弄られるのは嫌なので強キャラになろうと思います。 作:名無し
駆けながらステータスを割り振り、町でログアウトした次の日、リンは再び『NWO』にログインしていた。
そして……
(無双プレイも好きだし、無口無表情系ミステリアスのためには苦戦するわけにはいかないんだけど……それにしたって弱い……)
強者に飢えていた。
第一回メンテナンス前でフィールドモンスターのAIが弱いこともある。
(さて、今日は強敵が居るといいな……)
そんなことを考えつつ、リンは町の外へ駆けて行くのだった。
モンスターを狩りながら森を駆けていたリンは、墓地の様な場所を発見していた。
「ダンジョンか」
金属製の柵で囲われた霊園に、ダンジョンの外からでも分かるようにゴーストが漂っている。
その光景にリンは軽く口角を上げて門を開け、ダンジョンへ入る。
「シィ!」
リンはダンジョンに入ると同時に駆けだし、目に付いたゴーストへ大斧を振るいながら奥にある教会へ向けて走る。
10体と少しのゴーストを仕留め、教会の門を開けて中へ滑り込んだ。
「オォォォォォォ」
「へえ」
中の礼拝堂に居たのは巨大な鎌を持った、2mほどはある骸骨が宙を浮いていた。
その様子はさながら"死神”のようで、リンは背筋に寒いものを感じつつも好戦的な笑みを浮かべる。
「オォォォアアァァ!」
「フゥ!」
大鎌を振りかぶって死神がリンに襲いかかる。
その動きに合わせてリンは体をそらして回避し、飛び跳ねて大斧を振りかぶる。
「相手が悪かったね……」
一閃。
リンの放った渾身の振り下ろしを頭部に受けた死神は凄まじい量のダメージエフェクトを出して倒れ伏した。
「All clear……mission complete」
無駄に発音のいい英語でリンは勝利のセリフを言った。
『スキル【死神】を獲得しました。レベルが12に上がりました』
アナウンスと共に巨大な宝箱と魔法陣が現れる。
リンは迷わず宝箱を開け放った。
「これは」
中に入っていたのは紫と黒の大鎌に、黒いブーツ、黒い外套と喪服のようなドレスだった。
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備。
一ダンジョンに一つきり。
取得した者はこの装備を譲渡出来ない。
『アダマス』
【STR+50】 【DEX+15】
スキル【不死殺し】
【破壊不可】
『死への誘い』
【VIT+25】 【AGI+10】
【破壊不可】
『グウウェン』
【VIT+10】 【STR+10】
スキル【レジングル】
【破壊不可】
『タラリア』
【AGI+25】 【DEX+10】
スキル【空中歩行】
【破壊不可】
「強い……」
リンは大満足で装備を身に纏い、スキルを確認する。
【死神】
生物の首や心臓を斬ったとき、一定確率で即死を付与する。
取得条件
死神にノーダメージで勝つ
【不死殺し】
殺害不可能なものも殺害できるようになる。
【レジングル】
外套の袖部分から鎖を出して操ることができる。
【空中歩行】
空中を強く蹴ることで空中を移動可能になる。
「ふーん……じゃあ出るかな」
スキル、装備共に確認したリンは外套に付いたフードを深く被り、魔法陣に乗ってダンジョンを出た。
リンの体は光に包まれ、次に気が付いたときには霊園の入り口に戻っていた。
(少しスキルを試してみよう)
「レジングル」
リンがスキルを使用すると、左右の袖から鎖が出てきた。
鎖はリンの想像した通りに動くようで、リンは鎖と木を使った高速移動を始めた。
(これはいい。ただ走るよりも早い)
【空中歩行】はパッシブスキルのようで、空中移動中に空中を強く蹴れば軌道修正ができた。
(今日はこのまま狩りをしますか)
その日、空を駆ける少女がモンスターを次々と狩る姿が各地で目撃されたという。
やだ……うちの主人公たちどっちもアンデッド狩ってる!
装備はギリシャ神話、北欧神話、アーサー王伝説から拝借しました。
『アダマス』は作者の別作品である『戦いは嫌なので音楽をしようとおもいます。』で登場させようとした装備で、元々はダイの大冒険に出てきた『死神の笛』として出そうとしてました。ボツになったけど。
【空中歩行】は分かりやすく言えばワンピの月歩が一番近いと思う。
次回 『防御特化との遭遇』
そろそろ会わせないと、ね。ストーリー的に。
相棒はどれ?
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梟
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鴉
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狼
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鼠
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不要