マギアレコード A world rewound 巻き戻された世界   作:ジャックノルテ

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□12 見滝原市 スーパーセルが接近する早朝に近い深夜

 

 

(マギアレコードファイナルシーズン全4話の時期)

 

 神浜市においてエンブリオ・イブと魔法少女達の戦いが続いている中で見滝原市においてもワルプルギスの夜との本当の戦いが始まっていた。

 

まどか「みんなでワルプルギスの夜をやっつけよう!」

 

 まどかを中心に7人の魔法少女がワルプルギスの夜を見据える。

 鹿目まどか、美樹さやか、暁美ほむら、巴マミ、佐倉杏子、それに美国織莉子と呉キリカ。

 別の世界においても共闘する事の無かった7人が今、ワルプルギスの夜に戦いを挑もうとした。

 今はまだワルプルギスの夜の魔女本体は出て来ずに使い魔が街にいる状況だった。

 

マミ「みんな!私に協力して。今から魔力を溜めて必殺技の準備をするわ。時間が掛かる分威力は折り紙付きよ。だからみんなに使い魔を倒してワルプルギスの夜を誘い出して欲しいのよ」

 

さやか「分かりました。じゃあ早速!」

 

杏子「じゃあ本体が出たらあたしが結界で動きを封じる。それでいいな」

 

まどか「ほむらちゃん!行こう!」

 

ほむら「待って。鹿目さん!」

 

織莉子「巴さん。それなら私とキリカは巴さんに近付いて来る敵を迎撃するわ」

 

マミ「頼むわ・・・・・。私は出来るだけ速くグリーフシードで浄化をしておくわ」

 

 マミはグリーフシードを使い浄化しながら次々と大型の銃を具現化させている。

 

キリカ(そうか。あの銃は撃たなければその場に残せる。つまり魔力が続くなら幾らでも増やせると言う事か)

 

織莉子「早速来たようね!」

 

 そこへワルプルギスの夜の使い魔が迫る!

 織莉子のオラクルレイが切り裂き、キリカが手の爪で使い魔を切り裂いて行く。

 

織莉子(予知の通りなら・・・・・)

 

 次々と現れる使い魔を倒して行く魔法少女達。

 そして遂に・・・・・。ワルプルギスの夜の本体が姿を現した。

 

 

ワルプルギスの夜「アーハッハッハッハッハ」

 

 

魔法少女達「!!」

 

 今までに見た事の無いその巨大な姿にその場にいた魔法少女達は全員が一瞬驚きを見せていた。

 それでも直ぐに気持ちを切り替えると目の前にいる使い魔を倒し本体へと向き直る。

 

杏子「ほむら!」

 

ほむら「はい!」

 

 杏子の叫びに反応したほむらが杏子の元へ跳躍するも距離が足りない。

 

ほむら(距離が・・・・・)

 

 そこへ飛んで来たさやかがほむらを杏子の方向へ投げる!

 

さやか「世話が焼けるなあ。いっけえ!」

 

ほむら「きゃあああ」

 

 驚き宙を飛ぶほむらを片手で掴んだ杏子。

 

ほむら「行きます!」

 

 ほむらが時間停止魔法を発動させ杏子は結界魔法を発動させた。

 

杏子「これで!!」

 

 ワルプルギスの夜の全身を杏子の結界魔法が拘束して動きを止めてしまう。

 時間停止が解除される。

 

マミ「みんな!避けて!」

 

 ワルプルギスの夜を見据えたマミが無数の巨大な銃を発射する!

 

マミ「ボンバルダメント!」

 

 その声と共にまどか達は射線上から離れた。

 マミの銃から放たれた無数の光線が一つに束ねられて巨大な光線となってワルプルギスの夜へと命中しようとした。

 だがワルプルギスの夜もただ攻撃を座して待つだけではない。

 

ワルプルギスの夜「!!」

 

 ワルプルギスの夜が逆さまになった人型の口から炎を出した。

 その炎はマミの光線とぶつかり周囲の建物を破壊して行く。

 ぶつかりあう光線と炎の中で光線の一部がワルプルギスの夜の歯車に当たり傷を付けているが誰も気付けなかった。

 

織莉子「みんな!散って!」

 

 思わず叫んだ織莉子の声でまどか達も周囲に散って行く。

 

マミ「これで・・・・・・・」

 

 マミは杏子から受け取ったグリーフシードを次々と使用する事で本来は魔力を大量に消耗するボンバルダメントの威力を底上げしていた。

 

マミ(ワルプルギスの夜を倒す事が私の償いなんだから・・・・・。ここで倒れる訳には行かない!)

