おれたたエンドの変身ヒロインアニメに転生したんだけど…   作:ビットマン

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 初投稿です。よろしくお願いします。
 7/30 主人公の名前を変更しました。
7/31 すみません。以前の名前に戻します。


プロローグ

もしも――

 

 もしもある日突然、昔見ていたアニメや映画の世界に入ってしまったら――。

 

 あなたはどうしますか?

 

 ***

 少し肌寒くもようやく日の照る時間が長くなってきた3月下旬――とある病院のベッドの上で1人の女性が本を読んでいた。

 彼女の名前は寺坂翼。肩まで切りそろえた黒髪にやや鋭い目つきで、人によっては人相が悪いと感じる顔だ。

 だが、今の彼女は頭部と顔の半分、そして全身に包帯を巻いた姿をしていた。

 ふと、病室のドアが開かれ翼と同年代くらいの大学生が入ってきた。

 

「やほー恵令奈」

 

 翼は本を閉じ、にっこりと笑った。

 

「翼。調子はどう?」

「うん、最近は全然良いよ」

 

 そう返す翼に茶髪の外はねウルフカットにした明るい雰囲気な女性――早川恵令奈――も笑顔を返す。

 この2人は城北大学にかよう大学生であり、子供のころからの付き合いがあった友人同士でもあった。

 

「フフ、その様子だと大分良くなってきたようね」

「そりゃね、いつまでもじっとしていられないし。洋子は?元気してる?」

「元気よ。むしろ早く会いたがってるわ」

 

 佐藤洋子は翼と恵令奈が中学生のとき出会った友人。翼がたちの悪いクラスメイトにいじめられていたのを助けたのが知り合うきっかけだった。

 性格はおおらかで細かいことは気にしない。子供の頃から柔道を習っており、翼にも軽く教えたことがあった。

 本当ならここに洋子も来るはずだったのだが、どうしても外せない柔道部の他県との試合のための強化合宿があったためこれなかったのだ。

 友人のことや、お気に入りの小説は何かなど他愛のない会話で盛り上がっていたその時、隣の患者がつけていたテレビからニュースが流れた。

 

「では次のニュースです。昨年起きた大地震に関する報道です…」

 

 そのニュースを聞いたとき恵令奈は一瞬目に悲しみの色を滲ませて独り言のように呟く。

 

「……もう1年たつのね。あの日から……」

 

 翼も小さく頷いて答えた。

 

「……うん……なんて言うか、時の流れって、早いね」

 

 翼は1年前、福岡県から他県へ家族旅行に行っていた。

 しかし旅先で大地震が発生した。天地がひっくり返りそうなほどの揺れは想像以上で建物は倒壊、道路はまるで地面が裂けるかのように割れ、さらに不運なことに地震による火災が派生。二次災害も含めた件の犠牲者は56万人にも及んだ。

 翼はなんとか駆けつけた救急隊により助け出されたが火災による火傷を負ってしまった。

 恵令奈は翼の寂しげに笑う表情を見て、ハッとして口元を押さえる。

 

「……翼、その、ごめんなさい」

「気にしないで、もう引きずってないから」

「でも……」

 

 なおも気まずそうにする恵令奈に翼は胸を人差し指と中指で軽く叩き――

 

「大丈夫。父さんも母さんも、ちゃんと()()にいるから」

優しく微笑んだ。

 安心させるように言った翼に気を遣わせてしまったと思い苦笑した恵令奈は話題を変える。

「今日は久しぶりに外に出てみない?ずっと病室にいるのも退屈でしょ」

「いいね、じゃあお医者さんから外でてもいいか聞いて――」

 

 ***

 

 夕暮れ時――。

 翼の病室に看護師が入ってきた。

 

「内山さーん。ご気分はどうですか?」

 

 翼は微笑んで返事を返す。

 

「はい、元気で――」

 

 だがその言葉は中断された。

 

「ゴフッ!!」

 

 喉元からから何かがくみ上げてきて、翼は思わず口を塞ぐが、勢いよく血が抑えた手から吹き出し、白いシーツを汚す。

 

「寺坂さん!?ちょっと!誰か来て!」

 

 看護師の動揺と焦った声が聞こえ、医師に連絡する声もするが、それも段々意識と共に遠のいていく。

 

(私……死ぬの……?)

 

 頭がぼーっとしてくる。

 目の終点が定まらなくなり、天井がぼやけてきた。

 

(嫌だ……嫌だ……!)

 

 翼の手がどこかへ伸び、何かを掴もうとする。

 

(恵令奈……!洋子……!父さん……!母さん……!)

(助けて!)

 

 しかし伸ばしていた手が、まるで糸が切れた人形のようにポトリと落ちた。

 この日、寺坂翼という少女が死んだ。

 

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