時空を超えて   作:ぴょんぴょん店長

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 本作品はフィクションであり、実在する人名、国名、団体名、組織名などが登場するが、それらとは全く関係なく、中傷も賞讃も意図しません。

 挿絵は、海面上昇シミュレータ、ペイント、ChatGPTを使用して描いています。


時空を超えて 第4章 1

 防衛のため、攻撃してくる国の軍事施設を攻撃することは法違反でないと解釈していた日本政府は、爆撃機を持っていなかったので輸送機Cー2を爆撃機に改造していた。

 サンパル皇国からの宣戦布告文を受け取った政府は、サンパル皇国の軍事施設を改造Cー2で攻撃した。そして、サンパル皇国は、挙国体制で二ホンへの反撃を決意する。政府がどう取り繕っても、これは単なる紛争ではなく、戦争である。

 

 西方大陸東岸地区へは多くの日本人が渡航していたが、トメリア王国などへの渡航は少なかった。それでも、マスコミ、特にフリーライターと呼ばれる記者たちがトメリア王国などで取材活動をしていた。

 日本政府はサンパル皇国の軍事施設の攻撃を伏せていたが、テレビなどで報道され、国民の知るところとなった。人を襲うヒグマの駆除さえ、残酷と批判する国民が多くいる国である。まして、攻撃して殺害したのは人である。政権交代の懸念さえあるほどに、政府への批判が渦巻いた。

 それでも政府は、そんな国民を守るために、新たな東方からの脅威と南西の諸国の混乱に対処しなければならない。

 

 ・・・・・・・・・・・

 

 サンパル皇国のトマスは提督に昇進し、新しい砲を搭載した軍艦ガント号で3隻の軍艦と1隻の輸送船を率いて、ジュラス都市国家へと航行していた。その侵攻に気付いたジュラス都市国家は1隻しかない軍艦で迎え撃とうとしていた。

 

 ドン、ドン。

砲撃戦が始まった。どちらも当たらない。海面に砲弾の水しぶきが上がるだけ。

 ドン、ドン。

しかし、ガント号から放たれた砲弾は確実に相手の近くに落ちているが、ジュラスの軍艦からの砲撃は届いていない。

 

 やがて、ドカン。ドカーン。

ガント号から放たれた砲弾が続けて命中し、ジュラスの軍艦が撃沈する。

 

 ・・・・・・・・・・・・

 

 陸軍司令マルトは、3台の自走砲と50人の歩兵を率いて陸路でジュラス都市国家に向かっていた。自走砲が5キロ進むと歩兵が来るまで待機しながら進行する、非効率的な進行だが、それでもジュラス都市国家にたどり着く。最新式の自走砲に続く歩兵は、3連発式の銃剣をもち士気も高い。

 ジャングルに道ができていることに気が付いたジュラス都市国家側は、1組の対戦車用でもある79式誘導弾と発射装置を装備して待ち構えていた。守る兵も自動小銃をもち60人。

 ドカーン。

 79式誘導弾が1台の自走砲に命中し爆発したところから、戦闘が始まった。

 

 ドン、ドン。

 ドカーン。

 

 サンパル皇国の自走砲がすべて爆発する。

 

 バン、バン。ダダダダダ。

 

 銃撃戦、兵の数も銃の性能もジュラス都市国家が上、被害はあったが侵攻を止めた。陸軍司令マルトは数人の部下と共に退却した。

 

 ・・・・・・・・・

 

 トマスが提督に昇進したため、空いた司令に昇進したストルは、新しい軍艦2隻と輸送船1隻で、アルミ港沖に達していた。

 ドカーン

 突如、ストル司令の乗艦している軍艦の隣の軍艦が爆発する。

 訓練されたアルミ港治安維持部隊の12式地対艦誘導弾の攻撃である。

 ドン、ドン、ドン。

 ストル司令の軍艦は砲撃をして港から遠ざかる。

 ドカーン。

 その間、輸送船が攻撃されながらも沈みかけで桟橋につける。

 輸送船から上陸兵が出てくる。

 

 ダダダダダ。ダダダダダ。

 

 アルミ港治安維持部隊の自動小銃がうなる。

 

 双眼鏡で上陸兵の様子を見ていたストル司令は退却の指示をする。輸送船は航行不能、上陸兵は壊滅状態、もう一つの軍艦は撃沈。砲の射程距離まで近づけばこの艦も危ない。選択は退却しかなかった。

 

 ・・・・・・・・・・・

 

