異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

41 / 60
第41話

魚を手に入れホクホク顔で本日の探索も終了だ。

探索終了間際の僅かな時間ではお頭付きまでは手に入らなかったが、この討伐ペースであれば時間の問題であろう。

シルヴィの水生強化パッシブのおかげでやわらか魚人と化している。

 

「シルヴィ。魚料理は出来るー?白身が手に入るようになったよ〜」

 

「はい。作れます。海は猫人の領域ですので魚料理も得意です」

 

にっこりシルヴィ。ミリアのように特別好んでいる様子ではないが、いってみればふるさとの味みたいなものか。

ソウルフード的な?

米食べたいな。

これなら魚料理も期待できるだろう。

ワクワクしちゃうぜ。

夕食前のRTAを済ませて食事の時間だ。

シルヴィの料理は美味しいが、それはそれとして魚醤とかがそろそろ欲しい。

調味料とスパイスがないと。

醬みたいなのはあるみたいだし。

敏感なアシュリーでも大丈夫なものがあれば色々試せる。

相談してみるとサイレントヒルでもある程度手に入るものもあるようだが。

お金を渡しておくのでまずはシルヴィに色々試してもらおう。

凝ったものが欲しくなったら帝都あたりで仕入れすればいいかな。

こちらの料理は迷宮産食材の味の良さで現代日本と遜色ない味わいがあるが、朝の焼き立てのパンはむしろこちらの方が美味しい。

パンって焼き立てだと異常に美味しいんだよな…

親戚にパン屋がいて、子供の頃に食べさせてもらった事があるのだが焼き立ての味に衝撃を受けた事を未だに覚えている。

信じられないくらい美味しかった。

食卓の豊かさのためにも、魚人を蹴散らすとしようか。

その前に今朝はウォルターだ。

 

 

「羊とコボルトが、三セット。牛とコボルトが、こちらです。アリとコボルトが1セット。潅木とコボルトが1セット。以上で御座います。

コボルト以外は安く手に入りましたが、やはりコボルトはお求めの数も多く少々高値の推移となっております。申し訳御座いません」

 

「大変結構です。そのまま継続をお願いします。ウサギのみ二枚に変更します。はさみ式食虫植物とコボルトを1セット、貝とコボルトも5セット欲しいのでこちらも急ぎませんが少しずつ揃えて下さい」

 

注文の変更と追加をして〜。こんなところかな。

早速ヤンガスにお願いだ。

 

ソフィアの竜革靴に移動力増強。

ヤンガスアシュリーソフィアの武器に眠りを付けて、状態異常耐性はどうしようかな。

カールのダマスカスの鉢金が4スロットだからそれに毒と麻痺耐性入れるか。

己の毒耐性の竜革頭とカールの装備を交換。

これで己に麻痺耐性もついた。

事故の可能性がより少なくなった。

気になるのは眠りだ。どのくらい変わるかな?

 

 

酷いことになった。

カールの高確率睡眠付与に比べたら低いとはいえ、状態異常では一番確率が高い。

しかも全員に眠りがついているので一度眠りが付く程度ならあっという間だった。

そして眠りは己らのパーティでは二度と目が覚めないことを意味する。

己が引き付けて暴れてる時に引きつけきれなかった相手を四人が眠らせようとするのだ。

眠った相手は目が覚める前に己の暴力に晒される。

戦場は更に安定性を増した。凶悪すぎる。

これが己らのパーティの必殺の型になったな。

原作ではミチオ君の戦闘スタイルにイマイチ合わなかった眠りが、己の戦闘スタイルでは途轍もない凶悪さを剥き出しにした。

全体麻痺の雷に比べ単体ではあるものの確率が高い睡眠。

その上己以外の四人がかりなのだ。

大半は己が受け持って蹴散らす中、漏れた敵を個別に即時無効化する戦略がめちゃくちゃ噛み合ってる。

ミチオ君達とはまた違う形式で暗殺者が環境をブッ壊した瞬間だった。

 

こちらを即死させてくる呂布みたいな奴が、高確率でしばらく無抵抗にさせてくる味方を四人引き連れているのだ。

魔物目線クソゲーが過ぎる。

己だったらフォーラムで大暴れするかもしれない。

修正待ったなし!

勿論ゲームじゃない命のかかった現実では仕様を思いっきり利用する。

神が与えたもうた仕様という名の運命よ!

