マギアレコード A world rewound 巻き戻された世界   作:ジャックノルテ

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第二部 □5

□5 神浜市内 ???

 

 

 何処かの空間。

 そこには8人の仮面を付けた少女と思しき者達が円を囲んでいる。

 宝石の付いた仮面によって表情は見えないが口元から虚ろな表情をしていると思われる少女達はそれぞれに武器を握り締めている。

 ブーメラン、ハープ、猟銃、芭蕉扇、杖、剣、大鎌、ガトリング。

 円の中から剣を握り締めた蒼玉の仮面を付けた少女が出て行く。

 その背面からは自身のドッペルを出現させ始めていた。

 まるで魚の様な尾を持つドッペルの影を見せながら蒼玉の少女は何処かへと向かう。

 

 

 

 神浜市キレーションフェントホープ跡地。

 

いろは「これは自動浄化システムを取り戻す為の・・・・・。ういや妹達が残した手掛かりかも知れないから!」

 

牧野郁美「きゃあああああああああああああ!?」

 

 直後に響いた悲鳴がいろはとみたまの言葉をかき消した。

 

観鳥さん「牧野チャン!!」

 

 切られた牧野郁美は切られながらも片膝を付いていた。

 

黒羽根?「ふざけた事を言ってんじゃねえよ!!」

 

 黒羽根?の袖口から伸びている鎖鎌の刃からは血が流れている。

 

黒羽根?「そんな都合の良い事言って許されると思ってんじゃねえ!」

 

 その言葉と同時に魔法少女の中にいた黒羽根のローブを纏った者が次々と周囲にいた魔法少女達に刃を向けて鮮血が辺りに飛び散る!

 

やちよ「マズいわ!」

 

和泉十七夜「我々も行くぞ!」

 

鶴乃「私達も行くよ!」

 

フェリシア「アイツ等やっつけて良いんだよな!?」

 

さな「とにかく取り押さえましょう!」

 

 やちよと十七夜が動いたのを見て舞台近くにいた鶴乃達も動き出す。

 それを見て動ける魔法少女が暴れた黒羽根達を取り押さえに掛かる!

 

常盤ななか「皆さん!とにかく相手を取り押さえて!」

 

純美雨「そうは言っても・・・・・。この状況じゃ難しいネ」

 

志伸あきら「それでもやるしか・・・・・」

 

 その時、黒羽根達の一人が素早い動きで夏目かこの背後を捉えて手にした鎖鎌で突き刺そうとした!

 

黒羽根9「死ね!」

 

志伸あきら「かこちゃん!!」

 

夏目かこ「えっ!?」

 

 咄嗟に志伸あきらは夏目かこを突き飛ばした!

 そして攻撃して来た黒羽根9を正拳突きで突き飛ばした。

 

黒羽根9「っ・・・・・」

 

 その時、志伸あきらの真横から高速で黒羽根短刀が近付く事を認識した瞬間に気付いた時には間近まで迫っていた。

 

志伸あきら「うっ!?」

 

黒羽根短刀「!!」

 

 相手のスピードに驚いた志伸あきらの胸に短刀を突き刺した黒羽根短刀は瞬間的に速さを増したかと思うと引き抜いた短刀を勢いのままに志伸あきらのフィンガーグローブに付けられていたソウルジェムを砕いた。

 

志伸あきら「!?」

 

 志伸あきらの身体から魔力が弾けて消えて行くのを周囲の魔法少女は感じ取っていた。

 それは命が失われた証明材料。

 

夏目かこ「あきらさん!?」

 

純美雨「あきら!!」

 

 夏目かこと純美雨が物言わぬ志伸あきらに駆け寄ろうとする中で歯を苦縛り常盤ななか一人だけは、志伸あきらを刺した黒羽根短刀に怒りの感情のまま両手に握る小太刀を振り下ろしていた!

