異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第23話

「それでは一旦下がります。どうぞご相談下さい」

 

奴隷商人とシルヴィが下がった。

 

「どうかな?来てほしいと思うのだけど」

 

「よろしいかと。察するに、ご主人様のご希望に添うのですよね?」

 

「いいンじゃね。つーか俺はなんでもイイ」

 

「ご主人様に従います!一緒に歌ってくれますかね??」

 

ふむふむ。まあそういうリアクションだよねみんな。ヤンガスはナイスその通りです。歌ってくれるといいね!

いいのではないか?拠点が手に入って風呂も入れるし石鹸作りに着手できるし。別に宿引き払ったって歌いに行けばいいし。

 

「では、来ていただくことにします。よろしくお願いしますね。お家の契約も行いましょうか」

 

奴隷商人が戻ってきた。

 

「如何でしょうか。他をご覧になりたければご遠慮なくどうぞ仰ってください」

 

あ、他も見たいは見たいわ。

 

「是非来ていただきたいと思います。ただ他にもよろしいでしょうか?家事奴隷もですが迷宮で戦える方も探しておりましたので」

 

「これはこれは…こちらとしても大変ありがたい事です。……随分と良い者を揃えていらっしゃるようお見受け致します。こちらがお勧めしても宜しいですが、お客様でしたら直接ご確認なさるのがよろしいでしょう。男女のご要望はございますか?」

 

シゴデキは話が早い。性別に拘りはないので己一人で一通り見に行くことにした。

 

流石の帝都でも魔法使いや竜人はポッといるわけではないのだな。竜人はともかく魔法使いは別にいらないが。

戦闘用となるとそれなりに経験があったりする者を紹介するようだ。

それはそうだよな。アレだけのウチのメンツ見せといて未体験ですけどどうですかとか言うわけがない。

ただ、己の特徴として経験はあまり要素にならない。カール程となればともかくとして。

 

「決して悪い意味にとらないで頂きたいのですが…当パーティは育成に些かの自信がございまして。使い捨てになど致しませんのでどうぞ未経験の者も含めお見せ頂ければと。最初にお伝えするべきでしたね。すみません」

 

「いえいえ滅相もない事です。使い捨てなどと。大事に扱っていらっしゃるのはよく伝わっております。光る原石をお求めという事でしたら、どうぞご覧くださいませ。もし、本日お眼鏡に適うものがおらずとも気軽にご来店ください。私も仕入れには些か自信がございます」

 

ニヤリって笑い方が似合う人だ。会話も気持ちイイな。

キミ仕事出来るって言われない?

主人と話してるとどの人材も魅力的に見えてきて困る。

己が明確に欲しい人材を決めてないのが悪いのは間違いない。家事奴隷は絶対欲しかったが、戦闘奴隷はなんかイイ感じがいたらとかふわふわにも程があろう。

でも言い訳させて。比較対象のウチのメンバーが優秀すぎるのがいけない。

割と真剣に眺め質問してみたり吟味していくが、うーんやはりピンとくるまではいかない。

 

「そうですね…どの方も魅力的ですが今回はあの子のみでお願いします。お時間取っていただいたのにすみません」

 

「かしこまりました。どうぞお気になさらずまたお気軽にどうぞ。では契約に移りましょうか」

 

商談室へ戻った。

この後はー、家の契約もして。色々買い揃えないとかな。

そのまま無事シルヴィはウチの子になってくれた。早速撫でたい気持ちを抑えつつ、サイレントヒルへ戻るか。色々揃えやすそうで楽かもしれない。帝都と行き来してもいいし。

 

「では。改めてよろしくねシルヴィ。先ずはパーティに入ってくれるかな?」

 

ヤンガスに目配せ。説明が色々面倒なんで後回しだ。落ち着いてからでいい。

無事加入してもらったら今度はフィールドウォークの真似もお願いしてレッツゴー。

 

先程の世話人を捕まえて契約契約さっさと契約!

小物を扱ってる店だったのでドンドン確保して三割引き!無法者め!

