東方×青響フルスペクトラム!   作:伝説の超三毛猫

9 / 24
レイカと鏡争奪戦編。
まじでどうするか悩みました。日本の倫理観を持つレイカをどうやってテロに参加させるか的な意味で。あとヒマリってこんな事する子なのかな?確かにいたずらっ子だし、超イイ性格してるけど、脅迫とか絶対するわけないだろうな~~~!でも目的のためなら進んでフィクサーっぽい事するだろうなー!でもいいのかな~~~コレ?後輩は大事にするだろうけどさ〜〜!!って思いつつ……

一度投稿したのですが、ヒマリの言動にどうしても納得がいかず、そして感想にも「ヒマリはそんなことしない」と来たので、やっぱり書き直しました。

ヒマリとのコミュをなくした代わりに、レイカの過去について深掘りしていく形になります。

皆さんには大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。


Q.レイカの好きな東方キャラは?

レイカ「え、なに急に。霊夢と魔理沙だけど。あの二人は東方には絶対欠かせないわよね。飄々として常に余裕ぶった天才の霊夢と熱血で努力家で火力主義な魔理沙のコンビがいいんじゃないの。憑依華みたいにコンビ組んでシューティングの方で異変解決して欲しいわね。多分叶わないだろうけど。あとね、あの二人が無意識にお互いを求めあってるのが一番良いの。魔理沙が『霊夢がいないとつまんなくて死んじゃう』とか言ってたし、霊夢も霊夢でナチュラルに魔理沙を気にかけてるのとかエモいわよね。つーかそもそもこの二人ご飯とか分担してるのよ?そこまでいったらもう確実に同棲でしょ。つまり実質夫婦と変わらないわよ。夫婦に決まってるわ間違いない」

Q.…レイカ自身の最推しは?

レイカ「なんでそんなこと答えなきゃいけないのよ……髪色だけでも? それでも絞れちゃうでしょバカじゃないの?…………………えっと、金色……」

Q.レイカの嫁(最推し)を当ててみよう!正解した人の中から抽選で1名に、レイカを好き放題できる「レイカのフリーパス」をプレゼント!!!

レイカ「何勝手なこと言ってるのよ!!!? あげるわけないでしょフリーパスとか!! どーせエッチなことにしか使われないわよ!!!」


勇者パーティ『バード』のレイカ

 『廃墟』にて謎の少女を見つけた後。

 ゲーム開発部の部室まで撤退した私達は、今日はそこでお開きとし、モモイとミドリと連絡先を交換して帰ったのだが。

 彼女たちが拾ってきたアリスの様子が、ちょっと見ない間にかなりおかしくなっていたようだ。

 

「回答します。本機、アリス」

 

 これが、

 

「パンパカパーン! アリスはバードのレイカとエンカウントしました!」

 

 こうだ。

 キャラ崩壊というレベルではない。もはや別人だ。

 いくらゲーム開発部に興味がないからって、流石にこれは誰でもおかしいと思うでしょ。改造でもされたの?

 

「モモイ、あんたなにしたのよ」

 

「え、ええええええっ!!? な、なにもしてないよ!? というか、なんで私なの!!?」

 

「ゲーム開発部でやらかすのは絶対モモイでしょ」

 

「偏見だ!!!」

「確かに」

 

 モモイは抗議したが、ミドリは頷いた。

 なんか、あんま長い付き合いじゃあないけど、それでもこの双子の立ち位置がなんとなく分かった気がする。

 

 それで、どうしてアリスがこうなったかを聞いてみた。

 なんでも、テイルズ・サガ・クロニクルをはじめとした様々なゲームを通じて、アリスに学習をさせた結果がこうなったという。

 なにそれずるい。アリスの口調がRPGっぽいのもゲームの影響か。知らない間にゲームで教育させてたなんて…!