 

 自身の本来使用する以上の魔力量を一度に使用し続けた事でマミのソウルジェムにヒビが入り始める。

 

さやか「マミさん!」

 

杏子「よせ!ここはマミを信じるしかねえ!」

 

 杏子はそう言って飛び出そうとするさやかを制止する。

 

まどか「マミさん・・・・・」

 

ほむら(初めて見るこの魔法なら・・・・・)

 

キリカ(さてどうなるのかな?)

 

 キリカが脇にいる織莉子の顔を見ると織莉子の顔は厳しい表情をしていた。

 

織莉子(・・・・・・・・)

 

ワルプルギスの夜「!!」

 

マミ「!?」

 

 瞬間、ワルプルギスの夜の吐き出す炎の威力が上がりマミの光線が周囲に四散されて炎は突き進んで行く。その先にはマミがいる。

 

マミ「まだよ!」

 

 驚愕の表情をしたままマミは炎に飲み込まれて魔力反応が消滅した。

 即ちソウルジェムが破壊された事を意味した。

 

さやか「マミさん!」

 

杏子「嘘だろ!?」

 

さやか「この!よくも!」

 

杏子「バカ!何を」

 

 杏子の制止を振り切りさやかが単独でワルプルギスの夜へ挑んで行く。

 

ほむら「行けない!美樹さん!」

 

 ほむらはさやかを追って跳躍するもその時、杏子の結界魔法の拘束から逃れたワルプルギスの夜がその巨大な腕をさやかに向かって振った!

 

さやか「わっ!?」

 

ほむら「きゃあああ」

 

 ワルプルギスの夜の腕に振り飛ばされたさやかはビルに叩き付けられそのビルは倒壊して瓦礫に呑まれ姿は見えなくなってしまう。

 一方のほむらは別のビルに振り飛ばされて窓を破ってビルの一室に叩き付けられていた。

 

ほむら「鹿目・・・・さん」

 

 余りの痛みにほむらは気絶してしまった。

 直後にワルプルギスの夜は魔力を大量に消耗したのか一時的に動きを止めていた。

 

まどか「さやかちゃん!ほむらちゃん!」

 

 マミのいた場所でマミがいない事を確かめていたまどかが思わず動こうとするのを押さえた者がいた。

 

織莉子「待って。今動いたら二人の二の舞よ」

 

 それは織莉子とキリカだった。

 

まどか「でも!」

 

織莉子「まずワルプルギスの夜を倒さないと二人を助けられないわ。巴マミの犠牲を無駄にしない為にも」

 

まどか「・・・・・・」

 

キリカ「二人はまだ生きてるよ。僅かだけど魔力反応がある」

 

 そこへ杏子が跳躍して来る。

 

杏子「どうすんだ?マミがやられちまった以上は打つ手が無いんじゃないか?」

 

織莉子「・・・・・。いいえ。あるわ」

 

杏子「ならその手を」

 

織莉子「それは私の魔法じゃないの。鹿目さん。あなたなら出来るわ」

 

まどか「えっ?」

 

織莉子「私の魔法は予兆と素質を見極める魔法。だから分かるのよ。今、ワルプルギスの夜を倒せるのはあなただけだって」

 

まどか「わたしが?」

 

杏子「おい!もしかしてマミじゃ倒せないと分かっていたのか!」

 

 織莉子の言葉に詰め寄ろうとする杏子。

 

織莉子「いいえ。私の魔法はいつ動くのか私にも分からないわ。恐らく危機的な状況に陥れば陥る程に魔法が発動しやすくなるようね。でもだからこそ言えるわ。今、ワルプルギスの夜を倒す事が出来る魔法少女はあなただけだって」

 

まどか「・・・・・・。分かりました。わたしやります」

 

杏子「良いのか?」

 

まどか「うん。マミさんの為にも。それにこの見滝原には大切な人たちが沢山いるから。それにわたし、マミさんの魔法を見ていてわたしも同じ様に威力を溜める事が出来る気がしたから」

