異世界迷宮でハーレムしない 作:とくめい
早朝の時点ではボス部屋まで行けなかったが、その分狩りをこなせた。
34層の混み具合がどうだろうか気になっている。
昼までには行ってみたいところ。
33層の狩りが捗りすぎる。
マジで人気ない。穴場っすねサイレントヒル迷宮の。
ボス部屋の発見は午後になってしまったが、これはこれで満足だ!
ボスのランドドラゴンはコモドオオトカゲだっけ。
空飛んでるドライブドラゴンより速いらしいね確か。
オーバードライブだから関係ないが。
スープにするとより美味しいらしい竜肉もゲット。
せっかくなのでドラゴンジャーキーを皆で食べ回しした。
シルヴィにもとっておかなきゃ。
34層は混んでるとまでは行かないが普通に人が居た。
うーん残念。
アシュリーの案内で大きそうなグループを食ったら33層に戻ることにした。
コボルトは魔物が一段階強くなる階層でもコボルトだった。
それでもドライブドラゴンくらいには強く感じる。
いや、34層のドライブドラゴンの方が強いかも。
ボスのコボルトなのに。やっぱりコボルトって…。
入場料を取られるサイレンヒル迷宮なので、長く狩ろうとするパーティも多いであろう。
早朝のうちに34層を探索することにしようかな?
しばらくメインの狩場になるであろう33層をアシュリー探知を頼りに暴れ回った。
手に入る経験値が大きくなっているのを感じる。
1stジョブに設定中の英雄はさすがに上がりが悪くなっているものの、他のジョブはサクサク上がって最高の気分だ。
己のみ必要経験値を減らせる分効率がより高い。
皆の50レベルより先に、己の遊び人が50レベルへと到達していた。
宮廷道化師Lv1 空き 空き
空き 空き
遊び人の中位ジョブらしい。
ドラクエ的に賢者かと思ってた。
宮廷道化師はある意味賢者か。
条件なんだったんだろ。シンプルに50でよかったのか中位ジョブが複数必要なのか。
中位ジョブ複数の時点で普通に考えて無理ゲーだしやっぱレベルなんかね。
遊び人の解放時点で常人では無理だし。
効果はシンプルに強い。
魔法ビルドだったら遊び人と併用するまでありそう。
てかやっぱり魔法ビルドさいつよやんな。
己は恵まれたフィジカルがあるから呂布状態だが。
遊び人と入れ替えた。
勇者の腕力大上昇と英雄の腕力中上昇をステータス補正にセット。
スキルは剣豪のハイスラッシュと武王のハイラッシュ。
腕力補正が更に大きく増えてもうわけがわからない。
問題はクアドラプルスキルだが。
一撃の間に四つのスキルを念じるのは非常に困難だった。
魔法ならクールタイムもあるし完全同時でなくとも何も問題はないが、物理攻撃に乗せて念じるにはとてつもなくキツい。
もはや己の剣は呼吸とかわりない自然なものになりつつある。
狙った部分に刃が到達する前に念じ切るのはトリプルであっても大変な修練を要した。
三つと四つでここまで差が出るとは思わなかった。
タメを作り、大きく振りかぶった斬撃ならば放てる。
まさに必殺技といった様相だ。
この運用でも必要な時にあるとないとでは大違いだろうが、己が求めているのは呼吸のように放てる剣だった。
修練を積んでいくしかあるまい。
魔物を倒すのにクアドラプルも必要ないが可能な限り四つのスキルを念じ続け、MP回復薬も飲みまくりソフィアのMP切削付きの剣と交換してまで撃ち続けた。
一日二日でどうにかなるような感覚を超えている。
毎日出来るようになるまでやってやる。
その日の狩りを終えたとき。
遊び人の上位のジョブを得られたと、喜びを皆と共有した姿とは変わり果てた初めて見る疲弊し切った己の姿に全員が動揺を見せていた。
「心配させてすみません。ですが出来るようになるまで繰り返します」
特にシルヴィの狼狽は目に見えて大きかったが貫き通した。
急ぎカードを仕入れてくれていたウォルターにも取り繕う余裕がなかった。
日課の食材集めも風呂も妥協しない。
ここが修練のしどころだ。
己には才能がなかった。できない事はできるようになるまで繰り返し続けた。
この身体はここまでどんな無茶な要求にも応えてくれた。
こんな身体と才能をずっと求めていた。
己がどんなに望んだって手に入らなかった力と素早さと頑強さと反射神経が、今はこの手にある。
後は己の精神だけだ。
モノにするまで諦めたりなんてできない。
他の部分で負けてもここの部分で負けたくない。
もはや意地であった。
横を抜けざま、剣が魔物を真っ二つにする。
ロックバードが右前上空に、ドライブドラゴンが正面よりこちらへ攻撃を仕掛けようとしている。
横を通り抜けた魔物が煙に変わる中、蛇と鳥が同時に斜めにズレた。
撃とうと思わず自然と放たれた四つのスキルによって生まれた太刀筋だった。
魔物は今ので全滅している。
ふと、記憶がぼんやりしていることに気付く。
「すみません。あれからどのくらいたってます?」
「五日だな。つかめたのか」
「いえまだ全然。なんとかってくらいです。でも一区切りつきました」
段々思い出してきた。
剣を振る以外ずっとぼーっと過ごしてた気がする。
ふってない時もブツブツいってた気がする。
超ヤバい人だった気がする。
「えっと。色々すみませんでした。ようやく慣れてきた感じがするのでここからは普通に頑張ります」
やばいアシュリーソフィアが半泣きだ。どうしよう。
ご、ごめんね…?