 

常盤ななか「ッ!!」

 

黒羽根短刀「!!」

 

 だが黒羽根短刀は小太刀を受け止めようとするも余りの勢いに左足を大きく切られてしまう。

 

黒羽根短刀(しまった)

 

常盤ななか「これで!?」

 

 だがそこへ鎖鎌が投げ込まれて思わず距離を取る常盤ななかの眼前で志伸あきらに正拳突きを食らった黒羽根9が黒羽根短刀を助け起こして更に距離を取る。

 

 

 

 その頃、黒羽根?は近くにいる魔法少女を手当たり次第に鎖鎌で切り刻んでいた。

 

黒羽根時雨「うわぁ!?」

 

黒羽根はぐむ「時雨ちゃん!!」

 

 切られて倒れた時雨を庇うはぐむ。

 

黒羽根?「ちっ!!まどろっこしい!!こんなもんじゃ怒りが収まらねえんだよ!!」

 

 黒羽根?はローブの下から両手で構える銃の様な物を引っ張りだした。

 

黒羽根?「ウェルダンにしてやるぜ!」

 

 黒羽根?の握る棒の先端から炎が噴き出される。

 その色と熱量は魔法少女でも命の危険を感じさせる程の物だった。

 

ひなの「みんな!避けろ!」

 

 ひなのが叫ぶも交戦中ある魔法少女達は反応し切れない。

 

紗枝「えっ!?」

 

 ひなのは思わず炎が迫る中で紗枝の眼前に飛び出した。

 

エミリー(木崎衣美里)「みゃーこ先輩!!」

 

紗枝「都先輩!?」

 

ひなの「   」

 

 紗枝を守る為に盾となったひなのは何も告げる事が出来ないままに炎に包まれソウルジェムは砕かれた。

 また一人の魔法少女の魔力が弾けて消えた。

 

エミリー「みゃーこ先輩!!」

 

紗枝「都先輩!!」

 

 二人は手を伸ばすも届く事はない。

 炎に包まれ都ひなのの肉体は灰を残す事無く消滅した。

 既に黒羽根?達は神浜の魔法少女達に追い立てられ一カ所に集まって好戦の意志を見せていた。

 

いろは「どうして・・・・・・。どうしてこんな・・・・・」

 

 舞台の上で立ち尽くす環いろはの眼前ではみかづき荘の魔法少女達が救護活動を行っている。

 

やちよ「いろは!あなたの回復魔法がいるわ!」

 

 マギウスとの戦いを経て髪を短髪にしたやちよがいろはに向かって叫ぶ。

 

いろは「・・・・・・・・」

 

やちよ「いろは!!」

 

いろは「!! すみません!」

 

 慌ててやちよが連れて来た魔法少女の傷を魔法で治すいろは。

 

みたま「わたしも行くわ!レナちゃん!かえでちゃん!」

 

レナ「分かってるわ!行くわよ!かえで!」

 

かえで「ふゆぅ!十七夜さんに頼まれてるから護衛は任せて!」

 

 救護活動に加わるみたまをレナとかえでが護衛する。

 その時、和泉十七夜と観鳥令、常盤ななかの3人が武器を持って完全な臨戦態勢で一つの方向に視線を向けていた。

 3人の周囲には同じ様に武器を構える魔法少女の姿もある。

 

和泉十七夜「何のつもりでこんな事をした!」

 

観鳥さん「やり方がえげつないね」

 

常盤ななか「不愉快です。あなた方は何者ですか?」

 

 3人の視線の先にはマギウスの翼を象徴する黒いローブを身に纏った無数の魔法少女。

 だがその身に纏う魔力量は誰が見ても黒羽根とは思えなかった上に神浜市及びマギウスの翼に属した魔法少女とは思えなかった。

 

黒羽根?「ハッ。なんでこんな事をするかって?そんなのお前達が元凶だからに決まっているだろ!」

 

和泉十七夜「何を言っている?」

 

黒羽根?「お前達が魔女を神浜に集めたせいでこっちは仲間を殺さなきゃならなかったんだよ!」

 

和泉十七夜「!?」

 

神浜市の魔法少女達「!?」

 

黒羽根?「だからお前達に死んで貰う事にしたんだよ!」

 

