2度と繰り返さないために彼は剣を振るう。   作:お寿司のネタのサーモン

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第三話 見る者の業 生き残った者の代償

あらすじ

一夏誘拐!

片山大怪我!

 

ツヴァイウィングのコンサートとISの世界大会第二回モンドクロッゾの会場で同時に発生した特異災害ノイズによる被害は死者、行方不明者合わせて21134名という大惨事となった。

胸に刺さった異物を除去する手術とリハビリを終えて日常に戻った響を待っていたのは残酷な現実だった。

被害者のうちノイズによる被災で亡くなったのは全体の1/3程度であり、残りは逃走中の将棋倒しによる圧死、避難路確保のために争った末の傷害致死であることが週刊誌に掲載された。その結果、世論は生存者に向けたバッシングへと傾いていく。ただ生き残ったから、それだけの理由で生存者たちは追い詰められていった。

それと同時にISの世界大会第二回モンドクロッゾの会場で前大会優勝者である織斑千冬の弟が誘拐されるという事件も発生していた。

響もその中の一人だった。将来有望な生徒が死に、なぜ響が生き残ったのか。そんな女子生徒のヒステリックな叫びから響への差別は始まった。

自宅に死を助長するような張り紙を張られ、いたずらに石を投げ入れられた。

「ほかの人もしているから」という免罪符を手に入れた人々が安易に投げつける暴力。

そんな地獄の中でも響は張り紙を剝がし落書きを消していた。

・・・・だが人々はさらなる追い打ちを仕掛けた。

 

ある日響が何時ものように親友と分かれて家に帰ってくると

響「え?」

その目の前にはごうごうと燃え盛る実家。

響「・・・いや・いや!いや!いや!」

「君!行ってはダメだ!」 ガシッ

響「止めてください!お母さんが!叔母さんが!」

「何でこんなに消防車が来るのが遅いんだ!・・・消火器持って来い!」

響「何で・・・こんなことに。」

「オマエやったのかこれww」

「ああ、人殺しに家は要らないと思ってね。」

「ヤバ、捕まるぞ。」

「大丈夫、俺のおやじ警察庁長官だから揉み消せるよ。」

「なら安心かww」

その声は幸いにも響の耳には入らなかった。

「君・・君の両親は買い物に行ってるって聞いたぞ、早く行ってやりな。」

響「!」

しかしその希望も人々によって打ち砕かれた。

 

 

 

「ニュースです、昨日の午後5時に○○市の立花さんの家が何者かによって放火されました。」

「・・・速報です、先ほどお伝えした放火事件の被害者の家族が何者かに殺害されていたというのが近隣の住民への取材で判明しました。」

 

 

 

葬儀場で

響は火葬をされたかつての家族たちを骨壺に入れていた。

警官「すみません・・・我々の不徳の致すところです、お悔やみ申し上げます。」

響「・・・なら。」

響「早く犯人を捕まえてください、私みたいな人を増やさないためにも。」

響は振り返らずに警官にそう言った。

警官「はい、目下全力で捜査し必ずやホシを挙げて見せます!・・・それでは失礼いたします。」

ギィィィィ・・・

その警官とすれ違うように誰かが部屋に入ってきた。

???「やっと見つけたました。」

響「・・・誰?」

???「貴方を守ると命令されている者です。」

その言葉に響は肩を震わせる。

響「・・・じゃあ!!!」

響「何であの時助けてくれなかったの!!!」

???「・・・すまない。」

響「ッ!・・・すみません、大きな声を出して。」

???「伝言を預かっています。」

響「・・・誰から?」

???「貴方様の親友の未来様から。」

響「読んでください。」

???「では読み上げます・・・『響ごめんなさい、お母さんとお父さんが唐突に引越しをして今は元居た家には居ません・・・ごめんね響ごめんね。』・・・以上です。」

響「・・・未来。」

響「・・あなたの名前は?」

龍牙「龍牙、片山龍牙です。」

響「・・・龍牙さん私戦えるように稽古してくれませんか?」

龍牙「貴方様のお望みとあらば。」

響「・・・ノイズは皆殺しにするね、お母さん。」

 

 

 

同時期、市内の大病院で

一夏sids

・・・ここはどこだろう

今俺の目の前には真っ白な空間が広がっていてその一角に黒いシミの様なものがあったが気にしてはいけない。

何故ならそれについて考えると悪寒が走るから・・というのは間違えかもしれない。

そのシミについて考えると・・・あの時あの謎の薬物を注射された時の用に身体が熱くなって俺の身体の中を何かドロッとしたものが這いずり回ってる様な感覚に陥る。

だから考えない、考えてはいけない。

・・・だがそれと同時にここから出るためにはあのシミに触れなければならないだろうと本能的に分かっていた。

しかもそのシミは気が付いたら大きくなっていたり小さくなっていたりとますます訳が分からない。

・・・だがいつかはこの空間から出なければならないと思っている・・・えーい!男が逃げ腰じゃあメンツが立たない!触れてやらあ!!!!

