のはらリン「今度こそ悲劇の運命を回避するッ!!!」   作:しじみ兆

2 / 10
もう一度、春の教室で

 

 

授業の終わりを告げる鐘が鳴った。

周囲の子どもたちがわいわいと席を立ち、廊下へと駆け出していく。椅子の擦れる音と、戸の開け閉めが賑やかに重なった。

 

私は──まだ座ったままだった。

 

(どうする? どうやって……声をかける?)

 

心の中で何度も練習したはずの言葉が、今になって霧の中に消えていく。

 

(でも、逃しちゃダメ。今声をかけなきゃ)

 

カバンを抱え、そっと席を立つ。

教室の端に立っていた彼が、廊下に出ようとするその瞬間──私は一歩、踏み出した。

 

「オビト!」

 

その名前を呼ぶのが、どれほど久しぶりだっただろう。

言葉に出した途端、喉が震えていた。けれど声は確かに届いた。

 

少年がピタリと足を止める。

振り向いた先にいたのは──昔と変わらない、あの“うちはオビト”だった。

 

「……あ、リン?」

 

不思議そうに目を丸くして、彼は小さく笑った。

 

「なんだよ、呼ばれるのなんて珍しいな。……俺、なんかした?」

 

その顔が、懐かしくて、痛くて。

私の胸の奥で、静かに“未来”が軋んだ。

 

(違う……私が、あなたに何もしなかったんだ)

 

「ううん、なんでもない。ただ、ちょっとだけ話したくて」

 

平静を装って笑う。うまく笑えていたかは、わからない。

でも、彼は素直にこちらへ歩いてきてくれた。

 

「なあ、リン。今日、なんか変じゃない?」

 

「……え?」

 

「なんか、雰囲気が違うっていうか……前から知ってる人みたいっていうか」

 

一瞬、心臓が止まりかけた。

 

「いや、変な意味じゃなくて! ……なんか、話しかけてもらったの、初めてだったから」

 

「……そっか。じゃあ、これからたくさん話すよ」

 

その言葉に、オビトは一瞬驚いた顔をして、それからうれしそうに笑った。

 

──ああ、これだ。

この笑顔を、私は守りたかったんだ。

 

そして今度こそ、この手で守ってみせる。

 

 

 

 

教室を出ると、夕方の光が廊下の窓から差し込んでいた。

木の床に映る影が揺れて、足音がやけに静かに響く。

 

「リンって、こんなに静かだったっけ?」

 

オビトが隣でぽつりとつぶやいた。

 

「……そんなことないよ。たぶん、昔は……もうちょっと無口だったかな」

 

「へぇ、不思議な感じ。なんか、すごく話しやすい」

 

オビトの言葉に、少しだけ胸が温かくなった。

たった一言。それだけで、私の中の何かが少しずつほどけていく。

 

「でもさあ、今日も遅刻しちゃって、カカシにまた冷たくされて……はぁ」

 

「うん、見てたよ」

 

「まじで? はは……あーあ、なんか恥ずかしいな」

 

照れたように笑うその顔が、少しだけ日差しに照らされていた。

ああ、この顔。この声。この空気。

 

(忘れてたわけじゃないけど、ずっと、遠くに置いてきたみたいだった)

 

「……あのね、オビト」

 

「ん?」

 

「これから、ちょっとずつでいいから……仲良くしてくれるとうれしい」

 

そう言ったとき、自分でも声がほんの少し震えていたのがわかった。

でもオビトは、一瞬驚いたあと、ちゃんと頷いてくれた。

 

「おう! もちろんだ!」

 

どこまでも真っ直ぐで、どこか抜けてて、でも誰よりも優しい。

そんなオビトのまま、今はまだここにいる。

 

この笑顔を、絶対に曇らせない。そう、私は決めたんだ。

 

二人で並んで歩く帰り道。言葉は少なくても、胸の奥に静かに光が灯っていた。

 

──未来は、まだ決まっていない。

 

 

 

 

 

