宇宙世紀マブラヴ   作:vault101のアルチョム

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【第36話】綻びの連鎖

ナレーション(永井一郎)

宇宙世紀0079年6月中旬。

 

ジオン公国がこの世界の勢力と接触してから、わずか2週間。

 

だが「BETA」という人類共通の脅威を目にしたはずの視察団の報告は、ジオン社会の亀裂を癒すどころか、むしろ新たな“対立”の火種を撒くことになっていた。

 

その“綻び”は、やがて国家を揺るがす“連鎖”へと変わっていく──

 

 

 

サイド3・ズム・シティ 政治局ホール・議会第2委員室

 

議場に怒号が響いていた。視察団の報告書が公開された直後、政治局内は激しい論争の渦中にあった。

 

「地球は既に滅びかけている! それに肩入れするなど、泥沼に落ちる様なものだ!我が公国の破滅させるつもりか!」

 

野党議員の一人が立ち上がり、机を叩いた。

 

「彼らに技術供与するというのなら──逆に、我々が戦後の領土を得るべきだ! そうでなければ釣り合わん!」

 

場内がざわつく。

 

一部のタカ派議員たちは、BETAによって荒廃した地球を“新天地”と見なしていた。

視察団の報告にあった「世界人口の激減」と「未使用の大地」の存在は、彼らに“進出”の可能性を想起させていた。

 

「彼らが数十億を失い、なお地球という星を維持しているならば──ジオンの民がそこに住む理由は十分にある!」

 

「“技術協力”の名を借りて、支配の布石を打つべきだ!」

 

拍手と罵声が入り交じる。

 

だが、穏健派の議員たちは反発する。

 

「地球人の血と涙の上に立つ支配が、果たしてジオンの理念に適うというのか?!」

 

「今は人類の存続が最優先だ! 領土だの支配だの言ってる場合か!」

 

その混沌とした空気の中──

 

議場の隅に佇んでいたキシリア・ザビ少将は、沈黙のまま議論を見つめていた。

 

 

ズム・シティ 中央情報局 第3室・会議室

 

ザビ家専属の情報局幹部たちを前に、キシリアは資料を広げていた。

 

「……このままでは、議会は世論に呑まれるわ」

 

淡々とした口調。だが、その瞳は冷たく鋭い。

 

「我々は“正しい情報”と“統制された印象”を社会に与える必要がある。混乱の芽を摘むには、今がその時よ」

 

「つまり、思想統制を強化するということですか?」

 

情報局参謀が問うと、キシリアは微かに頷いた。

 

「ええ。ただし、あからさまな検閲ではなく、“報道を誘導”する形で行うわ。民意を扇動するメディアを、こちらの意図で染めるの」

 

彼女が指示書を差し出すと、そこには特定メディアへの“協力要請”が記されていた。

 

 

 

サイド3放送網「ジュネスTV」本社スタジオ

 

ナレーション番組『地球の真実』。

ジオンの中でも比較的中立とされていたこの報道番組が、この日から急激に色を変え始めた。

 

画面には、荒廃した大地、BETAに蹂躙された都市、地平線に連なる死体の山。

 

「これが、今の地球です」

 

ナレーターの静かな声が、悲惨な映像の上に重なる。

 

「BETAとの戦争によって、地球の文明は壊滅しました。かつて70億人いた人口は、今や10億。

 しかも、そのほとんどは防衛拠点に“押し込められて”生き延びているにすぎません」

 

視聴者たちの間に、静かな衝撃が広がる。

 

映像は続く──廃墟となったパリ、赤茶けたインド亜大陸、氷に閉ざされたソヴィエト連邦の防衛線。

 

そして、BETAの群れを避けながら逃げ惑う民間人の映像。

 

「この惨状に、我がジオン公国は“見て見ぬふり”をするのでしょうか?」

 

ナレーションの最後には、ジオン軍視察団が地球を後にするザンジバルの映像が挿入された。

 

沈黙の中、飛び立つ艦。その背に、かすかな希望と、苦悩が滲んでいた。

 

 

 

ズム・シティ・ザビ家居館 執務室

 

報道を確認したギレン・ザビは、端末を閉じて静かに笑んだ。

 

「良い傾向だ。人々に“選ばせよ”。ただし、舵取りするのは我らザビ家だ」

 

背後でキシリアが一礼する。

 

「メディア誘導の第一段階は完了しました。次は“選択肢”を与えます──ジオンが地球と関わるべきか否か、それを人々自身に問わせるのです」

 

ギレンは頷き、椅子にもたれかかった。

 

「よかろう。戦いは銃だけで行うものではない。情報こそが運命を左右する。今はまだ……“思想の矢”を放つ時…」

 

 

ナレーション(永井一郎風)

地球とジオン。

 

二つの世界が交錯したその時、変わり始めたのは戦場だけではなかった。

 

それは民衆の意識、指導者たちの思惑、そして国家そのものの“方向性”に波紋を生み始めていた。

 

混乱は、確実に内部へと侵食していく。

 

その先にあるのは、協調か、侵略か

 

あるいは、もっと深い“断絶”か。

 

歯車は、止まることなく、なおも回り続けていた

連邦も途中で転移した方がいいかな?

  • 一部隊
  • 一個艦隊
  • モブコロニー(生産性向上の為)
  • サイド7(天パと親父込み)
  • ジュピトリス(若いシロッコ込み)
  • 連邦なんて腐敗した奴らは要らん!
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