異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第18話

たまには惰眠を貪るのも良いものだ。

寝て、起きて食事してまた寝た。ぐー。

 

そしてこのプリティボディはいつもと同じ早朝に目覚める。生活習慣を戻すことなど文字通り朝飯前であった。

 

ミサンガ二枚の振り分けめちゃくそ悩む。

予定通りヤンガスアシュリーが丸いのは勿論なんだけど…

カールが暗殺者Lv1である事に加え、彼は前線に出るからだ。

効率だけで言えばこれしかないのだけど…命がかかってるのだから言いづらい。

ゲームなら余裕の選択肢なのに…

 

「ご主人様。お悩みにならないでください。これ程の防具まで揃えていただきました。どうぞ、思うように采配なさってください」

 

ヤンガスさん…ありがとう…最近ちょっと遠い人になっちゃったと勘違いしてたけど、やっぱりヤンガスさんはヤンガスさんだよ…。

 

部下に言わせるなんて…いやこれはもう言ってくれ待ちみたいなものだ。せめて己の責任において指示を出さねばならないのだ…

ヤンガスは己の葛藤などお見通しだ。優しく笑みで受け止めてくれる…

 

よし切り替える。ミサンガはアシュリーカールだ。つけなさい。己が己の責任において命じます。

 

 

久しぶりの!7層!羊!

「カールさんには釈迦に説法でしょうが、ご無理なさらず。問題ないとも思いますが」

 

「どうですかねェ。まあ足引っ張らんよう気をつけますよ」

 

そんなこと言いつつ余裕綽々。のクセ隙がない。うーんこのベテラン。

 

「我々も二日も迷宮を空けるのは初めてでして。勘を取り戻すまでは大人しくやります」

 

「ハイハイ。ワタクシも頑張りマス」

 

 

 

「おいお嬢ちゃん」

 

「はい?なんでしょう」

 

「アンタ、大人しくやるっつってなかったっけ」

 

「?はい。何か?」

 

いつもよりはのんびりしてる。迷宮で歩いてるし。

 

「なあヤンガスさん。普段からこんななの」

 

「呼び捨てで結構ですよカールさん。そうですね…移動がもう少し早めだったかと」

 

「今日はのんびり歩いてますもんね!ご主人様!」

 

「だよね〜アシュリーは可愛いなあ」

 

きゃっきゃうふふ。

 

 

 

 

「だいぶ調子が戻ってきましたね」

感覚が戻ってきている。いい感じ。ギアを上げるか…!

 

「これ以上どう早くなンだよ」

 

カールさんからツッコミ。それは勿論もうちょっと早く移動するのだ!

あ、体力とか…しんどい感じですか…!己疲れたことないんでェ、キツかったら教えてもらえるとぉ…

 

「あァ…なるほどね。小さい嬢ちゃんが魔物ドンドン見つけるからか。大したモンだな」

 

褒められてご機嫌アシュリー。ベリーキュートね…

 

カールさんも余裕だそうだ。まあそうよね。あ、そう言えば

あの、カールさんベテランだしタイムキーパーとか…できたり…する…?

 

「余裕」

 

この返答にカールさん以外の三人から歓声が上がった。やったー!もうあの絶妙にする事のない隙間時間を味わわずに済むッ!より効率よく攻略ができるゥ!

 

カールさんはキョトンとした後、腑に落ちたのか納得顔になった。

経験もあるけど個人差もあるから気にすんなってさ。ベテランかっけえ…

 

この階層も稼ぎやすいな…羊逃げるから人少ないネ。ボスも強いからきっと人気ナイネ。狩放題ネ。

もうちょっとレベル上がれば、6thジョブをつけることが出来る。

己の振り分けで基本的に鉄板構成になるのが

 

必要経験値1/10 31p

入手経験値10倍  31p

武器5 31p

詠唱省略  3p

キャラクター再設定   1p

5thジョブ   15p

 

計112ポイント。

これを基本的に動かせない。ここから経験値ボーナスを増やせるのは相当自身が育ってからになるだろう。

 

ジョブの育成枠をもう少しで作れるため、遊び人取得が現実味を帯びてくる。

商人はそろそろ意識しておきたい。武器商人と防具職人の二つが手に入るのがおいしい。流石に書籍と同じ仕様で商人30レベルないと恐らく派生ジョブがでないだろう。

探索者だけで出てきたらラッキーだけど…期待しない方が良さそうだ。

 

 

「そろそろ朝メシの時間だぜ」

 

!!

