宇宙世紀マブラヴ   作:vault101のアルチョム

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【第43話】視察と誓い

ナレーション(永井一郎)

月の裏側にいた者たちが、母なる大地へと舞い降りた。

 

だがそこに広がるのは、緑でも水でもなく──

灰に包まれた傷跡と、祈りすら忘れた焦土だった。

 

それでも人は歩みを止めない。

なぜなら、それこそが“生きる”という行為の、本質なのだから──

 

 

 

横浜基地・迎賓ロビー

 

地球に降下した《ザンジバル》が、専用の誘導路を経て着陸してから数時間。

 

ジオン視察団は整列し、代表であるエギーユ・デラーズ大佐を先頭に、

厳かな面持ちで横浜基地の迎賓区画へと足を踏み入れた。

 

出迎えたのは、香月夕呼博士を筆頭に、国連軍幹部ら数名。

 

「ようこそ、地球へ。横浜基地副司令、香月夕呼です」

 

「我が名はエギーユ・デラーズ。ジオン公国より、貴殿らの招きに応じ、我々は“共闘”の意思を携え、ここに来た」

 

デラーズは毅然とした口調でそう告げると、

静かに腕を上げ敬礼を送った。

 

香月も短く頷き、後方の案内役に視線を送る。

 

「まずは早速ですが会談室へ。技術協力と共同戦線についての確認を」

 

「承知した。地球に何が必要で、何と戦ってきたのか、その“真実”をこの目で確かめたい」

 

 

 

横浜基地・戦術会議室

白を基調とした簡素な会議室に、両陣営の幹部が並ぶ。

 

壁面スクリーンには、地球での対BETA戦の映像資料や、

戦術機の運用記録、失われた都市の衛星写真が映し出されていた。

 

デラーズはしばし黙したまま、それらを見つめた後、ゆっくりと口を開いた。

 

「……貴国が失ったものの多さに、言葉もない」

 

「我々は、時空を越えて生き延びたが……地上の者たちは、“正面から”この怪物と戦い続けてきたのだな」

 

香月が表情を崩さぬまま応じる。

 

「ええ。私たちは、もはや勝ちを求めていません。

ただ“負け切らないための戦い”を、ずっと続けてきたんです」

 

沈黙が落ちる。だが、その静けさの中で、デラーズは静かに頷いた。

 

「我らジオンもまた、隷属を強いられ、正義の名を掲げて戦おうとしていた。

だが正義とは、犠牲の上にあってはならない。それが、今回この地を踏んだ我々の誓いでもある」

 

彼は立ち上がり、正面の技術将校らを見回す。

 

「ジオンは、力を持つ者としての責任を果たす。

地球の人々と共に歩み、共に抗う。

この戦いにおいて、我々は“正義ある力の行使”を誓おう」

 

その言葉に、会議室内の空気が静かに揺れた。

 

香月はわずかに目を細め──そして、口角を上げた。

 

「……その言葉、受け取らせてもらいます。デラーズ大佐」

 

 

 

視察区域・BETA戦跡地帯

午後。視察団は横浜郊外に残された戦跡へと案内される。

 

そこはかつての市街地だったが、今では砲撃とG弾による焦土に覆われ、

ただ瓦礫と、焼け焦げた鉄骨だけが風に晒されていた。

 

「あれは……かつて病院だった建物です」

 

現地案内を務める軍人が、崩れた建造物を指差して説明する。

 

「避難が間に合わず、数百人が巻き込まれました。

BETAの侵入を防ぐため、避難する時間もないままG弾が使われ……生存者は、ごくわずかです」

 

その言葉に、後方のジオン軍技術官のひとりが、誰にともなく呟いた。

 

「……地球は、アメリカは生き残るために、ここまで……したのか。まるで地球連邦の様に弱者を切り捨てるのだな…」

 

その声は、風に乗って、視察団の皆の耳にも届いていた。

 

デラーズは、黙ってその焦土を見つめていた。

 

その眼差しの奥には、怒りとも悲しみともつかない、深い感情があった。

 

「これが、この地の戦いの代償か。……ならば我々は、二度とこのような犠牲を繰り返さぬために、この地に降りたのだ」

 

 

 

ナレーション(永井一郎)

かつて“敵”と呼ばれた者たちが、今は“共に歩む者”として、地を踏む。

 

互いの正義が重なり合い、痛みを知り、尊厳を理解しようとした時──

そこに初めて、人類という種の“可能性”が見え始める。

 

戦いの跡を越えて、誓いは生まれた。

 

それはまだ脆い、だが確かな礎である。

 

そしてこの日、歴史の歯車が──静かに、確かに、回り始めたのである。

連邦も途中で転移した方がいいかな?

  • 一部隊
  • 一個艦隊
  • モブコロニー(生産性向上の為)
  • サイド7(天パと親父込み)
  • ジュピトリス(若いシロッコ込み)
  • 連邦なんて腐敗した奴らは要らん!
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