マギアレコード A world rewound 巻き戻された世界 作:ジャックノルテ
□3 過去の神浜市内
数日前・・・・・。
その日、まばゆは見滝原市に戻っていた。
まばゆ「マミさん・・・・・。皆さん・・・・・。本当にもう・・・・・・」
まばゆは叔母の安否を確かめた後、見滝原市内を回ってマミ達の安否を確かめていた。
既にニュースで鹿目まどかと佐倉杏子の死亡は知っていた。
しかし巴マミと美樹さやか、暁美ほむらが行方不明と言う事にまばゆは一縷の望みを賭けていたのだった。
まばゆ(それにしても・・・・・。確かマギウスの翼に加わっていた美国織莉子さんや呉キリカさんも行方不明なんて・・・・・。もしかしたらマミさんがワルプルギスの夜と戦った事と何か関係があるんでしょうか・・・・・)
まばゆはアリナ・イブとの戦いの後で神浜市に戻って調整屋でみたまからマミ達がワルプルギスの夜と戦う為に見滝原市に戻った事を聞いていた。
まばゆ(もしワルプルギスの夜に戦いを挑んだのなら・・・・・・。万に一つの生存の可能性も無いかも知れません。でも・・・・・・。私は諦めたくないんです。マミさん!)
まばゆは見滝原市内の病院や死体の保管所を訪れて必死に確かめようとしていた。
光学迷彩魔法を持っていたまばゆならば潜入その物は簡単に行えたからだ。
普通なら見ようとしなければ見る事の無い否が応でも死を思い起こさせる死体を見続けたまばゆは精神をすり減らしながらも確かめ続けていた。
まばゆ(あれからずっと確かめましたけど・・・・・。見つからない・・・・・・・。鹿目さんの遺体だけは見つかっていますけど・・・・・・。マミさんや他の人達の遺体が無いのは・・・・。やっぱり結界の内部に取り残されたからなんでしょうか・・・・・・。いえ。それが答えなんですよね・・・・・・。結界に死体が残されても現実には戻らないんですから・・・・・・・)
誰もいない廃墟の中で隠れる様にまばゆは一人で涙を流していた。
そして同じ頃に神浜市では・・・・・。
エンブリオ・イブの撃退された場所に広がる爆心地の近くに花を手向けるマギウスの翼に属していた白羽根や黒羽根の姿があった。
喪に服する為か皆、ローブで素顔を隠している。
黒羽根1「灯花様・・・・・。ねむ様・・・・・」
黒羽根2「私達の魔法少女至上主義の理想は・・・・・」
そこへ黄色いローブを羽織った少女が白羽根5(観鳥さん)に伴われて現れる。
白羽根5「ここだよ。灯花様とねむ様。それにアリナ様が亡くなったのは」
黄羽根I・E「・・・・・・・・」
悲痛な表情をローブで隠した黄羽根I・Eも花を手向ける。
白羽根5(調整した後に頼まれたから連れて来たけど・・・・・。観鳥さん的には余り連れて来たく無かったんだけどね・・・・・。彼女は大丈夫なのかな・・・・・・)
??「いたぞ!アイツだ!」
そこへ羽根達を取り囲む様に数人の魔法少女が姿を見せた。
??=改革派B「お前達のせいで私の家族は!!」
改革派D「よくも騙したな!何が自動浄化システムだ!依存症にして閉じ込めやがって!」
改革派C「マギウスがいなければこんな事にならなかった!」
彼女達はマギウスの翼の内部に存在した羽根の権利向上を掲げた改革派と呼ばれる勢力の一員だった。
キレーションフェントホープ内部において環いろは達の潜入と同時期に内乱を引き起こしたがマギウスの乗っ取りは出来ずに中枢メンバーも行方不明となっていた。
リーダーと思しき人物は黄羽根7と共に魔女に食われたと証言があったが。
黒羽根1「・・・・・・・・」
黒羽根2「・・・・・・・・」
白羽根5(こんな時に・・・・・。まさか改革派のメンバーが生きていたなんて。それに一人は確かドッペル依存症になったから保護した子か・・・・・)
改革派B「何とか言ったらどうなんだ!」
改革派C「おい!そこにいる黄色いヤツはマギウスの親衛隊だ!」
敵意が一斉に黄羽根I・Eへと向けられる。
改革派B「じゃあアイツも元凶なのか!?」
改革派D「そうに違いない!」
そう言いながら改革派達は武器を向ける!
白羽根5「よせ!」
咄嗟に白羽根5は黄羽根I・Eを庇う姿勢を取ったが直後に攻撃を全身に当てられてその場に倒れる。
黄羽根I・E「!?」
白羽根5「・・・・・。逃げろ!」
黒羽根1「はぐむん!」
黒羽根2「!!」
倒れた白羽根5の声を聞いて黒羽根1は黒羽根2の手を引っ張ってその場から逃げ出す。
残された黄羽根I・Eに迫る魔法少女達。
黄羽根I・E「・・・・・・・・」
改革派B「元凶の一人なら潔く死ね!」
改革派C「どうせ魔法少女が魔女になるんならお前も魔女になれよ!」
改革派D「魔女になればグリーフシードが出るかも知れないんだからな!」
黄羽根I・E「・・・・・・・・・・・・・・・・」
黄羽根I・Eの脳裏に浮かんだのは在りし日の事だった。
灯花とねむを中心に揃う護衛役である黄羽根7。
装備の製造担当である黄羽根I・E。
それに新入りの黄羽根愛生まばゆ。
白羽根5(ダメだ・・・・・・)
改革派B「お前みたいな奴が生き残るのは間違いなんだよ!」
黄羽根I・E「・・・・・・・・・・・・・・・・」
黄羽根I・E(そうだ・・・・・。アタシを認めてくれた人は・・・・・・。もう誰もいない・・・・・・)
黄羽根I・Eのソウルジェムが穢れて行く。
改革派C「罪を償え!」
黄羽根I・E「・・・・・・・・・・・・・・・・」
改革派D「お前は死ぬべきなんだ!」
黄羽根I・E「・・・・・・・・・・・・・・・・」
白羽根5(いけない!)
