ヨーロッパ戦線MS第2小隊シグナス   作:トロフィー

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第9話 シグナスの鼓動

 

 

 

「クロードは、ヴィオラは大丈夫なのか?」

 

 クレイドがバレバルに聞く。

 

 「ヴィオラは直前でコクピットをでていたので助かりましたが、

 クロードが、、、」

 

 「クロードが、そうか。」

 

 クレイドがうつむく。

 

 「レトライ少佐は大丈夫ですか?見当たりませんが。」

 

クレイドは少し考えて口を開けた。

 

 「その件は後で話す。」

 

 「ヴィオラは今落ちこんでるんで、そっとしといてあげといてください。」

 

 ボロボロになったMSを急ぎで改修するヴィオラ、一時後退の準備をする。

このありさまに、シグナス部隊を解散することも視野に入れたが、ここまで前進

して終わらせるわけにもいかない。

 

 

 「クロード、私が動ければ、助けられたのに。命の恩人なのに。」

 

 ボロボロになったMSを急ぎで改修するヴィオラ、一時後退の準備をする。

このありさまに、シグナス部隊を解散することも視野に入れたが、ここまで前進

して終わらせるわけにもいかない。

 

 MSが動かなかったのは自分のせいではないのに、どうしても自分を責めてしまう。

自分らしくない自分に怒りを覚えた。

 

 シグナス部隊の結成時に撮った写真を見て、顔を上げる。

 

 「行かなきゃ。」

 

 思い立ったヴィオラ・クレインはバレバルとクレイドのもとへいく。

 

 「ここで終わらせないでしょ。前進しましょう。」

 

 暗い顔をして声を上げる。

 

 「でもな、MSがこんな有様じゃ、厳しいな。」

 

 

「クレイド中尉、いい情報です。救援でMSが届くそうです。」

 

「――レトライ少佐、応答せよ。こちらは補給部隊、新型機の受領を許可する。ガンダム・シグナス、貴殿の指揮下に移送完了」

 

 

 

 3日後

 

 「コレが新しいMSか、よくできている。なんでこんな大盤振る舞いなんだ?」

 

 クレイドが整備員に聞く。

 

 「理由はありますよ。1年戦争も終盤、陸戦での戦闘データをとれる有能

 なパイロットがあんまいなくて、シグナス部隊がちょうど良かったんです。

 それなんで、1個試作機といくつかジムを送ってもらいました。」

 

 「これがか。これは、ガンダムじゃないか。」

 

 目の前にあるのは、新しいジムとガンダムが陣取っている。

 

 呆れと驚きの混じった声を漏らしながら、クレイドはゆっくりと立ち上がった。

 

 白く輝く新たな機体が、大地に降り立つ。

その姿はまるで、暗闇の中に舞い降りた銀翼の騎士だった。

 

 

 乗り込むコクピットはまだ温もりを残している。起動キーを回せば、機体は静かに脈動し始めた。

 

「……よし、次はこっちの番だ」

 

 夜を裂くように光る双眼が、戦場の彼方を睨む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドム・スナイパーのパイロットが呟く。

 

 「ようこそ、レトライ・ヴァイオ少佐」

 

 ドライーン大佐から通信がつながる。ヘルメットの中から、あの冷静な声が響く。

 

 「任務は完了した。シグナスの指揮系統は混乱中。クレイド・レイスも、陸戦型ガンダムでの稼働限界を超えている」

 

 「……期待通りだな。お前の動きは寸分の狂いもない。さすがはかつてのエース。」

 

 「これが私の選んだ正義だ。連邦には未来がない。あのまま泥の中で腐るより、私はここを選んだ」

 

静かに敬礼するドム・スナイパーのパイロット。その名はレイド。

レイドは通信を閉じると、ふっと笑った。

 

「やっと、面白くなってきたな……次はどんな駒を落としてくれる?」

 

 

 

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