異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第30話

何かデザートを振る舞いたい。

己はそう考えた。ミチオ君みたいに流石ですご主人様してほしい。

だがここで大きな問題に突き当たる。

 

作った事ねえ。

 

簡単な料理くらいならなんとか出来るが凝ったものだとか、ましてやデザートなんて作った事がない。

なんか、そうプリンとかをサラッと作れたら…

クソ!何で己はプリンを作る練習をしてなかったんだ!!!

出汁のかわりに砂糖と牛乳で茶碗蒸しでも作ったらそれっぽいか?

困った。

なんかねーかなと食後のお茶をしばきながら考える。

皆はオセロとチェス。

 

原作で何作ってたっけ。どれも美味しそうだったんだよなー。

ここで突然思い出す。蒸しパンだ。あれは作った事がある。簡単だし。

 

材料とせいろを求めてお買い物に行く。うん。どこに売ってんだろ。

諦めて帰宅してアシュリーとシルヴィを召喚する。

ヤンガスとカールはチェスでガチになってた。

 

アシュリーがお店の場所を説明してくれながら案内してくれた。

もうアシュリーなしでは日常生活まで怪しくなっている。

購入を済ませ早速作るぞ!

 

勿論分量なんて覚えていない。めちゃくちゃ目分量で何となくこのくらいとかこんな感じでとかふわっふわな説明をしながら調理を進める。

ベーキングパウダーって要は重曹っすよね。確か。

蒸し時間も当然覚えちゃいない。美少女のカンを信じろ。

 

男性陣も含めて大絶賛だった。意外と大成功を収めた事に己自身が一番ビビる。

美少女はお菓子作りもうまい。

だが己は既に己で作った分量も覚えていない。もう一度やれと言われても絶対同じものはできない。

チラッとシルヴィを窺う。目が合ったシルヴィはにこっとしながら覚えたのでこれからはお作りしますと言ってくれた。

 

心を読まれた。なぜもう作れないとバレた。説明がふわっふわだったのが原因か。

それとも蒸し時間わかんない〜もう適当でいいやって言いながら作ってたのが原因か。これだわ。

 

己の分の蒸しパンをシルヴィへそっと差し出した。

これはいつも料理してくれるシルヴィへの感謝の証であってそれ以上の意味はない。ないったらない。

 

しかしこの感じプリンも何となくでいけそうな気がしてきた。

一度に作るのも芸がない気がするがこういうのは勢いだ。

男の料理ってそういうところない?なんかやりたいって思ったら作る感じ。1時間もすると忘れるからモチベのあるうちに作るのだ。

たまごと牛乳と砂糖どっさり入れとけばいいだろと本職に聞かれたら殴られそうな事を考えながら作り始める。

カラメルって砂糖を熱したらいいんだっけ。面倒だからいいやとプリンづくりにこだわりを持ってる人が聞いたら蹴られそうな事を考えながらそれっぽいものが完成した。

途中からほぼ茶碗蒸し作ってる気分だったが出来上がったものはまあまあプリンしてた。プリンかプリンじゃないかっていったらプリンだった。ならばこれはプリンだ。

ほぼプリンらしきものもご好評いただけた。やっぱりプリンじゃないか。この世界ではこれがプリンだ。

美少女がこの世界にプリンの概念を生み出したところで時間も中途半端になってしまった。本日も唐突に休日としよう。

お小遣いを支給したが皆まだまだオセロとチェスに夢中のようだ。存分に楽しんでほしい。

 

ご好評いただけた事に気をよくした美少女は昼食も作る事にした。

美少女はすぐに調子に乗る。

己が作る事を宣言したらシルヴィにめっちゃ微笑ましいものを見る目で見られた。己より小さくって可愛い猫耳美少女なのに。

なんだろうこのきもち。この胸に湧き上がる暖かいものは。

これがばぶみ…? これが心か

汚いウルキオラとなった美少女はピザを作る事にした。これも意外と簡単なのだ。自作だからめちゃ美味しいかは別として。

これも宿の調理人に伝えて美味しくしてもらわねば。野菜の色が地球人的に許せないがしかたあるまい。

勿論大好評だ。ピザはピザである時点である程度の味が保証されている素晴らしい料理だ。

 

その後美少女はサウザンドリーフに来ていた。ここにある新しくできた方の迷宮に行ってないなと思い当たったからだ。

暇な時も迷宮に来てしまうあたり中毒になってるのかも…少し不安になる。娯楽ないから無双してる時が一番楽しいんだよね…

 

迷いながらも迷宮についた。

取り敢えず一層でもブクマしようかとしたら声をかけられる。

探索者と戦士のコンビだった。レベルも低い。

装備も得物も持たず一人で入ろうとしたから心配したらしい。ナンパかと思ったぜ。美少女だからな。

よかったらパーティ組まないかと誘われた。ナンパだったようだ。美少女だからな。

MMOの野良パーティみたいでちょっとワクワクしたので参加してみることにする。本来のパーティを解散して誘いを受けた。

適当に探索者なんですーとか言ってアイテムボックスから装備を取り出した。

竜革装備だし、いつもは上の層行ってるんだろうと申し訳なさそうにされたがヒマ潰しなのでこちらは全く構わぬ。

1層がコラーゲンコーラルだった。得物はさすがにボーナス武器は出さずにこん棒で殴ったが、まあ一撃ですよねー。

すげえーとひとしきりテンション上がった後再び申し訳なさそうにされてしまった。まあなにかの縁という事で。野良あるある。

そういえば経験値十倍だった。でもいっかーと1層をうろつく。己は当然前を歩いたりはしない。絶対に迷うからだ。

アシュリーがいないため魔物を探してうろつくのはとても久々だった。のんびり歩いて探索するのも。普段軍隊みたいに走ってるからな…

歩きながら色々話してくれた。貧乏だから頑張ってるとか幼馴染同士だとか。戦士の方は騎士になりたいらしい。何となくカールさんの若い頃を想像した。

1層をキャリーするくらいかまわんだろと見つけた敵を殴っていく。

しかし適当にうろついてるはずなのにちゃんと魔物を見つけるね…やはり己はソロだと行ったり来たりしてばかりだったようだ。

ひ、広いからだし…ミチオ君だって数日さまよったりしてたし…

色々話してもらったがやはりこの世界は大変なようだった。

迷宮はどんどんわいてくるのでどんどん討伐しないといけない。貴族が討伐するがそのために税金も楽ではないと。

だいぶ搾り取っているようだ。原作者様もいっていたなー。

ドロップ品は全部譲ろうと思っていたのだがキッチリ分けさせられた。

むしろこちらの分にしないとおかしいとまで言う。別に寄生だってこちらの気まぐれだし構わないのに。生活苦しいって言ってたし。

こういう人が騎士になったらいい。なんか関係切りたくなかったので世話になった宿の名前を伝えて何かあったらそこの亭主に言ってと伝えた。亭主から己に伝わる。

相手の宿も聞いた。今度差し入れでも持っていくぜーといって別れた。

気のいい奴らであった。

家に戻ったら日課と定めた食材ボスRTAを行う。

ふと思い当たったのでパーンだけ2周した。

さっきの奴らに差し入れに行くべ。

 

 

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