それは何気ない会話だった。*1
「そういや柳星ってこれまでどう住ごしてたんだ?*2その、なんつーか」
「あまり現代日本の人には見えない、だな?」
「そそ、ヒーロー目指してたからってだけで納得出来ない強さだから」
「んじゃ今晩俺の過去上映会やるか。個性的に可能だし。映像映すようの白い布と飲み物とおやつとハンカチとゲロ用の桶用意しとけ」
「いや前半と後半の差!?何見せられるの!?」
「どれ見せるかはその時まで待っててくれ☆」*3
てことで俺の人生上映会。だけどこの世界の人生じゃない。カルデアの頃の記録でも流すか。んー・・・とことん絶望感を感じて欲しいし・・・一個ずつ考えてみよう。*4
1.特異点→特に語れることではない。せめてウルク程度だがこいつらには語ってもしょうがない。*5
2.異聞帯→割と有り・・・あっ、そうだ。アヴァロン流すか。*6ミクトランもありだが・・・この前対ORTを仮想でやったしなんとなく避けたいな。
3.オーディールコール・・・は俺関与できてないんだよな。なにせオーディールコールだぁ!って待ってたらこの世界に来たし。*7
4.一発芸的な特異点とか。語りたくないな・・・*8
てことでアヴァロン流すか!妖精らしさを見せるか!*9
「なんでこんなにいるの???」*10
「そりゃ気になるじゃん!」
「けっ、テメェがなんでそんなに強ぇのか知れると思ってっからいんだよ。そこは忘れんなよ?」*11
「でもなぁ・・・俺が今回流すの戦闘面よりも精神面的な強さだし・・・」
「それでもいいと思う!ぶっちゃけ高校生のメンタルじゃないよね!」
「んじゃ始めるか。映像をちょくちょく挟むが基本俺が語る。んで、前提として俺は基本日本育ちだがそれこそ最近はブリテン・・・イギリスの方にいたんだ。裏側だけどな」
「裏側ってどういうこと?」
「所謂ファンタジー的な側面の方、だな。妖精とかが普通に過ごしてるんだ」
「へぇ、妖精!なんかメルヘンだね!」*12
「・・・・・・!*13そ、そうだな・・・?」
「・・・え?妖精ってメルヘンじゃないの・・・?」*14
「それではこちらをご覧下さい」*15
そうして見せたのは名無しの森の時の一部始終。立香の人間バレによって引き起こった妖精の本音が出てきた場面
「あの時俺たちは歓迎された。だからこんな・・・まぁ、この集落的にはかなり豪華な場所に通されたんだが、ここで周りの会話が聞きやすくしましょう」
そして聞こえるのは妖精の
「六等分だ!六等分だ!皆で公平に分けよう!」
そんなどんちゃん騒ぎが続いていた。その後、妖精同士で争いが起き、その混乱に乗じて俺達は名無しの森を抜けた。まぁ途中で案内してくれた妖精がモース化したがそこはカット。
「ど、どういうことですの・・・?」*16
「なんつーか、妖精っぽくないっつーか・・・」*17
「だろ?妖精ってのは人間をただの『ラッキーで希少な素材』としか見てないからな。人権?そんなの妖精圏にあるわけない。そんなん俺達の幻想だな。まぁ妖精圏もある程度文明が存在したからここまで酷い事は・・・まぁまぁあったか・・・」*18
「なんというか、残忍って言葉が似合うね・・・」
「ケッ、残忍じゃねぇよ」*19
「流石爆豪。正解。妖精は残忍じゃない。彼らは皆揃って
「ねえ、今素直に正反対の意味込めなかった?」*20
「んで、その後はソールズベリーとか行ったりグロスター行ったりって妖精圏について調べてたんだけどその途中で妖精圏の女王たるモルガンに招待されたんだ。さて、現行の人類史に於けるモルガンについて知ってる人はいるかな?」
おっと、誰もいない。*21
「まぁ地味にマイナー側だししょうがないのかの?モルガンとはアーサー王物語に出てくる悪役側の人だな。アーサー王に対してアグラヴェインやモードレッドを送り込み円卓の崩壊を狙った人だ。まぁそのモルガンはモルガン・ル・フェであって妖精圏のモルガンは【ブリテンの守護者】としての側面が強いモルガンなんだけどな」
「じゃあ味方なの?」
