宇宙世紀マブラヴ   作:vault101のアルチョム

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【第26話】未来への布石

ナレーション(永井一郎)

宇宙世紀0079年3月26日──

 

地球との接触が始まって、まだ一週間。

ジオン公国は、通信の先にある“人類”を知ろうとする一方で、

地球の外にある“異なる知性”との邂逅にもまた、静かに向き合い始めていた。

 

それは、銃でも、言葉でも届かぬ世界にある──“理解”の試みである。

 

 

 

ダーク・コロニー外縁部・極秘研究区画第13セクション

 

(マハルコロニー跡から搬入されたBETA死骸の生体解析所)

 

白衣の研究員たちが慎重に動く中、

巨大な生体試料が、冷却処理を施されたまま静かに横たわっていた。

 

──BETA、通称「戦車級」および「闘士級」の死体。

マハルコロニーにおいてジオン軍が初めて遭遇し、撃破に成功したBETA、その死体である。

 

解剖担当の主任研究員・クラヴィウス博士が静かにメスを入れながら、隣の若手に尋ねる。

 

「神経反応は?」

 

「……電気的な伝達は確認されましたが、いわゆる“脳波”の類は一切観測されていません」

 

「やはりな……これは、“考えて”動いているんじゃない。“反射”しているだけだ」

 

「反射、ですか?」

 

クラヴィウス博士は、巨大な前脚の神経節と思しき構造を指さしながら言った。

 

「この生体構造は、一定の刺激に対して“自動的”に筋肉を動かすだけの応答装置だ。例えるなら──昆虫のようなもんだよ」

 

「じゃあ、奴らは“意識”を持たずに……?」

 

「それが問題なんだ。外からの刺激に対して機械的に反応するだけなのに、あれだけの戦術性を示す。つまり、命令系統がどこかにある……」

 

クラヴィウスは、天井を見上げながらつぶやいた。

 

「“上位存在”がいる。多分どこかのハイブにな…──」

 

 

 

同日・第13セクション別室

 

(情報解析班/他国データの調査エリア)

 

数名の研究員が、赤みがかったホログラフを前に、騒然としていた。

 

「この記録……ソ連の“オルタネイティヴ3”……?」

 

「極東の秘密基地で行われた実験のログらしい。どうやって手に入れたんだ?」

 

「……フラナガン機関経由さ。まったく、あの部署は何でも出てくるな」

 

中央に投影されたのは、人間とBETAの接触を模したと思われる旧ソ連の映像データ。

防音ガラス越しに閉じ込められた年若いアルビノの少女が、無反応なBETAに向かって語りかけ、

次第に精神を崩壊させていく……。

 

「これは……“人間の精神を媒体に、BETAとの同調を試みた”記録……?」

 

重苦しい空気が流れる中──研究室の扉が音を立てて開いた。

 

 

 

第13セクション・解析ラボ前

 

足音を立てずに現れたのは、

フラナガン博士と──その傍らに立つ、一人の少女。

 

「ご足労ありがとうございます、博士」

 

「ええ。あまりこうした現場には顔を出さないのですが、彼女が……どうしても来たいと」

 

ララァ・スン。

まだ名も知られていない、しかし“何かを感じる”ことができる少女。

彼女の視線は、試料室の向こう──BETAの死体を見つめたまま、動かない。

 

「……感じるのか?」

 

博士が問いかけると、ララァは小さく頷いた。

 

「はい……でも……これは、死んでいても、まだ“気配”があるような……」

 

彼女はゆっくりと語り始めた。

 

「この怪物……いえ、“この存在”は、ただ命令されて動いているわけじゃない気がします。もっと奥に……深いところに……誰か、“ナニ”がいる……」

 

「ナニか?」

 

「はい。わたしには……それが、まるで……」

 

──“災害”に、反応しているような……

まるで、“人間の行動がただの自然災害”で、それをどの様に対処しようか。考えてる……

 

「……意思があるのか?」

 

「ええ。でも……その声は、とても機械的で。とても遠くにいて……でも、確かに“ここ”を見てる」

 

研究員たちは言葉を失った。

クラヴィウス博士でさえ、メスを置いたまま、ララァを見つめるしかなかった。

 

 

 

ナレーション(永井一郎)

 

命とは何か。

知性とは何か。

そして──“心”とは、どこに宿るのか。

 

ララァ・スンの言葉は、今まで誰も指摘しなかった核心を突いていた。

BETAは、ただの怪物ではない。

それは、人の“存在”に──何かしらの反応を示している。

 

それが敵意か、共鳴か、それとも──何かもっと別のものか。

 

未来の布石は、すでに打たれた。

静かに、だが確かに──“人類”と“何か”の邂逅は、始まりつつあった。

連邦も途中で転移した方がいいかな?

  • 一部隊
  • 一個艦隊
  • モブコロニー(生産性向上の為)
  • サイド7(天パと親父込み)
  • ジュピトリス(若いシロッコ込み)
  • 連邦なんて腐敗した奴らは要らん!
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