異世界迷宮でハーレムしない 作:とくめい
ありがとうございます!
「ドミニク。元パーティメンバーだ」
「ドミニクよ。よろしくね!ドロシーって呼んで頂戴!」
そうかよろしくなドミニク。
彼の膝の上でソフィアがニッコニコだ。かわいい。
デカい男と幼女っていいよな。
カールが騎士になった頃の話を聞いていた。
妹とその旦那は商売を始め、ドミニクは親交のあった別パーティと合流し探索者を続けていたそうな。
そして冒険者まで至ると。
金持ち商人の雇われなんかをやってたらしいが、友人を襲った盗賊に雇人とは違うが金持ちの商人が関わっていた事から嫌気がさしたらしい。
今はギルドの斡旋する仕事だったり迷宮に行ったりとかで細々やっているそうな。
当時からカールの捜査の協力をしていたそうだが、カールに亡き友人達の遺産を半ば無理矢理押し付けられこの地で待たざるをえなくなった。
必ずソフィアを見つけ出すが、当ての無い旅にこれ以上ドミニクを巻き込めない。
見つけ出したソフィアの居場所になってほしいという願いだった。
ドミニクはブチ切れながら了承したそうだ。
めっちゃ怖そう。
ソフィアを見つけたと知らせが来た時は狂喜乱舞だったとか。
すぐに飛ぼうとしたが読まれていたカールに大人しくしていろと、返事がこちらにつき次第挨拶に行くとあってまたブチ切れていた。
秘密が多い己を気遣ってくれたっぽい。
別にすぐ来てくれても良かったけどね。
カールとソフィアの知人だし。
ドミニクが、カールちゃんは昔からアタシを都合の良い女扱いするのよって言ってる。
してねーよとカールは返したがどっちの意味だろう。
女扱いはしてなさそうだからこっちだろうか。
当然の様に遺産には手を付けず保管していたようだ。
金だけでなく思い出の品も残っていたようでソフィアは涙を流していた。
筋違いだろうが己からも何かお礼をしたかった。
こちらも当然のように固辞された。
そういう男だろうな。
女だったっけ。
「今はサイレントヒルに住んでるのよね?コッチには戻らないのかしら。ウチでも全然歓迎するわよ」
ふたりが望むなら己はそれでも良かったのだが。
ふたりとも己と一緒に居てくれるといってくれた。
ならこっちに引っ越そうかとも思ったのだが。
己は土地にあまりこだわりはなかった。
それはふたりも同じようだ。
貴族みたいに土地に代々とかでない限り一般的にあまり故郷がどうとかの感傷はうまれないらしい。
条件に合う迷宮を回ったりする都合もあるしそもそもカールの生まれもこの辺じゃないとか。
なるほどなー。
「アタシもそっちで暮らそうかしら。もうここに居る意味もないしね」
いんじゃね。サイレントヒルはドミニクも住んでいた時期があったようだ。さすが迷宮都市。
ソフィアも嬉しそうだしね。
落ち着くまでサウザンドリーフの宿紹介するか。
己の口利きなら良い扱いを受けられるだろう。
というより離さないようにされそう。己を呼び寄せるために。
おまけに優秀な冒険者だし…。
「それではそろそろ私はお暇しますね。これからもよろしくお願いしますドロシーさん」
己は帰ることにした。ふたりはせっかくだから厚意に甘えてお泊まりって事で。
カールは微妙に複雑な表情だった。多分ウチの寝具だな…
それでも嬉しさがギリ勝ってるぽいのでよかろ。
ソフィアは嬉しい気持ちと己と離れる寂しさと半々の表情だった。
かわいすぎる。
おねえちゃんもお泊まりしませんかって言葉は、上層の魔物より己を激しく揺さぶったがギリ遠慮した。
マジでギリだった。
危うく膝をつきそうになった。
カールより己を追い詰めたな。
ウチに帰る頃には夕方にならない程度。
こちらは正確な時計がないが午後三時くらいの感覚だっただろうか。
ヤンガスアシュリーシルヴィは三人ともお家にいたようだ。
なんか奇数でも出来るボードゲーム作るかと簡単に制作したスゴロクに熱中していた。
文字は書けないので適当なイベントを考えて書いてもらったのだが、己は読めないので参加できない。
アイデアだけ出して後は適当に面白くして〜と例の如くぶん投げていたのだが、みる感じ随分と凝った作りになってそう。
マス目超増えてる。
席を立とうとした三人を抑えて全員分のお茶を淹れて観戦させてもらう事にした。
マスのイベントを己が分かるように読み上げてもらってるのだが意外と面白い。
ゲロいイベントは大体アシュリー発案らしくて草だった。
夜は三人で宿に食べ行こう〜と声をかけてそのまま観戦に興じた。
亭主に声をかけてドミニクをよろしくお願いする。
ソフィアはいないが今夜も歌う旨を伝えれば最高の待遇を約束してくれた。
マジで逃さないお前だけはってされそう。
ドミニクが得する分にはなんでもいっか…
調理人達にもシルヴィを連れて挨拶しに行った。
シルヴィも随分と仲良くなっているようで微笑ましい。
料理長には完全に弟子扱いされて可愛がられてた。
こんなんチップをはずむしかないじゃない!