シミに触れた瞬間目の前がどす黒い赤に染まって何もわからなくなった。

一夏sids out

 

 

その頃の病室では

片山「・・・一夏。」

千冬「まだ退院できんのかお前は。」

片山「バカ言え、そう簡単に失明が治ってたまるか。」

千冬「どれ、見せてみろ。」

片山「しょうがねぇなぁ。」

片山は千冬にせがまれて左眼の医療用眼帯を外す。

千冬「目を開けてみろ。」

片山「どうだ?目ん玉はあるだろ?」

千冬「ああ、バッチリだ・・・まだ見えないのか?」

片山「見えるか見えないかでいえば見えるがぼやけてるな。」

千冬「・・・あの薬はどうだ?」

片山「ああ、あれね・・・眼の中のレンズを治せるかな?」

『いるかい?』

片山「ああ、くれ・・・どうした?」

千冬「いや・・・そのウィンドウの向こうに誰がいるのか気になってな。」

片山「それは俺も知らん。」

『なあに?チッフーは見えるようになったの?』

千冬「まあ・・・それにしてもplayerか。」

『何?私の正体でも知りたいわけ?』

千冬「ああ、片山がAIって言うのは信じ難いが。」

『現に私の存在がその証明だけどね。』

「・・・ぎゃああああああ!!!」

そんな会話をしていると突然隣のベットから悲鳴が聞こえた。

千冬「一夏!?どうした!?」

それもお構いなしに目を閉じたままのたうち回る弟に千冬は驚きを隠せない。

片山「どうしたんだ!?」

一夏「ああああああああああ!!!!」

『不味い!早く抑えて!』

千冬「・・・すまない一夏!」

千冬は暴れる一夏に馬乗りになり腕を掴んで拘束した。

『早くこれ使って!』

片山「これって・・・バンジョー!?今曲を弾いてどうする!?」

『何でもいいから曲を歌って!』

片山「あ~!もう!・・・んん!」

片山「~~~~♪」

千冬(何だこの力は!さっきまで昏睡していた奴の力じゃない!・・・ん?)

千冬「・・・子守唄?何で?・・・ん?」

先程まで全身の力で一夏を拘束していたがそれに抵抗する力が弱くなっていた。

「大丈夫ですか!?」

そこへ先程の叫ぶ声で異常を知った看護師がやって来た。

千冬「済まない!私の弟が急に暴れ出してな。」

看護師「本当ですか!?鎮静剤を持ってきます!」

千冬「・・・いやその必要は無さそうだ。」

一夏「・・・すーすー」

片山「~~♪・・・寝たな。」

千冬「・・・この通りだ、念の為明日は精密検査をしてくれないか?」

看護師「分かりました、先生にそう伝えておきます。」

そう言って看護師は医者に報告に行った。

千冬「すみません。」

片山「・・・何とかなったな。」

千冬「ああ・・・それにしてもいきなり何で一夏はこんなに暴れたんだ?」

『私が説明しよう!』

片山「うるさい、早く教えやがれ。」

『分かった分かった・・・多分だけどね。』

千冬「で?何なんだ?」

『多分バグったんだよ。』

片山「バグ?その場合俺じゃないのか?」

『確か病院に入院した時腕の傷が注射器で付けられたものだって聞いたよね?』

千冬「ああ。」

『おそらくその時にバグの素を注入されたんだよ。』

片山「バグの素って・・・あの赤黒い液体だろ?あれはゲームにしか無いんじゃないのか?」

『暴れてるときに私のOSにバグの警告メッセージが出たから確かだよ。』

千冬「すまないがその『バグの素』について教えてくれないか?」

『いいよ!・・・バグの素って言うのはね。名前の通り、バグの原因になるんだ。』

『バグの素は液体で存在していて、これを体内に取り込んでしまうとバグが発生して、今までの記憶や人格を消去して全くの別人にしてしまう・・・というのがバグの素だよ。』

千冬「じゃあ・・・一夏は?」

『安心して、それほど多く取り込んだわけじゃなさそうだから大丈夫、記憶が一部消えるかもしれないけどね。』

千冬「・・・例えば?」

『例えば?・・・・友達の名前を忘れるくらいかな?』

千冬「・・・そうか。」

片山「じゃあ何で歌を歌わせたんだよ?何か関係あるのか?」

『バグの素を取り込んで初期の段階なら歌を聞けばバグが収まるんだよ。』

片山「へー」

千冬「何はともあれ一夏は無事なんだな?」

『ああ。』

千冬「であれば私はいったん帰って一夏の着替えを持って来る。」

片山「じゃあ俺は一夏の片付けをしておく。」

『じゃあ私はお風呂にでも入ってこようかな?』

片山&千冬「「お好きにどうぞ。」」

『わあ息ぴったり!悲しいなぁ!』  playerが退出しました。

 

 

 

その日の夜

片山「・・・」←寝てる

一夏「・・・知らない天井だ。」

片山「ん?・・・起きたか一夏。」

一夏「和人さん?・・・ここはどこですか?」

片山「なあに、病院だよ。」

一夏「病院?何があったんですか?」

片山「今はまだ知らん方がいいぞ・・・?」

一夏「・・?どうしたんですかじっと見て?」

片山「・・・一夏お前その髪と目どうした?」

一夏「え?」

髪の毛の3分の1が紫色に染まり、もともと赤い目は右目が赤黒くなっていた。

片山「まあ・・・医者に診てもらえ。」

そういいながら片山はナースコールを押した。




あらすじを追加させていただきます。 7月21日
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