ポケモンバトルランカーズ〜クソゲーハンターの挑戦〜 作:マロニエ19号
我ながら酷いタイトル……
俺なりにポケモン達を鍛え直した後は片っ端からバトルを挑んでランキングを駆け上がっていった。俺は今、フロアⅡのボストレーナーに挑んでいた。
「ベイリーフ、“はっぱカッター”だ!」
「ベイ!」
至近距離からベイリーフの攻撃を浴びて、やっとのことで相手のギャラドスを倒した。これで俺の勝ちだ。
「いやぁ、参った参った。まさかアタシの水ポケモン達を倒すとはね~」
そんなことを言いながら、ボストレーナーの少女は右手を差し出す。俺も素直に右手を出して、彼女と握手を交わした。
手強い相手だった。ニョロトノとギャラドスを使っていたが、雨を降らせて視界を悪くしてきたり、強力な水技を使ってきたり、逃げても
ノボリカッツォは、もう既に次のフロアに行っていることだろう。
俺もグズグズしてられないな。カッツォのドヤ顔が浮かんでイラッときた俺は足早に階段を上っていく。
ーーーーーーーーーー
「よっし! やっと進化した!」
「ガラ!」
フロアⅢに入って、しばらく野良バトルをしていたら、カラカラがようやく進化した。知っての通り、ポケモンを進化させるには、一定のレベルまで上げる必要があるのだが、フロアⅡではLv.20を超えてから一気に上がり辛くなる仕様だったので全然上がらなかった。チコリータやツチニンは、比較的すぐに進化出来たのだが、カラカラとかは一向に進化しなかった。だが、フロアⅢに入ってからはすぐにレベルが上がって、進化することが出来た。
「フロアⅢでいきなりレベルが上がりやすくなったってことは、ここではLv.30以上から上がり辛くなる仕様なんだろうな」
確か、御三家が最終進化系になるレベルが30代だったはずだ。なので、ベイリーフを進化させるのはフロアⅣに行ってからが良いかもしれないな。まぁ、今はガラガラだ。
「そうだな……ガラガラにはあの戦法でいくか」
「ガラ?」
ガラガラに戦い方を仕込んだ後、俺はフロアⅢのランキングを怒涛の勢いで駆け上がっていった。
そして………
「よっしゃー! リベンジといくぜ! ノボリカッツォ!」
「おぉ、思ってたより早かったな。それじゃあ、再戦といくか。悪いけど、そのまま勝ち越させてもらうぞ」
俺とカッツォの再戦が始まった。
「行け! テッカニン!」
「行くぞ! マルノーム!」
俺がテッカニンを出してきたのに対して、カッツォが出してきたのはマルノームと呼ばれた紫色のポケモンだ。毒々しい見た目からして、間違いなく毒タイプだろう。
「マルノーム、“どくどく”!」
「テッカニン、“あなをほる”で潜れ!」
予想通り、マルノームは毒タイプだったようで“どくどく”を飛ばしてきたが、テッカニンの方が早かった。テッカニンは素早く地面に潜って躱す。だが、カッツォの顔に動揺はない。
「だったら……“たくわえる”だ!」
「ノーム!」
マルノームは大きく息を吸い込んで体を膨らませた。その時地面からテッカニンが現れて一撃当てるが、マルノームは持ち堪えた。効果抜群の技のはずだが、思ったよりダメージが少ない。マルノーム自体が防御力高めなのに加えて、あの“たくわえる”とかいう技は防御力を上げる技だったのだろう。
更にカッツォが指示を飛ばす。
「マルノーム、“のみこむ”!」
「ノーームンッ!」
マルノームはゴクンという音を立てて何かを飲み込んだ。それに伴って膨らんだ体は元に戻り、体力も回復してしまう。
……なるほど。あのマルノームの戦い方が読めてきた。“どくどく”で相手を猛毒状態にして体力を減らしつつ、自分は“たくわえる”と“のみこむ”で相手が力尽きるまでじわじわ耐久するやり方か。実にカッツォらしい受け戦法だ。そんなんだから色々ネタにされるんだ。
だったら、こっちもこっちのやり方で行かせてもらう。色々試してみて分かったが、このゲームは割と「こんなのアリか!?」と言いたくなるような戦法も可能であることが分かった。ワンリキーのイアイフィスト流バレットパンチや、これからやるテッカニンの戦法なんかもそうだ。
「テッカニン、マルノームに突っ込め!」
「テ、テカ!」
俺の指示を聞いたテッカニンは果敢にマルノームに突っ込んでいく。今まで散々やってきたからか、心なしかテッカニンは嫌そうにしているように見えた。加速の特性の影響か、テッカニンはあっという間に見えなくなった。カッツォは指示を飛ばす。
「何をする気か知らないけど、俺のマルノームなら耐え切るぞ! “たくわえる”!」
よっし来た!
