呪言師のブルーアーカイブ   作:月山 白影

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一言目 ぶっ飛べ

 

 

俺は不自由だ

俺は喋ることを許されていない

なぜなら俺は呪言師だからだ

例えば「黙れ」と相手に言うと相手の口は何をやっても開かなくなってしまう

だから俺は喋ってはいけない

 

 トガ「……」

 

そして、今、俺の目の前には血まみれの女の人が居た

 

 女の人『貴方をここからは出してあげましょう』

 トガ「っ!?」

 

本当なのか!?

 

届くはずのない心の声

 

 女の人『本当ですよ』

 

え?

 

しかし、女の人は心の声を読んでいるかのように言ってくる

 

 女の人『まぁ、話を戻しましょう』

 女の人『ここから出してあげます。ただし、「キヴォトス」に来てもらいます』

 

キヴォトス……?

なんだそれは…?

 

 女の人『キヴォトスというのは奇跡の集まる島ですよ』

 

島……

本当にここから出してくれるのだろうな……?

 

 女の人『えぇ』

 女の人『あと普通に声出して喋ってくれませんか?普通に心の声を聞くのも面倒くさいんですよ』

 トガ「っ……」

 

喋っているはずなのに声が出ない

ずっと喋っていなかったのか声が出ない

 

 女の人『……声が出てないですね』

 女の人『まぁ、問題は無いでしょう。そこら辺は先生がなんとかしてくれるでしょう』

 

先生……?

 

 女の人『先生というのは貴方を教育してくれる人ですよ』

 女の人『怪しい人でもなんで無いので信用しても大丈夫ですよ』

 

まぁ、そもそもお前を信用してないからなんとも言えねぇな

 

 女の人『悲しいものですね』

 女の人『ま、とっとと行っちゃいましょうか!』

 

次の瞬間、女の人は鉄格子を折り曲げ、千切るように切断する

 

!?!?

 

 女の人『あと因みに今エデン条約の半ば程なので気をつけてくださいね〜』

 

エデン条約……?

 

俺は答えてくれると思って心の声で質問した

しかし、帰ってきたのは指パッチンの音だけ

刹那、俺の視界に映る景色は焼け野原だった

 

……は?

 

俺は立ち上がる

混乱している状態を理解し、冷静になる

 

よくわかんねぇ……

 

俺はその辺を歩き、探索を開始する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(みんな大好き先生視点)

 

 先生『どういう事……』

 サオリ『つまりは私たちアリウススクワットが貴様らを裁く側に立つのだ』

 先生『……話し合いは』

 サオリ『残念なことにそれは無理だ』

 先生『そっか……』

 

銃口が私に向く

 

 

 

 

 

 

 

(みんな大好きか知らねぇ主人公(トガ)視点)

 

 

 

え?

あれやばくね?

銃口が大人に…

もしかしてあれが「先生」……?

だとしたら……!!

 

俺は考えるより先に言葉が出ていた

ずっと喋っていなかったのにも関わらず言葉が出た

 

 トガ「動くな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

(再びみんな大好き先生視点!)

 

 

 

突然どこからか「動くな」と言葉が聞こえてきた

その瞬間、私の身体はまるで接着剤で全身を固められたかのように動けなかった

 

 サオリ『か、体の動きが鈍い……いや……う、動けん……バカな……』

 先生『う、動けない……』

 トガ「……」

 

この子は……?

この子だけが動けてる…

もしかしてこの子の仕業?

 

 トガ「……」

 先生『き、君……に、げて……』

 

段々と口も動かすことができなくなってくる

少年が私の前に立つ

 

 トガ「……ぶっ飛べ!!

 

少年が叫ぶとアリウススクワットのサオリは文字通りぶっ飛んでいった

 

 トガ「あ゙っ……」

 

少年はその場に膝を付き、少年の口から赤い液体が地面に滴る

その赤い液体からは鉄のような匂いが微かに臭う

「血」だ

少年は吐血したのだと分かった

 

 先生『だ、大丈夫!?』

 

私の身体は動けるようになった

 

 トガ「……」(ニッ)

 

少年は大丈夫とでも言うかのように微笑みを見せる

 

 先生『それよりどうして私を助けたの?君はアリウスの生徒なんじゃ……』

 トガ「……?」

 先生『君はどこから来たの…?』

 トガ「?」

 先生『……もしかして喋れない?』

 トガ「っ……」(ブンブン)

 

少年はブンブンと頭を縦に振る

 

 先生『でも、「ぶっ飛べ」とか言えてたよね……?』

 トガ「……」

 

少年は口に繋がっている謎の印を指差す

 

なにこれ……

どこかで見たような……

ぶっ飛べ……

狗巻棘みたい……

いや、もしかして……

 

 先生『君は……「呪言師」?』

 トガ「っ!」(ブンブン)

 

少年は頭を縦に振る

 

 先生『だからか……』

 

全ての点が繋がった感じがする

 

 先生『それより君は逃げて!』

 トガ「?」

 

次の瞬間、私の頬に銃弾が掠れる

 

 先生『え…?』

 サオリ『逃がさん!』

 

サオリがそう言った瞬間物凄い量の銃弾がこちらへと向かってくる

 

 トガ「落ちっ、ゲホッゲホッ……!」

 

少年の口から大量の血が吐き出され、ビチャビチャと地面に音を立てながら流れ落ちる

 

 トガ「がぁ……」

 先生『君は逃げて!!』

 トガ「……っ!」

 トガ「落ちろ!!

 

少年が「落ちろ」と言った瞬間、銃弾は地面に落ちる

 

 トガ「がっ、ゲホッ、ゲホッ……!」

 

吐血した血は再び地面に音を立てながら流れ落ちる

 

 ???『もう大丈夫よ』

 先生『ヒナ…?』

 ヒナ『あとは私に任せて』

 先生『でも……!』

 ヒナ『先生はその子を連れて逃げて!』

 先生『っ……分かった!』

 

私は少年を背負い、走り出す

 

 ヒナ『私が相手よ』

 サオリ『チッ…次から次へと邪魔が入るな…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 │救護騎士団・救護室

 

私は救護騎士団の救護室に来た

 

 セリナ『先生!ご無事でしたか!!』

 先生『私は無傷だよ。それよりこの子を……!』

 セリナ『み、見たところ外傷は無いようですが……』

 先生『多分喉が潰れてるんだと思う』

 セリナ『喉……確か、喉薬があったと思います!』

 

セリナは医療品の入った棚から喉薬を取り出す

 

 セリナ『ありました!』

 

セリナは喉薬の封を開ける

 

 セリナ『少し口を開けてください』

 トガ「……」

 

少年は口を開ける

 

 セリナ『そのままで開けててくださいね』

 

セリナは喉薬の液体を少年の口の中へと流し込む

 

 トガ「……」(ゴクゴク)

 

少年はゴクゴクと音を立てながら飲む

喉薬の液体は全て無くなる

 

 セリナ『これで大丈夫だと思います!』

 先生『ありがとうセリナ!』

 セリナ『それより先生は此処に居たほうが良いのでは……』

 先生『私はまだやる事があるから』

 セリナ『ですが……!』

 先生『私は教師で生徒の皆を守るのが仕事だ。だから私は皆を守る為に行く』

 

少年は起き上がる

 

 トガ「……」

 トガ「眠れ

 

少年の言葉を聞いた瞬間私は眠りに落ちた

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