ポケモンバトルランカーズ〜クソゲーハンターの挑戦〜   作:マロニエ19号

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初バトルと初ゲット

「やぁ、君もこの塔に挑戦に来たんだね? 早速だけど、僕とポケモンバトルをしないかい?」

 

入っていきなり、一人のトレーナーに勝負を挑まれた。俺みたいに頭上にプレイヤーネームが出てこないことから、このトレーナーはNPCで、所謂チュートリアル戦ってやつだな。それなら大丈夫だろう。もしも他のクソゲーだったら、ここで受け答えを間違えると理不尽な目に遭ったりするのだが、ここはポケモン様を信じよう。きっと大丈夫だ。

 

「いいぜ、バトルしよう」

 

俺がモンスターボールからチコリータを出すと、NPCトレーナーはニカッと楽しそうな笑顔を浮かべた。

 

「そうこなくちゃ!」

 

初心者トレーナーのステップニーが勝負を仕掛けてきた!

 

「行ってこい、イシツブテ!」

 

ステップニーが出したのは岩・地面タイプのイシツブテだ。

 

「チコリータ、俺達にとってこれが初陣だ。エンジョイを忘れずにやっていこうぜ!」

「チコ!」

 

チコリータは、元気に頭の葉っぱを振り回している。チコリータのステータス画面から、どんな技が使えるかを確認する。使える技は“たいあたり”、“なきごえ”、“つるのムチ”の三つだけだ。最初だしそんなものだろう。ステップニーがイシツブテに指示を飛ばした。

 

「イシツブテ、“まるくなる”から“ころがる”だ!」

 

イシツブテは体を丸めると、勢いよくチコリータに向かって転がり出した。

 

「チコリータ、かわすんだ。それから“なきごえ”!」

 

チコリータは俺の指示に従い、イシツブテを躱し、鳴き声を上げる。おぉー凄い、こんなアニメみたいなバトルができるなんてな。なんか心に来るものがある。

 

チコリータの“なきごえ”でイシツブテの攻撃力が弱まったものの、イシツブテは変わらず暴走し続けている。

 

「“つるのムチ”!」

「チコッ!」

 

首回りからつるを伸ばして、イシツブテに叩きつける。それにより、イシツブテはバランスを崩して、“ころがる”が解除された。ステップニーはすかさず指示を飛ばす。

 

「イシツブテ、“ロックブラスト”!」

「ラッシャイ!」

 

イシツブテは無数の岩の塊を発射する。それらがチコリータに向かって飛んでくる。

 

「よく見て躱すんだ!」

「チッコ!」

 

チコリータは、冷静に岩を見て避けていく。その時、チコリータが避けたことで“ロックブラスト”の流れ弾が俺に飛んできた。

 

「うぉっ、危ねえ!」

 

間一髪でそれを躱わすが、普通にプレイヤーにもダメージが通りそうな攻撃だった。俺の名前の横にチコリータと同じようにHPゲージがあるのが見えた。嘘だろ、まさかポケモン達の攻撃ってプレイヤーにも通るのか? その答えを示すかのようにステップニーが言った。

 

「ポケモンバトルというものは、ポケモンだけが戦うんじゃない。トレーナーとポケモンが一体になって戦うんだ」

 

つまり、このバトルの間、プレイヤー(俺達)も影響を受けるってことか! だがまぁ、これくらいどうってことないけどな! こちとらもっと理不尽なクソゲーを乗り越えてきてんだ。これくらい屁でもないね!

 

「チコリータ、次で決めるぞ! 接近して“つるのムチ”!」

「チッコ!」

 

チコリータは渾身の一撃を決めて、イシツブテを下した。イシツブテは小さくなって消滅し、ステップニーのボールに戻っていった。バトル終了だ。俺もチコリータをボールに戻す。ステップニーは悔しそうな表情を浮かべつつも、俺達を讃えてきた。

 

「良いバトルだったよ。ここから先は、僕以上のトレーナー達が君を待ち構えている。険しい道になるだろうけど、頑張って!」

「ああ、ありがとう」

「それと、これは僕からの選別だ。役立ててくれ」

 

ステップニーがそう言うと、俺のアイテムボックス欄にあるものが追加された。モンスターボールときずぐすりだ。そして、ランキング表が現れた。俺は最下位の1987位だ。最初のフロアなこともあって結構プレイヤーが多いな。だが次のフロアに行くには、このランキングのトップであるボストレーナーに勝たないといけない。かなりの数だが、やってやれないことはない。勝ち上がってみせるぜ!