やっぱ超感覚違うわ。ズレ散らかしてるわ。ヤンガス、アシュリーと顔を見合わせる。全員首ふってる。ダメ三人組だわ。

では一旦帰還する!今日はガッツリ探索するのだ!!

 

「知ってたが、お嬢ちゃん強いな。ぱぱっと突っ込んで一撃で仕留めてやがる」

 

スキルの同時使用ができるとはねえーと感心していらっしゃる。

インチキというか…グリッチ…?でもミチオ君も遊び人でやってたしィ…

単体攻撃だし、近接だし。許してほしいかなって…。

竜人って種族がズルいって? それは、そう。

ぐうの音も出ねえわ。

 

そういや聞いてみよ。

カールさんカールさん。装備品以外の武器ってぇ、やっぱ無理なんすかねえ?

 

 

「んー?いや別に。農村とか農具使うし」

 

あったしかに?

 

「武器屋行き慣れると感覚狂うかもしれねえが、銅の剣だって貧乏人にゃ高級品だぜ。ありふれてる方が珍しいのさ」

 

そうっすよね…

 

ちなみになんすけど、武器を作るってどうなんすか。装備品じゃなくって。

 

「装備品でいいだろ」

 

ですよねー

一々ごもっともですはい

 

例えばなんすけどぉ、2メートルくらいの分厚い鉄板にィ、刃引いたらどうすかねェ?

 

「…………………スマンが言ってる意味がよく分からん」

 

 

デスヨネー

 

 

「まあ、仮にそんなのブン回せるようなやつがいるんなら倒せるんじゃねえのか」

 

おお…

 

「あんないい剣持ってて使う理由はわからねえけどな。あァ、なンか他が弱くなるとかだったか?よく分からねえが」

 

そうそうそんな感じですアニキ

だから別の得物でおっきくて分厚くて重いのが欲しいなあって。

 

「フーン」

 

あんま興味なさそう。

 

「どんだけ鉄使うか見当もつかねえし、まァ頑張って稼げ」

 

ハイッ

 

では早速行ってみましょう!!今日で8層行きたいね!

己もすっかり以前の調子で大暴れできている。気持ちいい。

並んだ魔物を一撃で葬る姿を見たカールは、ヤンガスと一緒に位置を誘導したり無理やり己の間合いに放り込んでくるなどめっちゃアシストしてくれる。おかげでまた効率が上がった。

己もそれを考えて位置をガンガン移動する必要があるのだが持っててよかった移動力増強。そしてどれだけ走り回っても疲れない肉体。噛み合っておる…!

めっちゃお礼を言うとヤンガスがすごく嬉しそう。ずっと迷宮ではやる事なくってごめんね…シミュレーションRPGの整理整地キャラって感じの活躍は想像してなかった。

カールさんは自分自身が強いだけでなくパーティメンバーを活かす事も上手い。

己も見習わなくては!自分を使いこなすのに精一杯なのはどうしてもある。すぐ成長するし、それに合わせて最適解の動きを調整し続けていくのが己だ。恐らくこれがずっと続くのだろう。

 

ガッツリ探索の甲斐あってボス部屋だ。

このボスは初心者は避ける程の強敵であるが、己とカールさんには詠唱中断がある。デュランダルのダブルスキル一撃でなかったとしても問題ないだろう。

 

一撃だった。いやあ己強い強い。カールさんは笑い出した。

すげえもんだと頭ぽんぽんされた。妹がいたそうだしナチュラル年下扱いだ。いや肉体的には間違いないが。

デュランダルをみて、こえーこえーと自分の首をさすり始めた。身代わりなかったら殺してたな…こえーこえー…

 

