宇宙世紀マブラヴ   作:vault101のアルチョム

14 / 70
【第12話】突破口

ナレーション(永井一郎)

U.C.0079年1月10日、早朝。

月面フェイズ5ハイブ周辺では、前夜から続くBETAとの戦闘が一進一退を繰り返していた。

 

人類と異星起源の怪物との“接触”は、すでに交戦を超えた“消耗”の域に達していた。

 

そんな中、月面に新たな影が降り立つ。

ジオン公国第二波――増援部隊102機。

 

その鋼鉄の力が、絶望の大地に“突破口”を穿つ。

 

 

 

〈ムサイ級軽巡洋艦〈ザルメ〉艦橋〉

 

「第二波の降下完了。MS、計102機、地上に展開中。既存部隊と合わせ、合計出撃数150機です」

 

「ようやく……揃ったか」

 

通信スクリーンの向こう、前線司令部からの映像に疲労の色は濃い。

だがその瞳には、確かな“光”が宿っていた。

 

 

 

月面、灰色の大地。

BETAの波はなお続く。だが、ジオンの隊列も崩れてはいなかった。

 

各所に仮設の補給拠点と陣地が設けられ、すでにこの戦場は拠点防衛と前進の“綱引き”状態に入っていた。

 

「第2陣のMS、右舷側斜面に展開。2時間前に突破されかけた地点だ」

 

シャア・アズナブルが、ザクの戦術スクリーンを見ながらつぶやく。

 

「ライデン、ドナヒュー。新型ライフルの調整は済んでいるか?」

 

《ああ。ASR-78、3発撃っても照準ズレねえ。今なら蟻でも蜂の巣にできる》

 

《……蟻がいたらな》

 

2機の狙撃型ザクが、稜線の上から要撃級の動きを見つめていた。

 

 

 

一方、その数十キロ南。

新たに降下したアナベル・ガトー率いる突撃隊が、別方向から陽動を開始していた。

 

「いいか、これは“突破”じゃない。“陽動”だ。正面の奴らを一歩でもこちらに向ければ勝ちだ」

 

ガトーのザクⅡS型は、ザクにしては異様な加速で、戦車級の群れに突入する。

120mmをバラまきながらヒートホークを振るい、戦列を乱す。

 

その周囲を囲む部隊も、F型を中心に巧みに前進と後退を繰り返し、“敵の認識を誘導する”機動戦術を展開する。

 

 

 

〈本隊〉

 

「敵、中央前面の密集度が下がった!」

 

「ガトー隊の陽動成功か! いまだ、突撃、突撃ッ!」

 

ランバ・ラルの号令とともに、三連星のザクⅡS型が再び躍り出る。

後続のザクⅡF型が一斉に火線を構築し、中央突破を開始。

 

120mmマシンガン、ザクバズーカ、クラッカー、ヒートホーク。

銃撃と斬撃が、BETAの波を切り裂いていく。

 

「右から突撃級ッ! オルテガ、押さえろ!」

 

「任せろォッ!」

 

オルテガ機が飛びかかり、ヒートホークで突撃級の前脚を切断。

だが、その直後、後ろから飛びかかってきた戦車級が胴体に噛みつく。

 

「ぐっ……爆発ボルト作動!装甲パージッ!」

 

機体の外装が弾け飛び、オルテガ機は白煙を引きながら後退。

 

「すまん、俺は一時離脱だ!マッシュ、カバー頼む!」

 

「前進限界地点に到達。目標、ハイブ外郭に至る谷間まで、あと1000メートル」

 

その報告が入った直後――

 

地面が震えた。

 

「っ……!振動? 地震か?」

 

否――地中から湧き上がるようにして、巨大な影が姿を現した。

 

「要塞級だ!しかも……複数ッ!!」

 

ザクの頭部カメラが捉えたのは、50メートルを超える巨体。

それが、ひしめくように地中から這い出し、立ち上がってくる光景だった。

 

「動きが重い……だが、あれを押し返せる火力は……!」

 

「シャア、どこを狙えばいい!指示をくれ!」

 

「了解。ライデン、最奥の個体を狙え。上体が出きる前に撃ち抜くんだ!」

 

《了解、目標補足……ジョニー・ライデン目標を狙い撃つッ!》

 

ライデンのASR-78が火を噴く。

要塞級の眼孔に命中し、炸裂。巨体が一瞬崩れ、他の個体の進路を塞ぐ。

 

「今だッ!MS隊前進!脚部関節を狙え!」

 

F型部隊が右から回り込み、マシンガンを撃ちながらヒートホークで戦車級を叩く。

左からはF型のザクバズーカを装備した部隊が連携射撃。関節部に火力が集中的に注がれる。

 

「ガトー隊、南西方向から回り込んで援護できるか?」

 

《こちらガトー。陽動した突撃級を片付けた。これより支援に入る!》

 

シャアの赤い機体が旋回し、後方から要塞級の背中にヒートホークを叩き込む。

 

ズシィン――!

 

巨体が崩れる。

そして、それを合図に残りの個体も次々と撃破されていく。

 

戦闘終了の報告が流れたとき、すでに太陽は月の稜線を超え、淡い光が広がっていた。

だがその光は、希望というには、まだ遠いものだった。

 

シャアは静かに戦術スクリーンを閉じた。

 

「……奴ら“次はどう出る?”」

 

ミノフスキー粒子の影響でBETAは連携していない。だが…。

 

 

 

ナレーション(永井一郎)

言い知れぬ不安がシャアの胸中にこだまする。

そう思わせる何かが、彼の脳裏に引っかかっていた。

連邦も途中で転移した方がいいかな?

  • 一部隊
  • 一個艦隊
  • モブコロニー(生産性向上の為)
  • サイド7(天パと親父込み)
  • ジュピトリス(若いシロッコ込み)
  • 連邦なんて腐敗した奴らは要らん!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。