異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第12話

今夜は歌おうかどうしようか考えていたら、亭主からできればとお願いされた。よかろう。今宵も我が美声に震えるが良い。

 

アシュリーも嬉しそうだ。ニッコニコでかわいい。

ヤンガスは戦場にいくのかってくらい真剣な表情になっている。どういう感情なんだそれは。

 

そのうちフリでも付けて踊ってみるのもいいかもしれない。きっとこの完璧美少女ボディにはダンスの才能だってあるはずだ。

流し目でもくれてやればスパチャ増額も見込めるだろう。これ以上増えたら怖いけど。

 

二人になったら歌いたいものがあった。アラジンの曲である。

男女で歌う曲なのだがまあそこは仕方ないだろう。むしろ女の子二人の恋の歌にイケない扉を開いてしまう紳士もいるかもしれない。

ヤンガスは開きかけてた。

 

この異世界に現代地球の圧倒的な底力を見せ付けてやる。

それが己がこの世界に来た理由なのかもしれない。

地球ナメんなファンタジーてやつだな。

 

今夜のアシュリーはちゃんとパートがあるので少し緊張気味だ。

手を繋いで微笑みかけてみた。客席から歓声が上がる。なるほどやはりこの方向性か。

歌の終わり際、しっとりする部分でアシュリーと向き合い両手で恋人握りをしてみた。顔を近づけながら。文化爆弾を喰らうがいい。

 

大歓声の中、ヤンガスを見つけるとまた正座していた。

よく見るとぽちぽち正座組がいた。なんなのこの国。

 

 

さて。明日は早朝の探索で6層まで行っておきたい。朝食後はウォルターに槍を届けに行こうかな。

彼は仕事の早い男だ。もしかしたら手に入るかも…くらいは取引相手に匂わせておいておかしくない。とはいえ相手のある事なので明日すぐという事もあるくらいに考えておけば良い。

おひねりはもはや真面目に数えるのをやめた。銀貨はともかく銅貨をどうかしないといけない。はっ。今のは違う。美少女は親父ギャグを言わない。

 

 

 

5層のボスだ。安定のデュランダルオーバーホエルミングダブルアタックでフィニッシュ。

 

そして6層へ。魔物はスローラビットだった。ニートアントからスローラビットと遅い魔物が続く。

 

流石にデュランダル一撃は無理になるかな?と思っていたがいけた。

流石は物理ビルド。フラガラッハはどうなるか。

 

三発かかったがかなり弱ってるように見える。ダブルスキルでは一撃で行けた。

ならばフラガラッハダブルスキル連打MPキツくなったらデュランダル作戦。略してフラガラッハダブルスキル連打MPキツくなったらデュランダル作戦の出番だ。MP回復速度上昇にもふってみた。

昨日の試し撃ちの感じ、魔法攻撃より物理攻撃スキルの消費するMPの方が全然少ない。少し回復速度にふるだけでデュランダルの出番はほぼなくなっている。

 

ここは随分人が多いようだ。コボルトもニートアントもやはり人気がないらしい。ウサギは服屋で毛皮が高く売れるのもあるんだったか。

 

だがアシュリーの誘導のおかげで効率的な狩りが出来ていて最高だ。己らは特に人を避けることもしていない。この美少女フェイスに恥じるところなし。見られても一向に構わん。フラガラッハは避けるべきかもしれないが。

頃合いを見て宿へ帰った。

 

朝食後は予定通りウォルターに会いに行く。

アイテムボックスがない(という設定)のためいささか物騒な出立ちである。

 

出迎えたウォルターは槍を担いだ美少女を見て微笑んだ。わかるよ。この美少女に出会えた幸運を噛み締めているんだろう?

想定通り既に先方には声をかけてあるとのこと。金額も昨日聞いた通りだ。都合のいい日時を伝えてくれれば、後は特に紹介料などもいらないらしい。希望の物をどうにか出来たという事が商人として既に利益的な訳だな。

 

けっこうな額ではあるが、相手と時間と顔を合わせて取引するのも面倒だし、仲介料として一割を譲る条件でウォルターに取引を任せた。

win-winでいこうじゃないか。

ついでにイモムシを二枚注文して別れた。

 

二人と合流して防具を購入する。ようやく二人の装備をまともにできると一安心だ。

 

アシュリーは全身竜革で。己とお揃いになったな。

ヤンガスはどうしようかと相談する。

鋼鉄製で揃えたいところだが竜革と比べても高い。鉄装備で固めることになった。

 

