異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

27 / 60
第27話

猫耳をふにふにしながら考える。

愛でられることに慣れていない、恥ずかしそうに照れる少女の姿は万病に効く。

 

犬耳をもちもちしながら考察を重ねる。

愛でられる事に慣れ、その愛を嬉しそうに享受する少女の姿は寿命を延ばす効能がある。

 

どちらもおかわいいこと…

 

己の性別からミチオ君と違いハーレムとならなかった己だが、これは確かにイイ。とてもイイ。

実に捗る。

今夜は酒場で歌わない?と二人を誘ってみる。

一人は嬉しそうに、一人は少し恥ずかしそうに頷いた。

この二人ええやろ。ボクのモンや。ドヤ顔でヤンガスに視線を送る。

感激の涙を流しながら頷きを繰り返していた。

お前にもわかるか。同志よ。

共に布教しようではないか。己らは宣教者だ。世界に光を。美少女の尊さを。

この地に新たな法を打ち建てよう。

美少女は正義。

 

早朝の探索も順調だ。仲間との連携もこなれてきている。

これはやはりカールの力が大きい。

己は多人数での競技も嗜んだ事はあるものの、戦いにおいては味方と連携する経験がなかった。

 

当初の戦略も、基本的に己が突っ込みどうにかする。殲滅するまで味方には凌いでもらう、という味方との連携を前提としたものではなかった。

己の戦力に自信はあっても味方を上手く使える自信がなかったのだ。

今でも戦略の中心はそのままだが、当初の想定していた形式とは明らかに違いが出ていた。

 

こうして実戦を経験してみると、己から合わせる事も割と得意だったようだが。これはありがたい事だった。

 

パーティ同士での連携した戦いに長い経験を持ち、それを活かせる技能をもった戦士が戦力の柱である己を的確にフォローし、後衛の守るべき存在と連結していく。

もはや己のパーティは己とその他の存在というパーティではなく、一つの生命のように流動し行動する、本当の仲間たちとなっていた。

ただ己の技量にのみ着目しそれを磨く事のみに集中していた事を実感する。視野狭窄であった。

戦いには色々なやり方がある。楽しい。

後ろに味方がいるという事を己は本当の意味で理解し始めていた。

 

朝食をとりサウザンドリーフへ向かう。

亭主に歌う事をお知らせだ!超喜んでる。

調理人たちにも挨拶しに行こう。

今回は料理ではなく、マヨネーズの布教をしにきた。

タルタルソースも作ってほしい。

やっぱフライにはコレよコレ。

今夜の料理には使えないだろうが。

シルヴィにはここで洗練されたホワイトソースとパスタ周りの料理を学んでほしい。

代わりにマヨネーズの作り方教えてあげて!とお願いしていた。

お昼に一度迎えに来るから一緒に食べよう!と別れて次の目的地に向かう。

 

来たのは久方ぶりのソーンウッド職人通り。注文の品を受け取りに来ていた。

 

「おお!素晴らしい出来です!見目も綺麗ですけど、手触りも見事ですね…流石は職人芸…」

 

出来上がったオセロと異世界版チェスである。

実にいい仕事だ…観賞用としてもたえうる逸品ではなかろうか。

遊び辛いよコレはコレで。遊ぶけど。

 

「面白ェ仕事だったヨ!またなんかあったらおいでお嬢ちゃん!」

 

親方エルフも上機嫌だ。この仕事を気に入ってくれたようで何より!

また何か思いついたらお願いしよう!何がいいかな〜。

 

続いては以前考えていたこん棒ならぬ金棒の作成依頼をしてみたい。

エルフ親方に教えてもらった鍛冶職人を訪ねてみよう。

 

こちらの親方さんはドワーフだった。さすがに鍛冶関係だもんな。

欲しいものを説明してみた。

 

「このこん棒なんですけど。ちょっと物足りなくなってきたんです。それでこちらへお願いしたいと思いまして」

 

「あン?ウォーハンマーかフレイルが欲しいってことか?なら武器屋に行きな嬢ちゃん」

 

「えっと。それらとは用途が違うと言いますか。攻撃力を求めているわけじゃあなくって大きくって長くて重い金棒が欲しいんです」

 

己の戦闘スタイルにおけるこん棒のポジションを説明した。

殴って吹き飛ばしたり叩き潰して動きを止めたり、その大きさと重さで正面から受けたり、ブン投げてみたり。

こん棒の性能が物足りないのではなく、大きさと重さが物足りないのだと話した。

 

