ヨーロッパ戦線MS第2小隊シグナス   作:トロフィー

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第5話 駆けるドライーン包囲網!

――新編成MS部隊「シグナス」、初の総力出撃!

 

 

 

中央ヨーロッパ・南レンストラ山森林帯・シグナス部隊

 

 雪をかぶった山岳地帯。風は鋭く、冷え切った空気が通信装置を唸らせている。

 

 モニターに映るMS部隊の配置図を見つめながら、ひとりの軍人が静かに指示を下していた。

 

 レトライ・ヴァイオ少佐――第7連邦野戦司令部所属の現地指揮官。年若いながらも卓越した判断力を持ち、現場の信頼を一身に集める冷静な戦術家である。

 

 「シグナス隊はルートCから斜面へ突入。目標は敵レーダー施設と、護衛のMS部隊。行動はすべて現地指揮官に一任する。……頼むよ、クレイド」

 

 モニター越しに映るガンダムのコクピットに、彼は静かに呼びかけた。

 

 

「センサークリア、敵の動きあり。」

 

 電子戦担当のバレバルが、索敵用ボール改のコクピットでモニターを眺めながらつぶやく。

 

 「私が後方で目を光らせておくわ。……前は頼むわよ。」

 

 支援砲撃担当のクロード・ガルシアが、ジム・キャノンIIの重厚な脚を止め、静かに射線を確認していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央ヨーロッパ・南レンストラ山森林帯・ジオンヨーロッパ部隊

 

 ドライーン大佐がゲルググ試作運用型の調整をしながら口を開ける。

 

 「作戦を伝える。我々の目的は本拠地へ前進を続ける敵の部隊の侵攻を

  足止めするのが作戦だ。敵を倒すことより自分が倒されないことを重きに

 しろ。この森林をうまく利用して戦うんだ。」

 

 グフのコクピットの中で部下が大きくうなずく。

 

 「はい!命を大切にですね!分かりまッ」

 

――ドヒューーーーーンッ!

 

 「ちっ、外したか。」

 

 クレイドがバズーカーを構えて言う。

 

 「撃たれた!?敵は右方向か。」

 

 「敵の主戦力はグフ2機、そして……1機、高出力反応。あとは、、、なんだ?」

 

 電子戦担当バレバルがモニターに映し出す敵の影に、全員が息を呑んだ。

 

 「やっぱり来たか。最近の連中は派手に遊んでくれるな」

 

 クレイド・レイスはビーム・サーベルの出力を確認しながら小さく笑った。

 

 「配置完了。わたしは高所から支援する。派手にやってちょうだい。」

 

 クロード・ガルシアのジムが、森の岩場で狙撃体勢に入る。

 

 戦闘開始。

 

 グフ2機が木立の間から飛び出す。ヒートサーベルが唸りを上げた。

 

 「任せろ!」

 

 クレイドの陸戦型ガンダムが、一機のグフを正面から迎撃。

 交錯の一瞬、サーベルが火花を散らし、グフのヒートサーベルと

交差する。

 

 「くッ、ザクとは違うんだよ!」

 

 もう一機のグフがヴィオラに突進するが、ヒートサーベルが逆手に振るわれ、腕部を切り落とされる。

 

 「邪魔なのは斬るだけよ!」

 

 そのとき、樹海の奥から重い足音。

 

 ――試作運用型ゲルググ、出現。

 

 「……やっぱり来たな。機動が重モビルスーツじゃない」

 

 クロードが即座に射線を合わせる。

 

 「左上腕、狙撃――発射!」

 

 ビーム砲がうなり、ゲルググのシールドが弾け飛ぶ。

 

 「全機集中攻撃! 散らばるな!」

 

 レトライの号令に全員が動く。

 

 バレバルの妨害が敵センサーを混乱させ、

 ヴィオラがゲルググの死角へ踏み込み、脚部へ一撃。

 

 「脚が止まった! 今よ!」

 

 クロードが胴体を狙撃、クレイドがビーム・サーベルで突撃する。

 

 「連邦の悪魔に負けるモノかぁ!」

 

 ドライーン即座に強くバー二アを噴射し避ける。

 その横でグフがバレバルの陸戦型ジムと抗戦する。

 

 「うぇあぁあ!落ち着けぇ。俺だって!」

 

 焦るバレバルの陸戦型ジムにヒートロッドをぶつける。。

 

 「ぐぅ、回路がショートした!」

 

 バレバルがビームサーベルで切りつける。

 

 「ぐぁあああああ!」

 

 グフが燃え爆破する。

 

 「やった。俺でも、おれでもぉ。」

 

 

 「よそ見をするな!」

 

 試作運用型ゲルググがヴィオラにビームナギナタで突撃する。

 

 「マジか!やばッ間に合わない。」

 

 ゲルググに刃が刺さる。

 

 「大丈夫?あんた攻めすぎなのよ。」

 

 クロードのビームサーベルがゲルググの手を切り落とす。

 

 「くッ、残ったグフ撤退だ!分が悪い。」

 

 「逃がすかぁ!」

 

 クレイドがビーム・サーベルで肩口を貫く!

 

 グフ、爆発炎上――。

 

 「これで……終わりだ。」

 

 森に炎が上がる。その光を背に、ガンダム・シグナスの背中から薄い焔が立ち昇った。

 

 「多勢に無勢とはいえ、なんて力だ。さて、どうするモノか。」

 

 燃える森を煙幕にゲルググは撤退した。

 

 そしてシグナスは、また次の戦場へ向かうのだった。

 

 

 「そろそろ戦いが終わった頃か。後でドライーンにどうだったか聞くとするか。」

 

ドム・スナイパーの整備をする“黒鷲”レイドが遠くの基地でシグナスと戦う準備をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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