家で購入品を置いてー。掃除をお願いしてー。家具屋だな?いやもう服買っといた方がいいな。家具は自分が行くとして。買い物はアシュリーが付き添った方がいいな。ヤンガスとカールに掃除お願いするか。

なんかカールにお願いしづらいけど。

 

「あン?騎士団で慣れてる。任せな」

 

あ、意外とするのね。助かる。おね。

アシュリーと服とか日用品を揃えてもらうためにお金渡してー。

世話人に聞いた家具屋に行こう。引っ越しは大変だー。

 

「いらっしゃいませ。何をお求めですか?」

 

一通り欲しいんだよな。大体の寸法はメモしてもらった。文字は読めんから店員に渡しちゃう。美少女の微笑みと共に受け取れ。

ダイニング用7、8人掛けのテーブルとー、椅子。

部屋結構あったけど流石に一人一部屋とはいかんなぁ。ちょっと一人で寝たかったけど。主人権限でやってもいいけどそこまで欲しいわけじゃない…男女で寝室分けるくらいは造作もない邸宅ではある。

取り敢えずベッド5でいいか。人数増えたら増やせばいいや。

後は収納とー。書き物が出来る机と椅子2セットくらい?

大注文に店員もホクホク。済まないが三割引が火を吹く。実際に火を吹いたら更に値引きしてくれるかな。騎士呼ばれるか。

すぐ配達もしてくれる。残った男性陣頼んだ。一番の力持ちは己だがヤンガスいるしいけるやろ。

寝具は隣。いいねこういう配置。らく。

マットレスと枕は拘りたい。くっそフッカフカボヨンボヨンフワフワなのが欲しい。マジで寝具はこだわれ。いいぞ。

だが宿と大して物が変わらんな。こんなものか?店員に聞いてみる。

 

「そういった高級品は帝都の一流店でございますね」

 

帝都いくぞ帝都。

 

あっちこっち行ったり来たりしてる。まあこれは仕方ない。一日で全て決めて行動しているからだな。計画性が欠けらも感じられない。無限の体力のおかげで疲れこそ感じないのがいっそ問題かも。

寝具店の場所を聞いて、到着。一見様お断りみたいな雰囲気出すな入りづらいだろ。入るけど。

容赦なく吟味させていただく。マジで寝具には妥協しないからな。疲労とは無縁の身体になったが昔から己のベッド大好き人間だったのだ。

己の一番大事な領地なのだ。こだわれ。

異世界にも良い物がある。迷宮素材かなんかだろうか。硬めが好みだったら申し訳ないな。ちょっと好み聞いてくるか。

 

「ヤンガスさーん!カールさーん!今大丈夫ですかー!」

 

「はい!只今」「おー」 男衆集う。

 

「家具がもうすぐですのでよろしくお願いします。それと今寝具を選んでるんですが硬いのが好みだったりしますか?私の好みで合わせちゃうと物凄くフワフワになっちゃいますけど」

 

「宿の寝具はとてもいい物でしたね。ありがとうございますご主人様。特に硬い方が好みなどではありませんのでお任せしてもよろしいでしょうか?」

 

「あァいい宿でいい部屋だよな。文句なんかないぞ。任せる」

 

「えっと。多分思ってるのと全然違いますけど…硬い方がいいわけじゃないならいいですか。もし合わなかったら言ってくださいね。寝具への要望は至急受付しますので」

 

「はい…?」「おう…?」

 

男衆も納得したところで女性陣だ。しかし己は凄まじい方向音痴だ。

アシュリーがいないとアシュリーを探せない。

アシュリーがいないと何も出来ない。走るか。

美少女は走った。必ず獣耳娘二人を見つけ出さんと決意した。美少女は政治がわからぬ。魔物を屠り、盗賊の財を根こそぎ奪って暮らしてきた。けれども可愛いものに対しては人一倍に敏感であった。

 

「アシュリー。聴こえるー?今どこー?」

 

走りながら話しかけてみた。大声だと恥ずかしいので周りには聞こえない、しかしアシュリーには聞こえたらいいなってくらいの声で。

すると先の方の店からアシュリーがぴょこんと出てきた。美少女は方向音痴だが眼はとてもいい。手をブンブン振りながら走った。ブンブン振り返してるのがめちゃ可愛い。

 

「ご主人様!どうしました!?」

 

「お買い物中にごめんねえ。今寝具を選んでたんだけど、アシュリーは硬い方が好きだったりする?私と同じフワフワでいい?」

 