「今だテッカニン! そのまま飛び込め!」
「何!?」
俺の指示にカッツォが驚くのと同時に、テッカニンがマルノームの口の中に飛び込んだ。
何度かバトルをしていた時、俺はポケモンの口の中に対しても攻撃が可能だということに気が付いた。そこで思いついたのが、口の中で大暴れ作戦だ。これは、ポケモンバトルランカーズの前にやっていたクソゲー、セミGARI!から着想を得た戦法だ。口の中で蝉が蠢くあの感触。その不快感はポケモンにとっても同じだろう。現にマルノームは技を出すどころじゃない。
「そのまま“いやなおと”をしまくってやれ!」
マルノームの口越しから不快な音が聞こえてくる。口の中から至近距離で聞かされるマルノームからしたら、俺達以上の不快さだろう。
「うわ、気持ち悪っ! こんなのアリかよ!? 自分のポケモンを餌にさせるとか外道すぎんだろ!」
「いやいや、人聞きが悪いな。別に食わせた訳じゃないっての。これも立派な作戦よ。それに、俺が経験したあの地獄と比べたらナンボか優しいぜ。“あばれる”!」
「させるか! “のみこむ”!」
「おい! お前も人のこと言えねえじゃねえか!」
マルノームはテッカニンごと飲み込もうとするが、テッカニンが口の中で暴れるせいで飲み込めない。しかも、“いやなおと”で防御力が下がっているため、マルノームのダメージが大きい。実際、この作戦はかなり強い。上手くハメれば、相手ポケモンは何も出来なくなる。この間なんて、相手のウツドンは何も出来ないまま戦闘不能になったしな。口が大きいポケモンでないと使えないのが難点だが。
しばらくすると、“あばれる”の効果で混乱したのか、テッカニンの動きが鈍くなった。その隙に、マルノームがベッとテッカニンを吐き出した。マルノームの口から出てしまったが、今の猛攻のおかげで、マルノームの体力は半分まで減らせている。
また“たくわえる”と“のみこむ”のコンボで回復されては敵わない。なので、手早く倒さないといけない。カッツォの方も“たくわえる”をしたいところだろうが、また口に飛び込まれては堪らないと大人しく交代した。
「……こんな形で交代させられるなんてな。ってかさっき、あの地獄よりナンボか優しいって言ってたけど一体何やったんだよ」
「セミGARI!ってゲームをな。厳しい戦いだった……」
「ああ、何か一時期SNSで話題になってたやつか。面白いの?」
「うーん……夏にやらない方が良いな。間違いなく」
そんな話をしているうちに、交代の制限時間が近付いてきた。カッツォは気を取り直して次のポケモンを繰り出した。前回と同じく、ザングースだ。厄介な相手なのは前回のバトルで分かってる。だからこそ……
「先手必勝! テッカニン、“きりさく”!」
「テッカ!」
テッカニンは一瞬でザングースに近付き、死角から斬撃を浴びせる。急所だったようで良いダメージが入った。だが……
「甘いな、“つばめがえし”」
「っ!? かわ……」
躱せと言い切る前に、ザングースの“つばめがえし”がテッカニンに命中する。元々俺のテッカニンはそこまで打たれ強い訳じゃない。一撃で戦闘不能に持っていかれた。カッツォのザングースが“つばめがえし”を覚えていることをすっかり忘れていた。
「くそっ、素直に交代するべきだったか……」
今更悔やんでも仕方ない。俺は切り替えて次のポケモンを出す。次のポケモンに俺はワンリキーを選択した。格闘タイプだから、ノーマルタイプのザングースとは相性が良いが、向こうは確実に飛行技の“つばめがえし”を使ってくるだろう。だったらこっちはそれよりも前に、攻撃の隙を与えずに倒せば良いだけの話だ。
「目にもの見せてやるよ! 出番だ、ワンリキー!」
「リッキ!」
ボストレーナーのエイミ
フロアⅡのボストレーナー。水タイプの使い手。ニョロトノの特性“あめふらし”で雨を降らせて、その恩恵を活かして戦う。しかも、このゲームでの雨状態は視界が悪くなるオマケ付きなので注意。書いた後で気が付いたけど、ハナダジムのカスミと色々被ってしまった。一応言っとくと、全くの別人です。サンラクはヌケニンとベイリーフでゴリ押ししてどうにか勝ちました。
・ニョロトノ♂Lv.30(水タイプ):使用技は“ハイドロポンプ”、“たきのぼり”、“ひやみず”、“あまごい”
・ギャラドス♀Lv.30(水タイプ):使用技は“あまごい”、“ぼうふう”、“かみなり”、“アクアテール”