異世界迷宮でハーレムしない 作:とくめい
「今日は他にも相談したい事があるんです。こちらをご覧いただけますか?」
引き続きウォルターと商談だ。
異世界ものの定番オセロにござる。
チェスは似たようなのがあるイメージだけど、この世界にはないようだからワンチャンあるでこれ。
「拝見致します。ほうこれは。大変お見事な細工にございますね。調度品でございますでしょうか」
ウォルターでも一見では調度品にしか見えないんだ。
結構いけそうねこれ。
「こちらは遊戯品です。ルールをご説明しますね。まずこちらがオセロと言いまして」
オセロの説明は簡単。チェスは大変だ。
「――――これがチェスのルールです。少し複雑ですが、メモを差し上げますのでどうぞ。ご質問はありますか?」
「…………これは………どちらも。………」
大体何考えてるかわかるよふふふ。
「失礼致しました。どちらも大変素晴らしい発想のご遊戯かと存じます。
……リョウ様。御無礼を承知で直裁に申し上げます。こちらをお売り頂ける。という事でお間違いございませんでしょうか」
話が早くて好きだよ(はあと
「はい。ウォルターさんでしたらお任せしても良いかと考えています。
いかがですか?」
ウォルターには己のカード集めをしてもらう仕事があるけどこういうのふれる人材もいるでしょたぶん。
稼がせとけば面倒もなさそうだし。
「格別な御贔屓を賜り感謝申し上げます。大変にありがたいお話でございます。是非詳しいお話をさせて頂けますでしょうか」
「本日は、まことにありがとうございました。ご連絡差し上げますのでその際はご足労おかけいたしますが何卒よろしくお願い致します」
「こちらこそお話しできて良かったです。モンスターカードでお世話になっていますから。今後もお願いしますね。防具の件も期待しています」
2セットずつ作ってもらってたので1セット見本がてらに売り大金ゲット!
契約は面倒なので基本全部お任せ。
ロイヤリティをいただく。
向こうも見積もりだの準備があるから本契約は次回という事で。
カードを受け取るときに来ますねって言っといた。
さぞ急いでくれるでしょうふふふ。
こっちにかまけられすぎても困っちゃうからね。
カードと防具があるからだからねってクギは刺しておかないといけません。
防具も期待できる事でしょう。
そっちは買うかわからないけど。
めっちゃ取引したから時間かかっちゃった。
皆を迎えに行く。
さすがに服はもう買い終わってる。
待たせちゃってごめんね!稼いできたよ!
しかしシルヴィに職業聞かれたらいよいよ困っちゃうぞ?
もはや迷宮の稼ぎが誤差である。
やっぱり遊びなのか。
楽しんでるのは間違いない。
効率狩りでめちゃくちゃ素材も結晶も売ってるんだけど。
まあ何でもいいか。
オセロとチェスも皆と遊ぶ為に作ったのが本目的なので!
指南書も商品になりそうなので、遊ぶ時は皆に定石教えつつ書き留めてもらっておいてと。
結局商売じゃないか。
いや楽しむついでに稼いでいるのだ。
迷宮と同じだ!
己を納得させたところで、早速オセロとチェスで遊ぼう!
宿屋ではすっかりVIP扱いだ。
泊まらないのに超いい部屋用意してくれてる。
シルヴィはまだ勉強中なのでちょうど偶数人だ。
さあ遊ぶのだ。
三人とも地頭がいいようだ。上達が早い。特にアシュリー。
楽しんでくれているようで大変けっこう。作ってもらった甲斐があるというもの。
夕食まで皆めっちゃ集中して遊ぶ。
娯楽が少ない世界はつらい。
己は己の美しさ以外でもこの世界に貢献できる事があったらしい。
気が早いかもしれないが次の候補を考えてもいいかもしれない。
トランプとかやりたいけど。みんなで出来るし。
しかし紙が。
木の板とか使ってみるか?両面共に染料で塗って木目を隠して絵を描く。
シャッフルで剥げそう。
悩ましい。
好きなWEB小説ではトランプを作ろうとして麻雀牌に行き着いたものがあった。
その線はどうか。
この世界では骨素材が流通しないだろう。
石材では重過ぎるし。無理か。
何か方法はないか。
麻雀牌が行けるのなら形に拘る必要はないかもしれない。
今回オセロを作った。同様に丸いコイン状でも使えないか?
