ギャンブル中毒者が挑む現代ダンジョン配信物   作:パラレル・ゲーマー

213 / 490
第210話

【SeekerNet 掲示板 - 日本サーバー】

 

 スレッドタイトル:【祭りvs地獄】基金65兆円&月100万支給決定!もうめちゃくちゃだよこの国… Part.12

 

 1: 名無しのE級ヒーラー

 スレ立て乙。

 いや、もうダメだ。頭が追い付かない。

 昨日の夜からずっと『ライブ!ダンジョン24』の録画とギルドの公式発表を見返してるんだが、感情のジェットコースターが激しすぎて寝れなかった。

 誰か、今の状況を分かりやすくまとめてくれ…。俺は夢でも見てるのか…?

 

 2: 名無しのD級戦士

 

 1

 乙。俺もだ。

 昨日の夜、あまりの衝撃に祝杯だー!って酒場でギルド仲間と叫んで、そのまま記憶がない。

 起きたら財布が空になってた。だが、後悔はない。

 歴史の目撃者になったんだからな、俺たちは。

 

 3. 名無しの情報屋A級

 

 1

 新人、頭の整理を手伝ってやるよ。心して聞け。

 まず前提として、我らが日本の光の英雄「雷帝」神宮寺猛様が設立した、F〜C級全員に100万円を無利子・無期限で貸し出す**『雷帝ファンド』**があった。これだけでも、国家予算レベルの革命だった。

 

 そして昨日、立て続けに二つの神が、このテーブルに巨額のチップを投下した。

 

【第一の神槌:名もなき収穫者たち】

 

 事象: SS級ハイスト専門家集団が、雷帝ファンドに10兆円を寄付。

 

 結果: 雷帝ファンドの原資が55兆円から65兆円に増額。もはや意味不明。

 

 備考: 寄付の際に「職場は、アットホームです」という、ユーモアなのか本気なのか全く分からない狂気のメッセージを残し、全世界の冒険者を困惑と笑いの渦に叩き込む。

 

【第二の神槌:イーサン・スターリング】

 

 事象: シリコンバレーの雷神が、新たに**『スターリング・フューチャー・ファンド』**を設立。

 

 内容: 日米冒険者高等学校の校内統一ランキング上位100名に対し、月額100万円を返済不要で給付。

 

 備考: ランキングから落ちれば即給付停止という、完全実力主義。雷帝の「博愛」に対し、スターリングの「選別」という、あまりにも対照的な哲学を世界に叩きつけた。

 

 まとめると、こうだ。

『雷帝と収穫者たちが敷いたレールの上を、スターリングが用意したF1マシンで走る権利を、若者たちが血で血を洗って奪い合う時代の幕開け』

 …どうだ?分かりやすいだろ?

 

 4: 名無しのF級スライムハンター

 

 3

 分かりやすすぎて、逆に震えが来た…。

 な、なんだよそれ…。俺たち、一体どうなっちまうんだ…。

 

 5: 名無しのラノベ主人公

 

 3

 最高のまとめ、乙。

 つまり、こういうことだろ?

【雷帝ファンド】:全てのプレイヤーに配布される初期装備セット(ただし伝説級)。

【収穫者たちの寄付】:その初期装備セットに、なぜか神話級の武器が追加で入ってた。

【スターリング・ファンド】:ランキング上位者だけが受けられる、経験値100倍の祝福(バフ)。

 

 …完全にソシャゲのインフレ最終盤じゃねえか!胸が熱くなるな!

 

 6: 名無しのC級(中卒・21歳)

 

 5

 笑い事じゃねえ。

 俺、冒険者学校に願書出して、合格通知もらったばっかりなんだぞ。

 ただでさえ、新しい環境でやっていけるか不安だったのに…。

 なんだよ、ランキング上位100人って。

 全国の、いやアメリカの天才たちも混ざってくるんだろ?

 無理ゲーすぎるだろ…。

 

 7: 名無しのD級スケルトンナイト

 

 6

 C級ニキ…。

 でもよ、逆に考えろよ。

 もし、もしその100人に入れたらどうなる?

 月100万だぞ?返さなくていい金が、毎月だ。

 年間1200万。それが3年間続くとしたら、3600万だ。

 それだけの金があったら、どんな装備が買える?どんなスキルが揃えられる?

