【完結】オーバードーズ・ヒロイズム 〜時限能力獲得ドラッグ中毒TSヒーローちゃん〜   作:相竹空区

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22話 マンチー・アイスクリーム

 

 いつもの屋上。

 だが今日は、いつもとは少し違う。

 確かにそこに居るのはブリンクで、ルミナスを待っているのだが、落ち着かない様子で歩き回るその服装は、ヒーロースーツではなく私服と呼ばれる類の物。

 実際に着るのは初めての服に、ブリンクはしきりに全身をチェックしては胸を押さえて深呼吸をしていた。

 

「緊張……緊張する……!」

 

 そんな事を言うものだから、余計に緊張して心臓が高鳴り、顔が赤くなっているのだが。

 ともあれそんなブリンクの元に、馴染みのある声が届いた時には一瞬でも緊張は吹き飛んだようだった。

 

「おっはよ〜う!天気良いねぇ、来るの早くない?おっ、可愛いねぇ、ウチのセンスだもんねぇ」

「それって自画自賛?ちゃんと言われた通りの服着てきたよ」

 

 ブリンクは指先で摘んだロングスカートを控えめに揺らし、ルミナスに見せはするものの、その表情には恥じらいが含まれる。

 ただ、それ以上に言われた通りにしてきた事による肯定的な反応を期待する部分が大きかった。

 ルミナスもそんな期待に応えるように、手を叩いて褒めそやす事で煽るのだ。

 

「似合う似合う!ウチはウチは!?」

「似合う……似合うよ。僕はファッションよく分からないけど……派手、だね。ヒーロスーツみたいだ」

 

 ルミナスもまた、私服で現れたもののその色合いは派手。

 ビビットな色合いで、普段と何が違うのかと思う様子ではあるものの、大きなサングラスで瞳を隠せばルミナスを示す大きな記号が一つ減るのだから、正体が露見する心配は無いのだろう。

 

「ウチに似合っちゃうからなぁ!こういう色がさぁ!」

「ルミナスは自信たっぷりだね。カッコいいと思う」

「おぉ、褒められると気分が良いねぇ」

 

 などと、2人が和気藹々としていても残るひとりはやって来ない。

 時計を見ても、約束の時間にとっくに過ぎている。

 どうしたものかと顔を見合わせ、首を傾げた。

 

「もう約束の時間だよね?」

「ウチはちゃんと伝えたからねぇ……これは寝坊かなぁ」

「あんなスピードで動けたら、なんでも素早く片付けられそうなのに」

「ウチだったら遅刻ギリギリまでダラダラしちゃうなぁ。ケイナインもそんな感じだったりして〜?!

「あんなにしっかりしてそうなのに?」

「一見しっかりしてそうなクール美女が、実は家では自堕落なんて、よくある話ってもんよ〜。じゃ、迎えに行こっか」

「え?」

 

 ブリンクが聞いた内容を上手く飲み込む前に、ルミナスはブリンクに背後から抱き着いて肩に顎を乗せる。

 

「ほらほら、テレポートよろしく〜」

「あの、家知ってるの?」

「メッセージ送ったら教えてくれたよ〜。迎えに行くって」

「それたぶん、僕には教えないつもりで伝えたんだと思うよ……」

「遅刻する方が悪い!映画の時間もあるんだからねぇ〜」

「怒られたくないなぁ……」

 

 ルミナスはタクシーにでも乗るように、ブリンクにスマホを見せて寄り掛かる。

 こうなってしまったら跳ぶしかないと、ブリンクは目的地へ向けてテレポート。

 一直線に、都市部を離れて郊外へ。

 あらゆる交通状況から解放された空をゆく。

 立て続けに内臓を持ち上げる浮遊感に襲われて、ルミナスは堪らず声を上げた。

 

「ひゃ〜!いっつもこんな感じなの!?」

「そうだよ!ちゃんと捕まっててね!」

「細くて掴みづらいんだよぉ〜!」

 

