祈梨のヒーローアカデミア   作:黄昏の跡地

2 / 5

トリニティsideもそうだけどこっちもカキカキせねば


遭遇

 

放課後……特にこれと言ったトラブルは起きることなく初日を終えることが出来た

 

「ふぅー……やっぱ簡単だなぁ」

 

祈梨がそう零すのも無理はなかった、なにせ寺子屋で教師を務めている上白沢慧音は勿論のこと自身の母の恩師でもある八意永琳や紅魔館のパチュリー・ノーレッジらの指導の元学力にはそこまで困ることは無くなっており事前にやっていた雄英の模試はA判定を叩き出したりとかなり学力が上がっていた

 

「ん?ヒーローノート?」

 

「あっ……えと……これは」

 

「ちょーっとみーせて……おお凄い事細かに書いてる」

 

ふと後ろを振り返ると同期の緑谷出久が机に出していた【ヒーローノート】と銘打たれたルーズリーフに目が着いた、軽く断りを入れてから中を覗くとメジャーなヒーローからマイナーなヒーローまで事細かに分析された形で1ページ分丸々使われていた

 

ある程度見進めていると自身の母のページが書かれていた……が

 

「ありゃ白紙だ」

 

「うん、その人マウントレディと同時にデビューしたでしょ?でも個性もいまいち分かってないし色々と不可解な所も多くて書こうにも書けなくて」

 

「……じゃあ教えよっか?私のお母さんだし」

 

「えっ!?そうなの!?」

 

折角……というより偶発的なものと言った方が認識としては合うだろう、ということで色々と説明をすることとなった。使用する道具類や個性、戦い方、普段のスタイル等……話していくうちに楽しくなっていったが近付いてくる気配に気付かなかった

 

「あっ!」

 

「おいコラクソデクまだ話は終わってねぇぞ」

 

「ボンバーヘッドくん何さ、私ら話してる最中に乱入してくるってどういう神経してんのさ」

 

「はっ!てめぇにゃ用ねぇんだよ!」

 

そういいながら爆豪は手元にあったヒーローノートを奪うと直ぐに爆破した……いやええ……果たしてこれがヒーローを志している者がする所業なのだろうか?とチベットスナギツネを彷彿とさせる目でそう思わざるをえなかった

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

帰り道……

 

 

 

「緑谷くんさぁせめて抵抗するとかそういうのしたら?」

 

「無理だよ、僕無個性だし」

 

「個性があるだの無個性だの関係ない、ぶん殴れば良いじゃん」

 

「流石にそれは強引が過ぎない!?」

 

指定された場所を調べると緑谷くんと家の方向がたまたま同じで一緒に帰ることになった、途中で別れることにはなるけどそれでも一緒なのは

何かの偶然なのだろうか?

 

「て言うかヒーロー目指してるって言うなら筋トレの一つや二つくらいしたらどうなのよ?今からじゃ間に合わないわよ?」

 

「あっ……」

 

「……はぁ、志だけでヒーローはなれないよ?」

 

「……そう……だよね、身体能力が高くなければヒーローは勤まらないもんね」

 

諦め気味……聞いた話を加味しても4歳時点で叩き付けられた現実から目を背けたくて今があると言えなくはなかった、私も似たような物だった……【無個性】と診断されながらも【程度の能力】を保有している異質さは他の子からの迫害の対象になる可能性があり【個性】と偽り今があるのだから

 

「(身体能力は勿論知識なんかは外付け、個性なんかあった所で日常生活が面倒くさくなるだけだ……特に異形系は)」

 

ぼんやりとそんなことを考えていると後ろの方から水の音が聞こえた……街中故に川の音ではなく下水から聞こえた、下水から?明らか地上より下にある下水から水の音?不穏にそう思っているとその正体がわかった……出てきたのは流動体のヘドロのような姿をした異形の人だった

 

「Mサイズのミノが……2人……ひひ、運がいい!」

 

「緑谷くん!逃げ、ひゃっ!?」

 

そう叫んだヘドロの人は逃げることを促そうとした私を押し退けて緑谷くんの方に張り付いた、張り付かれた緑谷くんは苦しそうにもがいている……その姿を見て私は動かなきゃいけないと自己判断し腰に着けているポーチから【風】と【光】と書かれた御札を取り出しヘドロの前にかざす

 

「あ?何するつもりだ?ちょっと待ってろお前も直ぐに楽にしてやるからさ」

 

「吹き飛びなさい!」

 

「ぐっ!?おあぁぁぁぁぁ!!??目……目がぁ……!あぁ!」

 

「ぶはっ!?はぁ……はぁ……ありがとう」

 