大人しく美少女に蹂躙されるがいい!

暴れに暴れ、時に尾頭付きをゲットしつつ探索は続く。

昼休憩時には皆も興奮の様子だ。

解答出ちゃった感あるもんね。

歌の練習時も朗らかな時が流れた。

 

午後も殲滅が続く。続けて階層更新とはならなかったが、魚も沢山手に入るし良いだろう。

渡した白身をシルヴィがどう調理してくれたのか楽しみだ。

 

スープは出汁が利いているしムニエルはシンプルに美味い。

大満足です。

みな魚を食べ慣れていないようで新たな美味に喜んでいる。

ボスはまた違う魚食材をドロップするとなってモチベーションもガン上がりだ。

赤身やトロは刺身で食べたいけどさすがに生では食べないみたい。

そうだよね…

湯引きすればいけるんじゃないかな。

皆が抵抗あるなら己だけでもいいし。

ワサビも欲しくなってくるな。

 

オセロとチェスを楽しむみんなに書いてもらった指南書みたいなものも、初めての方へ編と初心者が楽しむ編と完成したので次ウォルターに会う時に売り込みをしよう。

この二つは本体とセット販売か付属になりそうだが、それならそれでより商品価値が高まる。ウォルターもニッコリであろう。お客様も楽しめてニッコリ、己もお金がたっぷりで皆ニッコリだ。

 

 

翌日の午後探索にてボス部屋を発見。踏破。

ドロップは赤身だが良し。

その夜の食材ボスRTAではマグロ狩りが追加された。

18層でソロはさすがにデュランダルなしでは怖いのでデュランダルを出す。

デュランダルがある己は呂布からフリーザくらいに変貌する。

19層が豚だったので食卓の彩りは更に輝かしさを増していく。

ボス素材は食材ではないらしいので日課RTAは必要ないだろう。

猪肉とか興味あったんだけどなー。

 

その夜は尾頭付きを調理してもらった。

出汁がより利いている。

シルヴィも尾頭付きは初めて食べたそうなので感動していた。

ソフィアもだいぶふっくらとしてきている。

太ったわけではなく、苦しい生活でやつれた身体が栄養によって調子を取り戻してきているのだろう。

小さいと思っていたがいうほど小さくもない。

やつれた身体で余計に小さく見えていた。

女性って成長期早いんだったっけ。

まだソフィアは成長してるみたいだから沢山食べさせなきゃ…。

というか現時点でアシュリーよりも成長してるような。

どこがとは言わないが。

大きさで価値は変わらないのだ。

己は声を大にしていいたい。

世には大きいものしか認めない過激な存在もあるようだが、己はその主張に対しはっきりと否を告げる。

大きい存在に対し小さきものが、いいなあと自分自身にコンプレックスを感じている姿は大変尊いものであると皆さんにはご理解いただきたい。

勿論小さき自分自身に誇りを持つ姿もまた味わい深い。

どう転んでも美味しい存在、それが小さきものたちなのだ。

世の持たざる者たちよ。希望を持ちなさい。

需要はあります。

希少価値でステータスという奴だ。

何がとは言わないが。

 

アシュリーに慈愛の籠った視線を向けているとにこにこ笑い返された。

可愛いは正義だからやっぱり大きさとか関係ないよね。

世の真理だ。

何度でも説こう。

可愛いは正義。

啓蒙しなくては。

美少女の尊さを。

 

翌朝も豚を狩る。

昼食時には早速豚バラを料理に使ってくれていた。

ソフィアは豚肉がお気に召したようだ。

ピッグホッグを見る視線が熱い。

恋する乙女のようじゃないか。

対象は味だけど。

姉なるものとしては全力でお姉ちゃんを遂行するしかない。

張り切りすぎてボス部屋を見つけた時、心なしかソフィアが落ち込んでいるように見えた。

そんなに気に入ったのか。

アイテムボックスにクソほど入ってるから暫くは大丈夫なのだが。

 

「沢山お肉が手に入ったけど、なくなったらまた来ようね」

 

「はい!また来ましょうおねえちゃん」

 

お目々キラッキラかわいい。

どんどん上の階層行って下の階層の素材は買えばいいやと思っていたが、この目は裏切れない。

豚は狩りに来よう。

食材を落とさないボスへのソフィアの冷たい視線を思い出しながらそう考えた。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。