 断続的な悲鳴を残して跳び続け、2人は閑静な住宅街へ。

 背の高い建物が無い場所では、余計に落下が恐ろしく感じるようで、ブリンクに巻き付く腕が力を増した。

 

「ここら辺、だったかな」

「スマッ、スマホ今出すの無理かも〜!」

「たぶん、まだ覚えてるから大丈夫」

「ならお任せっ!ウチは指一本も動かせないから〜!」

 

 ブリンクの発言と、ルミナスの解釈は食い違うものだが、辿り着く場所が同じならば問題ない。

 ルミナスが目を瞑っている間、ブリンクは見下ろす景色の中から記憶に残る光景を紐付けて、最も鮮やかな一箇所へと辿ってゆく。

 似たような一軒家が並ぶ、目的のそのひとつへと。

 

「……そのままだ」

 

 ブリンクの呟きは浮遊感に目を回していたルミナスには届かず、彼女は地面に立っている事をよくよく踏み締めて確認していた。

 

「着いた〜?」

「うん。ここだよ」

「よぉ〜し、うぅ……まだフワフワする感じがぁ……」

 

 ルミナス腰が引けた歩き方で目的の家へと歩いていって、インターホンを鳴らせば1秒足らずで扉が空いた。

 出迎えたのはケイナイン……黒髪には寝癖がついているし、寝巻きではあったが。

 

「……」

「おはようございま〜す!寝てました?」

「ええ、おはよう」

「寝てましたよね〜?」

「……5秒待って」

 

 有無を言わさず扉を閉じて、閉め出されたルミナスは10からカウントダウンを始める。

 その間も、ブリンクは玄関からは距離を取り、敷地内には入らず歩道からその様子を眺めていた。

 

「い〜ち、ぜ──」

「ゼロ。問題無いわ」

「もう既に時間に遅れてるんです〜」

「私が走れば良いでしょう……」

「前はカッコつけた事言ってましたけどぉ……ホントは速く動けちゃうから時間にルーズなんですねぇ」

「ああ、うるさい……行ってきます」

 

 低血圧なケイナインは家の奥へと声を掛け、玄関からのそりと出てくる。

 後手で扉を閉める、その僅かな時間に。

 ブリンクは一瞬通った視界に、家の奥から手を振る女性の姿を見た。

 夢で何度も聞いた声が、それとはまるで違う声色で「いってらっしゃい」と言う。

 

「──っ!」

 

 見えたのは、ほんの一瞬。

 視線はケイナインに向いており、その視界にはブリンクもルミナスも存在しない。

 

「ブリンク?大丈夫〜?」

「えっ?あ、ああ……大丈夫」

 

 一瞬見えたものが、聞こえたものがブリンクを酷く揺さぶる。

 この後もルミナスとケイナインは何やら話していたものの、ブリンクの頭の中には言葉は全く入ってこない。

 代わりに、10年ぶりに見た母の姿が、何度も何度も脳裏を過ぎっていた。

 

◆◆◆

 

「ウチ、今度BBQに行くんですよ〜」

「へえ、そう」

「もっと興味持ってください〜!ねぇ?」

「……」

「お〜い?」

 

 3人揃ってランチを食べて、午後からも遊ぶエネルギー補給、そして楽しく会話を……という時間なのだが。

 ブリンクは朝からずっと心ここに在らず、といった様子で食事の手も進まない。

 そんな様子を見かねて、ケイナインは強く呼び掛けようとしたのだが。

 

「ブリン──」

「わぁあ!ダメですよ……!マスクしてない状態で名前を呼んじゃ……!」

「彼女はいつも顔を出してるじゃない」

「ウチらがバレる危険性もあるんですぅ〜!」

「後輩に小馬鹿にされた……」

「呼び方には気を付けないとだよねぇ?」

 

 やはり、ルミナスの呼び掛けにブリンクは反応を示さず。

 代わりに数秒遅れでようやく、視線を向けられている事に気が付いた。

 

