異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第26話

己が美少女である事はもはや確定的に明らかであるが。

犬耳美少女と猫耳美少女が加わるとお互いの良さがミックスアップされて生ハムメロンもびっくりな美少女のマリアージュとなる。

ましてや声まで美しいのだ。

この三人で天下を取れる。

この帝国は我々のものとなる。

かの毛利元就もこう言った。

一本の矢はすぐに折れる。しかし三人の美少女はめちゃ推しだと。

 

脳裏に毛利元就の肖像画がペンライトを振り回してる姿を幻視しながら楽しい歌の時間を終えた。

アシュリーは嬉しいのだろう、シルヴィとわちゃわちゃしてる。

なんてこった。外から見るとよくわかる。美少女同士の尊い姿はこんなにも心震わせるものであったのか。

これはお布施せざるを得ない。二人に銀貨を握らせた。

アシュリーは己の唐突な奇行に慣れているので笑顔でお礼を言うにとどまったが、シルヴィはさすがに混乱している。

ええんやで。ええもん見せてもろうた礼や。とっとき。

 

「ありがとうざいますご主人様。あの、すごくお優しい方に買っていただけて、本当に嬉しいです。歌も、ご一緒させていただいて幸せです。これからも、よろしくお願いします!」

 

さぞや厳しく躾けられたであろう商館での教えから、遠く離れた環境に混乱している中頑張ってこちらへ寄り添おうとしてくれているのを感じる。

見せてくれた素の笑顔はとても可愛らしかった。

 

さて虐殺の続きだ。

ハートフルな美少女笑顔が記憶に残る中温度差で風邪をひきそうだが、引き続き皆殺しのお時間である。

 

徹底的に身体に叩き込まなければならない。恐らくは己の戦術の極致となるこの技術を。

剣のふりに合わせて念じる。ただこれだけの行動をひたすらに繰り返し続ける。

どんな時であってもどんな体勢であっても呼吸のようになめらかに撃ち出せなければならない。

今の己に必要なのは経験値効率でなく、コレを完全にモノにする事だと確信した。

経験値によるレベルアップとも違う、己自身の技量を叩き上げていく。

元の己には才能がなかった。できるようになるまでひたすら練習を繰り返していた。どうすればもっと上手くなれるかを考えるのに夢中になれた。技を、身体を磨く事は楽しかった。

今の己の身体は才能に満ちていた。ただただ楽しい。

 

見つかる時はあっさり見つかるもので、11層の苦労はどこへやら。

ボス部屋にたどり着いた。

頃合いだった。13層では元に戻すとメンバーに伝えボスを一撃にて葬った。

 

13層はラブシュラブだった。

枝を飛ばして遠距離攻撃をしてくるはずだ。アシュリーを守る必要がある。

 

「枝を飛ばしてくる。かなり速いから小さい嬢ちゃんはヤンガスの後ろについてな」

 

「私が全体を引きつけはしますが、突然後衛を狙う事もあるかもしれません。間に合うようなら私が射線に割り込んで受けますが二人も注意してください」

 

この頑丈な竜人の身体はこういう時の為にある。

撃たれる前に全滅させるわけだが。

 

猿と同時に出ると大きさの違いで少々やりづらいな。

猿は大振りなのでチョロいのだが、植え込みの奴が猿に混ざるとウザ。

シンプルに見えにくい。己の身体は眼がとても良いが見えないと反応できぬ。気配とかで反応できたら良いのに。魔法がある世界なんだから。

火を吹けるようになった己の身体だが残念ながら気を感じる事はできないようだ。

舞空術とか使えるようになったら最高なのになー。

己が飛んでたら天使と間違われてしまうか。

それじゃあ仕方ないな。

火を吹く事は練習の末アレンジに成功した。

輪っかを作れるようになった。煙草でやるみたいな感じで。

戦術的な意味はない。ダンボール好きの蛇に怒られそう。

美少女は、ちょっと楽しくなっちゃって…などと供述しており。

しかし仲間たちには大ウケだった。カールは何故かツボってた。彼のツボはよくわからない。

次はハート型に挑戦しよう。酒場でも大ウケするに違いない。

己の真似してふーふひゅーなどとしているアシュリーにほっこりしながら最後にヤギ肉を取りに行った。

 

ヤギ肉をシルヴィに渡しながら思ったが、やはりアイテムボックスがないと食材の管理が面倒であろうか。

シルヴィはにっこりしながら大丈夫ですよと言ってくれたが。

猫耳をふにふにしながら、原作の一場面を思い出していた。

黒い悪魔だ。

全ての命を等しく光で照らす美少女だが例外もある。

悪魔は滅ばされなくてはならない。

相談しようとして気付いた。アシュリーが順番待ちしてる。

等しく愛でてやろう。私は全てを愛している。悪魔以外。

眼光鋭くこちらを窺うヤンガスを我が家の防衛大臣に任命しよう。

美少女たちの笑顔を悪魔から守ってくれ。

使命感に燃えた表情で請け負ってくれた。

これでいい。あの眼をしたヤンガスは確実に仕事をこなすだろう。

 

そういえば。ミリアは魚好きだった。猫人は全員魚に眼がないって事もあるかもしれない。シルヴィはどうだろうか。

 

「いえ、特に好んでいたりということはありません。あの、お食事はお口に合いませんでしたか…?」

 

暗に別の物が食べたいなどと受け取ってしまったのかもしれない。

そうじゃないよただの興味本位だよ〜と抱きしめて落ち着かせた。

こういうのは行動で示した方が理解しやすいだろう。

ハグは日本ではあまりされないが挨拶で行う国もある。親愛を示す行動として優れた効果を持つ。

美少女は美少女に抱きついても罪に問われる事はない。むしろ世界に平和をもたらし宇宙を安定させる。そのうちガンにも効くようになる。

これが現代日本なら通報待ったなしであるがこの家では己が法だ。

さて、ヤギ肉であるが己がソロで全速力で走って狩れば更に効率が良さそうだ。ちょっと試してみるか。肉はあって困るものではない。

同行を申し出るアシュリーだがさすがの己でももう大丈夫だ。

お茶の準備をお願いしてボス近くの小部屋へ飛んだ。

途端に全力で走る。ボス部屋へ突進しリスポーンキル。そのままボス部屋からワープで帰ってきた。

五分もかかってないのではないだろうか。食事の配膳が整う前に終わる。

明日からはウサギでもやってみるか。そっちは道に不安が残るのでアシュリーにお願いした。

ウサギは美味しかったが肉がヤギと比べ小さかったので考慮してなかった。

これくらいなら夜の狩り終わりにさっと済ませる日課として丁度いいだろう。

中層には魚の食材を落とす魔物もいたはずだ。こちらの世界に来てから食べていないためけっこう楽しみにしている。

食事の幅が広くなって嬉しいことだ。異世界迷宮らしくなってきたな。

己もまさかあれほど宿屋で快適生活を続けるとは思ってなかった。

だがシルヴィのおかげで食事はこれまでと遜色ないし寝具に至っては圧倒的な差がある。

やはり家を持って正解だったようだ。シルヴィを迎えた事も。

 

 




読んでいただきありがとうございます。
誤字報告、大変ありがたく思っております。
読むだけじゃなくて書いてみたい!と勢いでドキドキしながら始めちゃったこの拙い文章を読んでくださる方がいるという幸福感を得ております。
感謝の気持ちをどう伝えていいやもわからず。後書きにて失礼いたしました。
表現に苦しむ事ばかりで、原作者様や先駆者の創作者様方には頭が下がる思いです。
今後もよろしくお願いいたします。
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