今夜は急だったし、客へは飲み物を一杯奢る程度ってことで。
食べたグラタンはもはや日本で食べたものより美味い気すらする。
ドロップ品やべーな。
歌は当然大好評だが一部紳士淑女の皆様はソフィアがいない事に憂いがあるようだった。
が、アシュリーをみてすぐ持ち直していた。ソフィアより小ちゃいからねアシュリー…
どうやらこの人にとっても気になる事だったらしい。
「おい竜人。ちび人間はどうした」
ちび人間て。今夜はお友達のところにお泊まりなんです〜
「む…そうか。………こいつをやろう竜人。飴だ。高級品だぞ。
貴様らでは滅多に味わえない甘味だ。ありがたく思え」
ちゃんと4個あって草。
ファンエルフは己が一番だが箱推しもしてくれているらしい。
ありがとーきっとソフィアも喜びますーと言うと、いつも仏頂面を維持しているのに口周りがニヤつきかけていた。
子供好きとかかわいいなこいつ。
ソフィアがエルフ態度悪ってぷんぷんしてた事は黙っとこ。
なんか泣いちゃいそうだし…
今夜は四人だけど時間もあるのでお風呂も入れることにした。
食材RTAでは今夜こそトロと意気込んだが出ない。
物欲センサーは異世界でも存在するらしい。
お供のマーブリームが尾頭付きをめっちゃ落としてるのに。
ボスのレアドロってより出にくいんだっけ?
そんな設定あったっけなー?偶々だと思うが。
ヤンガスが仲間外れみたいになってしまうが、この人数なので女性陣みんなで入る事にした。
ヤンガスはむしろ自分以外一緒の方が喜ばしい模範的な壁だったので問題なかった。
ふたりは昼前くらいには帰ってくる予定だ。
朝食後はのんびりゲームでもしながら待つとしましょう。
早朝の探索はやっぱり牛人かな〜。
三人での探索のため、念の為全開戦闘で行こうと予定を立てその日は眠った。
三人の探索は久しぶりだな〜。
戦闘は全力だが、三人だし急がなくていいやとのんびり探索していた。
ヤンガスアシュリーも油断はしていないがリラックスした様子で久しぶりのトリオ探索を楽しんでいた。
こういう時にあっさり見つかるようでボス部屋を発見できた。
物欲センサーが本当に存在する疑いを深めながら、その後はソロでボス周回を行う。
朝食後は帰ってくるふたりと客人に蒸しパンでも振る舞おうと提案してシルヴィを手伝おうと思ったのだが、もはや己はいない方がいいレベルの存在だったため大人しく応援する係になった。
アシュリーの方がよっぽど己より調理が上手くなっている。
アシュリーは悪気が全く感じられない純粋なニコニコ顔でご主人様はゆっくり待っていてください!と言ってくれた。
シルヴィはもはや定番となった微笑ましいものを見る穏やかな笑顔でお任せくださいねと言った。
このままではばぶばぶ言う生物になってしまうと危機感を覚える己。
そろそろ起死回生の一手が必要だ。
以前構想したカレーに挑戦する時が来たのかもしれない。
これでもハマっていた時はカレー粉から作っていた時期もあったのだ。
すぐジャワカレーに戻ったけど。
当然分量など覚えていない。そもそもスパイスの名称が一致しない。
たぶん一致していてもどれがどれだっけってなるので問題が問題ではなかった。
問題になる以前の問題だった。
見せてやるよ。美少女のカンを。
この肉体の性能を十全に活かしてお前達の味覚を蹂躙してやる。
美少女は己の魂に誓った。
とても眼がいいが耳も鼻も別に普通な美少女は果たして無事に完璧なカレーをこの異世界の食卓に創造し、見事主人の威光を取り戻す事ができるのか。
美少女の戦いは始まったばかりだ!
ネタバレ:できない