ヨーロッパ戦線MS第2小隊シグナス   作:トロフィー

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第10話 死線を越えて

 

 

 

 

雲一つない空のした、ピカピカに光った新品のガンダムシグナスがたたずんでいた。

そこは、東欧と呼ばれた地域に広がる古代の渓谷地帯。かつて鉱石採掘の拠点として栄えたその谷は、今では廃墟と化し、戦火の匂いだけを残していた。

 

 「ここが“死線の渓谷”……名前にしては静かすぎるわね」

 

 通信に入ったのはヴィオラ・クレイン声だった。この地域の先にはジオン軍がおおくいて、ここから先は地獄とヨーロッパ戦線の兵士の間で言われている。

ガンダム・シグナスの横を滑るように進む。

 

 「その静けさが、一番怖いんだ」

 

バレバルが冗談まじりに言うが、笑う者はいない。全員が、この戦場の“気配”を感じ取っていた。

 

そしてその時だった。

 

 「こちらヅダII、ミノフスキー粒子を噴射します。」

 

 「了解。」

 

 グフ3機と、ヅダIIという珍しい機体が通信をする。 

 

 「ジジジジ…で、、電波が通じにくい、バレバル聞こえる?」

 

 ヴィオラが不機嫌に言う。

 

 「まさか、ミノフスキー粒子を確認し…気を付け、てください!」

 

 モニターを確認してバレバルが言う。

 

 「敵影――高所より急降下、三機確認! 機種、グフ系!」

 

 ヴィオラが鋭く叫ぶと同時に、岩肌を裂いて青い影が降下してくる。空を切り裂くように、熱を帯びたヒートロッドが地面をなぞった。

 

 「クレイド、こいつはシグナスの初陣だ。派手にいけ!」

 

後方支援のクロードが叫ぶ。

 

 

 「了解。……行くぞ、シグナス!」

 

 ガンダム・シグナスが跳ねるように跳躍した。白銀の機体が、まるで大気を割る槍のようにグフの編隊へ突進する。

機目のグフがヒートソードを構えるがその瞬間、シグナスのビームサーベルが青い機体を水平に両断した。残骸が火を噴きながら渓谷の岩肌にぶつかる。

 

 「チッ……流石ガンダムか!」

岩陰から出現したもう一機のグフがマシンガンをばら撒く。クレイドはシールドを翳しつつ、回避運動を交えながら接近。

 

 「決めさせてもらう!」

 

跳躍と同時にビームサーベルを旋回させ、敵機の脚部を切り裂く。続けて頭部を串刺しにし、二機目が沈んだ。

 

だが、その瞬間だった。

紫と灰に染まった異形の機体ヅダⅡが、リニアライフルを構えていた。

 

ドォン!!

 

 「……来たか」

 

地鳴りのような砲声とともに、巨大な弾丸がガンダム・シグナスの肩装甲をかすめた。

 

 

 「敵1機確認!スナイパーだ!ドルフか?」

 

 クレイドのかけ声に全員が気を引き締める。

 

ブォォォッッン!!! 

 

 「ここで最後だ、ガンダム!」

 

 バー二アを最高に噴射しドライーンの乗る試作ゲルググが急接近してくる。

それを察知し咄嗟にクレイドが盾を構える。

 

 「レイドのやつらに負けるわけにはいかない。ジオンの底力ぁ!!」

 

 即座に体勢を変えガンダムの盾とライフルを思いっきり蹴り飛ばす。

 

 「ぐぁぁ!またこいつか!なかなか手練れだな。」

 

 ドビャーーン!

 

 「クレムのドムがやられたのか。」

 

 「いっちょ上がり!」

 

ヴィオラがグフの残骸の前で言う

 

 その刹那、ガンダムが急発進し、ドライーンの視界から消える。

 

 「早い!どこに動いた!」

 

 「お前そんな声だったンだなクソヤロウ。」

 

 ゲルググの回線と合わせたクレイドがドライーンに言う。

 

 「まさかお前もガキとは、戦争も世代交代なのか。。」

 

 ゲルググの腕が吹き飛ぶ。

 

 目にも止まらぬ早さでゲルググのコクピットを貫く。

 

 「これがガンダムシグナスの性能か。」

 

 ヅダIIがスナイパーでクレイドを狙う。そのとき、クレイドの脳に危険を伝える電気信号が走る。

 

 ドヒューーーン!

 

 「っと危ない、なるほど、そこにいたのか、ドムじゃなさそうだな。」

 

 グフの最後の一機とヴィオラが交戦を開始し、バレバルは地上から狙撃支援を展開。

クレイドは、真正面からヅダⅡへと機体を向けた。

 

 「何者だ……こいつは!」

 

 ガンダムシグナスがバー二アで空を飛ぶようにヅダⅡに突っ込む。

その機動性は、グフとは比べものにならない。まるで獣が狩りに出るかのようだった。

 

ビームサーベルとリニアライフルの間合い、、、

その一瞬を読んで、クレイドはダッシュを切る!

 

 「喰らえッ!!」

 

ヅダⅡのライフルをギリギリでかわし、シグナスの左腕で抑え込むように絡め――右手のビームサーベルで腹部を貫く。

 

 

 「特に損傷もない、シグナス部隊前進だ。」

 

 前進しながらクレイドはシグナス部隊の強くなったと強く感じた。単純にガンダムシグナスが強いのもあるが、心の強さも理由だと感じた。

 

 

 

 

 

 

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