「え?何?」

「寝てた〜?今日、ひょっとして無理させちゃったかな?」

「そ、そんな事ないよ……!」

「ならもっと、しゃんとしなさい」

「わ〜。ケイってばママみた〜い」

「せめてお姉さんとかにして。あと何その呼び方、馴れ馴れしい」

 

 ブリンクはキョロキョロと2人の顔を見回して、そうして曖昧に笑い、眉を下げて困った顔をする。

 

「ごめん……なんの話だった?」

「BBQの話〜。お兄ちゃんが連れてってくれるんだぁ。した事ある?」

「無いなぁ。どんな事するの?」

「お肉を焼く……?」

「へえー……楽しいの?」

「ケイ〜?人生の先輩らしく、BBQの楽しさを教えてあげてくださいよぉ」

「私だって片手で数える程度しかやった事がない」

「じゃあその時の話してくださいよぉ」

 

 ケイナインは露骨に面倒臭さを顔に出したが、それでも苦虫を噛み潰したような顔をしながら語るのだから、ルミナスにナメられるというもの。

 

「弟が2歳とか3歳とか、それくらい頃に」

「それで〜?」

「弟が熱されたグリルを触ってしまって、母が大慌てで弟の手を冷やしていた」

「ほぇ〜、ウチも触らないように気を付けなきゃ」

「3歳の子と同じ事する可能性あるの……?」

 

 と、会話に僅かながら意識を向ける始めた時。

 ブリンクは時計を見て、席を立つ。

 

「ごめん、ちょっとトイレに……」

「はいは〜い、いっトイ──」

「品位を保ちなさい」

 

 口を塞がれたルミナスに見送られ、ブリンクはトイレへ向かう。

 女性用のトイレに入る事に躊躇いはしたが、目的があるからには意を決して堂々と。

 そうして個室に入るなり、腕捲りしてドラッグと注射器を取り出し追加の準備。

 

「あと2回分……今日、2人と遊ぶにはもうひとつ使うしかない」

 

 ここまで来たのだから、今更使わないわけにもいかない。

 注射器は青白い薬液を吸い上げて、未だ少女の細腕へと送り込む。

 飲食店のトイレで怪しげな注射をしているなど、言い訳の出来ない状況なのだが。

 

「なんか……頭スッキリした!ああ、うん!これなら全力で楽しめそう!」

 

 さらには覚醒作用。

 憂いは吹き飛び、午後へ向けて気力は充分。

 とはいえあまりに不自然なので、ブリンクは舞い上がる気持ちを必死に抑えて席へと戻った。

 

「お待たせ」

「ねぇねぇ聞いてよぉ〜ケイってこう見えて、ヒーリングミュージックが無いと寝られないんだってぇ〜」

「余計な事は言わなくてよろしい」

「あとタオルケットを頭まで被らないと眠れないんだって!」

「知らなかった……」

「誰しも睡眠のルーティンくらいあるでしょう……あるわよね?」

 

 ブリンクも、午後からのスケジュールには身が入った。

 ルミナスのショッピングにケイナインと2人で後ろを着いて周り、共に物欲が無いものだからルミナスはご立腹。

 

「こういう時になんでも良いから買うったら買う!これが人生を豊かにするんですからねぇ〜!」

「プロテインが欲しいわ。そろそろ新しい味が欲しい」

「色気がな〜い!」

「僕は欲しい物ないから……」

「2人ともつまんな〜い!」

 

 そしてブリンクのリクエスト通り、アクション映画を観た。

 上映後に空のポップコーン容器を抱えて

 

「凄かった……」

「アクションのキレが良かったわね。途中のラブシーンは不必要だと思うけれど」

「確かに」

「えぇ!?愛が重要なんですよぉ!?結果じゃなくて過程!愛がね!」

「それなら変な事しなくて良いのに……」

「むふふ、アレを変な事って表現する可愛いとこが──」

「下品よ。黙りなさい」

 

 楽しく過ごす時間はあっという間に過ぎ去ってしまうもの。

 各々が、具体的に何をしたかは覚えていないような、そんな何気ない時間が終わりを告げようとしている。

 陽が傾いて、否応なしに終わりを感じてしまうもの。

 最後に3人は、アイスクリームを食べようとアイスクリームトラックへ向かったのだが。

 

