スカイランドと呼ばれている空の王国。そこのとある森の中に、小さな家が建っており父母とその息子3人の家族が暮らしていた
少年は働き者で生まれつき額の左側から頭部を覆うような形で炎のような痣があった。力が強く、朝から晩まで働いていても息が上がらない程の体力を持っていた
額の痣は見る者からすれば不気味なものに感じるが、少年の父と母は関係なく愛を注ぎ、すくすくと育った
「母さん、うちで採れた野菜を市場に持っていくね」
「あらソウハ。そんなに沢山一度に持っていく必要ないのよ?」
「大丈夫、これぐらいへっちゃらへっちゃら。それより母さんは寝てて………お腹の中の子にだって負担がかかっちゃうかもしれないんだから」
ソウハは母親をベッドのある寝室へとうながす。ソウハの母親は現在妊娠していた
ソウハは兄になるのだ。まだ弟か妹かは分からないが、それでもソウハは自分が兄に………新しい家族が出来ることに喜びを感じていた
「この野菜売って、少しでも金を稼いでくるよ。育児ってなると色々と大変になるんでしょ?」
「そうだけど、まだ貴方も12なんだからね。無理はしちゃ駄目よ?」
「はーい。じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい………気をつけて」
ソウハは背負うタイプの籠に野菜を入れ、スカイランドの城下町に向かう。森を歩いている最中、畑仕事を終えたソウハの父親と出会した
「あっ、父さん。畑仕事お疲れ様」
「あぁ……ソウハ、その野菜どうしたんだ?」
「今から売って来るんだ。赤ちゃんが産まれたら金が必要になってくるから……新鮮なうちに高く売れるようにと思って」
「だったら俺が行ってくるから、お前は家で母さんと一緒にいろ」
「いいよ別に………父さん疲れてるでしょ、母さん見てて、じゃあ!」
「ちょっ、おい!…………まったく、相変わらず足速いな」
ソウハの走る後ろ姿を見ながらそう呟いた
「………頼もしいお兄ちゃんだな、本当に」
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「いやぁ、結構高値で売れたな」
「あんさんそんな大金どないしたん?宝くじでも当たったんかい?」
「いや、うちで採れた野菜を売っただけ」
「そんなに儲かるなんてどんな野菜やねん!」
今自分はスカイランドの遊覧鳥の背に乗り、家のある森の入口へと飛んで向かっている
スカイランドは小さな浮島が無数にあり、一際大きい浮島に王族の住む城や城下町がある。自分達家族はその城下町の市場で野菜を売り、家計を立てているのだ
「あ、そこまでで良いです」
「そうですか。そんじゃあまた、今後ともご贔屓に~」
森の入口に降ろしてもらい、金や城下町で買った日用品の入っている籠を背負って家に向かう
城下町で買い物をしていたため、少し暗くなっていた。早く帰らねばと思い、小走りで家に戻る。また長時間どやされるんじゃないかと心の中で思いながら迷いなく森の中を進んでいた………その時だった
ドガァァーーーン!!
「ッ!?」
とてつもない爆発音が衝撃波が森中に響き渡った
「なんだ!?爆発!?………ッ!!あそこってまさか!?」
爆発により灰色の煙が立ち上がっている。その場所には心当たりがあった
まさか………まさか!!頼むから違っていてくれと思いながら全速力で向かった
「はぁッはぁッはぁッ……あっ………」
走って、必死に走って、家に帰って来た。優しい母と父が待っている筈の家に………
「嘘だ」
畑仕事のノウハウを教えてくれながら、いつも楽しく話しかけてくれる父
「嘘だ」
畑仕事を終えて疲れている自分達に美味しい夕食を作ってくれている母
そんな家族がいる家が………家のあった場所が跡形もなく失くなっていた
「嘘だぁーーー!!!」
父は死んだ。母も死んだ。赤ちゃんも死んだ………その言葉だけが脳裏をよぎった。地面を何度も殴り付け、必死に嘘だ嘘だと叫び続けた
だが、悲劇はこれだけで終わらなかった
ゴゴォォーーー!!!
「ッ!?」
それは深い闇だった。まるでこちらを覗き込むようにして、空間にぼっくり開いた穴
「(吸い込まれる!!)」
その穴は周囲のあらゆるものを無作為に吸い込み始めた。ソウハは吸い込まれないように近くにあった木の枝を掴むが、その木ごと吸い込まれてしまった
「くっ!!うわぁ~~~!!」
穴に吸い込まれたソウハ。そして目的を果たしたかのように、穴はその場から瞬時に消えたのだった
???「うわぁぁ~ん、助けて~!誰か~!!」