 

 

 

ステップニーとのバトルを終えた後、俺は新しい手持ちを増やすのと経験値稼ぎのため、ワイルドゾーンに入り浸っていた。

 

「チコリータ、“はっぱカッター”!」

「チーコッ!」

 

ポケモンのレベル上げは、基本的にワイルドゾーンで出てくる野生ポケモン戦でしか上げられない。トレーナーバトルでは、ポケモンのレベルは統一されるのだが、レベルは上げないと新しい技を覚えさせることも進化させることも出来ないのでポケモンのレベル上げは必須だ。それに、手持ちもチコリータだけでは心許ない。最低でも三匹は手持ちに入れておきたい。何回かバトルしてある程度、チコリータのレベルも上がって新技も覚えたし、そろそろ新メンバーを捕まえていこう。

 

今戦っていた骨を被ったポケモン、カラカラに狙いを定めてモンスターボールを投げる。カラカラはボールに吸い込まれ、三回程揺れた後、ポカンという音が鳴る。カラカラ、ゲットだ。俺の腰のベルトに今ゲットしたカラカラのモンスターボールが現れる。

 

「ふぅ、やっとチコリータ以外のポケモンをゲットできた。それにしても、意外とモンスターボールを投げるのも難しいもんだな。動き回ったり、攻撃したりしてボールを台無しにしてくるから全然当たらないし」

 

ゲームに出てくるポケモントレーナーって投球練習してないとまともにポケモンを捕まえられないだろうな。さっきのステップニー戦で貰ったモンスターボールも残すところあと一個しかない。その時、今度は水色の象みたいなポケモンが現れた。ゴマゾウだ。

 

「よし、今度はあのポケモンをゲットしてみるか。チコリータ、頼む」

「チコ!」

 

チコリータの猛攻で、あっという間にゴマゾウを弱らせると、モンスターボールを投げる。だが、モンスターボールはゴマゾウではなく、地面から突然現れた別のポケモンに当たってしまい、そのポケモンが代わりにボールに入ってしまった。まだ体力を減らしていなかったのだが、ボールはあっさりポカンという音と共に俺の腰に収まった。ゴマゾウはその隙に、どこかに逃げてしまった。

 

「嘘だろ? 俺は何をゲットしたんだ?」

 

今ゲットしたポケモンを確認すると、白い四足歩行の虫みたいなポケモンだった。名前はツチニンというらしい。何か弱そうだけど、戦えるのかこいつ。

 

「まぁ、ゲットしちゃったものは仕方ないか」

 

ひとまず俺はこのチコリータ、カラカラ、ツチニンでパーティを作ることにした。トレーナーバトルで試してみるか。

 

「ラッシャイ!」

「ん?」

 

その時、イシツブテが出てきた。だが、さっき戦ったやつと色が違う。金色だ。

 

「えっ、マジかよ!? 色違い!?」

 

色違いって凄く珍しいはずだ。さっそくゲットを……って。

 

「しまったああぁぁ! モンスターボール、さっきので使い切ったんだったぁぁぁ!!」

「ラッシャイ!」

「え?」

 

イシツブテが俺の懐に飛び込んできて、もしかして懐いてくれたのかなというほんの一抹の希望を抱いたのも束の間、イシツブテの体が光り始めた。進化の光とはまた違った破滅の光だ。

 

イシツブテの“だいばくはつ”!

 

……このタイミングで激レアを出すなんて、やっぱ乱数はクソだな。そんなことを思いながら、自分のHPゲージが全損するのを眺めるしかなかった。それと同時に目の前が暗転した。

 

サンラクは目の前が真っ暗になった!




ちなみに、チュートリアル戦では最初のポケモンに合わせて戦うポケモンが変わる仕様となっています。

炎タイプのポケモンを選んだら草・虫タイプのパラスに、水タイプなら炎・地面タイプのドンメル、草タイプならイシツブテ……という具合です。
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