 B級の壁どころか、A級、いやS級ですら夢じゃないかもしれない。

 地獄のような競争の先に、天国へのチケットがぶら下がってるんだ。

 やるしか、ねえだろ。

 

 8: 名無しのE級ヒーラー

 

 7

 うう…。D級ナイトさんの言う通りかも…。

 雷帝ファンドの100万円で、まずは最高のヒーラーになるための基礎を固める。

 そして学校で必死に勉強して、実戦を積んで、ランキングを駆け上がる。

 もしトップ100に入れたら、その資金でパーティメンバー全員の装備を最高のものに更新してあげるんだ…。

 そしたら、誰も死なせなくて済むかもしれない…。

 夢、あるなあ…。

 

 9: 名無しの現実主義者

 

 8

 お花畑な夢を見てるところ悪いが、少しは現実を見ろ。

 月100万ってことは、それだけの実力と結果を求められるってことだ。

 スターリングは投資家だぞ。慈善家じゃねえ。

 投資した分のリターンが見込めなけりゃ、あっさり切り捨てられるに決まってる。

「今月はランキング101位でした、てへ」じゃ済まされない。

 それは、エリートとしての「死」を意味するんだ。

 毎月、毎月、そのプレッシャーに耐えながら戦い続けられる奴が、一体何人いる?

 

 10: 名無しのB級タンク

 

 9

 正論だな。

 ランキングを維持するために、無茶なダンジョン攻略に挑む奴も出てくるだろう。

 怪我や精神的な不調で、一気に転落する可能性もある。

 一度掴んだ栄光を失う恐怖は、最初から何も持っていない者の比じゃない。

 これは、若者たちを潰しかねない、あまりにも危険な劇薬だ。

 

 11: 名無しのA級(通りすがり)

 

 9 >>10

 お前らの言うことも、一理ある。

 だが、それがどうした?

 そもそも、A級以上を目指すってのは、そういうプレッシャーを乗り越えていくことと同義だ。

 俺たちの世界は、結果が全てだ。

 その覚悟もねえ奴は、どのみちC級あたりで燻って終わる。

 スターリングは、その現実を分かりやすい形で提示してくれただけだ。

 むしろ、親切とすら言える。

 

 12: 名無しのC級ヒーラー

 でも、やっぱり怖いですよ…。

 ランキングのせいで、友達同士で足の引っ張り合いになったりしないかな…。

 パーティ内で、ギスギスしたり…。

 

 13: 名無しのB級盗賊

 

 12

 なるだろうな。間違いなく。

 特に、パーティ単位じゃなくて、個人単位のランキングになるらしいからな。

「あいつのせいで、今日のダンジョン攻略の評価(レート)が下がった」とか、そういう責任のなすりつけ合いは絶対に起こる。

 地獄の始まりだ。

 

 14: 名無しのラノベ主人公

 

 13

 いいじゃないか、地獄で!

 友情!努力!裏切り!そして、勝利!

 最高の学園バトルロワイヤルが始まるんだぞ!

 もう、ワクワクしかしない!

 俺、生徒会長に立候補するわ!そして、腐った学園のシステムを内側から変えてみせる!

 

 15: 名無しのネクロマンサー

 

 14

 お前みたいな奴が、一番最初に謎の転校生に生徒会長の座を奪われるんだよ。

 俺は風紀委員として、校内の治安を守る。スターリング・ファンドの資金で買った、最新鋭のゴーレムと共にな。

 

 16: 名無しのラノベ主人公

 

 15

 お前は、そのゴーレムごと主人公にワンパンされる役回りだろ!

 

 155: 元ギルドマン@戦士一筋

 …少し、落ち着け、お前たち。

 話が脱線しすぎている。一度、冷静にこの二つの巨大な流れの意味を考えるべきだ。

 まず、収穫者たちの10兆円寄付。

 これは、正直に言って理解の範疇を超えている。だが、彼らの「アットホームな職場」というメッセージには、一つの本質が隠されていると俺は見ている。

 彼らは、孤独なんだ。

 強くなりすぎたが故に、同じスリルを共有できる仲間がいない。

 だから彼らは、未来の若者たちに呼びかけている。「早く、俺たちのいる場所まで上がってこい」と。

 それは、純粋な後進への期待であり、新たな「家族」を求める、切実な叫びでもある。

 決して、ただのユーモアではない。

 

 156: ハクスラ廃人

 

 155

 ギルドの旦那の言う通りかもしれねえな。

 奴らは、究極のハクスラをやり尽くした果てに、一緒に周回してくれるフレンドを探してるだけなのかもな。スケールがデカすぎるが。

 