教室を出ると、夕陽が木々の間からこぼれていた。

私の隣を歩く少年は、手をポケットに突っ込んだまま、ちょっとムスっとしている。

 

「なあ、さっきの授業、カカシまた目立ってただろ? ああいうの、ずりぃよなぁ……」

 

「そう? ちゃんと授業聞いてれば、誰でもできると思うよ?」

 

「うっ……そ、そりゃ、そうだけど!」

 

思わず笑ってしまった。何も変わってない。

やっぱり、オビトはオビトだった。

 

「でも、遅刻はやめた方がいいと思うけどね」

 

「わ、分かってるってば! 今日だって、ちゃんと起きたんだよ? ただ、婆ちゃんの手伝いしてたらさ、つい……」

 

「うんうん」

 

「ほんとだってばぁ!」

 

ちょっとした言い訳の連続に、私は自然と肩の力が抜けていくのを感じた。

懐かしくて、温かくて、今にも泣きそうになるくらいの、日常。

 

でも──

 

「……オビト」

 

「ん?」

 

「これからさ、ちょっとでも何か困ったことあったら、教えて。私、前より頼りになるから」

 

「へ? 前より?」

 

「……ううん、なんでもない」

 

少し間をおいたけれど、オビトはあっさり頷いた。

 

「へへっ、ま、俺のことなら安心しとけって! 火影になる男だからな!」

 

「うん、知ってる」

 

その夢も、想いも、すべて覚えてるよ──。

 

彼の横顔を見つめながら、私はひとつ深く息を吸った。

風がやさしく吹いて、木の葉がかすかに揺れていた。

 

 

 

 

 

 

教室に満ちる喧騒は、奇妙なまでに眩しかった。

陽の光が入り込む大きな窓、風に揺れるカーテンの端、椅子を引く音、誰かが消しゴムを落とす乾いた音、小さな笑い声の混ざった会話があちこちで断続的に続いている。

 

──それは確かに、アカデミーの日常だった。

 

私は教室の端、窓側の席に静かに座り、鞄を開いた。

重くも軽くもない布の質感。開いたノートの行の幅、墨の匂い。懐かしい。けれど懐かしすぎて、まるで他人の記憶を覗き込んでいるようだった。

 

誰にも話しかけられず、話しかけもせず、ただ周囲の喧騒を見つめていた。

その視線の奥では、過去の映像が静かに重なっている。数年前──いや、“未来”での光景。そこでは、この無邪気な教室にいた子たちの多くが、もういなかった。

 

「なあなあ、チャクラの練習って今日だったっけ?」

 

前の席の男子がひょいと後ろを振り返る。少し背が低く、声がまだ不安定だ。

 

「うーん、印の型とか、なんとかって先生言ってた」

 

「俺、全然覚えてねぇ……どうしよ……」

 

クラスのあちこちで交わされる、くだらなくて愛おしいやり取り。

昔なら何気なく笑って聞き流していたそれが、今はまるで異国の言語のように聞こえた。

 

私は自分の手を見つめる。

まだ幼い指。細くて、骨が浮かんでない。

この手で何ができる? この先、また死なずに生き残れる?

未来の悲劇を、止められる?

 

(……どうしようもない不安)

 

冷静に振る舞おうとすればするほど、心の中に沈んでいた“違和感”が泡立つように浮かび上がる。

 

──これは、正確には“過去”じゃない。

──限りなく似ているけれど、“完全に同じ”ではない。

 

ほんの僅か。ほんの、ほんの僅か。

教室の机の配置、誰かの声のイントネーション、黒板に書かれた字のくずれ──それらが、どこかほんの少しずつ“ズレて”いる。

 

それが、私の内側に広がる異物感をさらに強くした。

 

ふと、ぞくりとした感覚が背中を這った。

 

気配。視線。冷気。

 

顔を上げた先、教室の隅。

 

──いた。

 

窓とは反対側、教壇から三つ離れた壁際の席に、白銀の髪をした少年が静かに座っていた。

姿勢は正しく、教科書を広げたその手には無駄な動きがない。集中している。けれど──その目は、本の中にはなかった。

 