ヤンガスカールは助けてくれる気がないようだ。
えっと、今って確か、感覚的には夕方になってないくらい?カール合ってる?大体そんなもん?じ、じゃあ今日は終わろっか!シルヴィとも一緒に遊ぼう!そうしよう!
己は家に逃げ帰ったがシルヴィも半泣きで迎えてくれたのを見て固まった。
めっちゃ謝った。
もっとお稽古するとか食事をちゃんととるとか一緒に寝るとか色々約束をしてなんとか全員を宥めた。
よくわかった。もし男のままでも己にはハーレムは無理だ。
空いた時間でいつもよりアシュリーに稽古をつけた。
ソフィアも張り合っていた。
その日の夕食は普段以上に手が込んでいた。
めちゃくちゃ美味しい。
お風呂は女性陣全員で一緒に入り、ベッドではソフィアがひっつき虫になった。
隻眼Lv14 腕力:大上昇 体力:中上昇
器用:中上昇 HP:小上昇 MP:微上昇
アイテムボックス操作(50)
強武器製造
強防具製造
ハイクラスモンスターカード融合
百獣王Lv14 敏捷:大上昇 体力:中上昇
器用:中上昇 腕力:小上昇 HP:微上昇
ビーストストライク
クリティカル発生
回避力上昇
刺客Lv10 知力:中上昇 精神:中上昇
敏捷:微上昇 器用:微上昇
状態異常確率アップ大
状態異常耐性アップ大
クリティカル発生
移動速度上昇
三人共、中位ジョブになれていた。
うん、しっかり変更して祝福した!覚えてる!
おうちでお祝いもやった!
シルヴィの悲しげな顔も覚えてる………ゴメン…
と、とにかく確認しようもう一度、ちゃんと。うん。
種族特性ジョブはステ補正がやはりデカめ。
元々の補正が一回り大きくなって、小上昇と微上昇が増えるんだな。
他のジョブは微上昇が二つ追加のようだ。
隻眼は腕力が大上昇に。百獣王は腕力も付いたな。最高っす。
スキルは〜、己の時にも思ったけど強化版になる感じだね。
それと戦闘職はパッシブスキルが二つ生える感じ。
二人にはモンスターカードで回避と移動力付けてるけど重複するのかな。
効果が重なるなら強い。
てかカールはどうなっちゃうんだ確率更にアップって。
暗殺者は最強ジョブだなマジで。
そして百獣王はガチガチの火力職だった。
レベルが追いつけばアシュリーでも魔物を普通に殺せそう。
まさかアシュリーが大砲枠になるだなんて予想してなかった。
ガチ強な百獣王のスキル攻撃めっちゃヤバそうと思ったが、この強さは己らのパーティでのバフが大きすぎるからだと思われる。
いや普通に強いんだろうけどこんなに腕力バフ入るわけないからね。
反省したので朝は軽ーく流す感じで探索。
モンスターカード大丈夫か不安だったが、ちゃんとヤンガスが身代わりと腕力二倍のイアリングを付けてて安心した。
身代わりのミサンガ予備を持ってる状態で更に安心。
もうちょっとみんなのレベルが追い付くまではレベリングしよう。
上がるのがあっという間なのですぐに更新に戻れる。
ソフィアの英雄はさすがの上がりにくさなのでここで粘らなくていいかな。
早朝の人が少ないウチに35層への道は通してあった。
パームバウムだったのでそんなに危険性は感じないが念の為レベリングしてからにしよう。
そして探索はお休み!ペルマスクで注文してから15日。
引き取りに行くのだ。ウォルターの分の注文もしないと。
女性陣の機嫌をこれで取れるといいのだが。
ドミニクの調査も十日が経つ。
そろそろ情報が揃ってるかもしれない。
連絡はまだないが、宿に夕食食べに行ってシルヴィも休ませようそうしよう。