既に黄羽根I・Eのソウルジェムには穢れが溜まり切っていた。
白羽根5は動こうとしたが身体は動かなかった。
黄羽根I・E(・・・・・・ごめんなさい)
白羽根5「!!」
遂に黄羽根I・Eのソウルジェムに穢れが限界を迎えてしまった。
ソウルジェムはグリーフシードに変貌して黄羽根I・Eは・・・・・・・・。魔女I・Eと化した。
白羽根5「そんな・・・・・・・」
改革派B「魔女になったなら都合が良い!!殺してグリーフシードを」
その言葉は最後まで続かなかった。
直後に魔女I・Eは容赦無く地面から伸ばした触手で改革派Bのソウルジェムを砕き殺した。
改革派C「なっ!?」
改革派D「来る!!」
それはもう一方的な虐殺と言えた。
地面の下から伸ばした触手で魔女I・Eは改革派CとDを一方的に殺害した。
白羽根5「・・・・・・。もう・・・・・。何もかも手遅れか・・・・・」
白羽根5は立ち上がり戦おうとするが、どうしても握り締めたバズーカ砲を魔女I・Eに向ける事が出来なかった。
魔女I・E「・・・・・・・」
白羽根5(!? どうして観鳥さんに攻撃して来ないんだ?魔女化しても・・・・・・。記憶が僅かに残留しているって灯花様の推測が当たっているのか?)
その時、遠方から無数の銃撃が放たれ銃撃が途切れた瞬間に上空から一人の魔法少女が落下してくるとその勢いで足に付けたインラインスケートで魔女を両断した!
その攻撃を白羽根5は知っていた。
白羽根5「この攻撃・・・・・・・。神楽教官と遊狩さん」
白羽根5が背後を見るとそこには黒羽根1と黒羽根2を引き連れた神楽教官が両腕のガトリングから煙を出していた。
結界が崩壊して魔女を倒したその場からは遊狩ミユリが姿を見せる。
神楽教官「生き残った改革派が現れたと聞いたけどまさかこんな事になるなんて・・・・・」
白羽根5「やっぱり連れて来るんじゃなかった」
神楽教官「どの道、改革派は自分達のアピールの為に黄羽根を狙っていたわ。それに・・・・・。彼女はマギウスを慕っていたわ。こうなる事は避けられなかったでしょう.」
遊狩ミユリ「燦様・・・・・」
遊狩ミユリはバツが悪そうに手を差し出した。
そこにはグリーフシードが握られていた。
神楽教官「あの魔女のグリーフシードね・・・・・。これは観鳥が持ってなさい」
白羽根5「そうですね・・・・・。これは観鳥さんが最後の黄羽根に渡しておきます・・・・・」
次の日・・・・・。
調整屋で白羽根5はみたまと共に最後の黄羽根が来るのを待ち続けていた。
マギウスの広報担当である観鳥さんは最後の黄羽根と面識があるのでこの役割を引き受けたのだった。
白羽根5=観鳥さん「・・・・・。遅いですね・・・・・・」
みたま「そうねぇ・・・・・。でもあの子も見滝原で仲間の生死を確かめているそうだから・・・・・。直ぐには戻れないと思うわぁ」
観鳥さん「でも彼女の様子を見る為に今日、来るんですよね?」
みたま「ええ。時間は言わなかったけど必ず来るわ」
その時、調整屋のドアを開く音がして誰かが入って来た。
まばゆ「こんにちはー。みたまさん。彼女の様子は」
そう言って入って来た黄色いローブを着たまばゆはみたまと椅子に座る白羽根5の様子を見て何かあったと察していた。
まばゆ「何かあったんですか?観鳥さんがそんな深刻な顔をしているなんて」
観鳥さん「すまない。まばゆさん。彼女は・・・・・。魔女になった」
まばゆ「えっ?」
みたま「落ち着いて聞いてちょうだい。調整屋で預かっていた黄羽根の彼女は魔女になってしまったの」
まばゆ「そんな・・・・・。どうして!?」
観鳥さん「彼女にせがまれて観鳥さんが仕方なくマギウスの亡くなった場所へ連れて行ったんだ。そこで改革派の残党に責め立てられて・・・・・。彼女は魔女化したんだ」
まばゆ「・・・・・・・。これでマギウスの親衛隊だった黄羽根は・・・・・・。私一人なんですね。見滝原の魔法少女としても・・・・・・」
観鳥さん「だからこれを渡しておく」
観鳥さんはそう言って一つのグリーフシードをまばゆに手渡した。
観鳥さん「それは魔女化した彼女を神楽教官達が倒して出て来たグリーフシードだよ。彼女の形見みたいな物かな・・・・・」
まばゆ「受け取って置きます・・・・・」
そう言ってまばゆは調整屋を出ようとした。
観鳥さん「どこへ行くんだい?」
まばゆ「・・・・・。私にはまだマギウスに・・・・・。ねむ様と巴さんに託された使命がありますから・・・・・」
そう言ってまばゆはそのまま調整屋を出た。
まばゆ(これが本当に最善なんでしょうか・・・・・・。彼女の魔女化は避けられなかった。それでも・・・・・。私は進む事しか出来ないんですね)
魔女化した黄羽根だった彼女のグリーフシードを握り締めながらまばゆは神浜の街中へ歩みを進める。
まばゆ「だから協力者である・・・・・。あの人ともっと行動を詰めないと」