異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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異世界迷宮でハーレムしない

今週も無事消化が終わった。

メインキャラをログアウト。零式は楽しくてまだ味がするが次パッチも薄いし、何か別ゲー探そうかと検索をかけていたところ。

 

自殺の決意をする前に。

 

そんなリンクが目に入った。

特に深く考えがあったわけでもない。なんとはなしにクリックすると

あなたが生きるのにふさわしい世界、と選択肢が出ていた。

剣と魔法の世界だとか。ネトゲか何かのようだと推察する。

項目が多い中どんどん進んでいくとボーナスポイントの設定が現れた。

やり直すをクリックするたびに数字が変わるようだ。最高値を目指してしまいたくなる。

 

どれだけ時間が経ったか。画面には金色の99。

息をつく。既に満足してしまった感がある。

続いてキャラクター設定。ここも項目が細かくあるようだ。

ここまで粘ったからにはと再び集中して吟味していく。

こういうものは振り直しするためには課金が必要だったりするものだ。

と考えていたら再設定なんてものがあって緊張が抜けた。適当でいっか。

 

効果が高いものはポイントを多く使う。ボーナス武器を最大まで振ると残り20ポイント。

ジョブ設定で複数のジョブを取れるようだ。必須じゃないか?これ。

経験値周りも鉄板だ。この辺りを適当に取得していく。

と、ここで思い出した。異世界迷宮のやつっぽいなこれと。

好きな作品でよく読み返していた。じゃあこれはファンサイトなのかなとポイントを決定すると警告が出てくる。

そうそう確か警告が出てくるんだよく出来てるなとクリックしていくと意識が遠くなっていった。

 

 

 

気づいたら原っぱで寝ていた。

混乱する中何があったか思い出そうとする。ff14をプレイしていて、そうだ。異世界ハーレムのサイトみたいなやつをいじってるうちに。と、思い出したところで体の違和感に気づく。

「は?」

女性の身体だこれ。声も。

周りを見渡すとすぐ近くに川が流れている。ふらふらとそちらへ近づく。

 

水面に映った姿は美少女だった。

 

なるほど。夢だな。まさか自分が美少女になる夢を見るとは。

どことなく見覚えがあるなと水面の美少女を見つめていたが気づいた。

ff14でのキャラに面影が似ている。角や鱗はないが。ウチの子が一番可愛い。

 

寝そべっていた辺りに戻ると抜き身の剣がある。もしかしてボーナス武器のデュランダルかなと拾ってみると軽い。両手剣なのに。

剣道をやっていた頃を思い出して振ってみる。流石は夢。物凄く身体の調子が良くキレのある動きで振ることができている。息が切れる気もしない。

ひとしきり剣をふって満足していると物音がした。目を向けると、剣を持った人相の悪い男が複数人。

 

「上玉だな。剣も女も」「大人しくしていれば命は助けてやる」などと言いながら近づいてくる。

学生時代、ヤンキーに絡まれた事を思い出す。武道をやっていた事で割と喧嘩は強く、恐怖はあまり感じなかったがこういう手合いは嫌いだった。ご機嫌だった気分が落ち込んでいく。

表情から完全にこちらを舐めている事がわかる。人数は3人。囲むように近づいてくる。

 

間合いの一歩半外。踏み込んで左の男の喉元を突く。相手は反応できていない。

即座に体勢を戻し真ん中の男に向かって振りかぶる。焦った様子で受けようと上に剣を上げた。手首を使い、逆胴の要領で空いた身体を薙ぐ。

残った右の男から間合いを取るように残心。流石に剣は構えているが表情から動揺が隠せていない。

少しずつ間合いを詰めていく。相手は完全に腰が引けている。

こちらに向けた剣先を逸らすように剣を当てる。相手は逸らされた剣先を戻そうと力が入る。その力に逆らわず自分の剣先を回しながら踏み込み、相手の持ち手を打った。

絞りを入れて振り切ってはいないがあまりの切れ味によって綺麗に打った先が分たれたようだ。相手が剣を取り落とす。そのまま喉を突いた。

 

