異世界迷宮でハーレムしない 作:とくめい
風呂桶は5日後だ。なんか既にお湯の作成に忌避感を覚え始めているので、5日後と聞いて早く入りたいのにという気持ちと逆にまだ5日あってよかったという気持ちが複雑に両立している。
5日後の自分がんばれ!
まだ時間があるな。では石鹸を作るか。皆にもやり方見てもらおう。
カールはまだ起動してないのか…まあ彼に作ってもらう事はなさそうだしいっか。ゆっくりおやすみ…
何だっけ…シェルパウダー砕いて沸かした湯に入れてコイチの実のふすまを入れながらかき混ぜる…ような。簡単だったはず。やるかとりあえず。
それっぽければ良かろう。最悪錬金術師が手に入れば良し。
ドロドロし始めたらいいんだっけ…?うろ覚えがすぎる。
正式な完成は完全に乾くのにめっちゃかかった気がする。それの前で使ってもいいとも…だめだわからん。
ジョブ手に入れたらとりあえず良しということで。ドロップ品を使ってるから何かしら違いもあるだろう。
安全性は今更だな。確認しながら使うしかない。ていうか買えば良くね。金に困ってた時は仕方なかったが。
上手く出来たら製法売ってどっかに作らせるとかも?始まりの村とか。あそこなら信用があるし。
いい感じにブラッシュアップしてもらって完成品だけ分けてもらえばいいかなって…料理の時と同じ事言ってますね。
利権とかあったら知らん。そういうのと闘うのもお任せする。面倒は嫌いなんだ。
そういや知的財産とかどういう扱いなんだ。聞かないなそういうのは。
ならいいのか。最悪アレだ。村で使えるだけでも全然違うでしょ。
そんでウチら一家庭に分けてもらうくらいは問題ないべ。たぶん。
どんどんアウトソーシングに考えを向けていってるな。その分迷宮行きたいからだけども。
なんでも一人で完成まで持っていこうとするから大変なのだ。任せる所は任せるのが良い。
思えば我がパーティもそんな感じだな。ヤンガスとアシュリーは正にそうだ。カールは成り行き。
ヤンガスは己では絶対出来ない鍛冶師スキル。
アシュリーは索敵。
シルヴィは己にできないからではなく時間効率などを求めた結果だったが、これから頼りにさせてもらう事になっていくだろう。それに食事を用意してくれる人の家庭内でのヒエラルキーは高いのだ。そのうち逆らえないようになってしまう。
石鹸も大した時間は掛からなかった。まだ全然余裕あるね。
シルヴィの装備を買いに行こう!この町に慣れるためにも皆で行こっか。カールは留守番って事で。
シルヴィは足を軽く引きずっている感じだ。痛さとか大丈夫なんだろうか。広さと人数比で二階に決めてしまった。
「来てもらって早々にバタバタとしちゃってごめんね。身体だけど、痛みはある?二階で良かったかな?」
「いえ。問題ありません。痛みももうありませんのでお気になさらずとも大丈夫です。二階である事も問題ありません」
よかったよかった。装備の好みも教えてもらおう。
「装備品をお預けいただけるのですか。感謝いたしますご主人様。武器は片手剣を使っておりました」
なるほどなるほど。なんだかヤンガスアシュリーより良い物になってしまいそうだなこのままだと。アシュリーはいいとしてヤンガスのも更新しておくか。防具は全身カッチリはやり過ぎだろうか。まあいつでも使えるように準備しておけばいいだろう。
あ、そだサンダル。土足スタイルでも良いけど靴脱いだ方が寛ぎやすいし掃除も楽だろう。ウチはそうしようそうしよう。
後は必要な物が出来たらその都度対応していく感じで!戻ったらシルヴィにも色々話さなきゃな〜。
帰宅後、先ずは皆にサンダルを強要する!ウチは今後土足禁止だ!
まだ溶けてるカールも引っ張ってきた。改めて紹介もしたいからな。
取り敢えずお茶でも飲みながらのんびりやろう。シルヴィとはお話ししたいのでアシュリーにお茶をお願いする。水は出しておいたからね!火種はまかせろ。ふー。便利だなこれ。我が家の生活インフラ担当。
取り敢えず装備品を渡しておく。
「えっ……こんな良い物、よろしいのでしょうか」
そうか自分のと思ってなかったんだな。そういえば奴隷は装備も碌に与えないとかあったわ。
与えないじゃなくて与える余裕がないが正確な気がするが。余裕あるパーティでも渡さないのか?効率悪そう。
いいのいいのそれはもうシルヴィのもの。
改めて皆で自己紹介を挟んで。
大事な話があるのだ。よく聞くのだ。貴女の主人は……
ここの説明には苦労する。己自身でさえ出来ることの把握が難しいからな。あんま序列がどうとかめんどいことはないとか、そんな堅くなりすぎなくて良いとかは言われてすぐに出来ないだろうし。そのうちカールを見て慣れてくるだろう。こっちを揶揄う以外で敬語ないし。
シルヴィは海女のジョブも持ってる。剣士もあるが、折角ならこっちで!腕力上昇が更に増えて己の暴力が加速する。
これからが更に楽しみだァ…
そういえば住所が変わるからウォルターにも伝えとかないとな。
己は商館に。お茶を飲んだら宿に戻ろうかと皆に声をかけた。
ウォルターへ住所のメモを渡して宿屋に。
今夜はご馳走だ。シルヴィも歌を気に入ってくれると良いのだが。
あわよくば一緒に歌ってくれ。
女性のトリオグループ。
古より愛される陣形の一つに数えられる。
より多人数に比べ、強力なセンターの影響によるサイドの薄まりを抑え全員が味わい深くなる絶妙な人数といえよう。