「………話はわかった。竜人の嬢ちゃんなら俺らみてえに力はあるだろうが……それにしたって希望通りにしたらふれるかわかんねえもんになるぞ?」

 

「そうですかね…?何か重さを試せるものなどありますか?」

 

親方ドワーフは少し考えた後、ついてきなと言って資材を保管している場所へ連れてきた。

 

「この箱にドロップ品の鋼鉄が入ってるが…箱ごといけるか試してみな。そうでもねえとマトモに使えねえだろ」

 

勿論店全部の鋼鉄が入ってるような大きな箱ではないがそれなりの大きさだ。両手で抱えるようにしてみる。お?この身体で初めてまともに重さを感じる。

 

「おお、さすがに重いですね?」

 

頭上に掲げてみたり、前の身体だったら確実に腰をやっちゃいそうな姿勢をキープしたままあちこち動いたりしてみた。

 

「ふむ。長さで重心変わるでしょうし遠心力も加わるでしょうからまた変わってくると思いますが…重量は問題ないと思います」

 

親方は固まったようにこちらをみていた。なんぞ。まさかドワーフでも持てないくらい重いんかこれ。

 

「すげえなあ嬢ちゃん。気に入ったぜ。やってやる。装備品じゃねえから壊れたりなんかは保証が出来ねえからな。まァ、壊せるとも思えねえが…」

 

引き受けてくれるようだ。やったー!

 

「ありがとうございます!あとですね。えっと。もう一つ相談があるのですが…」

 

己のドラゴンころし構想を語ってみた。親方は固まった。

 

「どうでしょうか…?勿論こん棒を先で構いませんので…」

 

「あ、ああ…いやこん棒を作ってからだな。ただ相当の鋼鉄がいる分高くつくぞ?普段押さえてる在庫じゃあ無理だ。こん棒もそうだが…どのくらい必要かは見積もっておいてやる」

 

「ありがとうございます!はい!こん棒に先ずは注力をお願いします!」

 

ひとまずこん棒ならぬ金棒へは出来そうだ。やったぜ。

 

ついでに折角来たしロアナプラへも寄ってみよう。奴隷商人さーん!

相変わらずのロアナプラ顔だ。草生える。ニヤリ笑いするなまじで。

 

「いらっしゃいませ。サウザンドリーフから再度来ていただけるとは。またお会いできて嬉しく思います」

 

ロアナプラ顔はチラッとカールを見て挨拶した。あの後だったなそういえば。

以前紹介してもらったベテランも無事売れたそうだ。優秀そうだったもんね。

また一通り見せてもらう。

シルヴィ一人じゃ大変かもだから戦闘用以外も見せてもらったがやはりしっくりまではこない。

ロアナプラとは相性が悪いのかも。

今日もスマンけど出直すわーと商館を出た。

こちらが実際に奴隷を増やしているしそんなに間もあけずに来ている事から上客なのは間違いない。

気は悪くしていないようでよかった。

 

気に入ってた茶葉を買ってた辺りでちょうどいい時間。

シルヴィと合流して食事をするためにサウザンドリーフの宿へ飛ぶ。

料理の進展を聞きながら食べた。

シルヴィは料理を教わるのが楽しいらしくにこにこで可愛い。

調理人が己の作ったなんちゃってじゃないグラタンや、伝えた味の雰囲気を形にしたパスタを出してくれて嬉しい。美味しい。

今日は客全員とはいかないが、持ち込んだマヨネーズを使った料理を再度お願いしてチップを弾んだ。

次はエレガントに会いに行こう。

 

だがエレガントもふるわず。

この後己はウォルターに会いに行くのだが、一人で行くつもりなので皆は自由時間だ。

行きたい所あるかな?と聞くもないらしい。

じゃあ服でも買っておいで〜とお金を渡して己の分も選んでおいてもらおう。

 

 

「こちらから、羊とコボルト。続いて、牛とコボルト。そしてコウモリとコボルトが2セット。コウモリとコボルトがそれぞれ複数セットでオークションに出ておりましたので2セット揃えることが叶いました。

イモムシが1枚。以上がご希望の品でございます。付箋を付け徹底的に管理しておりますが数も多いですし、有料ですがご確認頂くことも可能でございます」

 

他のカードは少々高値で推移しているとのこと。

ほんとかは知らん。

あ、でも急いでないイモムシも手に入れてるのか。

まあいいやwin-winでいてくれるのなら何でも構わないです。

そして確認は勿論必要ない。この眼を欺けるものかよ!