圧倒的な強風と強い光を浴びせて緑谷くんからヘドロ男を引き剥がしつつこっちに寄せる……良かった助けれた

 

補足説明にはなるがこれは所謂【霊術】と呼ばれるものだ、博麗家が代々受け継ぎ続けている【個性に頼らない戦闘方法】で幾つもの使い方がある……今回使ったのは霊力次第では暴風を起こせる【風】と下手をしたら失明する程の光量を放てる【光】の御札だ

 

「今のうちに逃げるよ!」

 

「うっ……うん!」

 

「っんのクソガキャぁ!」

 

復帰したのか瞬時に私たちにヘドロを殺到させてくる男……しかし私は聞き逃さなかった

 

「もう大丈夫だ少年少女!何故って?」

 

全てに等しく安寧と平和を授け颯爽と駆け付ける皆のスーパーヒーローの声を……

 

私が来た!

 

たった一撃……たった一撃で私たちを飲み込もうとしていたヘドロ男を同じくマンホールから飛び出したヒーロー……【オールマイト】によって吹き飛ばされ瞬時に手に持っていたペットボトルに封入した……はっ早技だ

 

「あ……ありがとう……ございます、助かりました」

 

「HAHAHAHA!!!!なぁに礼は要らんさ!……む?」

 

隣をみると緑谷くんが限界化していた……こんな所でオタク拗らせないでよ、オールマイトは……サインを呑気に書いてどうするのさ!?

 

「……って!どこ行くのよぉー!緑谷くぅーん!?」

 

あれやこれやと脳の処理がようやく追いついたと思ったらいつの間にかオールマイトにしがみついて一緒に何処かへとすっ飛んでいった……

 

「……んもぉー!しょうがないわね!」

 

そう文句を言いつつ飛んで行った方向に向かって飛行を始める……オールマイト飛ぶ速度早くない?いやまあ遅れて飛んでっているから仕方ないことだけれども常人がこんな速度で飛べるの?

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「やっと追いついた……もぉー緑谷くん!オールマイトの邪魔しちゃ駄目でしょ!」

 

スっと降りたビルに辿り着いた私は緑谷くんにお叱りの声を上げる、て言うかよく見たら私服だしプライベートじゃんオールマイト余計邪魔しちゃいけない時間だったでしょ

 

「あっ……ごめん……って!博麗さんどうやって追っかけて来たの!?」

 

「どうって……普通に空飛んで」

 

「普通の人間は空なんか飛べないんだよ!?」

 

「飛べるでしょ……逆に飛べないの?」

 

オールマイトそっちのけでプチ口論開始、人間努力したら飛べるのは私が実証してはいるけど正直こっちの人間が飛べない方が吃驚してる。

 

「ゴホッゴホッ!」

 

「「ん?……わぁー!?骸骨ぅ!?」」

 

突然咳が聞こえたと思ってその音の方向をみるとオールマイトがいた場所に煙が立ち込めており出てきたのはガリガリに痩せて喀血している骸骨みたいな人だった……え?あれオールマイトなの?

 

 

 

 

 

 

 

 

説明受け中……

 

 

 

 

 

 

 

「……呼吸器官半壊に胃袋全摘、それに伴い個性並びに活動時間は僅か3時間……ですか」

 

「ああ、昔ならもっと長くは動けたが今がこのザマだ……8年前のあの時と比べたらな」

 

8年前……丁度私とお母さんが会った時の時期だろうと半ば確信をしていた、それ程の傷を負わせるほどの敵が出現していた事に驚愕すれど治す手立てがある事が直ぐに脳裏に過ぎってしまった……なんでって?紅魔館の魔術工房と永遠亭の信頼感から来てます

 

「オールマイト、一つ例え話なのですが」

 

「なんだね?少女よ」

 

「もしその損壊した内蔵と活動時間が元通りになると言われたらどうします?」

 

「……考えたこともないな、だが答えとして出すとするならあまりにも非現実的過ぎるというのが私の答えだ。」

 

「いい事教えて上げますよオールマイト……私たちの非常識は常識なのです、願えば治して貰えますし学べる環境も用意してくれる、食べることにも眠ることにも住むことにも全てにおいて非現実は現実になるんです。それは」

 

 

 

─── 私の母……博麗霊華が教えてくれました───

 

 

 

「っ!?」

 

「?」

 

オールマイトは目を見開いた……それもそうだろう、1度聞いた名前は忘れないと言うのはオールマイトの癖の一つでもあるからこそこの名前を出す必要があった

 

「君は……一体」

 

「申し遅れました、私”裏”の博麗神社の巫女を務めている博麗祈梨と申します。此方に来たのは母の所用で移ってきただけですのでお気になさらずに」

 

スカートの裾を軽く摘みつつお辞儀をする……スカーレット家のメイドさん達に沢山礼儀作法叩き込まれたからこそなのか割と癖でできるようになったけど和の巫女が洋の作法をするのって正直どうなんだろう?