 黒羽根?が握り締める棒=火炎放射器の先端には炎が灯っている。

 

黒羽根R?「待った!」

 

 そう言って黒羽根R?が黒羽根?の前に手を横に出して制する。

 

黒羽根?「あっ?なんでだよ!」

 

黒羽根R?「時間だよ!これ以上はマズいってアイツが言っていただろ!」

 

黒羽根?「ちっ。そうだったな。てめえら!行け!殿は私がやる!」

 

黒羽根R?「みんな!逃げるよ!」

 

 黒羽根R?の号令を聞いて黒羽根のローブを着て暴れていた魔法少女達は次々とその場から去って行く。

 

常盤ななか「一人で私達を防げると?」

 

黒羽根?「無理だろうな。だがお前たちも仲間が心配だし追うつもりは無いだろ?こっちも復讐だからってやりたくないやり方でお前らを襲ったからな・・・・・。ケジメは付けさせて貰うぜ」

 

 そう言って黒羽根?はローブを脱いでその素顔を晒した。

 

黒羽根?「二木市から来た竜ケ崎連合の頭、大庭樹里様だ!覚えておけ。樹里様達はこれからずっと神浜の魔法少女を狙い続けるからな!」

 

和泉十七夜「復讐の為か」

 

大庭樹里「そうだ!復讐ついでに自動浄化システムも樹里様達が頂く事にするから大人しく諦めろ。それが唯一生き残る道ってヤツだ」

 

 そう言って大庭樹里もその場から走り去った。

 

観鳥さん「くっ!」

 

 咄嗟にバズーカを撃とうとした観鳥さんだったが大庭樹里は直ぐに結界の出口に到達して見えなくなってしまった。

 

観鳥さん(成程・・・・・。だからあんな啖呵を切れたのか)

 

常盤ななか「・・・・・・」

 

和泉十七夜「追うのは止そう。それよりも・・・・・・」

 

 和泉十七夜に促されて常盤ななかは初めて後ろを振り返ろうとした。

 

夏目かこ「ななかさん!!あきらさんが!!私を庇って!」

 

純美雨「あきらは・・・・・。死んだネ」

 

常盤ななか「っ・・・・・。そう・・ですか」

 

 常盤ななかは振り返る事が出来なかった。

 周囲では多くの魔法少女が怪我をして命を落としていた。

 治癒能力を持つ魔法少女達が必死に治療を試みる。

 これが神浜市における新たな戦いの狼煙とも言える出来事だった。

 周囲で魔法少女が阿鼻叫喚の地獄にいる中で一人の白いローブを着た魔法少女は笑みを浮かべていた。

 

白いローブの魔法少女「アハ。これって私チャンにとってチャンスだよね?」

 

 離れた場所にある林の中からキレーションフェントホープ内部の様子を窺っている織莉子とキリカ。

 

織莉子「どうやら始まった様ね」

 

キリカ「そうだね。ここまでは予定通りだね」

 

 キリカがそう言った時に無数の鳥が周辺を旋回したのが見えたが気にも止めなかった。

 

織莉子「今は彼女達に協力しましょう。神浜市を恨む彼女達に」

 

 織莉子の魔力で強化された視力はこの場から離脱しようとする大庭樹里の姿を捉えていた。

 魔法少女達の様子を見ながら無数の鳥の群れが旋回してキレーションフェントホープの結界から去って行く事を誰も気にしなかった。

 去って行く鳥の群れは観覧車草原にある放置された観覧車の上に立つ魔法少女の元へ来る。

 

観覧車の魔法少女「さあ・・・・・。皆さん。何があったのか教えて下さい」

 

 そしてまた一方でキュウべえも何処からかこの戦いを目撃していた。

 

キュウべえ(どうやら始まったみたいだね。神浜市を中心とした新しい戦いが)

 

 また別の場所ではドッペルを出現させた蒼玉の少女がこの事態を見つめていた。

 

蒼玉の少女「・・・・・・・・」

 

 

 

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