その後も翼と二人で見回ってたのだが
「んー、やっぱそうなるか」
「後ろの二人か?」
「まぁまだ何もしてないから放置だけどな・・・っと」
「あ、ああ助かった・・・って急がなきゃ・・・!」
何かに追われてるクリスだった。
「って、誰に追われてるんだよ・・・」
「あ、居たぁ!」
ん?クラスメイト・・・か?
「それで、なんでクリスは追われててお前らはクリスを追ってるんだ?」
「私達、雪音さんに出て欲しいんです!歌合戦!」
「ほう、ソレはなんでだ?」
「雪音さん、すごい楽しそうに歌うんです!だから、皆にも見て欲しいし、雪音さんにも楽しんで欲しいので!」
「そうかそうか・・・ならクリスはなんで逃げるんだ?」
「アタシは・・・」
「見るに、本当に楽しんで良いのか分からないんじゃないか?だから逃げてしまう。なら歌え。お前らの持つその歌の力は本物なんだから」
てことでクリスを連れて歌合戦会場にin。
「あ、お待ちしてました!お二人には専用の小部屋を用意しましたのでそちらでお待ちください!」
てことで軽く翼と合わせて・・・衣装も確認が終わった。
「よし。行ける・・・ちょっと緊張するのはどうしてだろうな」
「私はいつもだぞ?ライブは毎回緊張するがそれ以上にライブは楽しいんだ。私がファンを見て、ファンが私を見てくれる。一体感が生まれるあの空間が私はどうしようもなく好きなんだ」
「そうか・・・うん。そう考えると随分楽になるな。そもそも俺として歌う訳じゃない。俺はマリア・カデンツァヴナ・イヴとして、天羽奏として歌うんだから・・・うん、行ける」
まぁ俺は俺でしか無いんだけど。
「出番でーす!」
「おう!」
登場に選んだ衣装は耀星のハサンの現代バージョン。
『それでは雪音クリスさんまでが事前申請者でした!ここからは飛び入りもオッケーとしますが・・・その前にサプライズです!リディアン前校舎に於いて七不思議扱いされてたあの用務員さんがサプライズで来てくれましたー!』
「どーも、どーもー!用務員とか呼ばれてた男だぞこの野郎ー!盛り上がってるかー!?」
歓声が帰ってくる。ここからはライブ仕様だ!
「そんじゃ歌の前のトークとかは全部破棄!最初っからクライマックスで行くぞ!世界の歌姫、マリア・カデンツァヴナ・イヴで───Dark Oblivion!スゥ───」
意識を、切り替えろ
「振り返らない!全力疾走だ!着いて来れる奴だけ着いて来い!」
フゥ・・・
『な、な、な・・・なんなんだぁ〜〜〜!?衣装が・・・いや、姿から違う!もはや用務員さんでは無く、マリア・カデンツァヴナ・イヴが!今この場に居るかのようにみえてしまっています!』
「様に、じゃなく本当に姿を本人に合わせて変えたからそう感じるのは何も間違ってない。しかし私の歌はこれで終わりではないぞ!まだまだだ!」
二曲目!イントロが始まるとざわつくのが分かる!そうだ!その通り!貴様らの想像通りだ!
「Huu・・・」
「Cold moon・・・」
「Blue shine・・・」
「強い」
「強い」
「負けない」
「この手から零れ去った
「欠けたムーンライトその光は
「刃に」
「ジャスティスの名の下」
「魂の種火をさあ」
「人に」
「過去を」
「アツく」
「響き伝う」
「涙」
「全部」
「「いま不死なる夢を羽に
「ありがとう、私の我儘に付き合ってくれて」
「いや、構わないさ。それに、リディアンで過ごした三年間の恩を返したかった面もある」
「それじゃあ、始めようか」
「ああ」
姿を変えて・・・
「「「「「キャァァァァ!!!!!」」」」」
「さぁ三曲目!新曲だ、聴いていけよ!」
バラード調から始まる逆光のフリューゲル。
「『聞こえますか・・・?』激情奏でるムジーク」
「解き放て」
「『聴こえますか・・・?』イノチ始まる脈動」
「突き上げて」
「遥か」
「星が」
「風が」
「さらう」
「そして」
「開くよ」
「逆光のシャワー」
「その右手に添えよう」
「遥か」
「星が」
「たぶん」
「君と」
「何も」
「ないよ」
「逆光のシャワー」
「旋律は溶け合って」
「「二人でなら翼になれる Singing heart」」
「「もっと高く 太陽よりも高く───!」」
三曲、歌い切った───!
「皆、ありがとう!この曲は今日の為に復活させた曲だ!この後各種配信サイトなどでも聞けるからぜひ聴いて欲しい!」
「楽しかった!そう言えるイベントだった!これからの飛び入り部門も楽しみにしている!それじゃあ───今日限りの復活ライブ、皆ありがとう───!」
いやぁ、神秘の隠匿もクソ喰らえだぜ・・・
「あぁ疲れたぁぁぁ!でもすっごい楽しかった!これがアイドルか!」
『子供の様にはしゃいでますね・・・』
「珍しいのか?」
『えぇ。こと強敵との戦闘も彼は楽しみますがこんなに子供の様にはしゃいだのは見たことがないです。元の世界に帰った時に皆に見せてあげたいですね』
「やめて!モルガンとかが特異点作りそうな気配がするから!」
『ちなみにちょちょいとカメラ関係弄って特機部二の方でもライブは写してましたよ?』
「マジ?流石に魔力関係ないと見えないから気付かんかった」
「それで、気付いたか?観客の中に・・・」
「居たな、ザババの刃。まぁ尾行は気付いてたしこっちに連れて来たのは想定通りだから問題ないんだけど」
『あ、でも何か連絡を受けて帰っていくみたいですよ?』
「そうか───何度でも思うし言えるが楽しかった!」
やり切った。やり切ってしまった