8層の敵は、羊!7層のはヤギだったわ。ナチュラルに間違えてた。

羊は眠らせてくるんだっけ。カールのエストックに詠唱中断、石化、麻痺を入れる予定だが眠りはどうかな?すぐ起きちゃうから意味薄いよねえ。

ん〜、でもそれはミチオ君は全体魔法使うからでしょ?あれ、己の戦いだったらアリなんじゃね?眠りって一番かかりやすいみたいだし。

将来的に魔物の数が増えて、ヤンガスとカールも敵を受け持つ事になるよな。何らかの異常が発生したら次々って切り替えてってもらえば安全だし凄く良さそう?

石化麻痺眠りと三つも抽選が入るわけだ。石化麻痺はほぼ終わり。眠りも起きるまでには己の武器が襲いかかるだろう。ほぼ終わり。

なら眠りでも良いか?攻撃力増加もHP吸収もあったら嬉しいけど望んで付けるほどでもないな〜。

ゆくゆくは魔法使いが入る可能性はどうだろう?魔法使いの全体魔法を考えると眠りは微妙だけど。魔法使い自体にウチとあんまシナジーないんだよな。

ルティナみたいになる可能性なんてないだろうし。魔法使いをパーティに入れること自体が鍛冶師以上に難しい。

必須でもなければぶっちゃけ要らない。それなら全体回復要員を入れておきたいかな。

魔法職を入れておかないといけない理由もないし省けそうだ。

いいね。選択の自由度が上がる。

次のメンバーはいざと言う時の為の回復職か、バフ要員かな。主に腕力上がる系。

猫人もいいし何ならもう一人ドワーフ入れても良いくらい…?上昇率が高いし。最悪剣士でも上がるから拘りすぎなくてもいいけれど。

アシュリーが戦闘では可愛い応援係になっているので彼女をヒーラーにするのも無駄がない。

ただ、獣戦士の補正でかいんだよね。己を強烈にバフしてくれている実感がある故このまま応援係をお願いしよう。アイテムボックスはないが薬を持ち歩く分には全然問題ないし、いざと言う時のフォロー役はバッチリだ。

まあ追加の人員は急ぐ必要ないね。カールという思わぬ強者の参加でより安定感を増した。

この層でも、羊の詠唱に意識を割いているがすぐ殺せるしカールもいるので全く怖くない。

どんどん狩っていった。

 

お弁当を小部屋で食べて休憩中である。恒例の歌練習タイム。すっかり迷宮の小部屋がカラオケ扱いだ。

カールも感心してる。今夜は歌おっかとアシュリーに声をかけた。ヤンガスの視線が鋭さを増す。

 

8層のボスまでは辿り着けなかったが、1層分上げた事だし収穫は充分であろう。何を歌うかアシュリーと相談しながら宿へ戻った。

 

今夜も好評だ。なんか応援隊みたいなのもできてる。そのうちオタ芸はじめたりするんじゃないか。

カールも楽しんでくれたようで何よりだ。金を渡していたが酒も飲まないらしい。おひねりの量に引きながらそこに金を返してた。とっとけばいいのに。ヤンガスはもう自由にしなさい。

 

4人部屋も良いのだが、ちょうど男女ペアで分かれられるようになったなと思い当たる。己はあまり気にしないがアシュリーもいるし男組も気を使うのが面倒だろう。

お願いしてみよう。もう亭主はこの美少女の虜である。金ヅル的な意味で。

グレードは下がってしまうらしいが別に構わない。その分食事と弁当を頑張ってくれるそうなので期待しよう。

 

そういえば。魔法使いについて考えていたときにルティナを思い出したが、こっちでも帝国解放会みたいな結社はあるのかな?

ミチオ君は確か、冒険者の仕事に駆り出されてそこから公爵に出会うという流れだったか。

己はこのままだと歌で貴族と関わりが出来るかもしれないな。草。

 

 

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