「どうすればいいんだ。」
星が光る深夜、最前線の連邦前哨基地でクレイドが一人悩む。
レトライはドルフは自分をジオンに誘うために志願してこの戦場に来た。
クレイドは小さい頃に両親を失って、二人は自分にとっての家族だった。
次にいく戦場はジオンヨーロッパ戦線の本拠地で最後の戦いとなるだろう。
おそらくそのとき二人に会う。まだクレイドは結論が出ていなかった。
ピピピピピピピピピッッッッ!!!
(この音は!近くに設置している警報器か――――MSも、もう動けない。もう俺にはどうしようもない。)
大きなMSの足音が鳴り響く。
「クレイド何やってんの。ほらうつむいてないで。」
ヴィオラの声が頭を突き刺す。
「味方の部隊来たんッスよ!コレで俺達もここで野垂れ死ぬこともないぜ。」
強い光がクレイドを照らす。
「目を覚ませ中尉、何をやってる!」
「司令官!なぜここに?」
「お前達らジオンを潰すために来たんだ。なぜだかここらへんはミノフスキー粒子が強く通信ができなかった。
そしてなんだこのざまは。レトライ少佐はどこだ。」
「レトライは戦死しました。私クレイドが階級とかで多分隊長です。ちょっと考え事していて、すみません。」
「それでは作戦の概要を話そう。敵は追い詰められたと思っていたが、救援船が来た。奴らが逃げる前に、囲い込み倒す。お前らはこの先の市街地を突っ切る作戦だ。」
「せっかくここまで生き残ったのに無理な作戦だ。」
そう言いながら、クレイドの中で心境が変化していた。
「クレイド。教えてくれないか。レトライ少佐のことを、あの人のMSがないんだよ。生きているんじゃないかって。」
バレバルが恐る恐る言う。
「ああ、レトライは生きている。しかも裏切った、これで分かったか。」
「あんた、そんな大切な情報を。レトライのせいでクロード姉さんは死んだの!わたしにとって初めて気楽に話せる人だったのに!もっと早くに話すべきだった!」
ヴィオラがクレイドを軽蔑するように睨む。
「すまなかった。本当にすまなかった。でも家族のいないおれにとって、レトライは俺にとって家族も同然だったんだ。」
「そんな言い訳を聞きたかったわけじゃないわ。私にだって宙に家族を残してるし、気持ちは分かるけど、私はそうしないし最悪ね。」
「ヴィオラのいうとおりだ、もしかしてジオン軍に行こうとか悩んでないっすよね。僕たち仲間じゃないですか!」
クレイドの頭の中は、曇天が晴天に変わるほどの清々しさがあった。
(俺は正義の味方じゃない。簡単なことだ。俺は今まで連邦のために戦ってきたんだ。クロードやみんな、俺の仲間は連邦軍として死んだ。ジオンに行かないとレトライとドルフが死ぬって訳でもないしな。)
「ごめん!お前ら、俺は少し悩んでいたよ。でももう決めれた。ありがとうお前ら。」
「なんか暗い感じになっちゃいましたね。」
「バレバル!なんか話せ。この戦場に来た理由とか、こんな暗い中で最後の戦場に行きたかねえよ。」
「そんな無茶な、まぁ、、、、大家族で、、、その家族のために、、、」
「まぁそんなもんか、クレイド。お前のことは許してない。だが、戦場では恨みっこなしだ。」
ヴィオラがそういうと、バレバルが少し不満そうな顔をした。
「ああ、わかった。ヴィオラ。お前ら本当にすまない。」
先を行くMSについていくように、三人はハイタッチをして走り出した。最後の戦場に向かって。。。