異世界迷宮でハーレムしない   作:とくめい

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第55話

「騎士の不手際で、リョウ殿にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。お恥ずかしい限りです」

 

「いえいえ。ジーク様にはとても丁寧に対応していただけて、こちらこそ失礼いたしました」

 

上はちゃんとしてるけど下がなってないっすね。ちゃんと躾けとけよ。

 

「今後は失礼がないよう正しく引き締めていかねばなりません。閣下からも、何卒騎士団へお言葉を」

 

「うむ。余からもしっかりと話しておこう。して、リョウ殿はあの村の迷宮12層で奴らを仕留めたのだったか。我が領の迷宮探索への協力まことに感謝する。普段からはいっておられるのか」

 

「いえ。有名な賊が出るかもと噂がありましたので、様子を見にまいりました。出会えて運が良かったですね」

 

なので多分もう来ませんね〜。普段は違う層ですけど売り込みする気もないので特に言う気はないです〜。

 

「そうであったか。カインは狼人族の中でもかなりの腕前だったと聞いておる。その彼奴等を仕留めるとは見事な腕前よ。どこぞの騎士団の関係者であったか?」

 

「いえ。特にはございません」

 

「在野にあってその力量とは益々見事。どうだ。余に仕えてみぬか。他種族への対応に不安があるだろうが決して粗略には扱わせぬ」

 

マジでガンガン真っ直ぐきてて草。

このふたりには好感持っちゃいますね。

もちろん雇われはごめんだけども。

適当に流す。

 

「そうか。残念だが仕方あるまい。気が変わればいつでも申し出よ。喜んで迎えよう。して、これからも余の領地の迷宮へはいってもらえるだろうか。優秀な其方には今後も協力を頼みたい」

 

ああこっちが本命か。半分くらいはリップサービスだよねそりゃ。

エリクシール早く欲しいんでウチにメリット別にないけど、気が向いたらって事で。適当に返事しておく。

 

「助かる。望む層に運ぶようにしておくので気兼ねなく利用してくれ」

 

ワッペンじゃないんだ。しかも好きな層。

ガチで配下に周知してくれんのね。

層を選べるのはアレか、どの層で戦ってるのかリサーチかね。

いい人材を探しているのも本気だしそれだけ迷宮討伐にも熱心だと。

なるほどこれが本物の貴族。

 

「ところで、彼奴等の装備に鋼鉄の両手剣はあっただろうか。奪われた物に伝世の装備品が含まれていたようでな。確認出来ればこちらで買い取らせてもらいたい」

 

やっぱあれがそうなのか。

複数スキルが付いてるのって確認できるのかな。

ギルド神殿での鑑定だと商人の鑑定と違って全部スキルわかるとか?

惜しい物でもないし素直に渡そう。

ヤンガスに出してもらう。

 

「こちらがそうかは分かりませんが、鋼鉄の両手剣はこれだけでした。立ち位置的に頭目と思われる人物が佩ていたように思います」

 

公爵は喜び検分した後、ジークが持って出て行った。

しばらく雑談していると、戻ってきたジークが鑑定結果を報告する。

複数ついている事もわかったようだ。

やっぱギルド神殿?もしくは高位のジョブに強い鑑定スキルがあんのかな?

公爵は喜び買い取ってくれた。

生け捕りにした探索者の分の報奨金までくれる。

さすがに被害が大きすぎるので奴隷でなく処刑らしい。

 

お茶が美味しかった事を話せばお土産に茶葉までくれた。

名産らしい。好みの茶葉が増えて嬉しいぜ。

終わってみればお金も沢山手に入って複数の迷宮の探索済みであれば好みの層に行けるようにもなった。

情報が筒抜けなのは気になるけどサイレントヒル迷宮人多いし。

中々いいリザルトになったのではないだろうか。

今夜はドミニクと懸賞金を山分けして、宿で歌うか。

それまでは仮眠をとって夜の残業に備えよう。

 

 

「皆お疲れ様!もう仕留めちゃうなんて凄いわ!これで悍ましいケダモノがまた少なくなって喜ばしい事ねえ」

 

ドミニクも大喜びだ。同じ盗賊アンチ(好きなやつはいないだろうが)としてお祝いしよう。悍ましい云々のくだりで恐ろしく声が低くなっていた。カールソフィアと同じでガチ憎いんだろう。

溜飲が少しでも下がるのなら定期的に狩ってもいい。金にもなる。

襲われる人が少なくなると思えば僅かに気が楽にもなる。

 

そういえばペルマスク鏡便はどうだろうか。

誘ってみたがキツいらしい。残念。

一緒に食事をして歌まで過ごした。

 

帰宅後に支度を始める。

恒例の根こそぎタイムだ。

盗賊は二度美味しい。二毛作。

残党と呼ぶには数が多いが、まだ11人もいるらしい。

ゴキブリみたいな奴らだ。

別の迷宮で張っていたが、あまり人が来ないので村を襲う方に方針を変えたらしい。

明後日には出発する予定だったようだ。

害獣どもめ。

登城前に軽く位置は確認してある。

アシュリーの先導で拠点を目指した。

 

 

「全員寝ています。数は11。入り口から左側に手前側5と奥側に4。右手に反応がふたり」

 