 

 まどかの脳裏に大切な家族や人々の姿が思い浮かぶ。

 決意に満ちたまどかを見て杏子は溜息をついた。

 

杏子「はあ・・・・・。しょうがないね。だったらもう一度あたしが結界魔法を使う。そうすれば少しは時間が稼げるだろ」

 

キリカ「今度は私も協力する。私の速度低下魔法を使えば更に時間を稼げる筈。最もあんな巨大な魔女にどれだけ効果があるか分からないけどね」

 

織莉子「それで行きましょう。私は魔力が溜まるまで鹿目さんの護衛をするわ。行きましょう。もうじきワルプルギスの夜が動き出すわ!」

 

 織莉子の言葉と同時に動き出すワルプルギスの夜。

 

まどか「うん。みんな!お願い!わたしに力を貸して」

 

杏子「分かった。行くぞ!」

 

キリカ「やってみるよ」

 

 杏子とキリカがワルプルギスの夜に向かい織莉子とまどかは近くにある巨大なビルの屋上に場所を移した。

 その場でまどかは魔力を溜める準備行動に入る。

 

織莉子「どれ位、時間が掛かるかしら?」

 

まどか「初めてやるから・・・・・。少し掛かると思います」

 

織莉子「使い魔は私が何とかするから魔力に集中して」

 

まどか「はい!」

 

 その頃、ワルプルギスの夜に接近した杏子とキリカ。

 

キリカ「今だ!速度低下!」

 

 キリカの固有魔法によってワルプルギスの夜の動きが鈍って行く。

 だがワルプルギスの夜が巨大すぎる為に目に見えた効果が見えなかった。

 

キリカ(これだけ大きいと動きが鈍くなっても動きが大きいから効果が薄い・・・・・)

 

杏子「ちっ。だったらもう出し惜しみは無しだ!盟神快槍(クガタチ)!」

 

 杏子の持つ槍が巨大化して変形するとまるで蛇の様にワルプルギスの夜を拘束する。

 幸いにもキリカの速度低下はワルプルギスの夜に絞って使われた為に杏子は影響を受けなかった。

 

杏子「これなら身動きが取れないだろ!?」

 

ワルプルギスの夜「!!」

 

 それと裏腹に突如としてワルプルギスの夜の歯車の部分が動く速度ゆっくりと上昇する。

 

キリカ「なっ!?速度低下しているのに!?」

 

杏子「どうなってんだ!?」

 

キリカ「そうか。これで速度は低下している・・・・・。つまり本当はもっと速いって事なんだ」

 

杏子「ちっ。あっちはまだ時間が掛かるなら・・・・・。ここで出来る事はやらせて貰うよ!」

 

 魔力を溜めるまどかの様子を見た杏子は更にワルプルギスの夜に行った拘束を強めて蛇の様に動く槍でワルプルギスの夜の身体を突き刺そうと試み得た。

 

杏子「これで!」

 

 炎を纏った槍がワルプルギスの夜の全身を傷付けるも、それを意に介さずにワルプルギスの夜は両腕を大きく振るうと全身を拘束した杏子の槍を破壊した。

 

杏子「なっ」

 

 驚きながらも落下していた杏子は即座にワルプルギスの夜に向き直ったその時にワルプルギスの夜の両腕が杏子を左右から同時に手を叩く要領で杏子を物理的に圧し潰した。

 

杏子「!? ぐっ・・・・・・。こ・・れ・・・・で・・・やられて・・・・・たまるか!」

 

 物理的な衝撃でソウルジェムをにヒビを入れられた杏子はそのまま落下して行きながらも最後の魔力を絞り込めた槍をワルプルギスの夜の歯車に向かって投擲した。

 杏子の槍はマミのボンバルダメントによって歯車に生じた傷に深く突き刺さる。

 

杏子(後は頼んだぜ・・・・・・。まどか)

 

 杏子のソウルジェムは砕かれ魔力反応が消滅した。

 

織莉子(まずい。これ以上は)

 

織莉子「鹿目さん!」

 

 思わず叫ぶ織莉子の声に呼応する様に二人に向かってワルプルギスの夜の使い魔が迫る!