なんだか心配かけちゃったみたいだ。不安そうな顔から安心したいつもの可愛いアシュリーに戻った。ご主人様と同じがいいです!とか可愛いよね。

 

「シルヴィは中かな?あ、いた。シルヴィー。今寝具選んでるんだけど――」

 

シルヴィはそもそもよくわからないようだ。いいぞならば体感させてやろうじゃあないか。寝具の違いによる快眠快適度の違いというやつをな。マジでQOL変わるから。

 

お買い物の続きをお願いして頭を撫でてから帝都に戻る。

 

ぐえっ。流石にMPしんど。クスリ…クスリを…

ふう。寝具店よ。私は戻ってきた。最初に好み聞いとけよってめっちゃ言われそうな中頑張った。マジごめん。

容赦なく最高級品で染めてやろう。あ、うそ半グレード下がベストだわ。無駄に豪華にして目が疲れるだろ。無駄な刺繍で肌にウザそう。最高の寝具は裸で寝ても最高なんだ。むしろ裸で寝るのが至高なんだ。これについての異論は認める。

そして5人分の移動が大変な事に気付いた。己はミチオ君と違ってあんま遠出とかしなかったから、さっきのが初めてのワープ疲れだった。

ポイントで回復速度と、レベル1だけど魔法使いと僧侶入れるか。うん?1だったら今のまんまのがむしろ高くね。このまんまでいいか。7thジョブは付けとこ。

クスリ漬けの覚悟でやればいけんだろ。よし。

店の絨毯前で気合いを入れる。持ちにくい事を除けば一度に持てるが、残念ながらゲートをハミ出てた。しょぼん。

まあ2、3回でいける。クスリ飲めば楽勝よ。

無事運び込みと、タイミングいい事に家具も届いたし女性陣も帰ってきた。次は設置だな。

えっと。女性が三人だから二階の広い部屋をいただく。一階にもある広めの部屋を男性陣の寝室とする。ベッドから行くか。

配置配置〜。これは己とヤンガス無双だ。重さ感じないからな。

ワープが超便利だ。

んで〜テーブルとか収納とか〜

これも己とヤンガス無双だ。カールも余裕そうではあるが己ら二人でパパッとやっちゃう方が効率的だ。余裕で持てるのと余裕で振り回せるの違いだ。いや振り回したりはしないけど。

収納の配置が完了したためアシュリーは服、シルヴィは食器調理器具。

己らは寝具ベッドに設置していくぞー。

 

「ご主人様。あの、寝具とは…」

 

「あ?これ寝具なのか?ウソだろ?」

 

ふふふ。違いに気付きましたか。いいんですよザーボンさんドドリアさん。存分にダイブなさい。寝るのは我慢しろまだやる事あるから。

 

二人が戦慄している事に気分を良くしながら宿の荷物を取りに行った。

 

二人共、うつ伏せのまま固まってる…

男部屋からワープしたのでなんとなくそのまま戻ってきたのだが、無言でマットレスに沈んでいる男二人がいた。

片付けは後でいいし、ひたらせとくか…往復しよ…

それぞれ部屋に荷物を置いていった。よし。こんなものか。

 

「あのー。お二人ともー?そろそろ動けますかー?」

 

ヤンガスは跳ね起きた後、物凄く名残惜しそうにわきへ降りた。

カールは微動だにしねえ。ほっとくか。

 

「適当に持ってきた荷物片しておいてもらえますか?お二人のがこの辺置いてあるので」

 

「申し訳ありませんでしたご主人様。すぐ取り掛かります」

 

いやゆっくりでいいよ…なんならあそこで溶けてるやつに押し付けても。

 

女性陣も終わったようなので適当に持ってきた荷物を片付ける。

こっちはさっさと終わった。

では、いよいよあれだ。異世界迷宮といえば!

風呂だ! 

己が考えているのはテルマエロマエでHEIHEI-HOU-のあれだ。

一人用の風呂桶。足を伸ばせないのは残念だけどないより全然ヨシ!

アレに入ったら絶対HEIHEI-HOUするんだ…

…これ歌詞扱いにならんよね?

これはアレです。お風呂の呪文です。何らかの権利を有してる何かを示したものではありません。

これで大丈夫だろうか。いや何のことかわからないが。

職人への説明も簡単で良いな。

……ちょっと不安だから小さめにしようかな…?

 

 

 

 

 

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