 

「叶うならアリスに東方Projectやらせたのに……!!」

 

「レイカ、なんて?」

 

「何でもないわ」

 

 私のオススメルートで東方の世界観に馴染ませたかった。

 最初は簡単めな『東方鬼形獣』や『東方天空璋』で入門させて、『風神録』『神霊廟』『妖々夢』で経験を積ませ、『紅魔郷』『地霊殿』『星蓮船』で仕上げさせるくらいしたのに。

 だが、この世界に「東方Project」が存在しない以上、すべては夢物語でしかない。

 あぁ……キヴォトスにあの神ゲー達を持ってこれたらなぁ!

 

「ところで、なんで私はバードなの? アリス」

 

「はい! モモイ達から活躍は聞いています! レイカは、音楽を奏でることで、仲間にバフをかけることができていたと! これは、様々なRPGに出てきた吟遊詩人とほぼ同じ立ち回りです!!」

 

「うーん…私、吟遊詩人ってわけではないし……」

 

「でも、音楽を奏でて味方を強化できるジョブはバードしかありませんよ?」

 

「えーっと………あ、あと、歌えるのをあまり知られたくないから、他の人には黙っててくれるかな?」

 

「つまりシークレットジョブだったのですね!解放条件があるというのであれば、アリスに教えてくれますか!?」

 

 何だろう。この、言語は通じるのに会話が成立していない感触は。

 なんかこのアリスって子、現実をゲームそのものと勘違いしてない?

 

 そんなアリスがゲーム開発部に迎え入れられた数日後。

 先生から「どうしても君の力が必要なんだ」と、再び廃墟への同行を求められた。

 アリスの「バード」認定に困惑しながらも、断れないのが私の性分だ。まぁ、そもそも「G.Bibleを探す手助けをする」と決めている以上は断る選択肢はない。

 

 今回は、ゲーム開発部部長のユズも同行すると聞かされた。

 彼女は、ゲーム開発部廃部の危機を前に、部長としての責任感から参加するらしい。

 

 再び足を踏み入れた廃墟は、以前と変わらず警戒用のロボットが巡回していた。

 

「先生、私、あんまり戦闘は得意じゃなくて……」

 

 ユズは小さな声で呟き、先生の後ろに隠れるようにしていた。彼女の視線は、周囲のロボットに怯えている。

 

「“大丈夫だよ、ユズ。アリスとモモイ、ミドリ。それにレイカもいるからね”」

 

 先生の言葉に、ユズは心細げに頷いた。

 

「“よし、作戦開始だ。レイカ、頼むよ”」

 

「りょーかい。では早速」

 

 先生の指示を受け、私は再びシンセサイザーを起動した。

 今回は、事前にユズにも、私の音楽が「バフ」となることを説明していた。「地の色は黄色」の荒れ狂う旋律が、廃墟に響き渡る。

 モモイとミドリの銃弾が、まるで意思を持ったかのようにロボットの弱点を撃ち抜き、アリスは「アリス、モンスターの群れを殲滅します!」と叫びながら、躊躇なく敵の懐に飛び込んでいく。

 

 私の音楽は、ユズにも作用していた。

 彼女の怯えは消え、表情には微かな集中が宿る。

 手の震えは収まり、時折外していたグレネード弾の命中率が上がり始めたのだ。

 先生もまた、私の音楽によって冷静さを保ち、最善の判断を下していく。

 

 私がコンダクターとなり、皆が奏者となって、廃墟という舞台で一つの壮大なオーケストラを奏でている。

 それは、東京かどこかの演奏の舞台のようであった。

 

 やがてロボットの群れをなぎ倒していった私たちは、ついに「G.Bible」が眠るという、最奥の部屋へと辿り着いた。途中、アリスちゃんが誘われた部屋で、謎のAIとの対話があり、その過程でモモイのゲームガールのセーブデータを全部消されるというハプニングもあったが、最終的に「G.Bible」のデータを手に入れることには成功した。

 

 だが………

 

 

 

「「「鏡?」」」

 

「うん。そう名付けた解析ツールなんだけどね。私達ヴェリタスが持ってたんだ」

 

