異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第20話

今日も今日とて迷宮に潜る。

戦いはいい。私にはそれが必要なんだ。

昨日は歌は文化の極みだよとか言ってた気がするがそれはそれとして。

日々成長を実感できる喜びよ。

せっかくのチートスペック美少女ボディなので日々新しい動きも模索していく。培ってきた技術は確かに活きているが、この世界は物理法則が全てはないし思いもよらない戦い方ができるやもしれぬ。

とはいえ新しい発想というものは難しく。

ならこっちでいいんじゃねってなることばかりなり。

いいんだそれも楽しいんだもの。

物理法則で思い出したがカールと戦ったとき。

あれ、己棒立ちでも勝てたんじゃね。

レベル補正があったはずだ。この世界には。ロクサーヌの攻撃が嫌がらせ令嬢に通じないという話があった。技量は圧倒的であるのにかかわらず。

 

なので試してみた。カールには一時的に農民Lv1になってもらう。

戦闘力5。ゴミか…

 

攻撃されてる感覚はあるけど痛くもなんともない。あの時は必死に対応してしまったが無視で良かったとは。なんとも。

10秒あたり400ってとこか。それがあんたが俺に与えるダメージの総量だ。俺のレベルは78。HPは14500。バトルヒーリングスキルによる自動回復が10秒で600ポイントある。何時間攻撃しても俺は倒せないよ。

デュランダルにあるレベル補正無視というのは強烈な効果だったのだな。経験値ボーナス使ってどんどんレベル上がるから死にスキルだけど。

いやそんな事もないか。己より高レベルの敵と戦うとき、これがカギになってくれる。

後は己の力次第だ。カールと鍛錬するのもいい。望むのならヤンガスとアシュリーもどうだろうか。

楽しみが増えてくる。だが今はまだ低層。皆のレベルも低い。

レベル補正に思い当たったのであれば尚のこと皆を守るためにもレベルが必要なのだ。戦いだ。とにかく戦いにつぐ戦いだ。

早朝の探索にてボス部屋を発見。さあ戦いだ。

まだまだ己は圧倒的だ。次の敵はどこだ。

10層とは感慨深い。ここまで来たか。さあ敵はなんだ。

ナイーブオリーブか。コイツが来たならば試したい事がある。

オリーブオイルいっぱいください。

 

 

沢山のオリーブオイルを手に入れたぜ。

人生は戦いだけではない。美味い食事が必要だ。

亭主に声をかけた。料理をさせてくれないかと。

 

「試したい料理があるんです。自分で言うと恥ずかしいんですけど…私の料理って需要ありませんか?」

 

即了承を得た。

 

アシュリーを伴って調理室だ。作るのはパーンのドロップ品のヤギ肉を使ったカツである。

オリーブオイルが自力で手に入るまで寝かせておいた。

パン粉はあるらしいので融通してもらう。肉を切って下味を付け、用意したバッター液に潜らせて衣をつけたら加熱したオイルにドボンだ。

 

パーティメンバーからも好評だ。料理人も無事に手に入った。これで第一目的は達成した。

 

ここから目的の第二段階へ移行する。

ここで亭主も交えて再び相談タイム。

フライは何を揚げても大体美味しい。野菜も魚もチーズも。

串カツとか色々なパターンを教えておく。細かい部分は色々試してもらうとして。

今夜歌うときにフライを色々出してほしい。

つまみとして人気が出るだろう。費用は己が出すので皆に無料で振る舞ってほしい。

普段のお礼にアシュリーと料理を作ったのでどうぞ、と。オリーブオイルは自力で仕入れてくるので元手はかからぬ。

人気が出れば今後も作ってくれるだろう。そして人気が出ないわけがない。ソースはないが己は塩で食べる派だったので問題ない。

 

え、全員分の料理をアシュリーと二人で作るのは大変だろうって?大丈夫だ嘘は言わない。ちゃんとアシュリーと一緒に、衣に使うパン粉削りをする。2秒くらい。後は料理人の仕事だ。己は嘘は言わない。

 

己はファンサができて嬉しい。客は推しの料理が食べられて嬉しい。店は今後のリピートが見込めて嬉しいの全員が幸せになれる計画なのだ。

美少女は世界を笑顔にする。

それでは仕入れの時間だ。

世界の皆を笑顔にするために。

死ね。ナイーブオリーブ!

