ナレーション(永井一郎)
宇宙世紀0079年6月02日
ジオン視察団は地球への降下を果たし、今まさにこの世界が直面する「現実」を、目に焼きつけていた。
それは、かつての敵ではない。
文明そのものの“終焉”──あるいは、それすらも超えた絶望だった。
そして、記録という“亡国の遺骸”が、静かにその全貌を語り始めていた。
横浜基地・旧地下庁舎・第2映像資料庫
一歩足を踏み入れた瞬間、冷気と埃の混じった空気が、ジオン視察団の背筋を撫でた。
眼前に広がる大型ディスプレイが、低く唸る音とともに次々と映像を映し出していく。
「香月博士……これは?」
レオノーレ・ヴァイス博士が尋ねる。
「地球各地における、BETA戦のアーカイブです。未公開区域を含め、あなた方の照会に応じて、一部開示を許可しました」
香月夕呼は淡々と言い放つと、リモコンパネルを操作した。
スクリーンに浮かび上がったのは、ウラル山脈の山嶺。
だがその山腹には、明らかに“自然”とは言い難い巨大な縦穴が口を開けていた。
「ウラル戦線。“ソヴィエト第8軍”が防衛を試みましたが……」
映像が切り替わる。
雪原を這うように突撃級が群れを成し、要撃級が防御陣を食い破っていく。
前衛部隊は散開しながらも火線を維持していたが、やがて戦線が飲み込まれ、悲鳴と共に映像がブラックアウトする。
「生還者は3名。BETAの数、およそ16万体。」
香月は淡く息をついた。
「ただし、カシュガル方面では別です。あそこだけは──“何か”が、違う」
次に表示されたのは、インド戦線・カルカッタ北東部。
大規模な市街戦後の映像には、ねじ曲がった戦術機の残骸と、潰されたバンカー、そして炎に包まれた都市の影が映っていた。
「これは……?」
クルト・メルカ少将が問いかける。
「カルカッタ第11基地。包囲後、味方の増援が届かず──最終的に撤退。その直前の監視記録です」
画面内、逃げ遅れた兵士が1人、丘の影に隠れる。
次の瞬間、戦車級が土中から飛び出し、彼に襲いかかる。
助けを求める無線の声は、断末魔に変わり、映像は無言の砂煙へとフェードアウトしていった。
誰も、口を開こうとはしなかった。
レオノーレが、ただ絞り出すように言った。
「……人間が、あんなにも脆いなんて……」
やがて、スクリーンにアフリカ大陸の戦線図が映し出される。
「こちらは、アフリカ戦線。スエズ絶対防衛線は現在も維持されています。中東連合軍は国連軍に再編され、防衛の主軸を担っています」
リヒャルト准将がうなる。
「アフリカは、まだ生きているのか?」
「はい。ですが、補給は限界。次に大規模な侵攻があれば、陥落する可能性は高いでしょう。……少なくとも、我々だけでは守りきれません」
静寂と、呟き
視察団の面々は席に沈んだまま、動こうとしない。
この世界の“現実”が、静かに全身を覆っていた。
武官の1人は、誰にも聞こえないような声で呟いた。
「……これは、“限界”じゃない。“破局”だ……」
誰も返事はしなかった。
香月だけが、振り返ることなく言った。
「……我々は、“滅びつつある文明”の残り滓です。
それでも、まだ“残滓”が残っているうちに、手を伸ばし抗うしかないのです」
ナレーション(永井一郎風)
記録されたものだけが、全てではない。
だが──残された映像の一つ一つが、確かに語っていた。
「かつて、ここに“人間”がいた」と。
滅びの足音は、誰にも聞こえなかった。
それでも、人は抗う術を探し、他者に希望を見出そうとする。
そして、ジオンは今──
“亡国の記録”を通じて、この世界と真正面から向き合おうとしていた。
その先にあるのは理解か、断絶か──
まだ、その答えは誰にもわからなかった。
連邦も途中で転移した方がいいかな?
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一部隊
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一個艦隊
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モブコロニー(生産性向上の為)
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サイド7(天パと親父込み)
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ジュピトリス(若いシロッコ込み)
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連邦なんて腐敗した奴らは要らん!