宇宙世紀マブラヴ   作:vault101のアルチョム

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お待たせしました。次章は結構長めになります。お楽しみに


【幕間:魂の余韻】

ナレーション(永井一郎)

見えぬものが、すべて偽りとは限らない。

目に見えず、言葉に乗らず、ただ心に響く“声”がある。

 

それは、記録されない交信。数式で証明できぬ共鳴。

 

だが確かに、誰かの魂が、誰かの魂に応えている。

 

時空の狭間で芽吹いた微かな“干渉”は、やがて世界を変える兆しとなる。

 

今──魂の余韻が、静かに世界に波紋を広げ始めていた。

 

 

 

フラナガン機関研究棟・地下制御室。

観測オペレーターの声が緊張に満ちる。

 

「博士!第三の干渉波形、検出しました!先ほどまでと同一精神派帯で、発信源……ここです。当研究所内、第8区画の医療棟です!」

 

モニターに走る青白い波形。それはララァ・スンとも違う、もう一つの精神波だった。

 

【フラナガン博士】

「……まさか。あそこは実験対象の収容区ではないはずだ。照合を──脳波パターン、既存データと突き合わせろ」

 

研究員が手早く操作を進めると、数秒後、画面に浮かび上がる名前。

 

「該当データ、確認……対象名、『マリオン・ウェルチ』。旧EXAM計画関連の保護対象です」

 

「マリオン……あの娘が?」

 

脳波は明らかに“感応型”。それも、かつて観測されたララァの初期波形に近い。

 

「これは……覚醒前の個体か?それとも、別の因子に触れた変化か。……ふふ、ふははは!クルスト君には知らせなくてよい。せっかくの素材をまた壊されては堪らん」

 

手元の端末で、数日前に視察団から提供された“因果律量子論”の資料を呼び出す。そこには、地球のある学者の名があった──香月夕呼。

 

「なるほどな……彼女の論文にある量子因果の干渉。それが人間同士でも成立するというなら──ララァとマリオン、その交錯も説明がつく」

 

彼の眼差しに、学者特有の愉悦と冷酷な探究心が宿っていた。

 

 

 

医療棟 隔離区画

白くぼやけた天井。静けさの中に、わずかな薬品の匂いが漂っている。

 

マリオン・ウェルチは、ゆっくりと“浮かび上がる”ような感覚に包まれていた。

 

身体は眠ったまま。だが意識だけが、どこか遠くへ引き寄せられていた。

 

それは夢ではない。記憶でもない。

それなのに、あまりにも“リアル”だった。

 

視界の先には、濃紺の装甲に紅蓮のオーラを纏うようなモビルスーツ…。

そのコックピットにいた男が、狂気すら宿した執念で誰かの名を叫んでいた。

 

「マリオン、貴様の出る幕など、もはやどこにもありはしない!!」

 

その声に重なるように、今度は蒼き機体が現れる。

その中で無口な若き士官が、苦悩と葛藤の表情で戦場に身を投じていた

 

その姿も、どこか懐かしかった。

まるで、かつて本当に自分がその戦場にいたかのように。

 

記憶のようで、記憶ではない。

だがそれは確かに“自分の内側”に流れ込んできていた。

 

原因はわからない。だがそれは、“過去の出来事”ですらなかった。

因果が揺らぎ、時空が重なり、並行したどこかの世界で果たされなかった想念──

それがこの肉体を通じ、精神の深層に染み込んできていた。

 

彼女の脳裏に、知らぬはずの言葉が浮かんだ。

 

「……EXAM……ユウ……ニムバス……あなた達は誰なの?」

 

誰に教えられたわけでもない。だが、その名が胸の奥に刻まれていた。

 

マリオンは震える様に呟く

「これは……私の記憶じゃない。……でも、私の中にある──“何か”」

 

精神はまだ完全に覚醒していない。

けれど、その魂は既に、時空を超えた“共鳴”の扉を開いていた。

 

 

 

ズム・シティ司令室。

キシリアから届いた報告書に目を通したギレン・ザビは、冷たい眼差しを崩さぬまま短く吐き捨てた。

 

「また感応者か……。まったく、キシリアの遊びには困ったものだ」

 

精神波動による通信、共鳴反応、新たな被験者。

報告書には、“マリオン・ウェルチ”の名が添えられていた。

 

「戦場に現れる“精神兵器”など、まだ神話の域を出ん。……だが、仮にそれが再現可能であれば、話は別だ」

 

彼は、観測データのグラフを一瞥しながら続ける。

 

「我々が欲するのは、感応者の神秘ではない。使える兵器か否か、それだけだ」

 

ララァ・スンとは異なる系統。地球人由来の感応者・鑑純夏との干渉。

すべてが計画の外側にある“不確定要素”だった。

 

「……香月夕呼博士にも、今後の動向は伝えておけ。あの女の洞察力は利用できる」

 

そして、報告書の末尾に書かれていたマリオンの状態を読み取ると、ふと声を低くする。

 

「被験者を廃人にして帰ってくるような真似は……許さん」

 

「貴重な資源を壊す者こそ、無能だ。クルストにも伝えておけ」

 

その声音には、情ではなく、支配者としての絶対的な効率主義が滲んでいた。

 

 

 

横浜基地 私室

 

香月夕呼は、半透明のモニターに浮かぶ波形を見つめながら、タブレットにメモしていた仮説ファイルを呼び出した。

 

タイトルはまだ仮のもの── 「精神波動と量子干渉──未観測領域への仮説的接続について」

 

「想いが空間に何らかの“痕跡”を残すなら、それは量子の揺らぎとして干渉するのかも……。因果律と絡められるかは、まだ分からないけど……」

 

未整理な数式群。仮定ばかりの文面。けれど、彼女は確信していた。

 

「これは……何かの“共鳴”。ララァ・スン、そして──もうひとつの声。これは偶然なんかじゃない」

 

 

 

ナレーション(永井一郎)

 

魂は、ただの幻ではない。

科学が追いつかぬその先で、人はなお、誰かを想う。

 

ララァ・スン、マリオン・ウェルチ──ふたつの光は、運命の座標を共有し始めた。

 

感応する精神、交わる波動。

 

それは、戦いのために生まれた力ではない。

 

だが人類が滅びの縁にある今、

“意志の交差”こそが、未来を照らす唯一の灯となるのかもしれない。

 

次にその波動が誰に届くのか──まだ、誰も知らない。




アンケートは天パと親父に決まりです。投票ありがとうございました!
一応プロットも書きました。まぁ登場は大分後になるかな?でもホワイトベースの時と違って切羽詰まってない分、天パ君はモビルスーツに乗るかな?そこはまだ考えてない…(汗)

連邦も途中で転移した方がいいかな?

  • 一部隊
  • 一個艦隊
  • モブコロニー(生産性向上の為)
  • サイド7(天パと親父込み)
  • ジュピトリス(若いシロッコ込み)
  • 連邦なんて腐敗した奴らは要らん!
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