「退け!邪魔すんじゃねぇ!」

 

 と、怒号が聞こえた。

 声の方向を見てみれば、人混みを乱暴に掻き分けた男が息を切らして走っている。

 手には銃。

 明確な犯罪の様相に、3人は一気に緊張状態に。

 

「あれって──!」

 

 ブリンクが声を上げ、なんとかしようと一歩踏み出し……

 

「──終わったわ」

 

 脚を着いたその時には、男は拘束されて追っていた警察に捕まっていた。

 

「さっすがぁ!待ち合わせにもそれくらい速く来たらいいのにぃ!」

「……今日一日で、すっかり舐め腐った態度を取るようになったわね」

「やだなぁ、親しみですよぉ。ねぇ〜?」

「えっ、僕?その……色々知れて、楽しかった」

「そう、せいぜい私の私生活で楽しんで」

「そ、そういうつもりじゃ……!」

「からかってるんだよぉ」

 

 なんだかんだと言いつつも、ケイナインは年長者として今日の支払いは全て持っているし、アイスクリームもルミナスの遠慮無しの注文に、眉を微塵も動かさずに財布を開いていた。

 

「あのクソガキは腹痛にでもなればいい……貴女は?」

「僕は、あの……これで」

 

 ブリンクが遠慮がちに指差したそれを見て、ケイナインは眉を顰めてブリンクを睨む。

 

「アレみたいに4段だとか5段なんてバカな注文はともかく、遠慮はしなくていい」

「僕……アイスあんまり食べた事なくて、どうしたらいいか分からなくて」

「そう。それなら私と同じ物にする?」

「──!それ、それが良い!」

 

 こうして、ブリンクはケイナインと同じ3段重ねのアイスを受け取り、並んで食べた。

 恐る恐る、少しずつ。

 

「あま〜」

「本当に……その量食べて大丈夫なの?」

「美味しいなら大丈夫ですよぉ」

「そういうものなのかな……」

「そうそう、ほらほら早く食べないと溶けちゃうぞぉ!」

「えっ、えっ!?──ぅあ!頭キーンってする……」

「あはは!その反応が見たかったのさぁ!」

「貴女こそ喋る暇があるのなら食べなさい」

 

 楽しい時間は名残惜しく、しかしアイスクリームのように溶けてしまう。

 とにかく今を楽しまなければ消えてしまい、時間と共に増してゆく喪失感と共に食べ進める。

 

「食べ終わっちゃった」

「美味しかった〜?」

「うん。こんなに美味しいもの、初めて食べた」

「そっかそっか、それなら何よりだねぇ。また食べたい?」

「うん……もし、食べられるならまた3人で」

 

 ぼんやりと、余韻に浸って夕陽の赤に照らされる街を眺めても、残酷に時間は過ぎ去ってしまう。

 このままではいつまでもこうしていると、動き出したのは年長のケイナインだった。

 

「はい。私は貴女達を安全に家まで帰す義務がある……ルミナス、貴女にはタクシーを呼ぶ」

「帰りはみんなで一緒ですか〜?楽しくトークしたいなぁ」

「貴女ひとりよ。私は走って帰るし……彼女もそうでしょう」

「うん、テレポートするよ」

「え〜。じゃあウチが最初に帰るのかぁ」

「今日はありがとう。嬉しかった」

「ウチも楽しかった〜!また(・・)遊ぼうねぇ」

 

 笑顔で手を振り、離れる事を残念がるルミナスを引きずって、ケイナインは呼んだタクシーまで歩いていった。

 ブリンクはここで帰っても良かったのだが、不思議とその場に留まり、戻ってくるかも分からないケイナインを待つ。

 夕陽の傾きが明確に分かる程度には待った頃、呆れ顔のケイナインが戻ってきた。

 

「呆れた……まだ居たの?」

「うん。なんだか楽しくて」

「貴女は……はあ、どの程度心配したら良いのか分からないけれど、早目に帰りなさい」

「そうする。心配してくれてありがとう」

「それも大体仕事の内よ。それじゃあ」

 

 ケイナインが手を振って、背を向けて歩いてゆく。

 段々と離れるその背中を見て、ブリンクの胸の内にざわつくものが生まれ始める。

 

(ここで、なにか……もっと話したい!)