こちらを見ていた。はたけカカシが。

 

(…………っ)

 

あの視線。忘れるはずがない。

感情のない目。無機質で、冷えきっていて、優しさも怒りもない。

ただ“目の前の任務を遂行するための手段”として見られていた、あの戦場での目だ。

 

だけど、今の彼はまだそんな経験をしていないはずだ。

任務に出る前、仲間を失う前、敵を斬るより先に何も知らなかった時代。

それでもその瞳の奥に、私ははっきりと“その後の彼”を見た。

 

思わず視線を逸らす。

 

呼吸が一瞬止まり、心臓が不規則に打ち鳴る。

なんで。まだ何も始まっていないのに。

私の中の記憶が、勝手に彼の現在に“未来”を重ねてしまう。

 

(やっぱり、普通の時間じゃない)

 

私はただ戻ってきたんじゃない。

これは、過去のコピーであり、再生された世界であり、どこかが“仕組まれている”。

 

私が選び直すことで、すべてが変わるかもしれないし、逆に“変えさせないようにする力”がすでに働いているのかもしれない。

 

「リン」

 

その時、不意に声をかけられた。

 

隣の席。見慣れた、懐かしすぎて胸が締めつけられる顔。

 

うちはオビト。

 

気さくで単純、どこか抜けてて、自信家で。だけど──真っ直ぐだった。

 

「今日も静かだな。……調子悪いのか?」

 

私が言葉に詰まっていると、オビトは珍しく心配そうに眉をひそめた。

 

「……ちょっと考え事してた。大丈夫だよ」

 

「ふーん、そう?」

 

その口調が、あまりにも自然で、私はまた少し泣きそうになった。

 

「……オビトこそ、ちゃんと寝てる?」

 

「えっ? え、な、なんで!? そ、そんなに目、腫れてる!?」

 

「違う違う、顔がちょっと疲れてるかなって」

 

「な、なぁんだぁ……びっくりしたぁ。俺、また寝坊しそうになってさ……朝、パン食べながら走ってきたんだよ!」

 

「うん、似合いそう」

 

「ひど!?」

 

笑い声が弾けた。周りのざわめきに紛れてしまいそうな、小さな、小さな笑い。

 

でもそれが、この教室の中でいちばん“本物”だった。

 

──ここから始めよう。

何もかもが、仕組まれたようなこの日常の中で。

私は、もう一度この世界を生き直す。

 

 

 

 

「じゃあ今日は、チャクラの練習からいきます。まずはおでこに葉っぱを貼って、そのまま維持。いいですねー?」

 

教師の陽気な声が教室に響いた。

子どもたちのあいだに緩やかなざわめきが生まれ、皆が机の中から練習用の葉を取り出す。

机の下から落ち葉がパラパラと音を立てるたび、遠い過去が蘇る。

 

(懐かしい……)

 

懐かしさと同時に、微かな怖さもあった。

私はすでに“できる”側の人間だ。未来で命を賭ける忍術を、何度も経験してきた。

この時代の子供たちのように、ゼロから学ぶ段階は、私の中にはもうない。

 

──でも、普通のふりをしなきゃいけない。

「やりすぎない」。それが今日の目標だった。

 

私は机に肘をつき、そっと落ち葉を掌に取った。

黄色く乾いたそれは、まだほんの少し水気を残している。額に貼り、目を閉じる。

 

チャクラの流れを探る。呼吸を整え、内側の脈動に集中する。

それは、まるで呼吸の一部のように自然だった。

動かそうとせずとも、ただ意識を向けるだけで、チャクラは律儀に応えてくれる。

 

(……うん。いける)

 

葉は額にぴたりと吸い付き、微動だにしなかった。

そのまま、教師の指示が飛ぶ。

 

「できた子から挙手してくださーい!」

 

次々と手が上がるなか、私は誰よりも早く手を挙げることはしなかった。

ほんの数秒、他の子が名乗りを上げるのを待ってから、ようやく静かに手を上げる。

 

「のはらリン。じゃあ見せて?」

 

教師が近づくと、私はそっと前髪をかき上げてみせた。

 

葉は、ぴたりと貼りついたまま。微動だにしない。

先生は「おおっ、いいねー!」と声を上げ、後ろの子たちから「すげぇ……」と小さく囁く声が聞こえた。

 

(あ……まずい)

 

予想より、周囲の反応が大きかった。

 

(しまった、自然すぎた……?)

