ナレーション(永井一郎)
宇宙世紀0079年4月24日。
ジオン公国はかつてない“内なる敵”と対峙していた。
それは砲弾ではない。
冷たい言葉と、硬直した凝り固まった思想。
そして老いによる“恐れ”であった。
地球を──信じてよいのか。
技術を──共有してよいのか。
そして何より、この戦争の“意味”とは──何なのか。
それを問う声が、いま、政庁中枢を揺らしていた。
サイド3・議会庁舎 特別審議室
重厚なドーム型天井。金属と大理石が組み合わされたこの空間は、ジオン自治共和国時代から続く「政治」の中枢である。
今、その場に緊迫した空気が張り詰めていた。
「私は断じて容認できん! 地球との技術交流? BETA由来物質? 馬鹿げているッ!」
壇上で吠えるのは、上級評議員ダルシア・ハバロ。古参の保守派議員であり、国粋主義の急先鋒である。
「彼らはBETAに追われ、星を失った敗者だ。そんな連中と肩を並べて、我々がなぜ“同盟”せねばならん!?
我々は、宇宙で生きる“選ばれし民”ではなかったのか!!」
一部の保守派議員が拍手を送る。
その背後では、若い中堅議員たちが沈黙し、リベラル派は静かに目を細めていた。
——議会は今、揺れていた。
「公国が築いた技術、血と汗と犠牲の歴史、それを安売りしてよいのか!?
やがて奴らは“ジオンの脳”を奪い、連邦の様に“地球に頭を下げろ”と言い出すだろう!」
誰かが小さく舌打ちする。
会場の片隅、キシリア・ザビが立ち上がると、冷たい声で告げた。
「……だからこそ、制御が必要です。どの技術を出し、どの情報を握るか。主導権はこちらが握ればよい」
ハバロが一瞬だけ怯む。
だが彼の目には、既に確信めいた執念が宿っていた。
「あなた方ザビ家は、この事態を利用して“地球に取り入る”つもりなのだろう! 絶対に認めん!」
キシリアの目が細められる。
静かに、冷たく、彼女は言った。
「それは“過去に生きる者”の台詞ですわ。ダルシア議員……あなたが“時代に斬り捨てられる”前に、引き際をお考えになった方がいい」
ギレン私邸・暗室
会議の後、ギレン・ザビは薄暗い私邸の奥にて、キシリアと二人きりで対峙していた。
「……議会の掌握、想像以上に早いペースで崩れ始めているな」
「地球との接触に怯えた者たちが、過去の栄光にすがっているだけです。あの世代はもはや切り捨てるべきでしょう」
ギレンは重い琥珀色のウイスキーグラスを回しながら言う。
「だがそれを民衆が“粛清”と受け取れば、革命は終わる。我々は正義でなければならん」
キシリアが小さく笑う。
「ならば、正義の形に仕立てればよろしい。ハバロは“情報漏洩の疑い”で……“拘束”してみせます」
「……そうか…やれ」
短い返答だった。
だが、それは“ジオン公国が民主制を捨て始めた”瞬間でもあった。
サイド3・第十三区 教会前広場
陽の当たらないコロニー最下層。年老いた退役軍人たちが、薄暗い喫茶室のラジオに耳を傾けていた。
「なあ……戦争が終わったとしてさ……」
ぽつりと、誰かが言った。
「……俺たちゃ、地球に帰れるんだろうか……?」
誰も答えなかった。
一人が、小さく笑った。
「もう“地球人”じゃない、ってことかもな……」
その笑いは、どこか自嘲と諦めを含んでいた。
「そういや、俺の孫は“地球って本当にあんの?”って聞いてきやがったよ」
「サイド3は月の裏だからな。コロニーから出た事無い奴らは知らんのさ…」
誰も、否定はしなかった。
サイド3・ザビ家邸宅 別館バルコニー
その日の午後。
シャア・アズナブル少佐は、珍しくガルマ・ザビ中佐と二人で過ごしていた。
紅茶の湯気が風に揺れる。
「……シャア、お前……最近少し変わったな」
「どういう意味だ?」
「……シャア、お前って昔はもうちょっと……壁を作ってた気がする。ザビ家っていうより、俺にもな。最近は……なんか、柔らかくなったっていうか」
シャアは笑わなかった。
だが、否定もしなかった。
「……あの頃の俺は、怒りで動いていた。今は、違う」
「それって……“許した”ってことか?」
「いや……“諦めた”のかもしれん。お前たちは……思っていたよりずっと、“愚かではなかった”からな」
ガルマがやや拗ねたように笑った。
「おい、それ褒めてんのか?」
シャアは少しだけ笑って言った。
「お前がそう受け取るなら、そう言う事だ」
二人の間に、春のような風が吹き抜けた。
遠く、ルナツーの研究ドームからは、また一つ新しい実験成功の報が届いていた。
ナレーション(永井一郎)
世界が変わる時、最も恐ろしいのは──
“敵”ではない。
それは、“味方の中にいる旧き者”だ。
だが同時に、若き者たちは確かに立ち上がっていた。
技術と理性を手に取り、未来を変えるために。
そして、それを静かに見つめる者がいた。
彗星の復讐の火は、少しずつ──
灰になりつつあった。
ジオンの空に、静かな変化の風が吹き始めているのかもしれない。
連邦も途中で転移した方がいいかな?
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一部隊
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一個艦隊
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モブコロニー(生産性向上の為)
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サイド7(天パと親父込み)
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ジュピトリス(若いシロッコ込み)
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連邦なんて腐敗した奴らは要らん!