 

「ありがとうございます。確認は必要ありません。他のモンスターカードも継続をお願いしますね。それからイモムシも追加お願いします」

 

イモムシは予備のつもりだったけどシルヴィにあげよう!

そんで改めて予備を注文だ!

 

「…再度のご注文まことにありがとう御座います。現在のご注文を確認致します。

アリとコボルトを3セット。潅木とコボルトを4セット。スライムとコボルトを4セット。そして本日追加のイモムシを1枚でお間違いございませんね?」

 

あー。3割引の為にもう一枚頼んどこ。

そういや魔法ダメージ低減ってあったよな。

マジカルアーマーだっけ。

何のカードか原作に出てたっけ?

 

「魔法ダメージ低減は何のカードでしょうか?」

 

「貝のカードでございます。大変人気のあるカードで値が下がる事はそうございません」

 

貝なんだ。硬そうだもんな。

属性によらず低減するならそら人気高いよね。

属性耐性揃えるよりコレでいっか。

んー?そういえば。

 

「ヤギが知力を上げる効果だったと記憶しているのですけれど」

 

「仰る通りでございます」

 

「腕力を上げるカードはありますか?」

 

「トロールでございますね。こちらのカードは比較的お安くなっております」

 

やっぱあるんだ!己にピッタリでつよつよじゃん。安いのなんで?

んー。サイクロプスが確か攻撃力5倍…2倍だっけ。

そっち武器に付けるからか。

複数スキルなんてしないもんな。

知力と同じでアクセにも付くんだろうけどそっちは身代わりになると。そんな感じかな?

んん?でも腕力2倍なんて腕にも付いていいよね。

 

「トロールですが、腕の装備に付くことはありますか?」

 

「あるようでございますね。防具は守る為に他のカードを使う事が多いですが出物がないこともありません」

 

あ。なるほど。己みたいに付けまくるとかしないもんね。

そういや攻撃力2倍とかあるのに魔法攻撃力2倍はないのかな。

ヤギしか付けてるの原作だと見ないけど。

強すぎるか。

あったら原作にもでてそう。

使わないからこっちはどうでもいいか。

てかトロールはマストじゃないですか。

 

「ありがとうございます。それではトロールを最優先でお願いします。

出来るだけお早く。コボルトも追加しますがこちらは急がなくて結構です」

 

コボルトは1枚浮いてて良かった。

しかしそうなるとスキルスロット沢山あいた良い防具も欲しくなってくるね。

しかし優秀だな〜色々教えてくれて助かるよウォルター!

いっぱい稼がせてあげるからね!

美少女は一人勝ちしない!

3割引は使うけど…。

うーん。防具商人だよなウォルターって。

 

「それから良い防具も求めています。種類は問いませんが何か良い物はありますか?」

 

オークションも参加した方が良さそうだな〜

 

「防具でございますね。私も防具商人ですので色々御用意致しております。ダマスカス製などはそうそう店頭に置かれる事もないでしょうし宜しければ幾つかお譲りできる物もございます」

 

オークションに出すタイミングを待ってる商品があるんだな。

己は羽振りがいいしハケるんなら売っちゃおうって感じか。

 

「良いですね。ただ、物を直接見てから決めたい性分でして。よろしいですか?」

 

「ええ。そういったお客様もよく居られます。勿論構いません。お時間がよろしいようでしたら少々お待ち頂ければすぐお見せすることも可能でございます」

 

待ちますとも〜。

 

「――以上でございます。お気に召す者があればどうぞお手に取ってご確認ください」

 

ダマスカス鋼の額金

空き ◯ ◯ ◯ ◯

 

良いもん持ってんじゃん……後はスロットなし。

頂きましょう。

カードの料金と合わせて幾らでしたっけ(暗黒微笑

 

 

「防具のご購入も頂けてありがたい限りでございます」

 

「私もいい取引ができて嬉しいです。色々探してるものもありますから情報があったらよろしくお願いしますね」

 

こっちこそマジでありがとうねウォルター!あ、オークションも行ってみたいからよろしくです!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。