という事でチマチマと更新する奴を書きます。
見切り発車。
ダメ刑事
「何!?シラトリ区の駅でテロリストが立てこもってる!?」
「レストランで美食研が爆破を!?」
「商店街で災厄の狐の目撃情報が!!」
「………………」
尾刃カンナ、現在徹夜二日目。
眉は重くなる一方、電話は鳴り止まず━━━
こんこんこん。
ノックが三回。
どうぞ、と一言言うと部下の生徒が扉を開ける。
「局長!」
「……」
「局長!!」
「……あ、ああ、どうかしたか?」
「駅のテロリストの対処についてお聞きしたく……」
テロリスト。
このキヴォトスではそう珍しくない事態だ、連邦生徒会長が失踪してから一ヶ月に五回は起こる。
「すぐに鎮圧に向かう、第一部隊は私が、第四部隊はコノカ、第五部隊は……」
この人手不足で忙しい中、第五部隊の指揮を執る生徒を回らない頭の中で考えるも、一人の生徒しか出てこない。
「…………どうかしましたか?」
「……今、手が空いている奴は誰がいる?」
神に頼むように問うと、目の前の部下は言葉を詰まらせながら答えた。
「えーっと……ヒミコ刑事……だけですね……」
ヒミコ刑事しかいない。
その言葉に私は頭を抱えつつ、やむを得ず命令した。
「……第五部隊はヒミコに指揮させろ」
「ヒミコ刑事ですか!?お、お言葉ですが……あの方は……」
「人手が足りないんだ……やらせるしかないだろう」
「は、はい!」
五十嵐ヒミコ。
ヴァルキューレ警察学校公安局随一の問題児。
━━━━━
どたどた、ばたん。
扉が勢いよく開かれ、自分の叫び声が部屋中に響く。
「ヒミコ刑事!」
「くー……くー……」
眠っているその刑事を呼ぶも未だ眠ったまま。
仕方ないのでもう一度叫ぶ……
「ヒミコ刑事!!」
「……くかー……いけ、そこだ……させー……」
「ヒミコ刑事!!!!」
何度呼んでも起きないその刑事の名前を耳元で叫ぶと彼女は起きた。
「なんですか、うるさいですよ……」
気だるげに体を起こす彼女。
そんな彼女に私は怒りを混じらせた声で要件を言った。
「カンナ局長から呼ばれています!」
「……カンナさんがー?……はあ、ヤですねえ」
「今すぐ来るように、と言われています!」
私の叫び声をあくびで返し、ソファーに置かれた帽子被って彼女は立ち上がる。
「分かりました、よ……っと」
「シラトリ区の駅でテロリストが立てこもっています!すぐに第五部隊と合流するように、と!」
「テロリストぉ?そんなの日常茶飯事じゃないですか、私が出る幕も無い」
「貴方、公安局で一番の問題児じゃないですか!!窓際なんですよ窓際!!」
「窓際が一番景色をよく眺められるじゃないですか」
「屁理屈っ!」
そんな私の叫びをヘラヘラと笑われる。
なんだ、このやる気の無い刑事は!本当に私より立場が上な人とは思えない!
「冗談ですよ、さて……競輪でも見に行きますか」
「カンナ局長の所に行ってくださいッッ!!」
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こんこん。
二回のノックと共にガチャ、と扉が開かれる。
「どうも」
「二回のノックはトイレだぞ」
小言を言うも彼女はいつもと変わらぬヘラヘラした態度をしている。
「やァ、ノックなんて半年ぶりにしたモノで……それで局長、どんな要件ですか?」
「お前には第五部隊と共にシラトリ区の駅に立てこもってるテロリストを鎮圧してもらう、出来るな?」
「私が?……局長、冗談ですよね?」
「私が冗談を言った事があるか?」
私の笑顔を見ると、彼女はため息を吐きながらも納得する。
「……はあ、仕方ないですね」
「ヒミコ」
「どうかしましたか?」
彼女の名前を呼び、彼女の面倒そうな目を見る。
今はだらけきっている奴だが、一年生の頃は……
「…………いや、なんでもない、急いで現場に行ってくれ」
いや、今は今だ。
それに彼女は……
「ふむ」
ぐぐっ、と彼女は私との距離を一気に詰めて何かを考えるような顔をして言った。
「カンナさん、貴方また徹夜しましたね?」
「うるさいっ、お前には関係無い事だ」
「おまけにご飯もあんぱんと牛乳しか食べてない……栄養失調で倒れるまであと三日、ってとこですね」
「さっさと行けっ!!」
「はいはい……」
ばたん、と扉を閉じて彼女は立ち去った。
「はあ、日頃からあんな鋭い推理をしてくれると助かるんだがな……」
「……いや、もう遅いか……」
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シラトリ区
マルイカ商店街駅前広場
「はーい、第五部隊の方々ですねー、それじゃ今からテロリスト鎮圧の作戦を伝えまーす」