「いや?味方にはなれないな。少なくとも俺達は侵略者側だったし。モルガンはとある事情で俺達の敵だったし。その事情を解決する気はなかったからこの時の邂逅はお互い形式的なものでしかなかったんだよ」
「それで、その後はどう住ごしたの?」
「この時一緒に動いてた人の中に・・・『希望の子』*22が居たんだよ。だから彼女の巡礼を手伝って回ったんだ。その間は基本流す映像はないからスキップな、なにせ60日近い話だからほとんどスキップだ」
「えー!気になるー!」*23
「ダメダメ。全部語ると終わらないから。んで話戻して飛ばして・・・どこまで飛ばすかな・・・メンタルの強さ語るなら・・・バゲの辺りとかか?ヌンはメンタルではない、*24失意は俺じゃない、*25妙蓮寺との別れはこいつら知らん・・・ベリル?アレは語るほどにない。*26奈落の虫か。アレは語るか」*27
「全部聞こえてるぞクソが」*28
「すまんな。まぁ・・・あ、こういう時こそ俺の個性か。んじゃ映像は色々あってとある街に招待された時の都市の惨状*29を流すわ。その間に調整する」
やるべきは記憶を植え付けること。んでその辺りの情報に違和感を感じさせないこと。一定のライン踏み越えそうになったら強制的に違和感を与えずに戻すように調整入れて・・・
あ、女子のうち少し吐いてる人いる。男連中もショック受けてるな。まぁこんなに残忍な映像だもん。しょうがない。俺も立香もマシュもアルキャスも皆して引いたからな。いや、モルガンが
「こんなの・・・こんなの・・・!」
「何より妖精が心の底から笑っているのが恐ろしい・・・いえ、この感情は恐ろしいなどではありません・・・もっと、形容し難いナニカ、悍ましいと呼ぶのも軽いそんな惨状ですわね・・・」
「まさに混沌。終末に見える」
「あ、出来た出来た。*31・・・だな。この時妖精圏が滅ぶ事はすでに確定してた。実際この惨状から三日くらいで妖精圏は滅んだし。んじゃ個性行くぞー」
全員の頭に情報とか制限とかを与える
「今から見せるのは俺の記憶じゃない。俺の同行者の記憶、体験だ。*32それをある程度お前らように調整いれた。もし
「え、ちょっ、何見せようと・・・」
これで失意の庭の体験が全員始まったな。俺も話聞いただけだからなぁ・・・失意の庭を体験出来なかったのはちょっと悲しい。まぁアフロディーテには似たようなことされたし。*34オベロンも失意っぽいのやってきたっぽいし。
ちなみに与えた情報は
「・・・あの、この状況はなんですか・・・?」*37
「おや13号先生。彼らにはとある夢を共有してもらってます」
「そういえばあなたの過去について少し聞けるって話題でしたね。それで、この状況は?」
「映像だと少し
「どんな内容なんですか・・・」
「んー・・・端的に言うと・・・なんだろうな?
「それで、彼らを君はどうするのですか?」
「どうって・・・このまま放置。まぁマットに寝かせます。起きたら部屋に戻るか戻らないか選ばせます。一人になりたくないと思って当然でしょうからね」*40
「そんな夢を・・・貴方は大丈夫なんですか?」
「そんな、俺はとっくに乗り越えてますよ。大丈夫です」
結局、誰も乗り越える事はなかった。まぁベリルですら「なんで目覚めてんだ」だったし。アフロディーテの時に耐性がついてたのかもな。俺も、*41立香も。なおそれからクラスメイト達は皆揃って数日の間「救えなかった・・・!」とかって悩んだり落ち込んでた。お陰で相澤先生もキレてたな。俺はその数倍怒られた。えぇ・・・だってこいつらが俺について知りたいって言ったから教えたのに・・・え?やりすぎ?それはそうだね。すまんした。*42
まぁ俺は俺で異聞帯は基本笑って攻略してたからなぁ・・・だって俺も異聞帯の王だし・・・唯一汎人類史と迎合できた異聞帯の王。それが俺だし。どうせいつか攻め込まなきゃって思ってた矢先の白紙化だから助かったのなんのってな。
なお、これを話した数日後、緑谷が闇堕ちしたからちょっとだけ責任を感じてたりします。*43はい。
次回はちゃんとインターン編。