あー・・・この敗北は暫く引き摺りそうだわ・・・*1
「はぁ・・・」
「ホントに引き摺ってるわね?」*2
「そりゃあなぁ・・・あんな負け方があるとは・・・」
どうすっかねぇ・・・ガッツリ対策取るにはなぁ・・・
と、その時『ぽーん』と音が鳴り、アナウンスが響く。
『間も無く、着陸態勢に入ります。シートベルトの着用をお願いします』
なんだ、案外早かったな
「翼さーん、マリアさーん、柳星さーん!」
っと、なんだお前ら。迎えに来てくれたのか
「出迎えご苦労様。んじゃさっさと船に向かうぞ。今後の方針とかも定めておきたい」
てことでS.O.N.Gの船へゴー
「ただいまー」
「あー・・・*3先にブリーフィングから始めるぞ」
「オケオケ」
「・・・シンフォギア奏者勢揃い・・・とは言い難いのかもしれないな」
っと、画面に映し出されてるのは・・・俺のゲイボルグ・シバルバーと・・・どのペンダントだ?
「これは?」
「新型ノイズに破壊された、ゲイボルグ・シバルバーとイチイバルです。イチイバルはコアとなる聖遺物の欠片は無事なのですが・・・」
無事なのですが?
「エネルギーをプロテクターとして固着させる機能が、損なわれている状態です」
ほーん・・・ん?それって・・・
「そ。アガートラームと同じ状態って訳。ちなみに貴方の槍についてはそもそものデータが不足してるせいで破損箇所の特定くらいしか出来なかったわ。なので貴方自身で直しなさいな」*4
「りょーかい」
「勿論、治るんだよな?」
とクリスが聞いてきた。直るかどうかは・・・
「ええ。アガートラームと違ってイチイバルは明確にコレまでの使用データがあるから修復は簡単よ?勿論、直せるのは私か柳星クンくらいだろうけど」
「櫻井理論が開示された事で各国の異端技術研究は飛躍的に進行しているわ」
「それでも、了子さんでなければ基本的にシンフォギアシステムの修復は望めない・・・」*5
「俺も0→1が出来るだけで修復はまだ難しいからなぁ・・・」
「現状、動ける奏者は響君と翼君の二人だけ・・・」*6
「ん?それは違くないか?」
「む?何か見落としていたか?」
「だって俺はガングニールもネフシュタンもあるんだし。アガートラームは修復終わってるからマリアも明確に戦力になるし。イガリマとシュルシャガナ用のLiNKERは完成してるから今後は戦力に数えられるし」*7
「・・・て事は戦えないのはアタシだけかよ!?」*8
「そうでもないぞ?だってクリスは元々ネフシュタンも使ってただろ?ならクリスはネフシュタンを使えば戦力になるだろ。俺がガングニール一本になるだけで。ガングニールとネフシュタンの併用はまだ出来ないから何も問題はない」
「て事は・・・」*9
「最大戦力じゃないだけで頭数は減ってないんだよな。驚いた事に」*10
「というかLiNKERって完成してたんデスか?」*11
「・・・そういや渡しそびれてたな。帰ってきたらでいっか、なんて思ってたらこのザマだ。とりあえずバックファイアが抜けてからお前らは本格始動だな」
「ていうか、よく個人用のLiNKERなんて作れたわね。私ですら汎用型しか作れなかったというのに」
「そりゃお前、大前提が違う」
「どういうことかしら?」
「LiNKERを最初に適合させたのは天羽奏だ。彼女が一時的にでもシンフォギアを纏えるように作ったんだろ?」
「ええ、そうね。それが貴方のLiNKERとどう違うのかしら?」
「汎用型は起動させるだけ。起動時に生じる差異を正すだけなんだ。だから時間が過ぎるとどんどん差異が生じてしまう。俺が今回作ったのはその差異を半永続的に繋ぎ止めるモノだからな。ただ起動させる為のモノと、永久稼働を目指したモノ。効果が違うのは自明の理だろ?」
「はぁ・・・私は自分を天才だと自負出来るけど貴方をみてると本当に天才なのか疑いたくなるわ・・・」
「シンフォギアシステムそのものに関しては俺はまだアンタより劣ってるんだから誇って良いと思うけどな」
さて、んじゃそろそろ気になってたことでも聞くとしますか
「んで、ガキはどこだ?