板と比べてシャッフルもし易いだろうし携帯性も。
うーん。
アイデアだけ投げてウォルターに任せるか。
仲買人の仕事が疎かにならないようクギを刺しつつ。
アリっちゃアリだけど形になるまで時間がかかってしまうなあ。
トランプは種類が多過ぎるかな?UNOはどうだろうか。
あれ?冷静に数えてみるとトランプより多くないか。
やめよう。
二番煎じだけど将棋とか。チェスの別ルール扱いみたいな感じで。
これもチェスの人気次第か。
双六とか…これは良さそう
迷宮を攻略するストーリー仕立てなんていうのは。
どっちかというと人生ゲームぽいけど。
途中でジョブが変わったりするのだ。
ゴールは迷宮討伐みたいな。
貴族にウケないかな〜。
難易度とかストーリーを変更したマップをエキスパンション販売していくとか…
そもそもサイコロあるのかな?万が一なかった場合、賭博の始まりになってしまいそう。
個人的にはそれこそ麻雀がやりたい。
これはチェス以上にハードルが高いなあ。
作成は何とでもなりそうだけど、ルールが…
役と点数を己がいいと思うバランスに変えるチャンスとも言えるか。
チェスとオセロも身内で楽しむ為に作ったもので稼ぐのは二の次のつもりだったし、作ってもらうだけ作ってもらおうか。
ゲームを楽しみつつ次の事を考えてしまったぞー。
己にとっては慣れ親しんだゲームだから考え事しながら楽しめていい感じ。
シルヴィが帰ってきたのでメンバーとゲームを代わり代わり。
夕食が届いたけど皆上の空でウケる。
ここで来客があった。
いつかの作曲をしてくれると言っていた美形の吟遊詩人だ。
彼も前回で最後と思っていたらしい。やべ。
美少女の帰還に涙を浮かべながら感動を表していた。
己は歌いたかった曲をあれこれ歌いまくってるので、とても全てを対応する事はできないが幾つか形になったものがあるとのこと。
折角なのでその曲を歌おうじゃあないか。
音があるとまた全然違うものだ。
原曲が頭にある己では混乱しかねない部分があったが、この美少女ボディはアドリブも完璧だ。
今宵も観客達を熱狂の渦へと。
おひねりも相変わらず凄まじい。
ふといつぞやの口の悪い美形エルフが目に入った。
美少女の動体視力はエルフが投げ込んだ金貨を捉えていた。
お前高額スパチャ組だったのか…確かに金持ちそうだったけど…
己に話しかけていた時はめちゃくちゃ素っ気なさそうに装っていたが、今ではどうだ。オタ芸を繰り出さんばかりだ。
目が合ったのでファンサしておこう。
投げキッスの動作で火を吹いた。輪っかのやつ。
エルフの周辺がもはやワーじゃなくてギャーの声になってる。
反応えぐ。
今日はゆり営業はしてなかった為、紳士淑女の皆様方は比較的大人しかった。
微笑みを浮かべリスナーに手を振りながらそっと隣のアシュリーと振ってない方の手で恋人繋ぎをしてみる。
こういうさりげないのも刺さるだろ?と思えばやはり正座組へと変貌した。尊いものをみる表情で頷きを繰り返している集団はもはや一大勢力へと成長を遂げている。成長しないでいい。
亭主も大喜びだ。美少女ロスだったリスナー達だったが、希望を捨てられず彼女は来ないのか希望はあるのかと連日問い合わせの嵐だったらしい。すまん。
やつは必ず戻る。だから継続して利用しろと亭主は言っていたらしい。
プロやんな。
今回はこれからもちょくちょく歌いにくるとちゃんとリスナーには言っておいたから大丈夫であろう。
別に観客がいなくても歌うのは楽しいのだが喜んでくれるならばさらに悪くない。金も稼げるしな…心苦しいくらいに…