を育んだ。もし、この当時少しでも二人の関係がデレクに露見していたならヘイルとガルダは強制的に別れさせられていただろう。
帝国宇宙軍アカデミーへ入学したヘイルはトントン拍子にTIEパイロットへの道を進んだ。彼女は在籍途中で専門のフライトアカデミーに転校となり、そこでパイロットとしての技術を高めた。タラと出会ったのもこのアカデミーだ。二人は実力が近く、ヘイルは敬意をもって、タラは敵意を剥き出しにしてライバルに接した。タラは実力でライバルを負かすことに躍起となり、それが叶わないと分かるとヘイルを蹴落とす事に必死となった。
二人の関係性が劇的に変わったのは深宇宙でのフライト訓練の時だった。訓練部隊が反乱勢力の襲撃を受けた際、タラの乗るTIEが被弾。彼女は氷の惑星に不時着してしまう。ヘイルは本隊が撤収する中、ライバルを助けるために地表へと着陸し、救援が来るまでの数日間をタラと共に過ごすのだった。命を救われたタラは、教官から独断行動と命令違反を叱責されたヘイルを庇い、彼女に感謝した。それ以来二人は休憩時間を一緒に過ごす仲となり、タラは決してライバルを悪く言う事はなかった。
順調に思えた二人だが、その全てを引き裂く出来事が起こった。タラの両親が反逆行為で捕まり、殺されたのだ。当初から帝国に疑問を抱いていた彼女は兄弟からのホログラム通信で両親の逮捕を知らされると激しく怒り、当局が自分を拘束する前にアカデミーからの離脱と帝国への反逆を決断。自分を拘束しにやってきたトルーパーを殺すと、現場に出くわした親友に想いを打ち明けたのである。
ヘイルは親友の身に降りかかった悲劇に同情した。だが、彼女は帝国を離反し、共に戦おうというタラの誘いを断った。ヘイルを説得できないと悟ったタラはスタンで彼女を気絶させると、シャトルを奪ってアカデミーを脱出。銀河に飛び立ったのだ。
アカデミー卒業後、ヘイルは第一線の戦闘部隊に配属される。彼女は海賊や反乱分子との小競り合いで戦果を挙げ、着任から僅かな期間で隊長お気に入りのパイロットの一人となった。オルデランが破壊された事実が明るみになった日、ヘイルは眠ることができずに泣き続けた。もしも、隊長が教官からの指摘を考慮し、彼女の『良心』を認識していたなら、その弱さが災いをもたらす前にヘイルを部隊から追い出していただろう。
オルデラン難民を乗せた輸送船を故意的に取り逃がした時、彼女の軍事キャリアは窮地に立たされた。部隊を追い出された彼女に再起の道は残されていないと思われた……。
【ヘイスティン】
学生時代をグラヴ=ボールに費やし、青年時代に時間と金をギャンブルで溶かした彼は間違いなくヴァルゼン家の問題児だった。彼が実家の金を頼りに戻ってきた時、彼の父親グラードスは息子に勘当か再教育の道を歩むかの選択を迫った。放浪するにしても金が全くなかったため、ヘイスティンは再教育の道を歩む事を選ぶしかなかった。グラードスはさっそく息子を帝国アカデミーに蹴り入れ、卒業を強制した。周囲の予想に反してヘイスティンはアカデミーを無事に卒業し、帝国軍へ入隊する道を選んだ。TIEパイロットとなった彼は父親の指揮する艦隊に転属させられ、スターデストロイヤー『トニトルス』の戦闘機大隊を指揮することになった。
彼のリクルート方針はジャンク品を漁るスカベンジャーと同じ理屈だった。彼は試験に合格したてのパイロットや煌びやかな軍歴を持つパイロットではなく、優秀だが何らかの問題を起こして軍から追い出される寸前の者を積極的に勧誘していた。これなら人員の奪い合いをする必要もコネを使う必要もなく優秀なパイロットを引き込める。
彼の指揮する部隊の中でレクス中隊は特別だった。選りすぐりのパイロットを集めたこの部隊はドッグファイトから地上工作でも何でもこなすことができる便利屋であり、ヘイスティンお気に入りの中隊であった。
彼等の個性と独立心は柔軟な作戦行動を可能とし、数々の困難な任務を成功に導いた。