「ちゃんとした作戦ですよね……?」
彼女の日頃の行いや態度のせいで心配そうな声が挙がるも、彼女は面倒そうな顔をしながらため息を吐く。
「適当にやらせるとカンナ局長が怒りますからね、三時間後に突入後五・五で別れて包囲網を組んでください」
「は、はいっ!」
珍しく彼女からまともな作戦内容が伝えられた事に驚愕と感嘆の声が挙がる。
「それじゃ言われた通りにしてくださいね、私は少し席を外しますので」
「あ、あの、何処に行くおつもりで?」
「
「視察……ですか?」
「三時間後にまた戻ってくるのでお気になさらず、ではまた」
そう言ってヒミコ刑事が立ち去ろうとしたその時。
「あれ?もしかしてヒミコちゃん?」
「む」
珍しそうな声が静かな駅前広場に響く。
着崩した局長服とアロハシャツ、煌めいた銀髪……
コノカ副局長だ。
「おー、やっぱヒミコちゃんじゃん!珍しいねー現場なんて二百億年ぶりじゃない?」
「そんなに経ってませんよ、四ヶ月ぶりです」
「もしかして姉御の命令?」
「もしかしなくても私が動く時はそれだけです」
「やーやー、ヒミコちゃんも働き者になったな〜」
ぐりぐりと肘をヒミコ刑事の腹に当てるコノカ副局長。
ヒミコ刑事は面倒そうな顔から一変、楽しそうな顔をしている。
「コノカ副局長は相変わらず似合わない局長服を着ていますねえ」
「うっさい!似合うだろ!」
「ああ、そうそう、私はこれから視察があるのでこれで……」
「よーし!そんじゃ久しぶりに豚骨ラーメン食べに行くぞ!ニンニクマシマシでな!」
「げぇ〜、私は塩派なんですけど……」
「付き合え付き合え!奢ってやるから!」
「まったく……真面目な案件なので今回はお断りさせて頂きます!」
「ちぇー、ヒミコちゃんも付き合い悪くなったなあ」
「この案件が終わったら行ってあげますからそうしょげないでください……それじゃ、また」
「おー、またなー!」
そう言ってヒミコ刑事はその場を後にした。
「……はあー、ヒミコちゃんもなんだかツレなくなったなあ……」
「ヒミコ刑事とお知り合いなのですか?」
「あー?あー……うん、あたしが副局長になる前によくラーメン食べに行ってたんだけどなあ……」
そんな寂しげなコノカ副局長の声が、その場に残った。
━━━━━
「……」
尾刃カンナは苦悩していた。
ある一通の手紙に書かれた文章は、自分にとっては耐え難い事だった。
「……どうして、こんな事になってしまったんだ……」
【五十嵐ヒミコについての処罰】
(……ヒミコ……)
元は優秀な部下だったはずだ。
いつかは私のような敏腕凄腕の人間になり、公安局のトップに立つ人間だったはずだ。
それが━━━
「どうも、失礼します」
二回のノックと共に入って来たのは……この苦悩の原因である五十嵐ヒミコだった。
「ヤア、どうも外は暑くて暑くて……」
ぱたぱたと手で顔を扇ぐヒミコ。
私はそんな彼女がこのタイミングで戻ってきた事に動揺しつつも、平静を装う。
「どうして戻ってきたんだ、テロリストの鎮圧に向かわせたはずだ……」
「局長の顔がいつもと違うようでしたので、
「……自分の仕事に集中するんだ」
今はこの決定を受け入れようとしている、それなのに当の本人が来てしまっては受け入れるもクソもないではないか。
処罰を伝える者が動揺していてどうするのだ……
「それよりその手紙はなんですか?連邦生徒会の印が書かれていますね」
「お前には関係ない!」
「ふむ、その割には私の名前が内容に書かれているようですが」
「な!?」
まさか、そんなはずは無い!
内容が見えてしまったのか!?それは……あまりにも……!
しかしそんな彼女はにこりと笑った。
「嘘ですよ、ですが反応を見るに本当らしいですね」
「…………今は、今の仕事に集中してくれ……」
「この手紙は、その後に渡す」
私の呟きが局長室に響くと、彼女は帽子を深く被り、背を向ける。
「ええ、それでは失礼します」
「……カンナさん、疲れは刑事の一番の敵ですよ」
本当は誰よりも優秀で、誰よりもやる気のある奴だったんだ。
何かあったらすぐに走って、問題を解決しようとする者だった。
市民の安全と真実を誰よりも追求して……私も期待していたんだ。
それなのに━━━━━
以下の人物は過去の事件の責任を負わせる為退学という処置を取らせる。
・五十嵐ヒミコ
連邦生徒会防衛室長
━━━━不知火カヤ
公安局に刑事とかいるんですかね?あんまりこの辺の設定は理解出来ていませんが……まあ私のキヴォトスにはいるって事でお願いします。
それよりコノカの供給が少なすぎてエミュがムズいです、頑張って原作に近づけられるようにします。
良かったら感想とか評価とかください。