「なっ!?なんでテメェがソレを知ってんだよ!?」
『私が伝えましたからね!』
「彼女については今は隔離させている。彼女について我々が知っている事は【今回の件の関係者】という点と【キャロルを名乗る少女と瓜二つの顔をしている】事だけだ。何を知っていて、あの箱が何なのか。我々は何も知らない」*13
「ほーん・・・んじゃ俺一人でそいつと話してみるわ」
「危険なんじゃないのか!?」
「モーマンタイ。負けた直後の俺に不意打ち出来る存在なんて人間の中には誰も居ない*14から。出来るとしたらそいつは神か何かだよ。だから心配すんな。てことで弦十郎、案内してくれ」
「・・・あぁ、分かった。こっちだ」
てことでガングニールをポケットに突っ込んで案内されたのは狭い部屋。
「こいつが?」
「ああ。後は任せるぞ」
「任された」
てことで二人きり。
「俺は無疆柳星。アンタは?」
「ボクはエルフナインといいます。ボクは、キャロルに命じられるまま巨大装置の一部の建造に携わっていました。ある時、アクセスしたデータベースより世界をバラバラに解剖する装置だと知ってしまい、目論見を阻止する為に逃げ出してきたのです」
「世界を・・・それってどの世界だ?」
「どの・・・というと?」
「そもそも世界とはこの宇宙全てを指す言葉だ。何故なら我々の世界とはこの星に留まらず宇宙にも進出しているからな。故に、おそらくこの場合の世界とはこの星、地球を指していると捉えるのが普通なのだが。それでも疑問が残る。それは【地球という物質の集合体】・・・物理的に存在している惑星を指しているのか、【生命活動におけるテクスチャ】・・・我々が今居るこの物理科学的な世界のみを指してるのかだ。後者の場合は世界の裏側・・・妖精圏とかは残るだろうな。この世界にあるのかは知らんが。*15そこの所はどうなんだ?」
「・・・ボクが確認した範囲にはなりますが、現在建造中の【チフォージュシャトー】は万物を分解する力を地球規模に広げて使用するつもりです。なのでその問いには前者である、という答えになるのでしょうか」
「そうか・・・ふむ・・・」
となるとどうやって世界規模に干渉するかだな。
「あの、それは・・・?」
「現在の地球そのものを再現した物*16だ。といっても物理的な存在ではないから直接は触れないけどな」
どうやる?どうすれば世界全土に干渉出来る?月の落下は違う。アレは分解ではなく破壊だからだ。となると・・・
「ん?錬金術によっての分解?」
「何か引っ掛かりました?」
「俺の知る錬金術って分解ってよりも再統合、等価交換だと認識してるんだが・・・」
「確かに錬金術にその側面がある事は否定しません。しかし、現代に残っている錬金術はもはやキャロルの錬金術しかありません。*17そしてキャロルは錬金術を分解の側面でのみ使用することが多いですね」
「なるほどな・・・ふむ。ところでお前さん、人間の姿取ってるだけで人間じゃねぇな?オートスコアラー・・・いや、ホムンクルスとかそっち系か?」
「分かるんですか?」
「俺は魂を見るからな・・・っと」
リジェクト。何見てんだカスが*18
「?」
「気にするな。こっちの問題だ。んで話を戻すと俺は魂を見る癖があってな。相手が人間なのか悪魔なのか天使なのか死神なのか本物の神様なのかホムンクルスなのかとか、そういうのは見分けられるんだよ。んでアンタの魂はどう見ても作り物だった。ならホムンクルスとかって考えるのは自然だろ?*19」
「なるほど・・・確かにボクはキャロルによって作られ、必要最低限の知識のみを複写されました。なのでボクにはキャロルの作戦の全貌は把握出来ていません。ですが、チフォージュシャトーが完成間近だと言う事はわかります。お願いです!力を貸してください!その為にボクは、【ドベルグダインの遺産】を持ってここまで来たのです!」
「ドベルグダインの遺産んんん?んーと・・・どっかで聞いた事が・・・」
『ダインスレイブの事では?ダインの遺産と言えばソレくらいですから』*20
「!?今の声は?」
「AIだ。気にするな」
それにしてもダインスレイブか・・・コレまた変なの持ってきたな・・・