 この「G.Bible」の解析に、「鏡」というツール——暗号解読を最適化する道具——が必要らしい。

 でも、ヴェリタスはこの前セミナーの徹底的な調査を受け、「鏡」は没収されてしまい、現在は差押品保管庫に置かれているのだという。

 

「ねぇマキ、コタマ先輩」

 

「ん?」

 

「な、なんですか?」

 

「『鏡』なんかに頼らなくっても、ヴェリタスが普通にハッキングすれば中身って見れないものなんですか?」

 

「無茶言わないでよ。『鏡』無しだとめちゃくちゃ時間かかるよ。きっと、ミレニアムプライスまでに間に合わない」

 

「効率的にパスを解読するためにも…『鏡』は絶対欲しい」

 

「それに、無理に解除しようとすると、どこかで中身のデータが破損するかもしれません。中身の安全の為にも、『鏡』を使ったほうがいいでしょう。いくら巫女さまのお願いでも、こればかりはどうしようも…」

 

「え、コタマ先輩最後なんて言いました?」

 

「いっ、いいえ、なんでも!!」

 

 最後の言葉だけ聞き取れなかったが、どうやらヴェリタスの三人がハッキングして簡単に解決する話でもないらしい。

 セミナーに押収されている「鏡」が無い限り、「G.Bible」の中身は見れないのだという。

 でも、そうか……セミナーが持っているのか。だったらユウカ先輩と話し合って一時的に借りるとか出来ないかなぁ。

 

「私達もアレがないと部長に怒られるし……仕方ない、私達と手を組まない?」

 

「マキ?」

 

 耳を疑う発言が聞こえた。

 その流れから行くと……マキ、あんたまさか私やゲーム開発部を巻き込んでセミナーに襲撃かけようとしてない?

 

 話の続きを聞いていくと、ヴェリタスもゲーム開発部も「鏡」がないと困る。利害が一致しているだろうと。

 で、差押品保管庫はメイド部・C&Cが守っているらしいが、目的は「鏡」の奪取。戦闘を避ければ勝算はあるとか語り始めた。

 

 嘘でしょ、それって……絶対テロかなにかの犯罪じゃないの? なんでだれも指摘しないのよ!?

 こうなったら……仕方ない。直接言うか。

 

「ねぇ、みんな」

 

「? どうしたの?」

 

「そういう話なら私、降りるわ」

 

「え、えぇぇぇぇぇっ!!?なんでよレイカ!?」

 

「なんでじゃないわよ。マキ、あんたその提案テロだってこと分かってるの? モモイも乗ろうとするんじゃないわよ」

 

「そ、そうだけど……」

 

 もしそのテロが失敗したら、部活を守るどころの話じゃあないわ。全員、即・退学にされてもおかしくないわよ。

 悪いけど私は……そんな危険な橋を渡る事なんて出来ない。

 

「特にC&Cがどれだけ強いか、モモイもなんとなく察してるんじゃない?

 私、この前アスナさんに出会いましたけど、あの人暴れ回ってた不良数十人を、1分足らずで鎮圧してましたよ」

 

「が、ガチ過ぎる!!?」

 

「べ、別に戦う必要はないって言ったよね?」

 

「そんなアスナさんのいるC&Cから無傷で逃げ切るのが無茶だって言ってるんですよハレ先輩。全員大怪我しながら捕まるのがオチです」

 

 正面からじゃ勝てないからって、裏をかく気持ちは理解できる。

 でも、ホントに強い人は、そういう策を食い破るからこそ強いんだ。

 前世でも見た。真に才能に恵まれている人は……そのような、小手先の技術に頼らなくても凄いのだ。

 

「ま、待ってください! レイカは勘違いしています! アリスは幾度となく世界の危機を救ってきました!