迷宮の扉と比べ、通常の建築物でのアシュリーの索敵は完璧であった。

聞いていた間取りと脳内で照合する。

皆には念の為出口で待機してもらい、己は順番に処理していった。

元々暴れていた隣の領にも拠点が残っており、そちらにも隠してある財産があるそうだが、そちらはドミニクが回収に行ってくれるとのこと。

残党はこれで最後で、ドミニク側に盗賊はいないと思われるが万が一がある。何かあれば撤退してもらい己が向かう。

おウチと往復して金目のモノを根こそぎにした。

己が処分方法がわからないものは明日カールとドミニクにお任せだ。

 

なんと貝とコボルトのモンスターカードがあった。

貝は盗賊のいた層に出てきたのでドロップかな。

コボルトはいなかった筈だが、これもどこかでドロップしてたか。

奪った物かもしれないが。

ドミニクが良ければ己らで買い取りにしてその分金を回そう。

仕分けは軽く済ませてその日は寝ることにする。

 

早朝の探索は軽く済ませて朝食をとる。

ドミニクが来るまでに、暗いうちは軽く済ませた仕分けを続けていく。

ドミニクも無事に済んでいたようだ。モンスターカードは譲ってくれるということなのでありがたく使わせてもらおう。

誰に付けようかな。受けるとしたら全体魔法だから、アシュリーソフィアだろうか。

装備品は己が預かって三割増で売り払う。

レベル高い盗賊のクセにスキル付きがなかった。

スキル付きは売ってたのかな?全然無いのも不自然な気がするし。

伝世品の剣は伝世品かどうか知ってたのかはわからないが、多分騎士が使ってた得物だろうしそのまま使ってたのかな。

いずれ売り捌くつもりでそれまで腰にさしてただけかも。

今日もアシュリーを連れてエルフ領都へ向かう。

詰め所の場所が不安なんて少しだけだから…アシュリーと一緒に行きたかっただけだから(震え声

 

騎士に11枚のインテリジェンスカードを渡す。

適当に深夜に迷宮潜ったら襲われましたーとか言っておいた。

深夜なら入り口に居ないし騎士団も迷宮見回ったりしてないので。

目に見えてキビキビ丁寧な対応の騎士から懸賞金を受け取り帰宅した。

相当絞られてんな。最初からそうしろよ。

己はウォルターに会いに行く。

 

牛人とコボルトセット、木とコボルトのセットを受け取り、貝の直近の金額を確認した。

急ぎましょうかと声をかけられる。

うーん。魔法受けないんだよな。でもアシュリーソフィアで悩んでたし1セット急いでもらってふたりとも付けちゃおうか。

お願いしておいた。ついでにヤンガスの精神も高めてより崩れにくくしよう。木のセットもひとつ急ぎめに切り替える。

チェスたちの進展を軽く聞いて別れた。

 

体力二倍をヤンガスのダマスカス足に、精神二倍をカールの竜革足に移動速度上昇と重ね付けしてもらう。

カールの眠り付与が余計ヤバくなりそう。

 

シルヴィがおやつに作ってくれた蒸しパンを食べながらドミニクと金を分け合った。

昨日に引き続き大金である。ドミニクも目を回していた。

ウチの皆はなんかもう慣れてきてる。

持ち運べない金品で、ウチに残すシルヴィが心配になってきた。

ドミニクに暇なときはウチに来て護衛お願いしたいなあ。

最近は帰る時は納屋にしてるので、ワープで遮蔽セメントに飛ぶところはみられない。

シルヴィがウチにいるなら誰が冒険者なんだってなるけどアシュリーあたりが冒険者って事で…。

あんま隠す気もなくなってるしシルヴィが安全なら何でもいいや。

どうかなー?とお願いするとドミニクからは快諾をもらえた。

やった!シルヴィとお茶でもしてていいから!

マジで暇な時くらいでいいので来てくれた日はシルヴィから日当渡してもらおう。

シルヴィの探索者レベルもめっちゃ上がってるので然う然う後れは取らないとおもうけど、これでより安心出来る。

ていうかソフィアの勇者よりシルヴィの冒険者の方が早そう。

英雄ぱねえ。チートジョブだから仕方ない。

午後は探索するとして、ドミニクとお昼も一緒に食べよう!

歌も一緒に歌おうぜー!

チェスとオセロも教えて一緒に遊んだ。

人狼も教えてみる。ノリノリだった。

 

 

「ドミニクおじさんがじんろうだと思う」

 

「まぁソフィ!アタシの何処が狼だっていうの!こんなカワイイ狼がいるわけないでしょ。狼って言ったら男よ。カールちゃんかヤンガス君が狼ね」

 

「私もドミニクさんは村人だと思うなあ。堂々としてて隠し事が無さそう。ね?隠し事してそうなシルヴィはどう思う?」

 

「ふふ。アシュリーはどうして私が隠し事してると思ったのかな?もしかして自分が触れられたくない事があるんじゃないかな。……ヤンガスさん。お茶、溢しちゃいますよ。手が震えてます」

 

「いえ!大丈夫ですよシルヴィさん。今日も、美味しいお茶ですね。いいお茶だ。いや誰が人狼なんでしょうか。そうだカールさんはどうですか。誰が怪しいと思ってるんです」

 

「お前」

 

「ヤンガスさん」

 

「ヤンガスさんかなあ」

 

「ヤンガスさんですね」

 

「ヤンガス君ねえ」

 

マジで弱くて草。

 

 

 

 

 

 

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