ナレーション(永井一郎)
宇宙世紀0079年6月中旬。
ジオン公国がこの世界の勢力と接触してから、わずか2週間。
だが「BETA」という人類共通の脅威を目にしたはずの視察団の報告は、ジオン社会の亀裂を癒すどころか、むしろ新たな“対立”の火種を撒くことになっていた。
その“綻び”は、やがて国家を揺るがす“連鎖”へと変わっていく──
サイド3・ズム・シティ 政治局ホール・議会第2委員室
議場に怒号が響いていた。視察団の報告書が公開された直後、政治局内は激しい論争の渦中にあった。
「地球は既に滅びかけている! それに肩入れするなど、泥沼に落ちる様なものだ!我が公国の破滅させるつもりか!」
野党議員の一人が立ち上がり、机を叩いた。
「彼らに技術供与するというのなら──逆に、我々が戦後の領土を得るべきだ! そうでなければ釣り合わん!」
場内がざわつく。
一部のタカ派議員たちは、BETAによって荒廃した地球を“新天地”と見なしていた。
視察団の報告にあった「世界人口の激減」と「未使用の大地」の存在は、彼らに“進出”の可能性を想起させていた。
「彼らが数十億を失い、なお地球という星を維持しているならば──ジオンの民がそこに住む理由は十分にある!」
「“技術協力”の名を借りて、支配の布石を打つべきだ!」
拍手と罵声が入り交じる。
だが、穏健派の議員たちは反発する。
「地球人の血と涙の上に立つ支配が、果たしてジオンの理念に適うというのか?!」
「今は人類の存続が最優先だ! 領土だの支配だの言ってる場合か!」
その混沌とした空気の中──
議場の隅に佇んでいたキシリア・ザビ少将は、沈黙のまま議論を見つめていた。
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ズム・シティ 中央情報局 第3室・会議室
ザビ家専属の情報局幹部たちを前に、キシリアは資料を広げていた。
「……このままでは、議会は世論に呑まれるわ」
淡々とした口調。だが、その瞳は冷たく鋭い。
「我々は“正しい情報”と“統制された印象”を社会に与える必要がある。混乱の芽を摘むには、今がその時よ」
「つまり、思想統制を強化するということですか?」
情報局参謀が問うと、キシリアは微かに頷いた。
「ええ。ただし、あからさまな検閲ではなく、“報道を誘導”する形で行うわ。民意を扇動するメディアを、こちらの意図で染めるの」
彼女が指示書を差し出すと、そこには特定メディアへの“協力要請”が記されていた。
サイド3放送網「ジュネスTV」本社スタジオ
ナレーション番組『地球の真実』。
ジオンの中でも比較的中立とされていたこの報道番組が、この日から急激に色を変え始めた。
画面には、荒廃した大地、BETAに蹂躙された都市、地平線に連なる死体の山。
「これが、今の地球です」
ナレーターの静かな声が、悲惨な映像の上に重なる。
「BETAとの戦争によって、地球の文明は壊滅しました。かつて70億人いた人口は、今や10億。
しかも、そのほとんどは防衛拠点に“押し込められて”生き延びているにすぎません」
視聴者たちの間に、静かな衝撃が広がる。
映像は続く──廃墟となったパリ、赤茶けたインド亜大陸、氷に閉ざされたソヴィエト連邦の防衛線。
そして、BETAの群れを避けながら逃げ惑う民間人の映像。
「この惨状に、我がジオン公国は“見て見ぬふり”をするのでしょうか?」
ナレーションの最後には、ジオン軍視察団が地球を後にするザンジバルの映像が挿入された。
沈黙の中、飛び立つ艦。その背に、かすかな希望と、苦悩が滲んでいた。
ズム・シティ・ザビ家居館 執務室
報道を確認したギレン・ザビは、端末を閉じて静かに笑んだ。
「良い傾向だ。人々に“選ばせよ”。ただし、舵取りするのは我らザビ家だ」
背後でキシリアが一礼する。
「メディア誘導の第一段階は完了しました。次は“選択肢”を与えます──ジオンが地球と関わるべきか否か、それを人々自身に問わせるのです」
ギレンは頷き、椅子にもたれかかった。
「よかろう。戦いは銃だけで行うものではない。情報こそが運命を左右する。今はまだ……“思想の矢”を放つ時…」
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ナレーション(永井一郎風)
地球とジオン。
二つの世界が交錯したその時、変わり始めたのは戦場だけではなかった。
それは民衆の意識、指導者たちの思惑、そして国家そのものの“方向性”に波紋を生み始めていた。
混乱は、確実に内部へと侵食していく。
その先にあるのは、協調か、侵略か
あるいは、もっと深い“断絶”か。
歯車は、止まることなく、なおも回り続けていた
連邦も途中で転移した方がいいかな?
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一部隊
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一個艦隊
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モブコロニー(生産性向上の為)
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サイド7(天パと親父込み)
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ジュピトリス(若いシロッコ込み)
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連邦なんて腐敗した奴らは要らん!