動きにも小回りが利く。
この戦い我々の勝利だ。
シルヴィが参戦するかは不明だが。
昨夜は大暴れし過ぎてしまった。シルヴィが引いてしまってはいけない。
私も一緒に歌ってみたいな…とあわよくば思ってもらえるようにすることが肝要だ。クイーンオブポップを見せつけてはいけない。
今夜は自重しよう。
亭主に家を借りたわーと伝えるとフリーズしてしまった。
突然だったもんな。己もびっくりだわ。
十日毎の更新はしたばかりだし、少なくとも期間中は歌いにくるよと加えた事でようやく再起動を果たした。
「なにか、気に入らない事でもあったかい…?」
やば。思ったよりダメージを与えてしまっている気がする。
殆ど衝動買いのようなものなのだ。ミチオ君プレイへの憧れがあっての事だがそれを言うわけにもいかぬ。
ここの暮らしは気に入っていたが、家でのんびり過ごすのが夢だったのだと言う他あるまい。嘘ではないし。
というか契約期間が終わっても歌いに来たいのだが?といえば安心した様子を見せた。今夜からはもうあちらで寝るから部屋は引き払う。
寝具の差は歴然であるので。
調理人達にも挨拶だ。ひどく惜しまれた。
これからも食べたい物があればシルヴィを連れてここで作ってみるつもりだ。
シルヴィも経験があるとはいえ本職と比べてはかわいそうだろう。一緒にここで学ばせてやってほしい。
喜んで引き受けてくれた。仲良くなっておいて良かった。またチップをはずませていただくので期待していてほしい。
「おい。そこの竜人」
おや。この声かけは。
美形エルフだった。
「ちょうど良かった。今夜も料理がありますので是非どうぞ。お口に合えば良いのですが」
「卑しい蛮族の捧げ物を受けてやるのも我が器よ。分を弁えてさえいれば寛容さを示してやらんでもない」
「恐れ入ります。長くここの宿にもお世話になりましたからね。最後の日に料理して良かったです。では、是非歌も聴いてくださいね」
「えっ」
また来るとはいえちょうど料理していた日でよかったよかった。今度は何作ろうかなー。ざっとした作り方さえ見せれば自分以外の人はもっと美味しくしてくれるから助かる。
アシュリーと選曲をしに部屋へ戻ろう。
今宵は世話になった宿への礼と、応援してくれる皆への感謝を伝える事から始めた。
宿を離れる事の衝撃が凄まじかったようだ。推しの引退みたいな顔をしないでくれ。多分またすぐ来るし。
迷宮で戦うもの以外の客も多い酒場だが、危険の多い世界だ。体と危険に気を付けて生きてほしい。そして己の歌を聴くが良い。
挨拶を終え歌い始めた。
亭主に挨拶して家に向かう。キミはよいビジネスパートナーであった。
亭主は調子を取り戻したようで明るく送ってくれた。仕事中の酒場のマスターも一部の調理人まで見送りに来てくれる。
変な人脈を作ってしまったが、友人ができて嬉しい事だ。
今夜のショーは多くのリスナーが涙を見せていた。
そういえば、ちゃんとまたすぐ来るって言ってなかった気がする。完全に最後のノリで挨拶してたかも。
そう思って最後にまた来ますからね!とちゃんと言っておいた。
だが、これはこれで本当に最後の挨拶っぽく聞こえてしまったようで余計悲哀の叫びが大きなっていた気がする。
ま、まあ良いじゃん本当にすぐ来るし。
「ご主人様は吟遊詩人でいらっしゃったのですか?素晴らしい歌でした」
シルヴィが興奮を隠せないまま声をかけてきた。
ふふふ。いい傾向だ。奴隷らしくと堅くなっていたからな。それだけ帝都の商館の教育がいいという事でもあるが、生憎己らのパーティでは必要がない。
やはり歌は国境どころか世界を越える。
しかし吟遊詩人か。なんか否定しづらい。
普通に迷宮が主目的なのに一番金を稼げているのは間違いなく歌だった。サイドビジネスのつもりが本業を超えてしまうなんて。割とよくあることか。
ちなみに歌の次が盗賊の討伐である。もう流れの吟遊詩人と賞金稼ぎでもやったらいいんじゃないかと思えてきた。
ちょっとかっこいいなそれ…と真剣に検討してみた。よくない?旅をしながら歌を歌い、悪漢を打ちのめす。ファンタジーしてる。イイ。
迷宮生活の傍らであちこち回ってみるのもアリかもしれない。
当初は家から迷宮の往復をするために手に入れた現状だった気がするが。
もはや迷宮潜りが仕事ではなく遊びになってるもんな。まあ目的などその時その時に楽しい事をすればいい。
仕事は吟遊詩人かどうかは否定しづらかったので曖昧にしつつ、シルヴィも興味があったら歌ってみないかと誘ってみた。
驚いてあわあわしている。かわいい。これからは迷宮のお昼休憩に家に帰ってくるためそこで一緒にやろうと誘ってみた。
思いっきり歌う事の気持ちよさはクセになるからな。娯楽の少ないこの世界では更に。シルヴィもすぐに虜にしてやろう。
寝具にはすぐ虜になった。アシュリーも。
めちゃくちゃ気持ちよさそうで何よりだ。
己も一人部屋だったら躊躇なく服を全て脱ぎ捨てるのだが。致し方あるまい。
明日こそは階層を更新するぞと決意を新たに目を閉じた。
大変申し訳ありません。
私アイドルですとか女性グループなどに全くくわしくありません。
ので印象で適当に書いています。
有識者様方にお叱りをいただくかもしれませんが、なんかてきとーなこといってんなくらいで流していただけると幸いです…
主人公くんちゃんも戦闘時以外は大して頭使っておりません。