「んで、コレをシンフォギア化するのか?」
「出来るのですか?」
「ちなみに俺達についてはどこまでご存知で?」
「えーと・・・元々は風鳴機関からの派生である事、特機部二と呼ばれていた間には初代ガングニール奏者天羽奏とアメノハバキリ奏者風鳴翼の二人のみであったこと。約三年前、天羽奏死亡後から二年間は風鳴翼一名でノイズの対処をしていたこと。約一年前、二代目ガングニール奏者立花響がガングニールを覚醒。以後は二人での対処でしたがそれからすぐにフィーネがカ・ディンギルを起動。ここにイチイバル奏者雪音クリス及びゲイボルグ・シバルバー奏者無疆柳星を含めた四人でコレを阻止。所謂ルナ・アタックですね。それから三ヶ月後、三代目ガングニール奏者マリア・カデンツァブナ・イヴ及びシュルシャガナ奏者月読調、イガリマ奏者暁切歌がジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス及びナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤと共に世界各国への宣戦布告、その後フロンティア事変が起きたのが三ヶ月前・・・と言う事くらいですね」
「ちなみにフィーネの生死については?」
「いえ、そこまでは記録にも残っていませんからボクには分からないですね・・・まさか!?」
「
「ですが、それだと一人しかキャロルに対抗出来ませんよ?」
「あー・・・なら分配するしかないが・・・というかシンフォギア化するって事は元々のシンフォギアが使えないって事だもんな・・・外部パーツならありか?」
ま、それは一旦持ち帰るしかないか。
「それで、協力してくれませんか!?」
「オッケー。分かった、協力しよう。なに、俺の決定事項を覆せる人間なんざこの世界に居るわけないんだから最悪押し通すさ。・・・善人集団だからその必要は無いと思うけどな」
「ありがとうございます!」
「ところでアルカノイズのデータって持ってたりする?俺のシンフォギアは外部品付けれないから魔術の方面で防御しなくちゃだしデータないと何も出来ないし・・・」
「それなら後でデータを送りますね。・・・今データを渡す方法が無いので・・・」
「だな。待ってるわ」
てことで帰還。・・・エルフナイン本人は善人だがキャロルは逆だな。その善性を利用してきやがった。はぁ・・・強かだよ、アイツは
「てことで帰還」
「どうだった?」
「本人は至って善人。キャロルの目的である【地球の分解】を止める為に力を貸して欲しいんだと。その為の力は既に持ち込んであるからアレをどう活用するかは後で考える。身体検査よろしく」
SiDe:キャロル・マールス・ディーンハイム
「ガァッ!?」*21
「何事ですか!?」
「あの男・・・こちらを認識していた・・・!?しかしどうやって・・・!?現代の魔術はこんな器用な事はできない、ならば錬金術師か?だとしても理解・分解・再統合の大原則に合ってない。神代か?確か特機部二にはフィーネが居たな。奴から何かを学んでいた・・・いや、それはない。奴はシンフォギア製作に関する技術こそあれどそれ以外はからっきしだったはずだ。ならば何をしてきた・・・!?・・・ログを確認しても何も分からない。唐突に目と耳が潰された・・・分からぬ、何も分からぬ・・・!いや、一つだけ分かった。アレに手を出してはならない。最悪オレの計画が破綻しかねない・・・!いや、全貌とは行かずとも輪郭は伝わってると見て良い。・・・ガリィ」
「何でしょう?」
「なるべくあの男とは遭遇するな。遭遇した場合即撤退しても構わない。今は奴の【槍】も壊れているがそもそも奴の記録には他にも【神殺しの槍】と【鎧】も手札として持っている。それらも壊れせば暁光だがそれは高望みと言えるだろう。いいか?奴との交戦は避けるんだ」
「分かりました〜」
ちなみにアンリマユ構文のドベルグダインの遺産だとこうなります。
ちょっと待て・・・ドヴェルグ=ダインといえばあの「魔剣」を作ったドワーフ・ダインの事だ・・・
つまりそれは───北欧神話に登場するという血濡れの魔剣ダインスレイブなのか!?
割と使い勝手いいよね、これ。