 

織莉子「オラクルレイ!」

 

 織莉子の周囲から浮遊する宝石の先端から光の刃が出て回転すると織莉子とまどかに迫る使い魔を切り裂き二人の身を守った。

 

まどか「もう少し・・・・・」

 

 まどかは自身のソウルジェムに魔力を集中している。

 

織莉子(持たせなければ・・・・・。彼女でなければワルプルギスの夜を倒せないのだから・・・・・)

 

 既に織莉子も神浜市からの連戦でグリーフシードを使用しても魔力を消耗し続けている。

 この場合はむしろ魔力よりも精神力を消耗していた。

 

まどか「今!!」

 

 まどかの持つ弓から膨大な魔力によって輝きピンク色の魔法陣が光輝く。

 

まどか「もうこれが残された最後のチャンスなんだから・・・・・。お願い!これで!」

 

 まどかの脳裏には仲間の魔法少女達の顔が浮かんで行く。

 

まどか(マミさん。さやかちゃん。杏子ちゃん。ほむらちゃん。それに・・・・・。いろはちゃんにやちよさん達、みんなの戦いを無駄にしない為にも!)

 

 全ての魔力を集中した魔力の一撃をまどかはワルプルギスの夜に向かって放った。

 

織莉子(そう。それでいい。わたしが予知した通りにあなただけがワルプルギスの夜を倒せるのだから・・・・・)

 

 織莉子の口元には笑みが浮かんでいた。

 そしてその手には魔力の刃が展開した球体が握られていた。

 空にピンク色の魔法陣が浮かび上がりその膨大な魔力を纏った無数の矢が次々とワルプルギスの夜に命中して行く。

 

ワルプルギスの夜「!?」

 

 その本体である歯車に直接当たる攻撃はワルプルギスの夜にとっても初めて受ける攻撃であり対処が遅れた。

 否。遅れたのでなくキリカの速度低下魔法で動きが鈍くなっているのだ。

 更に連戦で魔力を消耗し巴マミのボンバルダメントによって生じた歯車への傷。

 杏子が投擲した命と引き換えの魔力を込めた槍。

 まどかの放った渾身の矢が杏子の槍にぶつかった時に魔力の爆発を起こし更には傷を伝ってワルプルギスの夜の全身へと広がる勢いを見せた。

 

まどか「これで・・・・・・。貫いて!」

 

 まどかの言葉に合わせる様にトドメの矢がワルプルギスの夜の歯車の傷へと放たれて行く。

 既に別の時空で円環の理が誕生した事による共振によってまどかはワルプルギスの夜を倒す程の魔力を得ていた。

 

ワルプルギスの夜「アーハッハッハッハッハッハ!?」

 

 最後まで高笑いを止める事無くワルプルギスの夜はピンク色の光に貫かれて消滅した。

 

キリカ(何とか倒せたか・・・・・。駄目だ。直ぐに動けない・・・・・)

 

 今までワルプルギスの夜に速度低下魔法を仕掛けていたキリカは反動で直ぐに動けなかった。

 

キリカ(織莉子の方は・・・・・・)

 

 首すら動かせないキリカからは織莉子の様子が見えなかった。

 

キリカ(全て織莉子の予知通りに終わった。これで後は・・・・・)

 

 

 

 

 

 ソウルジェムを砕かれた鹿目まどかの遺体の傍で茫然としていた織莉子。

 その手に握られた光球からは刃が出ており何が起きたのかは明白だった。

 まるでこの時を待っていたかの様に織莉子の脳裏にイメージが流れる。

 

織莉子(これは!?予知!?どうしてこんな時に!? ・・・・・・。いいえ。こんな時だからこそ予知が働いたのかも知れない。だって私達はワルプルギスの夜を倒してしまったんだから。これ程、強力な魔女を倒して未来が変わらない訳がない・・・・・)

 

 

 神浜市に集う各地の魔法少女達、竜ケ崎連合と共にある黒羽根9、時女一族、八雲みたまの願いが叶う、キモチと呼ばれる敵、絶望した八雲みたまが全てのキモチと融合して世界を滅ぼす。

 

 

織莉子(・・・・・。ワルプルギスの夜を倒しても世界の危機は一つ減ったに過ぎないと言う事ね・・・・・。それにしても・・・・・。このイメージの意味を測らないと)