残心しながら周りを確認する。他にもいるかもしれない。

しばらく様子を窺ったがこれでおしまいのようだ。息を吐きながら剣を下ろした。

しかしグロい夢になってきた。手応えもはっきり感じるし。

異世界迷宮だと最初に盗賊を倒すと英雄のジョブが手に入るんだよなと考えてジョブ設定とイメージしてみると

 

ツダ リョウ 竜人 ♀ 18歳 村人Lv2 英雄Lv1

 

と表示された。あ、やっぱ竜人なのねと自分の想像力に感心してしまった。

ff14と異世界迷宮のイメージが混ざっているが、これからヒカセンとして冒険するのかはたまた迷宮に仲間を集めて挑んでいくのかとワクワクしながら次の展開を考える。

風で草木がなびく音と川の流れる音が心地いい。しかし次の動きがないな。

異世界迷宮なら盗賊のインテリジェンスカードを手に入れておくかと考えて死体に目を向けた。グロい。

まだ出てきていない。なら身ぐるみを剥いでおこうと荷物を漁ってみる。血の臭いが酷い。夢のくせに加減しろ。

血の汚れが付いてるが川で洗う。完全には取れなかった。リアルすぎる。

食料も持っていたが、リアルすぎて取る気にならなかった。硬貨らしき物と武器を荷物入れごと纏めて頂いておく。自分は裸足だったので不快感があったが靴も奪った。足に合わせてサイズが変わっていく。纏め終わった頃には盗賊たちの手からカードが現れていた。回収回収〜。

 

この身体は性能が高い。デュランダル含めて4本の剣を抱えても重くともなんともない。持ちづらいのは確かなので設定からデュランダルは消しておく。

盗賊たちが出てきた木立の方へ歩いてみた。森というほどでもない木立を抜けると左右に道がある。

右はしばらく真っ直ぐ続いている。左は曲がっていて先がすぐに見えない。

左にいって曲がった先を見てみようと進みはじめた。視界が開けた先に集落のようなものが見える。始まりの村発見!

 

村はとてものどかな小さい村だった。ファンタジー味を感じてドキドキしながら歩みを進める。

歩いている村人らしき男性に声をかけた。

 

「こんにちは」

 

村人らしき男性はこちらをみるとギョッとした様子を見せた。

剣を複数抱えて、洗ったとはいえ血がついた服を着た人間に声をかけられたらそらびっくりするわな。

 

「どうしたんだあんた。なにがあった」

 

それでも寄り添う対応をしてくれる第一村人。なんたって自分美少女だからな。美少女は正義。

 

「近くの川辺で盗賊に襲われまして。返り討ちにしたのですが、相談できるお方にお話しできますでしょうか」

 

第一村人は驚き、村長に話を通してくれると案内をかって出てくれた。

村長sハウスまで他の村人にギョッとされながら歩く事しばし。

他の家より少しだけ立派な家から出てきたおじいちゃん。

 

「話は聞きました。なんでも盗賊に襲われたとか」

 

頷き、剣を置いて荷物入れよりインテリジェンスカードを取り出した。

 

「3人組でした。こちら騎士様に提出したいと思うのですが、この村には…?」

異世界迷宮だと騎士団に提出して懸賞金がかかっていれば手に入ったよなーと思い出しつつ、小さい村だし居なそうだけど聞いてみた。

 

「町まで行かないと騎士様は居られません。貴方様は冒険者の方でいらっしゃいますでしょうか」

 

ミチオ君も確か聞かれてたな〜とおもいつつ。

 

「冒険者ではありませんが、腕を磨く旅をしていました。近くの町へはどのように行けば良いでしょう?」

 

「さようでございましたか。3人の盗賊を返り討ちにされるとはお見事にございます。村の商人が馬車にて仕入れを行っておりますので、よろしければご同行願えますでしょうか」

 

なるほど、賊が3人とも限らないし護衛にもなるから同行してほしいと。こちらとしても願ったり叶ったり。

快諾すれば喜色あらわにすぐに準備致しますと返ってきた。

馬車で2時間ほどの距離らしい。準備が整うまでどうぞと村長の家に上がらせて頂いた。

 

「どうぞお寛ぎください。お召し物の替えもご用意させていただきます」

いたれり尽くせりの歓待を受けつつ一息をついた。

 

 

いい加減、向き合わないといけない。

 

これ、夢じゃないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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