 今回のクエストだって、C&Cの人たちにも倒すための攻略法があるはずです!」

 

「ノーミスノーコンティニューでいけるの?」

 

 私の反論に、アリスは勿論、ゲーム開発部やヴェリタスの皆も黙った。

 どんな人でも、ゲームのコンティニュー位1度は経験している筈だ。私だってそうだ*1。

 現実はゲームとは違う。1回ゲームオーバーすれば終わりだ。

 この『鏡奪取作戦』だって、コンティニューなんて出来る訳がない。

 

「それでもやる気なら、勝手にすればいいわ。……せめて、先生には迷惑かけないでよね」

 

 雰囲気は最悪だけど、犯罪に加担するよりマシだ。

 そう自分に言い聞かせながら、その台詞を吐いてヴェリタスを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、ユウカ先輩にダメ元で『鏡』を借りることはできないかと尋ねてみた。

 返ってきた答えはもちろんNO。危険だから没収したものを貸し出すわけがないという至極まっとうな意見だった。

 

「…レイカ。なんで貴方、『鏡』なんて必要なのよ」

 

「……友人のゲーム機に入っているデータが、鍵かかってまして。当の本人もパスワードがわからないとか言い出したんですよ」

 

 嘘は言ってない。

 でもユウカ先輩は「ならゲーム会社に連絡しなさいよ、『鏡』使うまでもないわ」と反論してくる。

 

「軽く調べたのですが、パスの解除だけってサービスはしてなくて……リセットするしかないらしくってですね…」

 

「だからって……『鏡』はハッキングツールなのよ?」

 

「ですから、例えば…セミナーとC&Cの立ち合いのもと、パスワードの解除だけを行う。それで、使い終わったらセミナーに返す、みたいな形でお借りすることってできないのでしょうか?」

 

「……そもそも『鏡』はこっちで没収した物。それを貸し出そうなんて、前例がないわ。不可能だと思う………いずれにせよ、ここで即答はできないわ。会長なんかと相談しないといけない案件よ…多分駄目だろうけどね」

 

「……無茶言ってすみません」

 

 セミナーに差し押さえられた物である以上、簡単に借りるなんて出来る訳ないか。

 ユウカ先輩に頭を下げてセミナーを去る。これ以上は、もういいだろう。

 義理は果たした。これ以上、モモイ達ゲーム開発部にはもう関わらない方が良いかもね。

 

 

 

 その日の夜。自室のベッドに寝転がりながら、私は今日の出来事を反芻していた。

 もう関わらない。そう決めたはずなのに、頭の片隅で、モモイたちの顔がチラつく。あの後、彼女たちはどうしただろうか。流石に諦めたかな。

 そうであってほしい、と願いながらスマホをいじっている。眠気は、なぜか訪れなかった。

 

「……はぁ。なんでモモイ達(あいつら)の事ばっかり考えるんだろ」

 

 思い出されるのは、これまで出会った彼女たちの言動。

 そそっかしくて、考えなしのモモイ。それを支える出来た妹のミドリ。私以上に人見知りなユズに、私を「バード」と呼んでくれたアリス。

 ……だめだ、考えるな。アイツらと私はもう、関係ないでしょ。

 私の才能は、力は、人生は……私自身のためにあるんじゃないの?

 

『(―――本当に?)』

 

「!!!?」

 

 心臓が跳ねた。がばりと起き上がる。周囲を見渡す。

 ……誰もいない。当然だ、ここはミレニアムだぞ。誰かが侵入してくるわけがない。

 

 分かっている。今のは……誰かの声では、決してない。心の奥底から、泡のように浮かび上がってきた、私自身の声だ。

 

『(そうやって、見て見ぬふりをして、本当に後悔しない?)』

 

 うるさい。黙れ。

 お前は、私がどうしてこんな風に生きているか、知らないわけないだろう。

 そうやって、誰かを信じて、思いやった結果、どうなった?

