日本国召喚の前にオリジナル国家召喚   作:LIN001

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 日本国が大東亜共栄圏に加入してから、すぐ。
 盟主である旭日帝国へ、日本の外交官が来た時のお話。


02 会議室ドッキリ

 「ようこそ、旭日帝国の帝都へ。私が案内役を務めさせていただきます」

 「はい、よろしくお願いします。日本国外務省の浅田です。……あの、そちらの方はお子さんで……?」

 「ブフッ!?」

 「ああいえ、このお方はあのー、えー、その」

 

 お子さんて。いや、確かに僕の見た目は中学生くらいに見えるかもしれないけどさ。

 この浅田さん、お子さん呼ばわりした人が皇帝って聞いたらどんな反応するんだろう……まあ、今は伏せておくけど。

 

 「あー、まあ気にしないで。そのうちわかるから」

 「は、はぁ」

 

 あんまり納得してないな? まあ、同盟を組んだ相手国の迎えに中学生が混じってたら、そらそうか。

 

 「それでは、こちらにお乗りください」

 

 まあ、気にせず進めてもらうことにしよう。

 帝国国際空港からの移動は専用の車……とはいっても、市販の高級車なんだけど。

 それに乗ってもらって、いざ出発。……ま、僕は一緒に乗らずに後ろの車のほうに乗るんだけどね。

 

 

 

 

 

 「……というわけで、我が国も2年前に転移してきたばかりですので、この世界の情報などに関しましてはお役に立てそうもありません」

 「なるほど、そうだったのですか……」

 

 帝都国際議場の会議室にて、日本の人と会議中。

 ほかにもクワトイネ公国やクイラ王国、それから今回はちょっとお願いしてムーの外交官にも来てもらっている。うん、ちゃんと以前の世界の地図も持ってきてくれているね。

 

 「しかし、ご安心ください。こちらに転移国家の大先輩、ムー国をお呼びしております」

 「初めまして、ムー国は中立の立場から大東亜共栄圏に参加はしておりませんが……旭日帝国とは仲良くさせていただいております。

 日本国とも友好な関係を築きたいと考えております」

 「はい、よろしくお願いします」

 

 よし、ここで。

 

 「早速だけど、転移する前の世界地図を」

 「はい、こちらになります。日本の浅田殿、こちらをご覧ください」

 「はぁ……え? こ、これは……! 地球!?」

 

 思わず立ち上がって食い入るように地図を見る浅田さん。そりゃ、新しい世界に転移してきたのに地球の地図が出てきたら驚くよね。

 

 「はい。旭日帝国からの事前情報で、日本国の元居た地球の地図を見させていただき私も驚いたのですが……どうやら、我々は同じ世界から転移してきたようですね」

 「……!?」

 「そんなことが……?」

 

 うん、他の国の大使もみんな驚いてるね。良き良き。

 

 「我が国としては、前世界の旧友として仲良くさせていただきたいものです」

 「は、はい。それはもちろんです」

 「あ、驚いてるところ悪いけど、ここでもう一つ爆弾を。

 僕これでも、旭日帝国の国家元首である皇帝だからね、よろしくね」

 「( ゚д゚)ポカーン」

 

 あ、口を開けた間抜けな顔をしたままフリーズしてしまった。うん、面白い。ドッキリ大成功、ってね。

 まさか来た早々にお子さん扱いした人物が国家元首とは思うまい。

 

 「こ、これはとんだ失礼を……!」

 

 あ、冷や汗をだらだら流しながら慌ててる。ちょっとやりすぎたかな? まあいいや、面白かったし。

 

 「いや、大丈夫。なかなか面白い反応をありがとう。

 さて、ここから本題に入ろう。早速だけど、この世界についていろいろと知ってもらわないといけない。

 資料は準備したけど、たぶん分厚すぎて読む気が起きないからコレで説明させてもらうね」

 

 うん、この世界の現状と旭日帝国が大東亜共栄圏としてやろうとしていることを1冊にまとめたら、鈍器みたいな本になっちゃったからねー。

 簡単にここで説明しよう。事前に準備されているホワイトボードを回して……よし。

 

 ここからは、僕……ではなくうちの国の外交官がいろいろと説明した。

 

 この世界には魔法というわけのわからない謎の力があることや惑星が4倍くらい大きくてそのままロケットを打ち上げられないことはもちろん、世界地図からのこの世界の国々の紹介、魔王だのラヴァーナル帝国だのの復活や、それにまつわる伝承の話などなど。

 

 さらに、その伝承の情報をもとに旭日帝国の内閣が独自に最悪の想定をしたシミュレーションも。

 まあ、僕は原作を知っているのでやりすぎだとは思っているけど、備えすぎて困るものでもないので放置している。

 

 「……というわけで神聖ミリシアル帝国がラヴァーナル帝国のコア魔法や誘導魔光弾を解析・実用化していた場合、核弾頭搭載のICBMが実戦配備されている可能性も十分考えられます」

 「……なんと」

 「わが旭日帝国も全面核戦争に備え、N2弾頭……核を使わず放射線を出さないものの核爆弾と同程度の威力を発揮する弾頭、これの量産体制に入っております。

 また場合によっては核の冬が訪れる可能性も考慮し、当初は地下都市の建造が計画されましたが現在は廃案、宇宙開発を急いでいるところです」

 

 うん、顔が引きつるその気持ち、わかるよ。

 まさか食料を得るために入った同盟の盟主が全面核戦争の準備してるとか思わないよね。

 

 「ご安心ください、我が帝国は同盟国を見捨てません。大東亜共栄圏への参加国へ万が一核兵器が向けられた場合、24時間以内にN2弾頭搭載兵器による反撃が可能な体制を整えております。

 また参加国ではありませんが、ムー国に対しても戦略兵器保護条約により同じように”核の傘”を提供しています」

 「そ、そうなんですねハハハ……」

 

 あーあー、もう乾いた笑いを出し始めたよ。もうそろそろ浅田さんのキャパも限界か。

 まあ一応伝えるべきことは伝えたし、書類も持たせた。今日のところはこれで大丈夫だろう。浅田さんの反応を見て、各国の大使・外交官も同じことを思ったと思う。

 

 「ひとまず、今日のところはこのあたりにしておきましょう。そちらも情報の整理などしたいでしょうし」

 「そ、そうですね」

 「浅田殿、顔色が優れませんぞ……まあこの私も、最初に話を聞いたときには真っ青になりましたがねハッハッハ」

 

 いやクイラ王国大使、多分核兵器とか理解してる分浅田さんのほうがショックが大きいと思うよ。

 日本は核兵器を落とされた経験あるし、冷戦とかもあったからなぁ……。




 心配性な国が最悪の想定をするとこうなる、といった感じで書いてみました。いかがでしたでしょうか。

 この時点ではまだ偵察衛星などがないため、遠い国の文明レベルが判明していません。でも衛星軌道上の「僕の星」(ラヴァーナル帝国の残した人工衛星)を神聖ミリシアル帝国のものと誤認しているため、少なくとも地球で1970年代程度の技術レベルを有していると想定しています。
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