 

私はすぐに手を下ろし、視線を逸らした。

誰かと目が合うのが、少し怖かった。

 

「うちはオビトー! 葉っぱ落ちてるぞー!」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ! 今、今集中してんの!」

 

横から飛んでくる声に、空気が緩む。

オビトは額に葉を貼っていたが、どう見てもずれている。彼は苦戦しているようだった。

 

「ふ、ふん、誰だって最初は難しいんだよ!」

 

そう言いながら、落ち葉を何度も貼り直す姿が、なんとも微笑ましい。

 

(そうだ、みんな今は“ここ”なんだ。私は……)

 

置いてきた記憶に縛られてはいけない。でも、記憶を捨てるわけにもいかない。

 

次の授業は、「変化の術」だった。

簡単な印を結び、自分の姿を変える基礎的な忍術。だがこれも──

 

「……えっ、リンちゃん、すごっ!」

 

あっという間に周囲の声が集まった。

 

私が結んだ印から生まれたのは、理想通りの変化。体格も、髪の色も、衣服も細部まで完璧だった。

正確すぎる。滑らかすぎる。浮いている。……目立ちすぎた。

 

「ほんとにアカデミーの生徒かよー」と、誰かが冗談めかして言った。

その言葉に、私は思わず手をぎゅっと握った。

 

教師は満面の笑みで「素晴らしい変化術だ!」と褒めてくれたけれど、それが逆に痛かった。

目立ちすぎたくない。けれど、抑えきれない。私には“先の記憶”があるから。

 

見渡せば、周囲の数人がこっそり私を見ている。視線の端に、少しだけ畏怖が混ざっている。

 

──ほんの少しのズレが、違和感になって跳ね返ってきた。

 

「……やっべぇ、オビトまた変な生き物になってる」

 

「え!? 嘘!? 見ないでー!!」

 

クラスの笑い声が弾け、緊張の糸が一瞬緩む。

オビトが間違えて犬とも猿とも言えない謎の生物に変化して、女子に逃げられていた。

 

(……ありがとう)

 

心の中でそっと感謝した。

そのドジで、全部を日常の空気に戻してくれた。

私が過去の記憶に縛られてるあいだも、オビトはちゃんと“今”を生きている。

 

──私も、今を生きなきゃ。未来ばかり見ていても、道は見えない。

 

けれど、はたけカカシだけは──ずっとこちらを見ていた。

 

その瞳に感情はなかった。けれど“観察している”のは明らかだった。

 

(……気づかれてる?)

 

いや、今はまだ。まだ早い。

でも──いつか彼は、何かを察するかもしれない。

 

そう思ったとき、私は自分の存在がまるで薄氷の上に立っているように感じた

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

放課後。

チャイムが鳴り終わるよりも早く、椅子の脚が床を引っかく音が教室中で鳴り始めた。

あっという間に鞄を抱えて飛び出していく子、筆箱を机に忘れて戻る子、黒板消しの争奪戦。

誰もが、今日という日を“何事もなく終えた”という安堵に包まれていた。

 

私はまだ席に座ったまま、窓の外を見つめていた。

 

空はもう、うっすらと橙色に染まり始めていた。

光の加減で教室の隅に影が伸びて、木の机の表面がじわじわと温かくなっていく。

この時間の、この場所。この空気の色とにおいは、どうしてこんなに切なく胸を締めつけるのだろう。

 

「リン、一緒に帰ろ!」

 

明るく響いた声に、私は反射的に顔を上げた。

 

オビトが、鞄を肩に引っかけながら手を振っている。

相変わらず荷物の整理が適当で、筆が一本ぶら下がっていた。

 