 中(・)学(・)時(・)代(・)で(・)、そ(・)れ(・)を(・)痛(・)い(・)ほ(・)ど(・)学(・)ん(・)だ(・)だろうが。

 

『素晴らしい歌だ。ぜひ、その歌で我が校を盛り上げていってほしいのだ!』

 

 そんな、聞こえの良いことばかり言って。

 

『君の音楽は、少し狙いが狭すぎるのだ』

『音楽の私物化はやめてくれ。君の才は、より多くの人を幸せにするためのものだ』

 

 私の魂を、勝手な理屈で支配しようとして。

 

『言うことを聞かないなら、君はもう要らない』

『いいんですかい? 私も一度聞いたけど、いい歌歌うのに』

『構わん。指と喉を狙え。二度と音楽が出来ない体にしろ』

 

 気に食わなければ、壊して、奪って、踏みにじろうとしてくる。

 そんな連中のどこに、信じる価値がある? 助ける意味がある?

 私自身が幸せであるならば……他人なんてどうなったっていいだろうが!

 

 そう言い聞かせるように強く願ったからか。

 先程聞こえていた幻聴は、まるで本当に消え失せて……

 

『(――ミレニアムに入ってからのあんたの生き方は、そうじゃないって言ってるっぽいけど)』

 

 最後の最後に、そんな意地の悪い置き土産だけを残して、それっきり、もう声は聞こえなくなった。

 

「あー……」

 

 嵐が過ぎ去ったかのように、静かになった。腹が立つほどに、頭が軽い。

 それに反して、鉛のように重かったはずの体は、もう、やるべきことに向けて自動的に動き出していた。

 

「最低だ、私……」

 

 独りごちた言葉は、賞賛だったのか、それとも、罵倒だったのだろうか。

 組み立て式のギターを手に取る。銃をホルスターに入れ、最低限の荷物が入ったバッグを背負った。

 そこに英雄的な覚悟も、仲間を思う美しい心もない。

 ただ、放っておけない自分への、どうしようもない諦めだけがあった。

 

 

 

 

 

 

 …………そして、現在。ヴェリタスの部室にて。

 作戦決行を前に、モモイやマキが最後の意気込みを語っている、その背後で。

 ゆっくりと、部室のドアが開いた。

 

「良かった……まだ、無謀な突撃はしてないみたいね」

 

 全員が、一斉に振り返る。その顔には、驚きと、安堵と、戸惑いが混じり合っていた。

 

「レイカ!!? 一体何しに…」

 

「ユウカ先輩にちょっとした交渉と……あと、誰かさんに説得されてね」

 

 目の前の皆に気付かれないように、深呼吸をした。

 こうなったら……覚悟を決めるしかないのか。

 犯罪には無縁の人生を送れると思っていたけど―――私は。

 

「気が変わったわ。私も同行する」

 

「ホント!!?」

 

「言っておくけど、あんた達が致命的な馬鹿をやらかさない為―――」

 

「やっぱり、アリスの思った通りです!!」

 

「え?―――わぁっ!?」

 

 誰かに手を掴まれた。

 そっちを向くと、満面の笑みを浮かべたアリスが。

 

「アリスは信じていました! レイカはアリスのパーティメンバーなので、一時的に仲間から抜けても最後には戻って来るって!」

 

「え、何…? アリス、私のいない時になんて言ってたの…!?」

 

「アリス、知ってます! レイカみたいなキャラクターは、ツンデレって言うんです!!」

 

「………………へ?」

 

 私の思考が、完全に停止した。

 ツンデレ? 誰が?

 覚悟を決めて、犯罪に加担するという、人生の一大事とも言える決断をした直後に、なぜかよく分からないレッテルを貼られている。

 そんな私の混乱を置き去りにして、部室の空気は一気に熱を帯び始めた。

 

「ツンデレ!? まさかギャルゲーのキャラみたいな!? やったー! レイカが仲間になったぞー!」

 

 モモイが、私の腕を掴んでぶんぶんと揺らす。その満面の笑みは、私の複雑な心境など微塵も気にしていない。

 

「これで戦力が大幅アップだね! よーし、早速作戦会議の続きしよ! レイカがいれば百人力だよ!」

 

 マキもマキで、すでに手元の端末に指を走らせている。切り替えが早すぎる。

 