 

 だがそれを切り出す勇気が持てず、遠ざかる背中を眺めてはいつ消えてしまうかもしれないと、焦燥感が胸を突く。

 

「あ、あの!」

 

 と、殆ど衝動的に発した声に、本人ですら驚いていたのだが、確かにその声はケイナインに届いて呼び止める事に成功していた。

 振り返った彼女の、怪訝な顔──少しばかり人相が悪い、その奥に優しさのある顔を見て、ブリンクは駆け寄り続く衝動を言葉に変える。

 

「あの……連絡!してもいいかな」

「悪いけれど、貴女と連絡先を交換するつもりはない。線引きはしなくてはならないわ」

「ならファンレターを送る!それで……褒められたい」

「ちゃんとそのスーツを脱いで本名を名乗り、そして学校に行くならね。必要なら支援へと繋げるから」

「支援は……大丈夫。ヒーロー活動以外でも、もしかしたら頑張れるかもって、少し思えたんだ」

 

 ブリンクはやはり自信なさげに、控えめに笑うのだが、ケイナインは何も言わない。

 本当に大丈夫か、などと無粋に聞きはせず、ただ信頼して頷いた。

 そして、ブリンクへ真剣な眼差しを向ける。

 

「今度、例のドラッグの一斉摘発がある」

「な、なんで僕に教えたの?」

「いえ、ただ……あのドラッグは危険で、毒とそう違いはない」

 

 まさか目の前の人間が、その毒を喰らって化けている存在だとは思わず、嫌悪感を含んだ言葉は続く。

 

「貴女が助けたあの少女──」

「ロッティ?」

「ええ、彼女の母親に元夫の着せた濡れ衣を私達は晴らした……でも、彼女はドラッグを使用した事で昏睡状態に陥り、未だ目を覚さない」

 

 ある意味では、トドメを刺したのはブリンクだろうか。

 ロッティが母親との時間を過ごせずようにと、ドラッグの投与を選択肢として提示して、それを行なったのはブリンクだ。

 もしもの話ではあるが、それを行わなければ、今もロッティは母親と会話が出来たかもしれない。

 そこに思い至れば、ブリンクの血の気は失せてしまった。

 

「他にも貴女が解決した幾つかの事件でも……後遺症が残った者が居るわ」

「じゃあ、僕のした事は……無駄だった?」

「少なくとも、その善意をあのドラッグは無駄にした。貴女がなんの憂いもなく普通に……幸せに過ごせるように、私達──私は全力を尽くす」

 

 覚悟と共に、ケイナインは宣誓する。

 後悔を糧に、逃げるのではなく前へと進もうと。

 過去を振り切り、未来の為に走ろうと。

 

「貴女が私を信頼してくれるのなら、私はその期待に応えるわ。だからもう、スーツは着なくても良いわ。貴女がやろうとした事は、全て私がこなしてみせる」

「大変じゃない?ひとりで僕の分までやるのさ」

「私は一件に掛ける時間が少ないの。だから余裕ね。貴女も助けが必要な時は呼びなさい。私の脚ならすぐに駆けつける事が出来るから」

 

 ケイナインが浮かべたのは、優しい笑顔。

 普段は隠した口元を柔らかく緩めた顔。

 安心させるように、自然に出たもの。

 

「カッコいいね、ケイナインは」

「ええ、私は──ヒーローだもの」

 




ケイナイン、ランチは2人前をペロリですし、映画観る時はバケツみたいにデカいポップコーンをひとりで抱えて、更にホットドッグやナチョスを食べてます。
高速で動く分、代謝がバカみたいに良いんですね〜

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