ナレーション(永井一郎)
宇宙世紀0079年3月19日。
ジオン公国は、今なお“地球”という存在に一歩も踏み込めずにいた。
技術も、兵力も、そして覚悟もあった。
だが、ただ一つ──“対話”の手段だけが、まだこの静かな戦場にはなかった。
その夜、サイド3の命運を左右する、ひとつの扉が開かれようとしていた。
ルナツー 技術省戦略通信局 第2中会議室
照明は落とされ、ホロスクリーンが静かに青白く揺れていた。
周囲を囲むのは、ジオンの通信・電子戦分野の精鋭たち。
壁面には軌道図が描かれ、点線で示された中継軌道が惑星間空間を結ぶ。
「通信衛星“オルトロス-3”および“カドゥケウス-2”が、予定通り中継軌道へ到達」
技術士官が報告する。
「本作戦では、ミノフスキー粒子の干渉を最小限に抑える“粒子層の薄間”──いわば『通信の狭間』を通じ、地球との断片的なコンタクトを試みます」
操作卓に座る若手士官が補足した。
「今回は試験的通信。位置情報の漏洩を防ぐため、我々の送信情報は最低限に抑え、完全匿名モードでの通信を行います」
静寂が訪れた会議室に、重々しい足音が響く。
キシリアに続いて現れたのは、ドズル・ザビ。そして最後に──ギレン・ザビ。
その存在だけで空気が変わる。
「始めろ」
ギレンの一言で、作戦が動き出した。
制御室 第3観測ブース
光る操作盤を前に、オペレーターが淡々と作業を進めていく。
「送信プロトコル、レイヤー4までクリア。……帯域、収束中……」
「波形安定。マスキングフィールド展開、良好です」
数名の技術士官が額に汗を浮かべ、操作を続ける。
──それは、BETAの通信妨害に対するものではない。
むしろ、地球側から“我々の姿を悟らせないため”の、隠密のための戦いだった。
技術省 第1観測フロア
やがて静寂を破り、ギレンの低い声が響いた。
「……敵意の有無を確認するには、まず“耳を澄ます”しかないのだ」
ギレン・ザビは、背後に立つ幕僚たちへ低く語りかけた。
「彼らに我々を受け入れる度量があるかは分からん。だが、我々が沈黙を続ければ──それは、いずれ“見えない敵”として恐れられる」
ドズルが前に出て、腕を組んだ。
「……ならば、先にこちらから“人である”と知らせるべきだな。威圧でも懐柔でもなく、“存在を知ってもらう”ことが先決だ」
キシリアが一歩下がりつつ、低く呟いた。
「それでいて、我らの拠点を知られてはならない。なにより、BETAに傍受されるリスクも忘れるな」
沈黙の中、技術局長が小さく頷く。
「……次波、到達時間までカウント開始」
──10秒前。
制御室、通信制御端末が静かに脈動を始めた。
──5秒前。
空間の波動が、微かにゆらぐ。
──3、2、1……リンク接続。
「……受信チャンネル、開きます」
ノイズが走る。
――ザーッ……ザ……ガ……ザズ……。
「これは……」
モニターがちらつく中、断片的に“英語”らしき音声が流れ始めた。
≪…is anyone… out… there… identify…≫
≪This… Earth… command… sector eleven…≫
「繋がった……!?」
オペレーターが震える声を漏らす。
ギレンは、一歩前へと進んだ。
「解析班、至急分析を。文意は断片的だが──我々に“対話の意思”があるかを問うているようだな」
ドズルが驚きと共に呻く。
「向こうも、“誰か”が居ると分かってる……のか。まぁあれだけ月でドンパチしてたら当然か。」
キシリアの瞳が静かに揺れる。
「潮目が……変わったわね」
ナレーション(永井一郎)
通信とは、単なる技術ではない。
それは、“沈黙”という名の恐怖を打ち破るための、最初の一言である。
敵か味方か。理解か誤解か。
その全ては、ひとつの声から始まる。
ジオン公国は、ついに最初の一歩を踏み出した。
見えぬ地球へ──見えぬ言葉を届けるために。
そしてそれが、戦争の終焉を早めるのか。
あるいは、さらなる闘争の幕を開けるのか──
答えは、未だ誰にも分からない。
連邦も途中で転移した方がいいかな?
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一部隊
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一個艦隊
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モブコロニー(生産性向上の為)
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サイド7(天パと親父込み)
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ジュピトリス(若いシロッコ込み)
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連邦なんて腐敗した奴らは要らん!