戦火に焼けた町から離れた山間の補給拠点。
その片隅、金属壁とコンクリ床の簡素なブリーフィングルームに、3人の兵士が静かに
クレイド・レイスらの補給を待っていた。
補給拠点のもとに着いたクレイドとレトライ。
「おーい!早く来いよ、水がなくて死んじまうぅ!」
補給地点にどんと構える大きなMSが見えた。
たっぷりと水を飲んだあと地図と機体データが並ぶ簡易ホログラムの前で、司令官が淡々と説明を始める。
最前線、特攻に近い任務、補給薄、編成少数。
――つまり、“死にに行くも同然な部隊”だ。
最初に口を開いたのは、青白い戦闘服を着た青年だった。
レトライ・ヴァイオ少佐――シグナスの隊長に任命された男。
「……私がリーダー?まだ22歳ですよ」
隣で腕を組んでいた金髪の女が鼻で笑う。
「はん、背中預けるのがこの年下かよ。納得できんな。」
ヴィオラ・クレイン。近接戦専門の軍員である。
「隊長! 俺はバレバル・ドレイン!支援でも索敵でも補給でも、何でもやってできます!」
そう言いながら、なぜかヘルメットを後ろ前にかぶった男――バレバルが、笑顔で手を振る。
「お、おう……気合だけは充分みたいだな……」
その隣。無言でキャノン砲のメンテナンスをしていたがたいのいい男が、工具を置いて口を開く。
「クロード・ガルシア。砲撃担当よ。よろしくね」
それだけ言って、また黙々と作業に戻る。彼女はがオネエ口調であることはだれも指摘しなかった。
静かで、妙にバラバラな空気が漂う部屋。
しかし、司令官は構わず言い放った。
「ヨーロッパ戦線MS第2小隊シグナスとして力を尽くしてほしい。」
「お前たちは、あくまで“独立部隊”だ。
現場判断、装備選択、すべてにおいて自由裁量が認められる。
お前たちの目的はオデッサ作戦成功により地球から撤退したジオンの残党が、宇宙船で
逃走するのを止めるのが目的だ。」
4人は誰も口を開かなかった。
やがて、クレイドが静かに口を開ける。
「逃げる敵をうしろから倒すのは性に合わんな。」
司令官が何かを言おうとしたが、別のことを喋り始めた。
「陸戦型ガンダムを知っているな?クレイド。
お前に任せる。」
チームからは喜怒哀楽があふれる。
司令官を見送り、ヴィオラ・クレインが話を切りだした。
「なんつう部隊名だ、“シグナス(白鳥)”だとよ。死地を翔ぶハゲタカか?」
「かっこいいじゃない、かわいげもあってスキよ。」
クロード・ガルシアがオネエ口調で突っ込む。
「あんたなんだいそのしゃべり方?気持ち悪いわ。」
私はどう思われてもかまわないけど、口で言われると気に入らないわね。」
「まぁまぁ仲良くしましょうよ姉さん達。」
バレバル・ドレインが仲裁して場が収まる。
パシャャッッ!
集合写真を撮った。
ここからヨーロッパ戦線MS第2小隊シグナスの戦いが始まる。