 

世界の笑顔のため植物を伐採し続けていると、アシュリーレーダーが魔物の部屋らしき場所を感知した。今日もアシュリーは有能可愛い。

素晴らしい。感動的だ。より世界を笑顔にできるな。

経験値が惜しいが石橋を叩きデュランダルの出番だ。

カールもお留守番かな。

ザクザクと殲滅。

充分に美味しいが、これだけ一度に倒せたらカードも落ちてほしいところである。

皆を呼びドロップアイテムを拾っていく。オリーブオイルは拾うのに慎重さを要するが、己の身体のスペックはやはり凄い。凄まじい膂力を持ちながら繊細な操作をも可能にする。まるでスタープラチナだ。速く動きすぎてほぼ時を止めるしな。

などと言いつつ割と手加減をミスってる気がしないでもない。戦闘は難しい。レベル補正とかあるし。そこまで考慮するのはキツイ。どのくらいなのか検証もしないとだしそこまでする気にはなれぬ。

残念ながらカードのドロップは無かった。チッ。

 

幸運な事にボス部屋を発見した。

昼休憩が終わって間もない。今日は揚げ物したりと時間も使ったのに。

オリーブオイルは今夜利用するには充分だが、既にフライの成功を確信している亭主からギルドよりも高値で買い取る事を打診されている。

11層に行くだけ行って今日は笑顔活動をしようと皆に声をかけた。

 

ボスをサクサク処理して11層。低層最後の階層だ。

アシュリーの鼻と耳がすんすんぴくぴく。可愛い。

では10層へ戻ろう。

 

そのままカールから声が掛かるまで収穫を続けた。

 

 

 

「どうぞ召し上がってください」

 

酒場は大フィーバー状態だ。美少女達の手料理だ。しかもめっちゃ美味しいのだ。お酒とも相性抜群。勝ったな。

いつもおひねりめっちゃ貰ってるし少しは還元しないと。

アシュリーには調理場へ行ったときに食べてもらった。流石は本職が作っただけあって美味い。無事にメニューになりそうだ。

たくさん作ってもらうが、負担になって申し訳ないので調理人と給仕にチップをはずんでおいた。持ちつ持たれつで行こうじゃないか。

あまりこういうことがないのかめちゃ喜ばれた。

いいね。食べたいものがあったときお願いしやすくなるぜ。

食事を作ってくれる人は絶対に敵にしてはいけないのだ。

せっかくフライがあるのでヤンガスにはこっちで勝手にお酒を注文しておいた。飲むがいい。

今夜も大成功だ。美少女大満足。

美少女は己のブランディングも完璧だ。

また食べたいものができたらイベントにかこつけて作ってもらうか。

そのうち給仕もやってみてもいいかもしれない。

おさわりは厳禁で。己はたぶん避けられるがもしアシュリーにされたら不届きものを壁のシミにしてしまいかねない。やはり危険か。

 

「そろそろ中層だなァお嬢ちゃん。一つ話しておきたいことがある」

 

カールがヤンガスと一緒に部屋へ来た。なんぞなもし。

 

「中層には盗賊がいる事も多い。この町は新しく迷宮ができたんだってな。そういう時は騎士団の手も忙しい。

小さい嬢ちゃんは他のパーティの動きにも気を付けな」

 

確か、中層に上がるために整えた装備を狙うのだったか。二回くらいミチオ君も襲われてたはずだ。

 

「はい。わかりました。アシュリーもお願いね。それと…先日の盗賊が別のグループには迷宮狙いがいるという事を漏らしていましたね」

 

そいつらの根城の位置も。

 

 

 

 

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