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

「……分かりきってたでしょ?無個性じゃ限界あるって」

 

「……でも」

 

「でももクソもないわよ……身体を鍛えてたらもしかしたらワンチャンあっただろうけどね」

 

あの後緑谷くんの質問を聞いていた、身体もろくに作っておらずただヒーローに憧れているってだけの精神でここまで来ただけの彼にとっては辛い現実でしかないのは理解に及ぶ……然しながらオールマイトの言っていたこともまた正しいことだ【ヒーローとは常に命懸けで危険】、それはオールマイトが身を持って証明してくれていたからだ

 

「そういえば商店街になんか人集りが出来てるわね」

 

「……」

 

そう言うと結局見に行くことになった……虚しいだけなんだろうがそれでもやっぱり諦めきれないんだろう

 

「(……っ!?ヘドロの敵!?さっきの!?……つまりあの時におっことしたんだ……どうする?個性を使わずにとっ捕まえるにもこの狭さはあまりにも危険すぎる)」

 

そんなことを思案していると……捕まっているやつの顔が見えた、あの爆発くんだった

 

「っ!?ちょっ……緑谷くん!?」

 

悲痛そうな顔が見えた途端緑谷くんは駆け出していた、ヒーローの静止を無視し突っ込むその姿は……あまりにも

 

 

「……全く、ヒーローしてるわね!」

 

「おい!もう一人飛び出したぞ!」

 

「危ねぇぞ!自殺願望者かよ!」

 

緑谷くんがリュックを敵に向かって投げつける、それと同時に私はお祓い棒と陰陽玉、御札を取り出して臨戦状態になって弾幕を張ってより時間を稼ぐ

 

「かっちゃん!」

 

「ぶはっ!んでてめぇが!」

 

「分からないよ!……でも、君が……助けを求める顔をしていたから」

 

個性があったらヒーローの素質があったろう……所謂自己犠牲的精神、それを彼は持ち合わせていた

 

「もう少しなんだよ!邪魔すんじゃねぇ!」

 

「それはこっちのセリフよ!貴方が邪魔しないでよ!【ベクトル操作 反転】!」

 

振り下ろされかけた腕の力のかかりを反転させて後ろに下げさせつつ邪魔をする、後は風で飛ばしてしまえばこっちのものよ!

 

「祈梨!合わせなさい!」

 

「っ!お母さん!?」

 

上からこんにちはお母さん、既にスペルカードの準備は出来てるっぽいので私も同じのを出す……お母さんとの共同作業は久々かな?

 

「「吹き飛びなさい!スペルカード発動!【霊符 ゲイルストーム】!!」」

 

風属性の霊符を使いヘドロ敵を吹き飛ばす……オールマイトがスっと出てきて2人を回収してたお陰でか2人も巻き込んで吹っ飛ぶことなくヘドロ敵だけを吹き飛ばすことに成功した……何とかなってよかったぁ

 

 

 

 

 

その後……

 

 

 

「全く君たちは!危ないことはしちゃダメだろ!」

 

ヒーローにお叱りを受けていた……いや

 

「相性云々で手をこまねいていた人に言われたくないんだけど?」

 

「言うようになったわね祈梨、その調子よ」

 

「アルケミスト褒めるな!?て言うか自分の娘なんだったら言い聞かせろよ!」

 

「事実なんだから言い聞かせる必要性が何処にあると?彼のアフターケアをろくにせずこの子達を叱るのもどうかと思うし相性どうのこうのでモタモタしてた貴方たちよりこの子達の方がよっぽどヒーローをしてたわよ?ね?オールマイト」

 

「ああ、私もそう思うよ」

 

……お母さん、こうは言ってるけどどうせ家に帰ったらああだこうだとお叱りするんだろうなと思いつつ家に帰ることになった。ちなみにヘドロ敵はお母さんが1箇所にスっと固めて回収したお陰でスムーズに後処理が出来るようになった……霊術ってホントこういう時便利よね





祈梨ちゃんの能力が何処ぞの一方通行さんと似たような感じなんで発動時は大体ベクトル操作+かけ方を宣言して行います

そしてやたらと便利な霊術よ……一重に自分の母親が万能なのがいけないよ


次回は一気に飛ばして試験日行きます、お楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。