 

キリカ「織莉子!大丈夫かい!?」

 

 そこへ魔力が回復したキリカがやって来る。

 

織莉子「大丈夫よ。それよりキリカ。直ぐにこの場を離れましょう」

 

キリカ「そうだね。長居は無用だろうしね」

 

 織莉子が傍らに寝かせた鹿目まどかの遺体を横目に見ながら状況を察するキリカ。

 

織莉子「それだけじゃ無いわ。新しい予知よ。まずは・・・・・。私の家で休みましょう」

 

キリカ「分かったよ!じゃあ私が織莉子を抱えて行くよ!」

 

織莉子「助かるわ。正直、今は歩けないと思うから」

 

キリカ「気にする事は無いよ。キミは世界を救ったんだから」

 

織莉子「そう・・・・・・・ね」

 

 キリカは織莉子をお姫様抱っこの要領で抱えるとその場から去って行った。

 周囲は瓦礫の山が立ち尽くす荒野の様になっていた。

 その荒野を照らす朝日の中で暫くすると傷だらけの身体を押して暁美ほむらが破壊されたビルの一室から出て来た。

 

ほむら(・・・・・。ワルプルギスの夜の魔力は拡散してる。この拡散の仕方はワルプルギスの夜を倒したと言う事。それと大気中に感じる鹿目さんの濃い魔力。まさか)

 

 慌ててほむらは魔力反応を探るがまどかの魔力反応は感じ取れなかった。

 

ほむら(そんな!そんな事って!)

 

 まどかの残留魔力の濃い地点に向かい跳躍したほむらの眼前には最も見たくないモノが目に写った。

 それはソウルジェムを砕いた鹿目まどかの死体だった。

 

ほむら「そんな!?鹿目さん!」

 

 目の前の出来事を認めたく無いほむらだったが既に何度も経験していた事で目の前のまどかが死んでいると言う事を察してしまっていた。

 

ほむら(また駄目だった・・・・・。この時間軸でも駄目だったの・・・・・・)

 

 茫然としながらほむらはまどかの死体に近付く事無く荒野の中にある瓦礫の上に立つと習慣的に自らの時間停止の盾を操作していた。

 

ほむら「今度こそ・・・・・。必ず鹿目さんを」

 

 紫色の光に包まれて暁美ほむらはこの時間軸を去って行った。

 それから一時間程後にビルの瓦礫を押しのけて重傷を負いながらさやかが姿を見せた。

 追った傷は直ぐに魔法で直していたが。

 

さやか「何がどうなってるの・・・・・・。みんなは・・・・・」

 

 ふら付く足取りで進むさやかの眼前に移ったのは傷だらけの杏子の死体だった。

 

さやか「!? 嘘でしょ。杏子!!ねえ目を開けてよ!」

 

 さやかが杏子の死体を揺さぶるも何の反応も示さない。

 

さやか「そんな・・・・・・。ねえ。ほむら!まどか!二人は無事でしょう!?」

 

 さやかの言葉に答える者はこの場にいない。

 一人で叫びながらさやかは滅茶苦茶に走り跳躍した。

 そして偶然見てしまった。

 

さやか(あれ!?そんな)

 

 さやかが思わず駆け寄った場所にはソウルジェムを砕かれた鹿目まどかの死体があったのだ。

 

さやか「まどか・・・・・。そんな。どうして!?じゃあほむらやあの人たちも・・・・・・」

 

 傷を負い過ぎたさやかは既に薄れていた他の魔法少女の残留魔力を感じ取る事は出来なかった。

 目の前で佐倉杏子と鹿目まどかの死体を見て、巴マミが戦死した姿を見た以上、他の魔法少女も戦死したと思い込むのも無理は無かった。

 

さやか「ウワアアアアアアアアア!あたしは、あたしは一体何の為に戦って」

 

 その場にさやかの慟哭に答える者は誰もいない。

 

さやか「あたしはこれから・・・・・・・。どうしたら・・・・・・・・・」

 

 心に大きな絶望を抱いたままに、さやかは何処かに向かって彷徨い始める。

 さやかのソウルジェムは黒く染まり始めている。

 そんなさやかの背後に何か黒い物が近付いていた事に気付く余裕が無かった。

 

 

 

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