「……うん。行こうか」

 

私は立ち上がり、彼の隣に並ぶ。

歩幅が合わないことに気づいて、少しだけ歩く速度を緩めた。

 

外に出ると、空気はまだ春の余韻を残していて、夕暮れの匂いに土と花の香りが混ざっていた。

誰かの笑い声が遠くで響き、アカデミーの門がゆっくりと軋む音が風に溶けていく。

 

「はー、疲れたー。チャクラの授業、マジで苦手なんだよな~」

 

オビトが伸びをしながら愚痴をこぼす。

 

「でも、今日はちゃんとできてたじゃない。変化の術、犬っぽかったよ」

 

「いや、それ犬じゃなかったし!? え、マジで犬だった!? 猿にしたはずなのに……」

 

私は笑った。彼の焦った顔も、言い訳じみた身振りも、どこまでも変わっていない。

そしてそれが──とても、苦しい。

 

(あなたは、このままだと“ああなる”)

 

目の前で歩いているこの子が、いずれ仮面をつけて、誰かの首を捻って、闇の底で笑うようになるなんて、想像もつかない。

 

だけど私は知ってる。

──知ってしまっている。

 

オビトの足元には、まだ誰にも見えていない闇の影が静かに忍び寄っている。

それは、彼の心の隙間を狙い続ける。

きっかけはたった一つの“死”──私の死だ。

 

「なあ、リン。お前、将来なにになりたい?」

 

急に投げかけられた問いに、私は少しだけ黙った。

 

(私は──)

 

「医療忍者になりたいかな」

 

「へえ、らしいなあ。お前、いつも怪我したやつのこと気にしてるし」

 

「オビトは?」

 

「オレはもう決まってんだろ。火影だよ、火影!」

 

即答。即ドヤ顔。目がキラキラしている。

 

私はその横顔を見て、そっと目を伏せた。

 

「うん……そうだね」

 

(──でも、それはきっと叶わない)

 

未来では、オビトは火影にはならない。

いや、それ以前に、自分の名前すら捨ててしまう。

 

私が死ぬことで、彼は変わってしまう。

だから私は、オビトを守りたい。

 

……でも。

 

(その前に、私は──また殺される)

 

その予感は、未来の記憶というより、もはや“確信”に近かった。

 

教室での変化。視線。目立ってしまったこと。

そして、あの瞬間のカカシの目。

 

このままだと、私はまた──

 

「……リン?」

 

気づけば、私の足が止まっていた。

オビトが数歩先で、こちらを振り返っている。夕陽の光が彼の輪郭を金色に染めていた。

 

「ごめん。ちょっと、考え事してた」

 

「今日多いな、考え事。悩み? なんかあった?」

 

「ううん、なんでもない」

 

──言えるはずがない。

 

「大丈夫。ちゃんと自分で整理できるから」

 

私は笑ってみせた。

その笑顔がどれだけ歪だったか、自分でも分かっていた。

 

オビトは「そっか」と言って、また歩き出した。

その背中を見つめながら、私は心の中でゆっくりと、自分に問いかける。

 

(どうすれば……殺されずに済む?)

 

(どうすれば──オビトを守った上で、自分の命も守れる?)

 

(……どうすれば、この運命を、ねじ伏せられる?)

 

手が小さく、非力で、技もまだ足りない。

だけど、記憶がある。あの世界で私が学んだもの全部、まだ身体の奥に残っている。

 

なら、やることはひとつしかない。

 

──準備する。

誰よりも早く。誰よりも先に。

死を回避する手段を、オビトを守る力を、今すぐ身につけなければ。

 

私は歩きながら、すでに“戦場”のことを考えていた。

 

目の前の彼を守り抜くために。

そして、私自身がまた血に染まらないように。

 

決意は、まだ誰にも知られていない静かな炎として、胸の奥で燃え始めていた

1話あたりどれくらいの文字数だと嬉しいか教えてください!!

  • 5000〜6000
  • 7000〜8000
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。