ようやっとまともな装備に切り替えることができてスッキリ出来た。

攻撃を受けないとはいえ、やはり気にしてしまうものだ。

ゲームで同じ状況だったのならば二人の装備などもっとずっと後回しであっただろう。だが現実ではそうもいかない。

 

武器は後回しのままである。それはそれ。これはこれ。

 

帰りにカルメ焼きの屋台を見つけた。おお、原作でもあったやつじゃん。

嬉しくなって二人に食べるか聞いてみた。二人とも好きらしい。

三人で仲良く食べながら宿屋に向かう。

ウサギ駆除の時間だ。

 

 

人は多いがボス付近は少ない。原作でも、若者は確かラピッドラビットでの事だったな。

少しだけ、落ち込んだ気持ちを切り替えていく。一日とかからずのボス戦だ。

ヤンガスもこの階層までで探索者レベリングしていたらしい。ここから先はボス部屋への案内がなくなる。

デュランダルの握りを確かめてボス部屋に入った。

 

オーバーホエルミングからのダブルスキル。ワンショットキル。

そろそろきついのではと思ったがまだまだいけるらしい。

5thジョブに加えて物理偏重構成。種族も違うとあってミチオ君よりデュランダル時は明確に上なのであろう。

 

ヤンガスも初見の7階層だ。原作でも魔の7階層とか言われてたっけ。

 

おお羊。という事はボスはヤギ肉のあいつだな。

恒例のダメージチェックタイム。

デュランダルは安定一撃撃破。やはり強いな己のデュランダル。

 

フラガラッハはどうだろう。確か逃げるんだよなこいつら。

ダブルスキルでワンショット。三匹いたのでもう一匹もそのままダブルスキルで仕留めておく。

 

最後の羊を1、2、あ。逃げ出した。

だが己は速い。オーバーホエルミングせずとも間合いに追いつき三発目。倒した。

 

うーんこれなら問題ない。こん棒で叩き潰して動きを止めてからフラガラッハで仕留めれば追いかける必要もないな。

と、ここでまた思いついた。武器はどうでもいいかと思ってたがこん棒はアップデートしてもいいな。もはや愛着が出てきてしまっているけど。デカい武器ってイイよね…

 

こん棒の上って金属製のメイスだろうけど、大きさはむしろ小さくなりそうだな。重くてデカい武器が欲しいんだが。ベルセルクのドラゴンころしみたいな……………

 

………己って。ドラゴンころしがあったとして、ふれるよね…?

 

えっちょっとまってどうしよう。使いたいんだけど。

憧れの武器なんだけど。

あの鉄塊を。

己の膂力をもって。

敵の頭蓋にブチ込む。

 

想像するだけでイっちゃいそう。装備品にあんな規格外があるわけない。欲しいなら一般的な意味での鍛冶師に注文するしか。

 

でも仮に作ったとして役に立つのか?装備品じゃないのに。

ゲーム的なダメージ計算とHPのシステムだし…

んんん、でも確か原作者さんの感想返しで装備品が一般的な世界になるまでは頑張って殴ってたとかあったような…つまり通じることは通じると…

一般的な村人数人で外の弱い魔物を囲んで殴り続けてかなり時間がかかるんだっけ。装備品の補正がない武器はすごく弱そう…スキルスロットもないし。

しかしゲーム的なシステムとはいえ物理法則が完全に無視されてる訳でもないしな…あの質量を高速で打ち込んだら魔物だって…

 

うう、ちょっと考えておこう…ロマンだから!ロマンは効率の次に優先されるから!!

 

いずれにしても先の話さ!まあこん棒のアップデートは考えておこう!うん!

 

二人に声をかけられてハッとする。思いの外考え込んでいたらしい。ゴメンネ!

よし、切り替えて狩りを続けよう!あ、己はめちゃくちゃ方向音痴なので進む道とか決めてもらってイイっすか…?あ、はい魔物優先で…はいあざっす…

 

ボス部屋がどこかはわからないが狩は我らが誇るレーダー、アシュリーの活躍が光る。

たまに位置関係の都合上、こん棒での足止めからはいれず逃亡にうつられることもあったが追いつく事は造作もない。こん棒を足に向かってぶん投げて無理やり文字通りの足止めをすることもあった。

 

今日も満足のいく狩りだったといえよう。しかし三人とも時間感覚はあまり正確ではない。己は疲れないし二人も基本的に歩いてるだけなので疲れないため疲労感で時間を押し計れないのだ。

 

次にパーティに入れるのはその辺が得意な人だと嬉しいかな…?

 

 

 

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