宇宙世紀マブラヴ   作:vault101のアルチョム

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ミネバは設定だと79年の9月生まれみたいですが、この小説では78年の9月生まれにします!許してちょ(汗)


【第4話】血煙のコロニー

ナレーション(永井一郎)

 

宇宙の静寂は、決して平和を意味しない。

無数の星々の間を漂う影は、時に人々の営みを一瞬で奪い去る。

 

それは、砲火も宣戦も伴わず、隕石群に紛れて訪れる。

正体を現した時には、既に逃げ場はない。

 

そして今、マハルを覆うその影は、

ジオンの将兵さえ知らぬ、新たな戦場の幕を開けようとしていた――。

 

 

 

宇宙空間を漂う隕石群。

そのなかに、自然な流れに沿って紛れ込んでいた異形の物体が三つ、マハルコロニーの横を通過する直前になって突如軌道を変更した。

 

「……隕石群から三つ、軌道を変えました! マハルコロニーに向けて急速に接近中!」

 

観測班の叫びに、艦橋が一瞬静まり返る。

そこに居た誰もが、すぐには事態の深刻さを理解できなかった。

しかし、次の瞬間には全艦に非常警報が鳴り響く。

 

「警戒レベルを最大に! 艦載機隊は即時発進準備!」

 

ジオン公国軍マハル駐留艦隊の一隻、ムサイ級巡洋艦〈アルデバラン〉が迎撃態勢に入った。

 

その艦内では、一人の女将校がすでに出撃準備を整えていた。

 

「敵がなんであれ、マハルに手を出すなら容赦しない……出るよ! 故郷を背にして逃げ出すようじゃ、海兵隊は務まらないさね!」

 

シーマ・ガラハウ大尉。

かつて冷遇され、前線の掃き溜めのような任務ばかり任されてきた彼女は、ここマハルで海兵隊を率いる立場にあった。

 

ザクⅡのコクピットが閉じられ、視界がモニターに切り替わる。周囲に浮かぶ僚機が確認できる。

 

「全機、あたしに続け! 迎撃ポイントは座標A-07! 例え中に何が居たとしても着陸前の宇宙空間ならすぐ全滅できる、あたしらのマハルに手出させてたまるもんか!着陸は絶対阻止するよ!」

 

数分後、漆黒の宇宙を抜けた三つの落着ユニットのうち、二基は艦隊のメガ粒子砲および対艦ミサイルの集中砲火で撃墜される。だが、最後の一基がマハルコロニーの外壁に突入した。

 

振動と爆音がコロニーを揺るがし、都市区画の一角が瞬時に消失した。

爆発と減圧、構造体の崩壊――無数の人々が宇宙空間に吸い出されていく。

 

だが、最も恐ろしいのはその後だった。

 

破損した通路から侵入したBETAが、ノーマルスーツを装着して避難していた市民を襲い、居住区の一部では密閉されたままの部屋がBETAの侵入で蹂躙された。

 

シーマたちがたどり着いたのは、すでに戦場と化した病院区画だった。

 

「前方に戦車級多数! 市民が巻き込まれてるぞ、大尉!」

 

「避難民に近い際どい奴らはヒートホークでやりな!行くぞ!」

 

ザクのマニピュレーターがザクマシンガンを構える。

発射。閃光と轟音が走る。

 

弾丸が戦車級の外殻に命中し、甲高い金属音を響かせる。要撃級は何発も叩き込まれてようやく一体が膝を折る。

 

「マシンガンの速射が遅い……こんなもんかよっ!」

 

苛立つように叫びながら、シーマ機は重心を前傾させて滑るように前進し、倒れかけた要撃級の頭部にトドメのヒートホークを叩き込む。

 

そこに現れたのは、より大型の要塞級。

鉤爪状の触覚が酸を撒き散らしながら素早く襲いかかる。

 

「くっ……こいつ、速いっ!」

 

だが、シーマは冷静だった。

レバーを引ききり、スラスターを横に吹かして回避。

瞬時に反転してザクマシンガンを至近距離から叩き込む。

 

三発、四発、五発……関節部に叩き込んでようやく要塞級が悲鳴を上げるように崩れた。

 

「手間かかるな……弾数、気をつけな! 残弾チェックを怠るんじゃないよ!」

 

市民の避難が完了しつつある別区画から通信が入る。

 

「ドズル閣下のご家族、避難シェルターB-12で発見! BETAが近くまで迫ってます!」

 

「……了解! 全機、優先して回収支援に回る!」

 

シーマの機体が走る。

瓦礫の中をすり抜け、スラスターの出力を最大にして病院棟裏手の避難通路に突入。

 

その視界に、抱きかかえられた幼い子どもと、支えるように立つ女性の姿が映った。

 

「こちらジオン突撃機動軍所属海兵隊、シーマガラハウ大尉だ。救助に来た! 今すぐ後ろへ!」

 

バイザーの奥から驚いた表情の女性――ゼナ・ザビと、ミネバ・ラオ・ザビの姿。

 

「こいつは……ヤバい相手拾っちまったな」

 

シーマは口の中でそう呟いた。

 

直後、背後からBETAの群れが殺到する。

ザクのマニピュレーターが二人を抱え、スラスター全開で跳躍し、そのまま残っていた通路を飛び越えた。

 

後方の僚機が必死に援護射撃を行い、追撃してきた戦車級が爆発四散する。

 

「ドズル閣下、こちらシーマ大尉……ご家族を確保し、脱出中!」

 

ソロモンの指令室から通信が返る。

 

『恩に着るぞ、シーマ大尉! 必ず戻ってこい!』

 

「了解!」

 

数時間後。

マハルコロニーの大半は失われ、死者は数十万人規模。

だが、全滅は免れた。

 

生き延びた者たちの中には、戦い抜いたシーマ海兵隊の姿があった。

 

彼女の部隊は大きな犠牲を払った。

そして、彼女自身も家族を失った…。

 

帰還後、ドズルはシーマから直接の報告を受けて彼女を賞賛し、その後、妹キシリアに対して「どうか俺の顔に免じて彼女たちを汚れ役に使うな」と懇願することになる。

 

 

 

ナレーション(永井一郎)

この時、シーマ・ガラハウ大尉とその部隊は

ジオンの“正規軍”とは異なる。別の意味を持つようになったのだった。

連邦も途中で転移した方がいいかな?

  • 一部隊
  • 一個艦隊
  • モブコロニー(生産性向上の為)
  • サイド7(天パと親父込み)
  • ジュピトリス(若いシロッコ込み)
  • 連邦なんて腐敗した奴らは要らん!
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