 軍艦を撃破したトマス提督は、2隻の軍艦にジュラス東港の攻撃を指示し、ガント号と1隻の軍艦、1隻の輸送船でジュラス港を攻撃。ジュラス港にいた輸送船と多くの漁船はすでに避難した後であり、港に1隻の船もなかった。

 

 ドン、ドン。サンパル皇国の軍艦の砲撃で湾岸の建物の土煙があがる。

 

 ドカーン。79式誘導弾がサンパル皇国の輸送船に命中。

 79式誘導弾は対舟艇用でもあるのだ。でも、沈まない。

 

 ドカーン。2発目の命中で輸送船が傾きだす。

 輸送船を沈めれば上陸兵は壊滅。上陸し占領することは、軍艦だけではできない。

 

 ドン、ドン。軍艦の砲撃は止まらない。

 

 ドカーン。今度は軍艦に命中。でも沈めることはできない。

 

 何回か繰り返され、港湾の被害も、軍艦の被害も大きくなる。

 

 トマス提督は輸送船が沈んだ時、占領できないことを悟っていた。

 ジュラス東港へ向かった2隻の軍艦が砲撃する間もなく撃沈したことを知ったトマスは、退却の指令を出した。

 

 ジュラス東港へ向かった軍艦は12式地対艦誘導弾で攻撃されたのだ。

 

 ・・・・・・・・・・・・・

 

 護衛艦いずもは東方海を東に向かって航行していた。未知の陸地、未知の国を目指して。潜水艦で日本近海までくる国があることは確かなのである。そんな国なら航空機がある可能性が高い。いずもには念のため戦闘機Fー35Bを載せていた。

 

 「未知の東方世界ですか。しかも未知の海。また羅針盤ですか。ロマンですね。」と内調の三木。

 「ロマンですか。私は恐怖です。」と渡辺艦長。

 続けて「ロマン、ファンタジー、スペクタクル とよく言う人だと、佐川さんが言ってましたよ。」

 「あはは、佐川さんがいたら、西方大陸東岸への旅と同じですね。佐川さんは?」

 「水陸機動団が無事帰ってきて、任務終了と退職しました。」

 

 「退職?」

 「そう、早期退職です。殉職者が出たら家族に詫びに行く必要があると、帰ってくるのを待っていたそうです。彼らしいですね。」

 「早期退職ですか、有能なのに。」と三木が言うと、

 「有能だから、退職できるのですよ。」と渡辺艦長。

 そして、「三木さんは今度も通訳ですか?」といたずらっぽく言った。

 「まさか、他の人がいます。」

 「佐川さんが言ってましたよ。三木さんはハッタレ通訳だったってね。」

 ちなみに、噂の佐川は、早期退職して警備保障の会社に就職し、警備員の指導にあたっていた。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・

 

 ジュラス都市国家もアルミ港も占領できず帰還したトマス提督とストル司令は、アイン海軍大将に敗戦報告をしていた。

 「二ホンの軍艦がいないのに、占領できなかったというわけかね。」とアイン。

 「ジュラスの軍艦は沈没させたのですが、敵は二ホンの兵器をもっているようです。」とトマス。

 そこへ、アレルテ軍務大臣がやってきて、

 「報告の途中のようだが、アイン、教皇が呼んでいる。すぐに、大聖堂へ。」と言った。

 「教皇が?何で?」とアイン。

 「わしも分からん。わしも呼ばれている。」とアレルテ。

 

 アレルテとアインが大聖堂へ行くと、「こちらへ」と言って派手な飾りがドアについている部屋に案内された。すでに先客があり、メリル教皇と話をしている。先客は陸軍司令マルトから敗戦報告を受けたドドル陸軍大将であった。

 アレルテとアインの入室に気付いたメリルは「あいさつはいい、こちらへ。」と2人を席に着くよう促した。そして、「3人ともよく聞くがいい。」と言って、3人にとって衝撃的なことを話し始めた。

 

 「経典に、北の空が真っ白になりそして空全体が真っ黒になって後に、やってきた古の民を、パルコンという神の啓示を受けたサンジーが、奇跡を起こし、追い払ったとあるのを知っておるな。でも、具体的にどうやって追い払ったのかは知るまい。実は、陸軍は人間爆弾、爆弾を体に巻いて突進。海軍は爆弾ボート、艇に爆弾を載せて突進。」

 「そんなことをすれば兵が」とアインが口をはさむ。

 「兵の命と国とをはかりにかけてみよ。どちらが重いか分からぬお前ではあるまい。」

 そして続けた。

 「パルコンのために死ねる信者はいくらでもいる。すぐに実行せよ。これは陛下の命でもある。」

 

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