「お姉ちゃん、騒ぎすぎ。……でも、レイカ。ありがとう。心強いよ」

 

 少し呆れたように、しかし安堵の表情を浮かべたミドリが、そっと頭を下げた。その隣では、ユズとハレ先輩が、まるで面白いものを見るように、穏やかな笑みを浮かべている。

 

 そして、私のすぐそばでは。

 コタマ先輩が、何故か胸を押さえ、顔を真っ赤にしながら、プルプルと小刻みに震えていて。

 

「(み、巫女さまが…ツンデレ…!? 素直になれないだけで、本当は私達のことを助けたいと…? ああ…なんと尊い…慈悲深い…これが、神のツンデレ…『神デレ』…!)」

 

 ふぎゅっ、と小さな悲鳴を上げて、彼女は静かに壁際へともたれかかっていく。

 

 嬉しい、とか、頼もしい、とか。

 皆がそれぞれ、勝手な感情を私に向けてくる。

 違う。私は、そんなポジティブな理由でここに来たんじゃない。

 もっと打算的で、自己中心的で、消極的な理由で、仕方なく、本当に仕方なく……!

 

 込み上げてくる理不尽への抗議の念が、ついに喉から爆発した。

 

「私はツンデレじゃないッ!!!」

 

 私の魂の叫びは、しかし、「やったー!」「作戦開始ー!」というモモイたちの歓声にかき消され、誰の耳にも届くことはなかった。

 

 

*1:
東方大好きのレイカだって、全シリーズノーコンティニューの腕前は持っていない。特にレイカ個人的に正邪は未だに許してない模様。




白峰レイカ
鏡争奪戦への参戦理由はズバリ「見知った人を見捨てられないから」。アリスについても良い感情を持っているので、彼女を見守るためでもあり、モモイ達がこれ以上に致命的なポカをやらかさないか見張るためである……と主張している。実質ただのツンデレ。
「だから、ツンデレじゃない!!!!!!!!!!!!」

才羽モモイ&ミドリ
レイカも作戦に参加してくれるものだと思ってたから、急に「降りる」と言われた時は戸惑った。レイカ退室後、アリスに説得されたため簡単に帰ってきたレイカを受け入れる。
「レイカがいるなら、歌でユウカなんかを洗脳できるんじゃ…?」
「そんな単純な話かなぁ…」

天童アリス
レイカが去った後、ゲーム知識から「こういうパターンは最終的に仲間ともう一度パーティを組めるから大丈夫」「レイカはツンデレだから必ず戻ります!」と説得してくれていた。レイカ的には頼んでない。
「レイカ、あまりパーティから離れすぎると死亡フラグになりますから、気を付けてください!」

早瀬ユウカ
レイカに「『鏡』貸してくれ」って言われた時はビックリしたが、理由を説明すればちゃんとわかってくれたから、物わかりのいい子だと思っている。
「レイカが話が分かる子で良かったわ……うちの問題児、話が分からないならまだしも、そもそも話に来ない人とかもいるから……」

小塗マキ&小鈎ハレ
次回、レイカの能力を知る。ヤバ過ぎる&非科学的過ぎて引く。
「レイカってどれくらい強いの?」
「アリスはバードって言ってたけど……バードは、えーと……吟遊詩人??」

音瀬コタマ
最推しのツンデレで死んだ。
「」_(┐「ε:)_チーン

好きな東方ボーカルは?

  • 幻想に咲いた花
  • Bad apple!!
  • 月に叢雲花に風
  • HANIPAGANDA
  • ファビュラス
  • Help me, ERINNNNNN!!
  • ウサテイ
  • 23145EASONS
  • Spring of Dreams
  • 天狗ノ華
  • Paranoia
  • 鬼畜最終妹フランドール・S
  • 幻想サテライト
  • 色は匂へど散りぬるを
  • 天弓天華オトハナビ
  • ハートビートは鳴りやまない
  • マツヨイナイトバグ
  • フラグメンツ
  • チルノのパーフェクトさんすう教室
  • それ以外
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。