 そして、スターリング・ファンド。

 これは、実に分かりやすい。

 **「才能の可視化」と「市場原理の導入」**だ。

 今までは、誰が本当に強い若者なのか、その才能は曖昧だった。だが、「ランキング」という絶対的な指標が生まれることで、才能は誰の目にも明らかな「数値」となる。

 そして、その数値が高い者には、莫大なリターンが約束される。

 これは、探索者の世界に、完全な実力主義(メリトクラシー)の競争社会を導入するという、スターリングからの宣言だ。

 もはや、ぬるま湯に浸かっている時間は終わりだ。

 稼ぎたいなら、強くなりたいなら、ランキングを駆け上がれ。ただ、それだけだ。

 俺は、このやり方を支持する。競争こそが、プレイヤーを最も効率的に成長させるんだからな。

 

 170: ベテランシーカ―

 

 165

 ハクスラ廃人さんの意見は、強者の論理ですね。それもまた真理でしょう。

 ですが、私は少し違う見方をしています。

 この二つの基金は、対立するものではなく、相互に補完し合う、一つの巨大なシステムとして機能するのではないでしょうか。

 

 雷帝と収穫者たちの基金が、セーフティネットとして全ての者に「挑戦権」を与える。

 そして、スターリング・ファンドが、その中から抜け出した者に「勝利の報酬」を与える。

 つまり、「最低保証(ベーシックインカム)」と「成功報酬(インセンティブ)」。

 この二つが組み合わさることで、若者たちは安心して挑戦し、かつ、高みを目指すための強烈な動機を得ることができる。

 これは、偶然の産物か、あるいは二人の巨人が示し合わせたのか…。いずれにせよ、あまりにも見事なエコシステム(生態系)が生まれようとしています。

 

 171: 名無しのC級ヒーラー

 

 170

 ベテランシーカーさんの言葉で、なんだかすごく納得しました…。

 そうか、私たちはまず、雷帝たちの基金に守られながら、安心して自分のペースで成長すればいいんだ。

 そして、もし本当に才能があって、覚悟が決まったなら、スターリング・ファンドという天国への階段を、本気で目指せばいい。

 どっちの道を選ぶかは、自分次第…。

 

 172: 名無しのD級スケルトンナイト

 

 171

 そうだな…。

 いきなりトップ100を目指すんじゃなくて、まずは雷帝の100万で、C級の俺がB級に上がるための、最高の準備をする。

 地道に、一歩ずつ。

 そして、いつかランキングの端っこにでも、自分の名前が載る日が来たら…。

 その時が、本当の勝負の始まりだ。

 そう考えると、なんだかすごく、やれる気がしてきた。

 

 173: 元ギルドマン@戦士一筋

 

 172

 それでいい。それが、このシステムの正しい使い方だ。

 決して、焦るな。だが、決して、歩みを止めるな。

 お前たちの前には、二つの道が示された。

 一つは、どこまでも続く、広く、そして穏やかな道。

 もう一つは、天へと続く、険しく、そして輝かしい道。

 どちらを選び、どう歩むかは、お前たち自身の「物語」だ。

 我々大人は、ただその物語を、高みの見物させてもらうとしよう。

 

 550: 名無しのA級(情報屋)

 おい、お前ら!ちょっと、やべえ噂を聞きつけたんだが!

 例の冒険者学校、日米共同設立って話だったろ?

 その初代校長、誰がやるか知ってるか?

 日本校の校長に、あの**“雷帝”神宮寺猛**が就任するって話が、今ギルドの上層部で最終調整に入ってるらしいぞ!

 

 551: 名無しのラノベ主人公

 

 550

 はああああああああああああ!?

 最強の英雄が、校長!?

 そんなの、もう勝ったも同然じゃねえか!

 

 552: 名無しのネクロマンサー

 

 551

 そして、アメリカ校の校長には、イーサン・スターリングが就任する、と。

 そういう、シナリオか。

 面白い。面白くなってきたじゃないか。

 

 553: 名無しのF級スライムハンター

 もう、何も考えられない。

 ただ、分かる。

 俺たちの未来は、とんでもないことになっちまう。

 そして、それは、最高に楽しいことに、間違いねえ。

 よし、決めた。

 俺は、この祭りに、全身全霊で乗ってやる!

 見てろよ、世界!俺たちの世代が、この狂った時代の、本当の主人公になってやる!

 

 その日、日本の、いや世界の探索者コミュニティは、かつてないほどの熱狂と希望、そして健全な競争心に満ち溢れていた。

 二人の英雄と、一団の狂気が灯した炎は、もはや誰にも消すことのできない巨大な燎原の火となって、新時代の始まりを告げていた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。